日本の格差は広がったのか

面白い記事があったので、紹介しよう。

日本の格差はなぜ広がったのか/「ジニ係数」が過去最大に

THE PAGE 10月21日(月)10時18分配信

日本の格差はなぜ広がったのか/「ジニ係数」が過去最大に

[図表] 所得格差の推移

 厚生労働省の調査によれば、日本の所得格差が過去最高になっているそうです。一見、お金持ちがますますお金持ちになっているように見えますが、必ずしもそうではありません。

記事を最後まで読むと、吹き出してしまうこと請け合いだ。


さて、まずはタイトルに使われている「ジニ係数」と言うヤツを少し説明しよう。

ジニ係数とは、社会における所得の不平等さを図る指数であり、格差を説明するときに使われる。が、これ、必ずしも正しい説明では無い。係数の範囲は0から1。係数の値が0に近いほど格差が少なく、1に近いほど格差が大きい状態だ、と言われる。

が、正確には、0に近いほど平等であり、1に近いほど不平等となる。という感じだ。

 

え?同じじゃ無いか?

これがちょっと違うんだよねぇ。

「格差」というのが悪いことのようにイメージされる単語になってしまっているが、ジニ係数では単に「不平等か否か」を示すに過ぎず、例えば、年収1000万円の人が99人居て、年収100億円の人が一人居る状態でも、ジニ係数は0.9を超え1に近づく。年収1000万円あって、低所得だと言われたら、殴りたくなるよね?

日本の平均年収は450万円切っているんだから。


では、今回の調査結果はどういう意味を示していたのか?と言う話。

社会保障含む格差は2005年より縮小

 社会保障による所得再分配後のジニ係数はあまり変わっておらず、前々回(2005年)との比較ではむしろ低下しています。つまり、最終的な所得の格差は逆に縮小しており、日本はより平等になっているのです。

所得格差拡大の元凶と言われるのが、小泉政権で、2001年から2006年まで続いた。

が、「所得再配分後のジニ係数」は、ほぼ横ばいで、寧ろ減少傾向だ。

ここで、所得再配分というのを説明しておこう。

所得の再配分は、租税制度や社会保障制度、公共事業などを通じて一経済全体から別の経済主体へ所得を移転させること。つまり、徴税して国が使った場合、公平度は増す、という考え方になるわけだ。

つまるところ、税収が増え税金が公共投資されれば、「再配分」は進むわけだ。

 

だが、それで社会的な満足度が上がるか?と言うとそれは又別問題である。


で、「ジニ係数」事態は増えたが「所得再配分語のジニ係数」は減った原因については、こちらに言及されている。

 では所得再分配前の格差はなぜ拡大したのでしょうか? それは世帯収入が50万円未満という低所得者層の割合が大幅に増えたからです。前回の調査(2008年)では、世帯年収50万円未満の層の割合は23.2%でしたが、最新(2011年)の調査では24.9%に拡大しています。所得が少ない人が増えているのは事実なのですが、お金持ちの人がますますお金持ちになっているわけでもありません。世帯年収1000万円以上という高額所得の世帯数は逆に減っているのです。

 お金持ちの人が減れば、所得格差は縮小するはずですが、それ以上に、年収50万円未満という世帯が増えたことで、全体としては格差が拡大する形となりました。総合的に考えれば、全体的に所得が下がり、まったく稼げないという人の割合が増加したことで、格差が拡大したというわけです。

金持ちは減ったが、低所得者層が大幅に増えたからジニ係数は拡大した、ということになっている。

これと相関関係のあるものは……、そう、生活保護である。

namapo

無論、「ジニ係数」に関連するのはこれだけでは無いのだが、この急激な生活保護受給者数の増加は、大いに関連している。

そして、以前、生活保護もやり玉にという記事でも紹介したが、生活保護を受けている人の4割が高齢者世帯なのである。つまり、高齢化が進む日本では、今後も生活保護は増え続けることを意味する。

 

記事ではその辺りに言及されていないのだが、タブーなのかね?


まあ、そんなこんなで、日本国民全体が貧乏になりつつある。

そんな記事の内容なのだが、何故か最後の段落で、この記事はこのような結びとなっている。

 日本でもっとも所得格差が縮小したのは、世界恐慌から太平洋戦争にかけてという最悪の時期でした。逆に所得格差が急激に拡大したのは、列島改造ブームからバブル景気にかけての好景気の時代なのです。ここ10年はデフレで不況が続いていましたから、再分配後の所得格差は縮小しより平等になっていました。アベノミクスがうまく機能して景気が回復すると、逆に所得の格差は拡大することになるかもしれません。

景気が回復するのが、何か悪いことのように書かれて居るが、そこがポイントでは無いだろう。

記事でも、景気が良くなれば、金持ちと貧乏人の差が広がるので、格差拡大となる、と言及しているのだから、当然の帰結なのだ。が、冒頭に説明したように、ジニ係数が1に近づき、格差拡大、という運びになったとしても、所得再配分の結果、ジニ係数が0に近づくのであれば良いでは無いか?

そして、ジニ係数0というのは、実は国民が幸福な状態とはほど遠い。これは、金持ちが働いても成果は出ず、怠け者は働かないでも働き者と同じだけの所得を得られることを意味するからだ。

 

「ジニ係数」はあくまで、色々な前提付きで考えれば便利な数字だが、前提を誤ると何の意味も無い数字になる。

「アベノミクスで景気回復したら、貧富の差が広がる」等と言われても、じゃあ「貧富の差が無い、みんな貧乏な状態」が良いのか?と言われれば、それは違うだろう。

 

景気が回復し、金持ちが、より金持ちになり、貧乏人もそれなりに食えるようになる。その方が未だマシだろうに。

だって、貧乏人は、取り敢えず金持ちになりたいのでは無くて、日々の暮らしが楽になるところからスタートしたいと願っているのだから。

格差の問題は、その上で議論されるべき話なのだ。

 

 

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