育児給付金引き上げの愚

ばーか。給付金引き上げてどーすんだよ。

育休給付、休業前賃金の67%に引き上げ検討

 厚生労働省は、育児休業中の所得を補う「育児休業給付」について、休業前賃金の50%を支給している現在の制度を、最初の半年間は67%に引き上げる方向で調整に入った。(2013年10月28日03時41分  読売新聞)

育児休暇に関しては、完全に日本文化じゃ馴染みが薄い、だから取得できない。それだけの話だ。給付金が増えたから、取得率が増えるって訳じゃ無い。


じゃあ、何故、馴染みが薄いかと言えば、非常に残念なことに企業内での立ち位置で、長期休暇が許されるような環境整備がされていないからだ。

例えば、大企業で30代の働き盛りの男性が3ヶ月の休暇を取る。それを実現する為にどれだけの根回しが必要で、どれだけ嫌みを言われることか。仮に休暇が取れたとして会社に帰ってきたときに自分の居場所がきっちり残されているか?という不安解消はとてもじゃないが出来ない。

中小企業は、人材に余裕が無いから、誰かが止めれば途端に仕事の歯車が狂ってしまう。替えの効かない人材であれば、その企業の存続が怪しくなってしまうし、替えが効く人材であれば逆に長期休暇後に居場所が無くなるだけだ。

大企業の方が状況はナンボかマシだろうが、大差は無いと思う。

 

給料を上げたら何とかなる問題じゃあ無い。

 厚労省によると、12年度の育休取得率は、女性の83・6%に対し、男性は1・89%と低迷している。現在の育休給付制度では、夫が育休に入れば収入が半減して家計には痛手となる。田村厚生労働相は今年7月の記者会見で、「男性の育休取得が低いのは、給付が低いのも一つの理由と推測できる」と述べ、給付率引き上げに意欲を示していた。

女性の育児休暇取得率83.6%だって、そのまま鵜呑みに出来る数字じゃ無い。

何故ならば、大抵の女性は出産を機に退職してしまうからだ。

「キャリア意識が低い?」 彼女が出産を機に辞めたホントの理由

~~~略~~~

 女性のキャリア意識を高める――。これが、「女性活用こそが、生き残るためには必要だ!」と声高に主張する企業の、最大の課題なのだそうだ。

 「絶対に女性の力って大切だと思うんですよ。でも、女の人って結婚とか出産とかの時期が、ちょうどキャリアを高める30代前半と重なるのが何とも難しい」

 「そうなんですよ。うちの会社でも女性管理職を増やそうとしているんですけど、『このままでいいです』とか言って拒否するんだよね」

 「女性社員の方が優秀なんです。ただ、子供を産んだ途端に、『やっぱり両立は難しい』とか言って辞めちゃうんだよなぁ」

 女性を活用したい。でも…、ただ……、だけど……。

 これらの「……」を解決するには、キャリア意識を高めるしかない。どうやらそういうことらしい。

~~~略~~~

表向きは、キャリア志向が低いような話になっているが、その実は、キャリアを目指すならば女として出産、育児という選択肢を切り捨てるしか無いという状況が出来上がっていることが問題なのだ。

 

そもそも、一人っ子ならば、育児休暇1回だけで、ってな話になるが、二人、三人と作る事を計画しているのなら、もはや仕事を辞めざるを得ない。だって、1年おきに半年、1年休暇なんてあり得ない、普通の男性社会人ならそういう感覚のはずだ。 育休を使う事を考えるなら間隔を開けてせいぜい2回までだろう。

そして、それは、そういう社会風土が形成されていることを意味する。

 

複数回の育児休暇が許されるのは役所くらいなもんだろう。


これは2011年のデータだが、第1子を出産後無職になった女性は6割を超えている。

退職

で、その理由が「自発的に」39%、「両立が難しい」26%、「解雇、退職奨励された」9%という状況である。

 

