2015年5月6日水曜日

ADB総会で、AIIBに関する発言相次ぐ

注目株ですからね。

AIIB、基準順守を=欧州諸国が言及―アジア開銀総会

時事通信 5月5日(火)18時57分配信
 【バクー時事】5日閉幕したアジア開発銀行(ADB)総会では、加盟国・地域の代表から、中国主導で設立準備が進むアジアインフラ投資銀行(AIIB)に対する発言が相次いだ。
ただ、AIIBに関する発言は、余り良い話は出なかったようだ。


ADB総会でAIIBに関する発言が出るのは、ある意味当たり前と言えよう。
何しろADBもAIIBも「似たような役割」が狙われている組織なのだから。
いずれも二つの組織の協調に期待を示し、AIIB参加を表明している欧州諸国の代表は、国際的な支援で環境や地域社会などに配慮する基準を定めた「セーフガード政策」の順守を求めた。
欧米諸国は「だったら、2つの組織で協調しろ」と、そのように主張したようだが、それは支那としても同じ気持ちらしい。

中国 ADBとAIIBの連携必要性を訴え

5月5日 0時07分
中国の楼継偉財政相は、ADB=アジア開発銀行はさらに融資枠を拡大すべきだと批判するとともに、中国が設立を提唱しているAIIB=アジアインフラ投資銀行との連携の必要性を訴えました。
「連携」と「協調」は異なる概念なんだけどね。


支那以外の各国の懸念は、どうやらAIIBの出現によってADBのセーフガード政策の規律が緩むことの様だ。
確かにADBにとってAIIBが競争相手になった場合、セーフガード政策の見直しを図るような必要性が出てくる可能性はある。
 5日演説したルクセンブルク代表は、「AIIBの誕生で国際援助体制は複雑になる。ADBとの役割分担と緊密な協調が必要だ」と指摘。セーフガード政策の引き下げ競争の「引き金となるべきではない」と述べた。
 ポルトガル代表はAIIBについて「ADBのライバルではなく、補完する潜在的パートナー」と強調。4日演説したフランス代表も「長年の経験で有効性が証明された(融資)基準の引き下げにつながるような誘惑に一致して抵抗してこそ、新機関は素晴らしいものになる」と訴えた。
確かに、セーフガード政策、つまり、支援地域に対する環境や地域社会への悪影響を抑えるための基準が引き下げられ、投資競争に拍車がかかるようなことがあってはならない。

そもそもADBは支援を受けた地域の発展を狙った組織であり、投資競争の道具になることが狙われたものではない。
ADBとAIIBとの決定的な違いはそこにある。


支那はその辺りを勘違いしているようで。
楼財政相は、アジア開発銀行が融資枠を今の1.5倍に拡大することについて、「やはり保守的すぎる。できるだけ多くの資金を提供し地域の経済の成長を支えるべきだ」と批判し、さらなる融資枠の拡大などを求めました。
何やら、とにかく支那が膨張するための餌をADBに求めているような気配だ。
また、アジアインフラ投資銀行について「地域のインフラ需要が膨大な中で、今の国際的な開発金融機関と補完しあう存在であり、競合するものではない」と述べ、アジア開発銀行が、今後、融資や人材交流などの面で連携していくことの必要性を訴えました。
加えてAIIBの資金源として、ADBからの資金や人材をアテにしている模様。

一方、総会に出席していたアジアインフラ投資銀行の設立事務局の金立群事務局長は、NHKなどの取材に応じ、アジア開発銀行の中尾武彦総裁との会談で、双方が協力していく考えで一致したことは「大変よい」と評価しつつも、中尾総裁が、協調融資を行う場合はアジア開発銀行の厳しい融資基準で対応する考えを示していることについては言及を避けました。
にも関わらず、AIIBの融資基準についてはユルユルにしたいという考えの模様。


まあ、そんなこんなでAIIBの設立にはいろいろな思惑が絡んでいる模様。

ネパール、AIIBに支援要請へ 大地震復興で財務相表明

05/04 18:10、05/04 18:36 更新
 【バクー共同】ネパールのマハト財務相は4日までに、大地震で壊滅的な打撃を受けた同国インフラの復興に向け、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)へ支援要請することを明らかにした。実現すれば、今年中の設立を目指すAIIBの最初の支援案件となる可能性がある。

ネパールは、出来てもいないAIIBに支援をねだる積りらしいが、今年中にAIIBの方針が決まる保証は何処にもないぜ。

まあ、ネパールの場合は、寧ろ支那に言わされている感が強い。

何れにしてもAIIBを巡る各国の思惑はそれぞれ異なるようで、設立までには紆余曲折がありそうな感じになっている。

追記

コメント頂いた中で興味深いニュースがあったので、追記しておく。

アジア開発銀行 ネパール支援さらに360億円

5月3日 20時27分

大地震によって、甚大な被害を受けたネパールの復興を支援するため、ADB=アジア開発銀行は、日本円で、およそ360億円の資金を道路の再建などに充てることを表明しました。


ADBは今回の地震を受けて、取り敢えず2億ドルの資金提供を決め、更に3億ドルの資金を速やかに充てる事が決まったようだ。
ネパールGDP

グラフはネパールのGDPで額はルピー。ネパールのGDPはドルベースで192.9億ドル(2013年)という経済規模である。

確かに、観光立国のネパールで観光資源にダメージを受けた状況では、返済は厳しそうである。

 

ADBでこの額ならば、AIIBではどの程度の規模のお金が融資されるんだろうね?


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4 件のコメント :

  1. ネパールのGDP2兆円弱に対し「ADB ネパールに360億円追加支援」なる記事が報じられてますね。年間対外債務返済額約90億円、観光立国でさらに借り入れで返済の見込みはあるのでしょうか? 言わされ言ってるにしたら「併合」リーチ・・・・「独立」ってたいへんなんですね。

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    1. ほほう、興味深い記事です。

      ADBでこの額が通ったと言うことは、それなりに返済能力があると認められたという話でもあるはずなんですが、人道支援的な側面も強いのでしょうね。

      日本辺りは円借款踏み倒しOKとか言い出しそうですが。

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  2. 初めてコメントします。いつも面白く拝読しています。
    だいぶ前、アフリカの黒人女性がTEDでプレゼンしていました。
    「欧米諸国は資金を出すのに民主化など要求しないでほしい。民主化を待っていたら200年かかる。中国のように(下心はみえみえでも)すぐに融資をしてほしい!」
    「花より団子」というわけですね。(^-^)

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    1. ありがとうございます。

      確かに支援を必要とする国にとっては、「花より団子」なのでしょう。
      リスクがあっても直ぐに融資を受けられる国から、というのは分かる話です。

      ですが、ADBなど厳格な審査に基づいて出資する形となっていまして、独裁国家などに融資は難しい状況であるのは現実であり、それは返済を前提に貸してくれる国からすれば、ある意味当たり前の要求でもあります。
      独裁国家では、踏み倒しを宣言して返済しないという事だって(主導者が替わればそのリスクは高いでしょう)あり得るわけです。それでは金融組織としての体を疑われてしまいます。

      バランスを採るのは難しい話ですね。

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