日本の焦りとテロ組織ISILの動向

テロ組織ISILが勝手に区切った期限は過ぎたが、続報はまだ無いんだよねぇ。

<「イスラム国」人質>過ぎゆく時間…ヨルダン注視の日本

毎日新聞 1月30日(金)1時14分配信
 ヨルダン政府はイスラム過激派組織「イスラム国」(IS)の要求に応じて収監中のサジダ・リシャウィ死刑囚を釈放するのか。その判断は後藤健二さん(47)の解放にどう影響するのか。ISに拘束された後藤さんを名乗る音声メッセージの投稿を受け、政府は終日、ヨルダンの動きを注視した。しかし、政府が主体的に動ける余地は少なく、新たな動きがないまま現地の「日没」(日本時間29日午後11時半ごろ)が経過した。
どうなっているのやら。


どうなっているのやら、と言う印象は、日本のメディアにも当てはまる話。

自民、「イスラム国」使わず ISILと呼称

2015/1/26 21:08
自民党は26日の党役員会で、邦人人質事件の犯行組織とみられる中東の過激派「イスラム国」に関し、今後は同組織を「ISIL」と呼称する方針を決めた。谷垣禎一幹事長は記者会見で、「イスラム国」の表現を使わない理由を「独立国家として承認している印象を与えかねない」と述べた。ISILは「イラク・レバントのイスラム国」を意味する。
自民党がこの様な方針を出したのは1月26日のことである。
その後、政府系の発表は概ねISILに統一されているようだ。
ところが、国内のメディアは温度差はあるものの、概ね「イスラム国」と括弧付きで表記するところが多い。場合によってはイスラム過激派組織「イスラム国」(IS)と、冒頭で説明した上で、ISと表現したり、括弧無しでイスラム国と表現したりと、様々のようだ。左派と一線を画すと評価されることの多い産経新聞も「イスラム国」と括弧付きの表現が精々で、寧ろISを使う毎日新聞の方が未だマシな気がする。

政府に倣えとは言わないが、国家であると世界中の国が認めていない状況で、括弧無しのイスラム国表記を使うのは配慮に欠けると言わざるを得ない。
まあ、報道ステーションの暴挙は論外だが。
イスラム国の宣伝し過ぎている? テレ朝「報ステ」に疑問の声も
いや、疑問の声しかねーよ。
とまあ、国内のメディアに文句を垂れたところで始まらないが、テロ組織ISILは日本のメディアの状況、世論の動きなどもよく観察していると思われるので、少しは気を遣えよと思う訳だ。


で、テロ組織ISILだが、現時点でその後の動向を示してはいない模様。
昨晩、ヨルダン政府からの主張が出ていたが、それ以降の動きはメディアから報じられてはいない。

ヨルダン政府「パイロット生存確認できず」

1月29日 23時16分
後藤健二さんを拘束しているイスラム過激派組織「イスラム国」とみられる組織が、日本時間の深夜までにヨルダンで収監中の死刑囚をトルコ国境に連れてくるよう求めていることについて、ヨルダン政府は現時点で、「イスラム国」に拘束されているパイロットの生存を確認できず、死刑囚をまだ引き渡していないと述べました。
ヨルダン政府の主張は極めて真っ当なモノだ。
人質の生存を確認出来る情報が無い以上、ヨルダン政府側がカードを切るというのはあり得ない。
モマニ・メディア担当相は、「ヨルダン政府は、パイロットと引き換えにリシャウィ死刑囚を釈放する用意がある。しかし、現時点で、パイロットの生存を確認できるような証拠を受け取っていない。このため、われわれは次の段階に進むことができない。リシャウィ死刑囚は現在、ヨルダン国内にいる。パイロットの生存が確認されしだい、次の段階に進む」と述べました。
少なくともパイロットの生存を証明する情報をテロ組織ISILが出さない限り、ここから先には進めないだろう。

日本政府としては、後藤氏の生存の可能性が示唆される映像や音声が出ているだけに、歯痒い思いで見ているのだろうが、致し方の無いことだ。


さて、このブログではこの話の出た当初から、テロ組織ISILが「交渉の積もりが無い」のではないか?という疑念を示してきた。
そして、途中からは「交渉能力」についても疑念が払拭できない旨を示唆してきた。
何しろ、言っている事がメチャクチャで、実現可能性がかなり低いのだ。
加えてこんなニュースが。

「イスラム国」勢いに衰え…シリア要衝から撤退

2015年01月28日 11時43分
 【キリス(トルコ南部)=酒井圭吾】シリア・イラクの要衝から26日、イスラム過激派組織「イスラム国」が撤退したことが明らかになり、同組織を空爆する米国などの「有志連合」からは、イスラム国の勢いの衰えを指摘する声が出ている。
総じて、情報(プロパガンダ)で勝ってきたテロ組織ISILの限界が来たって事だろう。

そういう意味では、この記事の最後のコメントは意味深い。
原油価格低下で収入も減少し、シリアの反体制武装勢力イスラム戦線のメンバー(27)は、「破竹の勢いが止まった。焦りがあるはずだ」と指摘する。
そして、もう一つ気になるのがこちらのニュースだ。

<エジプト>連続テロで27人死亡 IS分派が犯行声明

毎日新聞 1月30日(金)10時33分配信
 【カイロ秋山信一】エジプト東部シナイ半島のアリーシュなどで29日夜(日本時間30日未明)、武装集団が自動車爆弾や迫撃砲で、軍や警察の施設の少なくとも4カ所を相次いで襲撃した。政府系紙アルアハラム(電子版)によると、少なくとも27人が死亡、105人が負傷した。ロイター通信によると、イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)の分派「ISシナイ州」が犯行への関与を認める声明を出した。
「分派」とある。
過激派であることには違いないが、ISシナイ州なるテロ組織が生まれている点がポイントだ。


人質事件の要求が右往左往しているのも、一件矛盾した要求に見えるような話になっている事も、組織内での統率がとれていない事を示唆するニュースが出始めている事で説明が付きそうだ。

もちろん、それが日本政府にとって良い材料になるという保証は無い訳で、油断は禁物である。
日本政府にとっては、交渉はヨルダン任せ、状況の推移を見守り、各国に協力要請を仰ぎ、情報収集に努めるくらいしかやれることが無い。焦りも募っていることだろう。
特に、正確な情報がしっかりと出てこないのは相当なストレス担っているはずだ。
だが、日本政府には引き続き、良い結果が得られるように努力を続けて欲しい。

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