つまりだ、育児休暇取得率8割強というのは、辞めた6割の女性を除いているわけで、実質3割程度の女性しか育児休暇を取得していない計算になる。


厚労省の分析はこんな感じのようだ。

 厚労省によると、12年度の育休取得率は、女性の83・6%に対し、男性は1・89%と低迷している。現在の育休給付制度では、夫が育休に入れば収入が半減して家計には痛手となる。田村厚生労働相は今年7月の記者会見で、「男性の育休取得が低いのは、給付が低いのも一つの理由と推測できる」と述べ、給付率引き上げに意欲を示していた。

 休業前賃金の3分の2にあたる67%への引き上げは、1日あたり日給の3分の2が支給される出産手当金に水準を合わせたものだ。

 夫婦がともに育休を取得すれば、原則1歳までの支給期間が2か月延長される。新制度では、延長期間まで共働き夫婦が給付を受けようとする場合、妻が出産手当金の支給期間(産後8週間まで)に続いて育休に入り、給付率が50%に下がる産後8か月のタイミングで夫が育休に入れば、夫婦2人で1年間にわたり、育休中の夫か妻の給付が67%支給され続ける。

 妻だけが育休を取る場合は、夫婦が交代して育休を取るケースと比べ、給付は少なくなる。

確かに、給付割合が上がれば、「育休をとりたい」と思う人の割合は増える(実際に取得するかは別だ)かも知れない。

だが、ここで、根本的な問題にぶち当たる。

 

このような政策は、一体何のために行われるか?だ。


そもそも、育児休暇や産休の制度は「少子化」対策の一環として行われている制度であるはずだ。

そして、少子化の原因は一体何か?といえば、将来的に子供達を育てていけるだけの資金が確保出来ない。或いは、その期待が出来ない。といった理由が挙げられると思う。又は、高学歴化に伴い、結婚、出産年齢の引き上げられるといった理由もあるだろう。この場合は、釈迦に働きに出るのが遅い分、経済基盤が確立出来る時期が遅くなる、というような話になる。

 

つまり、子育てしている間中、お金は必要になるわけで、短期間、育休の間だけお金が増えたところで殆ど意味は無いことになる。

寧ろ、そんな状況で出世を棒に振ってしまうと、生涯年収に大きく響くようなことにもなりかねないわけで。

 

そりゃ、育休中の給付金が増えるのは嬉しいのだろうが、「少子化対策」という観点で見ると殆ど意味の無いバラマキという話になる。

もう、割り切って「産休」を重点的にサポートして、その後は託児が可能な環境を作った方が良いだろう。

 

「女性手帳」(仮称)は効果があるか?

以前、「女性手帳」を配布するなどというプランが挙がっていたが、個人的には、こっちの方がまだ少子化対策としてはマシだと思う。もちろん、学校でまともな性教育や生涯設計プランなんかを勉強する機会を作る、という辺りまで含んでの話だが。

 

あと、働く女性のフォローをもっと真剣に考えるべき。これは前々から思っていることだが、託児施設の利用の利便性が著しく悪い。

女性が長時間労働できるように設計された託児施設は少ないし、短時間労働でも格安で預けられるようなシステムを考えるべきだろう。

正社員じゃ無いと保育園には入れません、幼稚園に入るには保育園の倍のお金が必要です。でも幼稚園では長時間保育はしません。認可外はもっと高いですよー。そして、一番問題なのは絶対数が足りないことですよー、って、そんなんじゃ「少子化対策」に何をやっているんだ、と言う話だ。

もっと不思議なのが、小学生の子供達を預ける施設が、保育園、幼稚園の定員よりも遙かに少ないことだ。

まあ、例を挙げればキリが無いし、僕個人の環境とは別の思いを感じているお父さん、お母さん方も沢山いらっしゃることだろう。

だから、あまり脱線するのもどうかと思うので、この辺りにしておく。

 

が、育児給付金を引き上げて、何の意味があるんだ?というのが、僕個人の感想である。

 


派遣、パート、期間雇用者の給付拡充と適用拡大―育児休業給付の改善 (「改正雇用保険法の解説」)

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