2015年3月23日月曜日

土建屋が消える、と悲鳴を上げる建設業界

今更だよねぇ。

<建設技能者>ピンチ「100万人規模の大量離職で4割減」

毎日新聞 3月20日(金)17時2分配信
 ◇日本建設業連合会が試算 「業界根幹揺るがす本質的危機」
 日本建設業連合会(日建連、中村満義会長=鹿島建設社長)は20日、建設業界では2020年代までに100万人規模の大量離職が発生し、技能労働者数が現在の6割程度に落ち込むとの推計結果をまとめた。
散々公共事業を悪者にしておいて、建設業界の人材の減少は今に始まった訳でも無いだろうに。


一旦、「悪者」のイメージが定着すると、それを払拭するのはなかなか難しい。これもまた風評被害の1つかもしれない。
業界は、東京オリンピック・パラリンピックの特需や東日本大震災の復興事業で好調だが、日建連は「国土を支える業界の根幹を揺るがす本質的危機」と認識。待遇向上や女性登用などによる新規人材確保と、IT・ロボットなどを活用した効率性向上で、対処していくという。
建設業界は、一番IT化が遅れた分野だと言われている。

設計分野ではかなりのIT化が進んでいるようだが、それでもマンパワーを要する分野である事実は変えようが無い。現場の人間の人手不足はより深刻である。
ロボット建機等の開発は進められているが、未だ職人の技には遠く及ばないのが実情である。
こんなアホ動画を紹介しておこう。


あー、バカバカしい映像だが、しかし、こうした芸当はオペレーターが人間だからこそ出来る技でもある。
これがどれだけ現場に行かされるのか?と言われると、答えられないが(笑)、建機のオペレーターの技術1つとっても、ロボット化というのは非常に困難な道のりなのである。

じゃあ、無理なのかというと、そんなことは無い。こちらの記事を紹介しよう。

大林組/ロボットスーツを現場に投入/運搬作業効率2倍、腰の負担軽減  [2014年12月12日1面]

大林組は、重い物を持った時に腰にかかる負荷を軽減する作業支援用ロボットスーツ「HAL」を、現場実証として導入した東京都内の建設現場を11日、報道関係者に公開した。左官作業で25キロのセメント袋を台車に移し替える作業に使っていた伏見工業所の伏見晋二社長(54)は「HALのアシストでセメント袋を早く持ち上げられ、重さも感じない」。別の作業員(67)も「これがあれば70歳までは働ける」と話していた。
……写真を見た方が分かり易いな。
いわゆるパワードスーツというヤツだ。機構としては随分単純だが、これだけでも随分と違うそうで。


……もう1つ紹介しよう。
KHI-Powered01c
川崎重工製である。
bsc1401030502003-p1
こちらはパナソニックの子会社が開発中であるそうな。まだ、実験室の外に出せる状態では無さそうだけどね。


IT技術の方は、主に設計の方面で活躍しそうだが、注目はVR技術だろう。バーチャルリアリティ。

大成建設/BIMデータを1分半でVR画像に/高速変換システム開発  [2014年6月16日1面]

大成建設は、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)データを、バーチャル・リアリティー(VR=仮想現実)画像に高速変換するシステムを開発した。変換にはこれまで5日ほど必要だったが、独自プログラムによって約1分半に短縮した。VRを日常的に使うツールにしたことで、プロジェクトの合意形成や現場での作業手順の検討・確認などに役立てる。
こいつも絵を見た方が早い。
 VR
建設業界でネックなのが、どんなモノが出来上がるかを顧客にどれだけ正確に伝えるのか?という点と、建築するに辺り事前にどんな問題が起こりうるのか?ということをチェックする方法は、経験と勘に頼るしか無かったことだ。

実際に、図面で確認しても、作ってみてから「アレが違う」「ここも違う」「なんか違う」とかいうクレームは、建設現場で良く聞くパターンである。図面から立体を起こして想像するのには、訓練が必要なのだ。
しかし、打ち合わせの際に立体イメージを伝えられれば、その手助けになることは間違いが無い。
後は、瀬戸大橋を作る際に風洞実験をしたり、渦の影響を考えるためにミニチュアモデルを作ってみたりと言ったことも昔からやられていた手法ではある。


で、こうした技術が進んでいること自体は良いことなんだけど、それでも人手が必要な現実は変えられない。
この日発表の長期計画「再生と進化に向けて-建設業の長期ビジョン-」に盛り込んだ。長期計画によると、建設業界における14年の技能労働者数は343万人。55歳以上が3割以上を占めるなど高齢化が進んでおり、20年後の25年には約127万人が離職しているとの推計結果が出た。
今でさえ人が足りずに悲鳴が上がっているのに、これからもっと減るのである。
5年後、10年後にはもっと悲惨な事になっていることだろう。
そして、今ですら中間管理職がおらず、苦労して新規採用しても止めて言ってしまう若者が後を絶たないとか。

だからこそ、労働者を海外からという発想になる訳なんだけれども、それは明らかに間違いだ。


何が間違いかと言えば、1つは賃金だ。
 そのため、(1)90万人の新規雇用(2)35万人の労働に相当する省人化を進める--との目標を設定。具体的な施策として、▽年間賃金水準の改善(40代では約600万円)▽社会保険加入の促進▽4週8休など休日の拡大▽ダンピングの防止などを示した。
現状が酷すぎるのである。
 建設業界は企業規模の差が大きい。計画の実現には高いハードルがあるが、中村会長は会見で「早急に人材を取り入れなければ生産体制が破綻しかねない」と強調。
生き残っている大手でも、その労働環境の改善は十分とは言えない状況にあるが、その下請けとして働く中小企業の状況はかなり悲惨だ。

自民党が政権を取り返してから、民主党時代ほどヒドイ状況では無くなったとは聞くが、そもそもバルブ崩壊後から特に建設業界は冷遇されてきたのであって、一概に民主党政権を責められる話では無い。

いや、建設業界が政治家と癒着してしか生き残れなかったという、建設業界の体質そのものが問題だと言えるのかも知れない。
外からも環境を変える必要はあるが、一番変わらねばならないのは建築業界の中身そのものだと言えよう。
もう、待ったなしの状況なのだから。
そして、政治はその足を引っ張らぬように支援していくことが肝要である。

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