特定秘密保護法と、闇の中の人質事件の全容

早晩、こういう問題が出てくるとは思っていた。

人質事件検証に秘密法の壁=野党、政府主導を疑問視

時事通信 2月10日(火)20時30分配信

 政府は10日、過激組織「イスラム国」による日本人人質事件への対応の検証に乗り出した。在外邦人の安全確保や危機管理能力の向上に生かすためだ。ただ、検証作業は内閣官房や外務、警察など関係省庁が主導し、作業に関与する外部有識者への情報開示は特定秘密保護法の制約で限界がある。野党からは政府主体の検証の効果を疑問視する声が上がっている。

確かに、特定秘密保護法が検証作業の妨げになる可能性はあるだろう。

秘密は増えていない

だが、特定秘密保護法の有無にかかわらず、今までだって外交関連情報が政府から外に漏れるようなことは殆どなかったはずだ。

そもそも特定秘密保護法は、秘密の範囲をそれ以前より広げる法律では無い。これまでもそうだし、これからはどうか分からないが、そこはしっかりと監視すれば良い。

寧ろ、各省庁が勝手に決めていた秘密の内容を、法律に基づいて「特定秘密」として指定するようにした。つまり、交通整理したのである。

そして、少なくとも法律は秘密の範囲を広げる前提で作られていないので、秘密の範囲を広げるためには法改正が必要となる。つまり、国会を通す必要がある。

 

で、そう言った状況で、騒ぐ理由は簡単だ。これまでと大差ないにも関わらず、だ。外国に対して情報漏洩することを至上の喜びにする輩がいるからである(推測)。

 

……まあ、憶測でモノを言うのは良くないね。

 

とにかく、特定秘密保護法云々という話は、法律ができる前とできた後で、何か変わるのか?といえば、情報漏洩した人が罰せられる根拠ができた点以外は特に変わらない。

 

検証委員会は機能するか?

で、人質事件の顛末を受けて、政府は検証委員会を立ち上げたそうな。

 菅義偉官房長官は10日の検証委員会初会合で、「今回の政府対応をしっかり検証し、有識者の意見も頂きながら国際テロに関する在留邦人保護の在り方を検討してほしい」と指示した。
 検証作業では、初動態勢や情報収集態勢、関係省庁間の連携、国民への情報発信のほか、イスラム国側が反発を示した安倍晋三首相のカイロでの中東政策演説も対象となる。ただ、首相本人ら政治家からは事情聴取しない。政府は中東問題や危機管理の専門家らの意見も聴いた上で、4月ごろに報告書を取りまとめることにしている。

なるほど、まあ、対応が良かったのか?については検証すべきだよね。

ただ、政府主導での検証作業が、本当に機能するのかは未知数である。何しろ、外部からそれをチェックすることは非常に困難だからだ。

その点は、秘密保護法が壁として立ちはだかることになる訳で。もちろん、前述したように、「秘密の指定に根拠ができた」ということと、「特定秘密を漏洩した人に罰則を課する根拠ができた」ということ以外は、依然と何か変わった訳では無い。

 

そう言えば、民主党は3.11の時の検証作業はやったのだったっけ?? 何か、自己満足で終わっていた記憶があるんだが、気のせいかな。

その時の記録も未だに「秘密」の壁が立ちはだかっていると思うんだけど。

 

となると、検証委員会のデキは、与党と官僚だよりだという話になるね。うーん、それをチェックしたいとなるとかなり難しそうだ。特定秘密指定が解除されてからチェックする、ってな事になるのかもね。

問題アリなのは?

で、この人質事件に関して秘密保護法に絡めて「問題あり」という論調にしているのが時事通信

 一連の政府対応は、現地対策本部を置いたヨルダンなど関係国との情報のやりとりが中心とみられている。これに関し、政府高官は「相手のあるものは開示しない」と明言。菅長官も記者会見で、検証結果を公表するとしながらも「インテリジェンスに関わる部分がたくさんある」と、実際には公にできない情報があることを認めた。

