ドイツの原発政策によるツケと日本の電力政策

ドイツは、福島第1原発の事故を受けて、自国の原発を停止する事を決定している。

ドイツ、原発停止措置によって電力の純輸入国に=独業界団体

2011年 04月 5日 15:36 JST

 [フランクフルト/ハノーバー 4日 ロイター] ドイツのエネルギー・水道業界団体BDEWは4日、原発の一時停止措置により、ドイツは電力の純輸入国になったことを明らかにした。主な調達先は、フランスとチェコ共和国。

 ドイツでは先月、日本の福島第1原発事故を受けて、80年以前に建設された旧型の原子力発電所7基を少なくとも3カ月停止したのに加え、2基が2007年以来停止、1基が定期点検のため停止している。

 BDEWは、ハノーバーで行われた産業フェアの会合で、先月実施された発電能力7000メガワット(MW)の原子力発電所の停止措置により、ドイツは1日当たり50ギガワット時(GWH)の純電力輸入国となったとし、「フランスとチェコからの電力輸入が倍増した」と述べた。

 フランスは電力の80%を、チェコは約25%を原子力でまかなっている。

http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-20438020110405

ドイツが保有する原発は、旧型の原子炉であるために、確かに廃炉を決定すること自体は間違いではないと思う。が、このことがドイツが原発に頼らない国になったとイコールではないことは、しっかり理解しておく必要がある。

 

ドイツをさも脱原発先進国であるかのように吹聴する方が居るが、単に外国の原発から電力を買っているだけに過ぎないのである。今は、だが。

ドイツ、脱原発で電力輸入の危機 冬がヤマ、欧経済全体への影響必至

2011.9.19 05:00

 脱原発を決めたドイツでは、原発停止で生じる電力不足を輸入で賄うために、今年の冬は過去4年近くで初めてフランスよりも多く電力に支出しなければならないかもしれない。

 ブルームバーグがまとめたデータによれば、2012年1~3月の電力契約について、ドイツの契約に対するフランスの同等の契約のプレミアム(上乗せ価格)は、8月25日時点で今年最高値の2.25ユーロ(約240円)から68%も低下し、10年12月10日以来最低の水準となっている。フランスの1~3月の電力契約の価格が最後にドイツを下回ったのは07年11月のことだ。

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110919/mcb1109190501005-n1.htm

そして、その結果、今年の冬の電力について深刻な状況に追い込まれてきているのである。

>独エネルギー大手RWEのグロスマン最高経営責任者(CEO)は先月、アナリストとの電話会議で、最大8000メガワットの電力輸入のために「当社のフランスやチェコからの送電ラインは、負荷がかかりすぎて赤く光っている」と述べ、「このままの状態が続くのか、また欧州連合(EU)のパートナーが今後も電力を供給できる状態にあるのか、われわれには分からない」と述べた。

何れは、自然エネルギー発電で賄うので良いとして、ここ数年が原発無しで乗り切れるかどうかは、欧州の経済危機とも連動してかなりヤバイ状況にあることは事実だ。

仮にEUからの電力供給が絶たれたら、ドイツの産業は立ちゆかなくなってしまうし、冬場の暖房等にも深刻な影響が出るので市民の生活にも直接大きなダメージを受けるだろう。当面はフランスから主に電力を購入する予定らしいが。

先日のフランスでの原子力発電関連施設の事故は、フランスよりも寧ろドイツの政府を驚かしたことだろう。

 

このような状況に進んで陥ったドイツには、それなりに計算はあるのだろう。が、日本ではこうした手は使えないのも事実である。

ソフトバンクが極秘裏に進めるアジアグリッド構想という奇貨

ソフトバンクが日韓露を海底送電網でつなぐ「アジアグリッド構想」を極秘裏に検討していることが、週刊ダイヤモンドの取材でわかった。想定する事業予算の合計は約1兆円。その背後には日本の高コスト体質を見透かした外資系メーカーの存在がある。実現への壁は高いが、電力改革のきっかけになるかもしれない。

http://diamond.jp/articles/-/13969

ソフトバンクの社長が何を寝ぼけたことを言っているかは知らないが、アジアグリッド構想など愚の骨頂である。

理論的には送電線さえ引けば中国や韓国から電気を買える、と言うことになるかも知れないが、決してその電気代は安くはない。韓国の電気代は日本と同等かそれ以上であるし(安価な構成になっているのは基本料金だけで、使えば使うほど高額になる)、先日などは前代未聞の大停電を引き起こした。

中国の電力など、もっとアテにならない。

それ以上に、中国や韓国との関係は非常に微妙なモノで、電力を盾に領土を狙われること請け合いである。そもそも、他国の原発で作った電気を買うと言うならば、自国の原発で出した放射性廃棄物を他国で埋設処理して貰うこととどう違うというのか?中国の電力を買うと言うならば更に悲惨なことになる。原発もさることながら中国での電力は石炭火力発電が主流である。当然、環境対策は目も当てられないレベルだし、石炭の採掘現場でどれだけの人命が失われているかは少し調べればデータが出てくる。日本が電力を中国から買うとなれば、中国のこうした状況を加速させるだけである。

 

再生可能エネルギー発電を目指す、それは良いことだろう。脱原発、それも悪くはない。

だが、ドイツのような手法が採れない以上は、日本の原発は再稼働する必要があり、当面の電力を確保しなければならない。原発再稼働に過剰反応を示す人々は、そうした現状をどう考えているのだろうか?

もちろん、目先の原発再稼働だけでなく、将来的なエネルギー政策の策定は非常に重要な課題である。少なくとも、原発依存体質から脱却する必要はあるはずだ。だが、原発再稼働無くして日本が立ちゆかないのも現実なのである。多くの原発が停止する今年の冬を日本が乗り切れるかどうか?先ずはその辺りから心配する必要がありそうである。

 

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