辞任は計画的に

鳩山首相辞任のニュースは、出張の帰りに知った。
大した驚きはなかった。小沢幹事長辞任に関しても同様である。
鳩山氏本人も言ってるが、小沢幹事長辞任と北海道5区選挙違反事件で被疑者となっている小林千代美氏のクビがセットで、「民主党の自浄作用をアピール」が今回の辞任劇の最大の売りである。
したがって、今回の辞任劇はどうしてもこの3人の首切りが必要だった。分かり易い首相辞任、幹事長辞任、そして小林氏の議員辞職の3点セットだ。

注:別ブログでの記事を移植しました。
<辞任にいたる理由>
鳩山氏の辞任理由の普天間問題による社民党離脱だ。
次の参議院選では選挙協力を!と、大々的に報じているが、民主党にメリットは多くとも野党となる社民党には、今の民主党と組むことはメリットよりもデメリットの方が大きくなる可能性が高い。
だから、この選挙協力は成り立たない可能性も多分にある。

小沢氏にしてみれば、政治よりも政局が大事なので、次の参議院選に勝つことを何よりも優先する。つまり、社民離脱は小沢氏にとってはかなりの痛手であったといえよう。
そして、鳩山氏がこのまま首相の座に居座り続けても、今度の参議院選には勝てない。
頼みの綱の子供手当や高校無償化は、財源の問題もあって大きなアピールポイントにはなりにくい。そして、今度の参議院選挙でアピールできるだけのバラマキ資金も簡単には用意できない。

こうなると、最後のカードを切るしかない、と言う判断が働いたのだろうと推測できる。

すなわち、新首相就任による支持率回復効果だ。
現状では内閣支持率は20%を切っており、支持率回復が低迷している自民党に逆転を許してしまった状態だ。ここで民主の株を上げるには、新首相擁立くらいしか残されていないというのが現状なのである。

<新首相にも期待薄>
150人を擁する小沢氏派は、民主党内では最大派閥だ。
小沢氏が幹事長職から退こうが、この影響力が変わることはない。

少数派である管氏や、岡田氏、前原氏にとって、反小沢体制を作ると言うことはすなわち政権が立ちゆかなくなることを意味する。どう転んでも小沢傀儡政権になる、これはもう決定事項だろう。
これまでも鳩山氏は小沢氏の意向に沿って政権を運営してきたのだから、クビをすげ替えたところでなにも変わらない。

そもそも民主政権の一番の問題は、その政治音痴ぶりにある。政治家が政治音痴なのでは笑い話にもならないのだが、民主党の人材は政権運営の経験レベルかが考えれば野党時代が長かったせいで非常に乏しい。
それは、ある意味仕方のない部分ではあるのだが、仕方がないでは済まないのが政治家である。

例えば、子供が病気になって手術を必要としたとしよう。
しかし、訪れた病院の執刀医は「執刀経験はなく、手術は初めてです!」などと言われてどういう気がするだろう?
「初めてだから失敗しても仕方がない」そんな気持ちになれるだろうか?

せめて補佐する人間が経験者ならばそういう気持ちになる可能性も否定はしない。しかし、民主党は「政治家主導!」等というスローガンを恥ずかしげもなく掲げていた。
そして、口蹄疫の問題でも後手後手になった。

これは民主党の人材不足と構造自体が問題なのであって、鳩山氏個人のリーダーシップの無さなんてものはあまり関係がない。首相候補の岡田氏にしろ前原氏にしろ、リーダーシップを発揮できる土壌がないのだ。
首相が替わったところで、閣僚が替わったところで、その事態は殆ど変わらない。

ちなみに明日になれば分かることだが、新しい首相は、大方の予想通り管氏だろう。
他のコマを現時点で使うには勿体ないとの判断が働くはずだ。政治理念の薄い管氏ならば小沢氏にとって選挙の邪魔にならない最適な人材だ。
ただ、対立候補を立てないと「民主的ではない」と言われるだろうから、2~3人犠牲者をでっち上げなければならない訳だが、岡田氏、前原氏はさっさと管氏擁立で逃げてしまったので、難航しそうだな。
また、管氏を取り巻く環境は、反小沢の内閣を望んでいるので、この辺りをどうするのかが見物である。予想では賞味期限切れのビックマウスが売りの田中氏が外務相辺りに、比較的面白い政策を一人で独走中だった原口氏は総務相を続投。年金以外なにも分かっていないことが露呈した長妻氏あたりも続投。江田氏、輿石辺りはどっかのポストに優遇するつもりだろう。赤松氏はもう無理だろうな。岡田氏、前原氏は使わざるを得ないところだが、普天間の主犯に祭り上げられたので、続投は難しいだろう。立場を入れ替えて使うとかだったら笑えるが。

 <混迷の9ヶ月>
結局鳩山政権の残したものはなんだったのだろうか?
多額の負債と、強行採決を繰り返した(今国会だけで10回もの強行採決があり、それも質疑中に強制的に打ち切るという前代未聞のやり方が殆どであった)結果得られたろくでもない法案。
普天間問題では、振り出しに戻ったどころか地元沖縄の信頼を大きく傷つけてしまった。「腹案がある」などという台詞は、一体何だったのか?

鳩山首相自ら5月末を普天間問題の決着時期と位置づけたことで、事実上の5月辞任は決定していた。
そもそも、最初から基地を県外移設するなど、アジア防衛戦略的に考えれば無理難題であって、民主党とてそれを知らなかったなどと言うことはあり得ない。現実問題としてアメリカ軍に駐留して貰うのだから、彼等の意向を無視して移転先を決定すると言うこと事態、無理がある。
つまり、普天間の問題は予定調和なのだ。計画的だった、と言わざる得ないだろう。
このまま8月まで計画がなにも進まなければ、アメリカ議会の予算が付かないという結果になり、普天間返還などということすら無理である。新政権や、万が一自民が政権を奪還したとしても、回避不能な地雷を埋めたことになる。

9ヶ月のうちに民主党が一つでも胸を張って主張できる成果があったのなら、教えて欲しい。

 <明日には新首相>
明日には新首相が決定する。
「政治的空白を作りたくない」との小沢氏の談には同意するが、誰が首相になったところで小沢傀儡政権という事実には変わりない。
それの目指すところは参議院選だけである。

せめて日本の国益を損なわない良識のある首相を望みたいところではあるが……。
民主党にそのような人材が居るということは、寡聞にして知らない。
ランキングへの応援クリックよろしく!
にほんブログ村 ニュースブログ 時事ニュースへ