2015年3月12日木曜日

被災地「復興」の現状

ある程度差が出るのは仕方が無いとは思うんだけどね。

被災地を悩ませる“復興格差” 建設・製造は進む一方、人手不足で水産苦戦

SankeiBiz 3月12日(木)8時15分配信
 東日本大震災から4年となり、被災地の復興状況に格差が生じている。
金を投下すればある程度復興可能な分野と、そうでない分野に差が出てくるのは避けられないにしろ、将来的なビジョンを含めて問題を考えていく必要はあると思う。


前日に少々極論を書いた。
僕の意図がこの文章でどれだけ伝わったかは自信が無いが、簡単に言えば「前向きに行こうぜ!」って話に過ぎない。

被災地にそれを求めるのは、そうで無い地域からの傲慢な意見かもしれない。だが、タブー化、神格化をするのは絶対にダメだと思うのだ。そこには利権を産み、腐敗を招く。
だが、そうしたある種精神論的な話はともかくとして、現状はなかなか厳しい。


産業面では復旧工事が盛んな建設業や製造業などで復興が進む一方で、沿岸部の水産業ではなお厳しい経営を強いられている事業者が多い。
全てが元通りというわけには行かない。
そして、元々斜陽産業であった水産業は、震災を機に職を離れた人も多いのだろう。活気を取り戻すに至らないのが現状のようだ。
 「きつい立ち仕事というイメージや高齢化に被災が重なり、人手不足が深刻になった。外国人技能実習生を採用するにも限界がある」。水産加工の苦境を、岩手県宮古市の佐藤日出海産業振興部長はこう解説する。得意先を失い、建設業などに人材が流れる悪循環。施設復旧のための補助金交付先の経営状況を東北経済産業局が調べた結果、昨年6月現在で震災前の水準以上に売り上げが回復したと答えた割合は、水産・食品加工業ではわずか19.4%だった。復興事業で繁忙な建設業が約7割に上ったのとは対照的になっている。
割と端的に示されているが、気になる単語も出ている。
> 外国人技能実習生を採用するにも限界がある。
さらっと書かれているが、水産業の未来を外国人に委ね、「技能実習生」の制度を悪用している(少なくとも本来の趣旨からは大幅にずれている)現状があるというのだ。
そこまで人手不足が深刻だと言うことは言えるだろう。そして、特にバブリーな建設業に人が流れているのも問題だと言える。


だが、問題なのは持続的な風評被害による影響だろう。
 水産業が活気を欠くのは人手不足だけではない。「いくら安全だとPRしても消費者に手に取ってもらいづらい」。岩手県のワカメ養殖漁業者は原発事故の風評被害に頭を抱える。
風評被害というのは、強力な忌避感を伴うものではなく、何となく「止めておこう」というバイアスが働くから問題なのである。
「二つ製品が並んでいたら、東北産を避ける」というような傾向が、数字として現れたら、経営者は選ばれない方の製品の購入量を減らしたり見送ったりする。
これが東北地方の農産物・畜産物・水産物に大きな影響をもたらしていると考えられる。

そして、残念なことにこの風評被害というヤツは簡単に解決できるシロモノでは無いのだ。

ただ、生産から加工、販売までを担い、ブランド産品を生む「6次産業化」には光が差し始めた。企業の参入を促す「水産業復興特区」の宮城県石巻市・桃浦地区で、カキ養殖から加工、販売を行う「桃浦かき生産者合同会社」は2014年度、初めて収穫量が目標を超えそうで、代表社員の大山勝幸さん(68)は「軌道に乗りつつある」と目を細める。
じゃあどうすれば良いかと言えば、震災前のやり方を止めて、新たな可能性を模索するしか無い。
6次産業化はその1つの答えだろう。
ただ、この6次産業化には大きな投資が必要になり、そう簡単にできる話でも無い。

6次産業化に関する予算等について

農水省はこの6次産業化に向けた補助金を用意しており、サポート事業も展開している。しかし、その予算額は平成26年度で「6次産業かネットワーク活動整備交付金」が12億4千万円程度で、その内の都道府県への交付率が定額と、全国レベルで考えればしょっぱいのが現状だ。

本当にこの被災地復興を考えるのであれば、東北地方を中心にモデル事業として予算の集中と選択を行うべきだろう。


住居の再建問題は更に深刻のようだ。
 住まいの再建での格差はさらに顕著だ。震災で住宅が被災し生活再建支援金を受け取った世帯のうち、自宅再建にめどを立てたり、災害公営住宅に入居したりして住まいを再建できた割合は、沿岸にある6市町で20~30%台(1月末時点)に低迷。津波被害が大きく、用地不足などで住宅整備が遅れていることが背景にある。3県の内陸部では60~70%台の自治体も多く、被災地での地域格差が拡大している。
ただ、沿岸部の不人気っぷりは、津波被害などの問題が大きく影響しているのだと思われる。
3県全体の再建率は60%で、県別では、内陸部の被災世帯が比較的多い宮城が63%、福島は65%。岩手は43%で、担当者は「沿岸部で用地確保が遅れているため」と説明する。
結局、この辺りの話も仕事が確保できるか?とか、そうした問題が大きく影響していると思う。
市町村別にみると、岩手県山田町が31%、釜石市36%、宮城県南三陸町34%、福島県楢葉町31%など沿岸部で低迷。内陸部は宮城県大崎市が75%、福島市71%など。
確かに、数字だけ見ると沿岸部での復興は遅れているね。

しかし、現実に山田町や釜石市など、津波による深刻な被害を受けた地域ほど復興が遅れている傾向にあるのは否めない。
場所 再建率 死者 行方不明者
岩手県山田町 31% 682人 148人
岩手県釜石市 36% 989人 152人
宮城県南三陸町 34% 619人 219人
福島県楢葉町 31% 106人 2人
宮城県大崎市 75% 7人 -
福島県福島市 71% 12人 -
もっと被害が多かった場所もあるので一概に比較が出来るかは分からないが、被害が多い場所ほど復興が遅れているというのは、ある意味当然ではある。

この場合も「格差そのもの」が問題と言うよりこちらの方を気にするべきだろう。
山田町では宅地造成の計画が予定通り進まず、担当者は「資材高騰や人材不足も要因」と分析。40%だった宮城県気仙沼市も、用地取得の遅れや入札不調から公営住宅の整備が遅れている。
一つは人材不足。
もう一つは資材の高騰だ。
資料を見て頂ければ、価格の推移の状況が分かると思う。
単純に金を投入すれば解決する話では無く、こうした問題も勘案していかねばならない。
例えば生コンのような特殊な素材は地域性が高い。これは「1.5時間の壁」と呼ばれる問題で、生コンは工場で作られて1時間半以内に使わないと硬化してしまって使い物にならない。
集中的に建築すれば、当然ながらその地域の資材も不足してしまうことになり、これを他の地域から搬入するというのは現実的では無い。金だけで解決する話でも無いのである。

地域格差というのは、異なる条件下での比較になるので、数値で比べる話なのかという気はする。
そんな訳で、被災地復興の話にしても、単純に総括するのではなく、もっと丁寧に現状を見ていく必要があるのだろう。
少なくとも、記事を鵜呑みにして「問題だよ」と言う前に、何処に問題があって、何を解決すれば良いのか?という事まで思いを巡らせることが必要なのである。


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