秘密保護法案の行方

だんだん骨抜きになるのが、この手の法案の定め。

<秘密保護法案>「知る権利」明記見送り…政府、自民に原案

毎日新聞9月26日(木)22時28分

 政府は26日、特定の秘密の漏えいや不正入手に厳罰を科す「特定秘密保護法案」の原案を自民党のプロジェクトチーム(PT、座長・町村信孝元官房長官)に提示した。報道の自由について「十分に配慮」と明記。国民の「知る権利」の規定は見送った。来月15日召集予定の臨時国会提出を目指すが、公明党は知る権利の規定を求めており、修正される可能性もある。報道の自由の配慮規定も適用範囲が明確でないことから、国会論戦の焦点になりそうだ。

「報道の自由」って、個人的には凄く胡散臭いものだと思っているんだが、本来の報道の自由って、一体何処に行っちゃったんだろう?


「報道の自由」とコインの表裏の関係にあるのが、「国民の知る権利」だ。そして、「国民の知る権利」と対立関係にあるのがプライバシーの権利と、国家機密という奴だ。

一応、「報道の自由」や「国民の知る権利」は、民主主義の根幹に関わる話となってくる。このため、何でもかんでも「国家機密」というのは拙い訳だが、かといって全てをオープンにしてしまうと、逆に外交、防衛は成り立たない。

今回の「特定秘密保護法案」は、その辺りのバランスを採るために設けられるわけだが、報道機関としてはこれに強く反対する立場であったわけだ。

 

 原案では、法案の目的を「安全保障に関する情報のうち特に秘匿が必要なものについて、適確に保護する体制を確立して収集、整理し、活用することが重要」と明記した。報道の自由に関しては「十分に配慮するとともに、拡張解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害することがあってはならない」と規定した。

で、現状がこんな感じで、公明党が五月蠅く指摘していた「知る権利」については追記が見送られたという。

 政府は当初、公明党の要望を踏まえて知る権利も追加する方針だったが見送った。「憲法が保障する基本的人権に該当するか、法律的にも議論が分かれる」(内閣官房)としているが、内閣官房幹部は「今後加わる可能性もある」と修正に柔軟な姿勢を示した。

僕は、この部分、取引材料として温存しているのだ、という風に考えている。

法案成立のためには、あちらこちらの顔を立てて、という部分がどうしても必要になってくる。本来はそんなことは考えずに、必要な部分だけを法案化するのが望ましいし、それに向けて議論を戦わせる必要があるのだが、政治駆け引きとやらがあるので、戦略的に考えれば、こうした手心を加えることは必要なのだろう。


 特定秘密の範囲は(1)防衛(2)外交(3)特定有害活動防止(4)テロ活動防止−−の4分野を指定。政府が同時に示した法案別表で「自衛隊の運用やこれに関する計画・研究」「安全保障に関する外国との交渉内容」「テロ防止に関し収集した外国政府からの情報」などの23項目を示した。

この法案の根幹部分は、「特定秘密の範囲」の設定だろう。

そして、その範囲として「(1)防衛(2)外交(3)特定有害活動防止(4)テロ活動防止」と明記している。これに加え、「「自衛隊の運用やこれに関する計画・研究」「安全保障に関する外国との交渉内容」「テロ防止に関し収集した外国政府からの情報」などの23項目」が存在する。

民主主義で重要なのは、政府の政策が最終的に国民の利益、或いは国の利益に還元されるか否か、ということを国民が監視できる態勢であることで、何でもかんでも情報開示しろ、垂れ流せ、と言う事では無い。

特定秘密の指定期間は「5年以内」とし、必要な場合は、行政機関の長が「5年を超えない範囲で延長」するとした。ただ、延長の基準は明記されておらず、町村氏は「閣僚が変われば運用も変わるのはまずい」と指摘。政府側は、政令などで統一基準の作成を検討する意向を示した。

特定秘密の指定期間が定められ、これが延長される場合もあるという規定になっているが、何でもかんでも延長すれば良いというわけでも無い。

 

尖閣諸島沖事件のように、一色氏が公開しなければ情報が闇に葬られた可能性すらあった事を考えると、何でもかんでも情報機密に指定できるようなケースは避けたい。

中国漁船衝突事件の船長釈放、仙谷元官房長官「法務次官に要望」認める

2013.9.24 08:14

 尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖で平成22年9月に起きた中国漁船衝突事件をめぐり、仙谷由人官房長官(当時)が、菅直人首相(同)の意向も踏まえ、公務執行妨害で逮捕された中国人船長を釈放するよう法務・検察当局に水面下で政治的な働きかけを行っていたことが23日、分かった。仙谷氏が同日、産経新聞の取材に応じ、認めた。

この事件、政府が関与して、支那漁船の船長を裁判所に送らずに釈放してしまった。未だにビデオの全容が明らかにされないのは、非常に不可解だ。

本当にあの情報を機密情報として保護し、未だに公開しないことに問題は無いのか?を考えると、情報漏洩してしまった一色氏の処遇にも疑問が残る。

そうした、事例を踏まえて本当に秘密が保持されるのか?というのは、検討課題の一つなのだろう。


法律の実効性を高める為には、罰則規定が必要となる。

 罰則については、特定秘密を漏らした公務員は懲役10年、業務上提供を受けた業者などが漏らした場合は5年以下と規定。不正入手にも懲役10年を設け、具体的には、人をあざむく▽暴行▽脅迫▽不正アクセス行為−−などとした。

今回のポイントは、不正入手にも懲役刑を科したことだろう。

公務員の秘密保持義務に関する規定とのバランスを採ったとも言われており、国家公務員の場合は、重くても3年、地方公務員であれば1年以下と非常に軽い。

一方、特定秘密漏洩の場合、10年以下となっており比較的重い刑量になっている。

外国の事例だと、アメリカのスノーデン氏の場合、懲役130年程となると言われて居る。アメリカの国防に関する秘密をばらしたのだから、ある意味当然である。そして、そこに公共の利益に資する部分があったかも、疑問だ。

日本において、外患誘致罪の場合、死刑、又は無期若しくは2年以上の懲役という重い刑量が設定されており、内乱罪は7年以下の禁錮刑処するとある。

国家機密ともなれば、その漏洩行為によって国益に対して重大な損失をもたらす可能性は十分あり得るので、刑量はもっと重くしても良いだろう。


 報道の自由の規定はあるものの、取材が処罰対象に該当する可能性について内閣官房は「執拗(しつよう)な取材は当てはまらない。社会通念上是認できない場合に限る」とするにとどまり、適用の具体例は原案では詰まっていない。

 政府は26日のPTで、今月実施した法案概要に対するパブリックコメントの結果も報告。約9万件の意見があり、「特定秘密の指定が恣意(しい)的にされる」といった反対が8割を占めた。

報道の自由が何故担保されるのか?ということを考えれば、やはり、法律の内部でバランスを採る配慮は必要だろう。

だが、何でもかんでも「報道の自由」が通用するとカンチガイしている報道機関が沢山あるだけに、「取材」を処罰対象にすること、は、可能性として残しておくことが必要であると、僕は思う。

 

今後、国防について真剣に考えていくのであれば、どうしてもこのような法律は必要になってくる。早期法案可決と、内容の熟慮は相反する部分があるが、内容を吟味した上での早期法案可決を望みたい。

 


何のための秘密保全法か――その本質とねらいを暴く (岩波ブックレット)

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