外交上知り得た秘密は、確かに特定秘密保護法の範疇に入る。

特に外交と防衛の分野では、どうしても秘密が多くなる事自体は避けられないしね。国と国との話し合いだから、相手側の都合で秘密になることもままある。

 政府は、日本人2人が拘束された可能性を認識しながら、殺害警告映像が公開された1月20日まで現地対策本部を増員しなかったことを明らかにしている。これについて政府高官は「出せる人員は限られていた」と説明、「取り得た選択肢は多くない」としており、対応に瑕疵(かし)があったとしても、検証に反映されるかは不透明だ。

早期に人質事件に対応していれば、という意見は確かにある。

 

結果より話をするのは簡単ではあるが……、この人質事件が起きた後ではパスポートの返納命令を出すような方法もできたが、それ以前にできたとは到底思えない。

 

 

この人質事件で日本政府に何が出来たのかという点に関しては疑問が多い。政府が潜入捜査員を使えるのであれば、それなりの情報収集ということも出来たかもしれないが、そうしたモノは存在しない。

大使館は閉鎖しているし、そうした地域への人員の派遣はそもそも公にできる話でもない。

選択肢が多くないというのは確かだろう。

つまり、問題があるのは「選択肢の無い現状」ってことだ。

 

民主党のような政党が政権についたとして

で、民主党がこれについて騒いでいると。

 国会で政府対応を追及しきれていない野党は、政府の検証作業に疑いの目を向けている。民主党の細野豪志政調会長は10日の記者会見で「結論ありきの検証なら意味がない。政権側の発信を見ていると、既に結論があるように見える」と指摘。「政府の在り方が厳しく検証されているかしっかりチェックしたい」とけん制した。 

ふむぅ、「安倍政権だから」という考え方は良くないな。

 

この「秘密保護法」の問題は、確かにどんな政党が政権を握ったとしてもついて回る問題である。民主党に言われるまでも無く真剣に考えるべき課題だろう。

 

例えばである、考えたくは無いが……、今回の人質事件が鳩山政権下で発生したとして、考えてみよう。

多分、情報のチャンネルは鳩山由紀夫が首相をやっていたとしても、今より少ない程度だろうと思われる。現状で、中東に情報チャンネルが確保できているのは、麻生、安倍辺りの実績だ。それを、鳩山政権では生かし切れるとは思えない。

無論、政府からの情報は国民には出さないだろうし。鳩に何かできたかはよく分からないが、もしかしたら金は出したのかもしれない。

テロリストに金を支払って国際的な批判を浴びる結果になった可能性はあるが、問題は人質が開放されたか?という点だ。

 

多分、湯川氏の方は絶望的だったのだろうと思う。鳩山政権であれば、初動に時間がかかって、対応が遅れて、なにもしないまま最初の期限が来ていたのだと思われる。

ビビってしまって、後藤氏の方には金を払う用意を……、ってよく考えたら、その時はヨルダンに収監されたテロリストの釈放が交換条件になっていたのか。

 

……うん、多少贔屓目に見ても多分結果は変わらなかったと思う。

 

で、問題は検証委員会を開いたか?だが、想像するにこれは開かなかったのだろうなと思う。

 

その結果、当然ながら秘密は闇の中に葬り去られる。

実際に、民主党政権下で多くの機密資料が勝手に処分されていた事件が起こっていた。加えて、会合の記録すら残さない始末であった、

 

……えっと、安倍政権は検証委員会を開くだけマシだと思うんだが。

 

前提がおかしい

それはそれとして、じゃあ、民主党政権のようなおかしな政党が政権を握った場合でも、問題な区政府が機能するためにはどうしたら良いのか……。

 

と、ここまで考えて、そもそもその前提がおかしいと言う事に気がついた。

大体、政権担当能力の無い政党が、政権を握ること自体がおかしいのだ。良識を持った政党が政権を担当していれば、まさかあんな状況が発生するなんて事は無いわけで。

 

だが、現実問題としてあのような政権が誕生した。

だとすれば、そうした最悪の状況にあっても、ある程度、秘密保護法が悪用されないような担保は必要なんだろうという結論にはなる。

不幸にもそのことは民主党が証明して見せたのである。イメージ

だとすると、情報保全諮問会議に歯止めを期待するしかない。が、イメージ図が示すような意見を述べるだけに留まる話になっているので、ストッパーとして機能するかは微妙なところ。

 

結局、国民は前提部分となる「政権担当能力のある政党を選挙で選ぶ」という、その部分で努力するより他に無さそうである。


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