2015年3月24日火曜日

オバマ政権、AIIBに牽制?それとも?

早晩揺さぶりはかけると思っていたんだけど、「共同事業を提案」というのはちょっと予想外。

オバマ米政権が中国主導投資銀との共同事業を提案

2015年3月23日(月)11:23
 【ワシントン=小雲規生】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は22日、中国主導で創設されるアジアインフラ投資銀行(AIIB)をめぐり、オバマ米政権が米国主導の世界銀行やアジア開発銀行(ADB)との共同出資事業を提案したと報じた。
面白い切り口だな。


世界銀行やアジア開発銀行(ADB)が、アメリカの息のかかった機関であることは、改めて説明するまでも無い。
が、一応、簡単に。

世界銀行は、アメリカ合衆国ワシントンD.C.に本部を置く、第2次世界大戦後の金融秩序制度の中心を担う機関で、各国の中央政府又は同政府から債務保証を受けた機関に対し融資を行う銀行である。
注目しておきたいのは、「中央政府」か「政府から債務保証を受けた機関」に融資をしている、つまり、国が責任を持てる所にだけ金を貸すというスタンスである点だ。
銀行設立当初は、戦災からの復興目的でお金を貸し出していたが、現状では開発資金援助に特化している。
とはいえ、そのやり方は「経済支援の条件として構造調整政策の実施を行う」よう求め、IMFと組んで資金を取り立てるような厳しい取り立て方針を採っており、必ずしも債務国にとって幸せな結果を生み出さないとして不評である。

アジア開発銀行(ADB)は、アジア・太平洋における経済成長及び経済協力を助長し、開発途上加盟国の経済発展に貢献することを目的に設立されている。本部はフィリピン共和国のマニラに置かれる。債務者は「各国政府、民間セクター、非政府組織(NGO)、援助機関、地域団体、基金」といった団体などが対象となっている。
ADBの主な機能は以下の通り。
  1. 開発途上加盟国に対する資金の貸付・株式投資
  2. 開発プロジェクト・開発プログラムの準備・執行のための技術支援及び助言業務
  3. 開発目的のための公的・民間支援の促進
  4. 開発途上加盟国の開発政策調整支援等
世界銀行の手法も問題になっているが、ADBの方も意思決定プロセスに現地住民の参加が十分に確保されていないという意見もある模様。
ただ、この意見は支那の息がかかっているとも噂されている。

ともあれ、AIIBはこうした世界銀行やAIIBなどから出資を受けられないような団体を中心にした債務者を募ろうという発想からスタートしている。
まあ、既にGDPで世界2位となってしまった支那もまたその一員らしいのだけれど。

具体的に言えば、支那が儲ける為のプロジェクトをやろうとしても、世界銀行もADBも、支那の思う様な支援をしてはくれない。
支那としては、支那の技術者と支那の労働者を派遣して、ハコモノをドカドカと建てたりインフラ整備したり、という辺りで稼ぎたいわけだが、世界銀行もABDもそうした用途ではなかなかお金を貸してくれない。

そんな理由で支那としても自分が出資してでもお金を儲けさせてくれるような銀行が欲しいと言う発想になるのは分かる。
が、アメリカとしても日本としてもそんな団体を作られては困る訳である。


無論、アメリカが正義か?と問われると、素直に首を縦に振ることは出来ないものの、支那よりはマシというのは誰しもが同意するところであろう。
 オバマ政権は、AIIBの融資に際しての環境や労働条件に関する基準が既存の国際金融機関に比べて低くなる可能性などに懸念を表明してきた。
そして、アメリカが指摘する「環境や労働条件に関する基準」が低くなる懸念も又事実なのである。
更に言及はされていないものの、債務者に支払い能力が無いか、それに準ずる状況にあるにもかかわらず、AIIBは出資するという可能性が高く、この場合にAIIBが担保として土地や色々な権利を巻き上げる可能性が高い。

支那としてはAIIBは、他国への経済侵略への足がかりくらいにしか考えていないという懸念は、今のところ払拭できない。
事実、これまでもアメリカや日本、オーストラリアと言った世界各地の国々で、支那によるの経済的侵略を受けている。アジアも「華僑」と呼ばれる人々が存在し、高い経済的地位を占有している状況にある。AIIBはこれを手っ取り早く行いたいという支那の意思表示なのでは無いか、という懸念があるわけだ。

AIIBが実現すれば、少なくとも支那が思い通りになるお金が増えることにはなる。流石に欧州を巻き込んでしまったので、簡単には行かなくなってしまっただろうが。
だが、こうしたAIIBの動きに巻き込まれるのが世界銀行とADBというわけだ。何しろ、目的が完全に被ってしまい、AIIBの方が取り扱う額が多く、審査は緩い。金利はかなり高くなるとは予想されるが。何れにせよ、アメリカの立場は危うくなる。


そこで、アメリカが切り出してきたのは共同出資の話だ。
シーツ財務次官(国際問題担当)は同紙に対して、「世銀やADBとの共同出資事業は、歴史的に有効性が証明された高い基準を確保することに役立つ」と話した。

なかなか勝手な言い分だが、アメリカとしてはADBや世界銀行と言った実績のある団体の「信用」をAIIBに貸し出す代わりに、AIIBの経営に対して口出しさせろと言う話を切り出したわけだ。

この案、実は支那としてもまるっとデメリットというわけでは無い。特に「信用」という部分は大きいだろう。

無論、こんな提案、支那が飲めるはずも無いが(笑)。


ただ、アメリカのこの策が素晴らしいか?というと、日本にとってはなかなか悩ましいモノがある。
支那がアメリカの提案にそのまま乗ってくるとは思えないが、ある程度妥協した形での何らかの合意形成に至るとすると、日本にとっては世界銀行やADBでの発言力が低下するだけのマズい結果しか残らない可能性が高い。

日本はなかなか難しい選択を迫られることになりそうだが、どのみち、事態を静観するしかなさそうである。

 

追記

拒否権ねぇ。

中国、AIIBで「拒否権は持たず」と欧州諸国に約束 米紙電子版報じる

2015.3.24 08:38

 【ワシントン=小雲規生】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は23日、中国主導で設立されるアジアインフラ投資銀行(AIIB)の準備に関わっている関係者の話として、中国が拒否権を持たないことを欧州諸国に約束していたと報じた。中国の交渉担当者が数週間前に提案していたという。ただし同紙は中国がAIIBで強い影響力を持つことに変わりはないともしている。

そんなモノにどれだけの意味があるのか。

支那に理は通用しないと思うんだが?


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