日本の潜水艦が欲しいオーストラリア

よっぽど欲しいらしいね。

潜水艦受注手続き参加へ 日豪防衛相が電話会談

2015.5.6 13:42

中谷元・防衛相は6日、オーストラリアのアンドリュース国防相と電話会談し、同国が新たに導入する潜水艦の発注手続きへの参加に前向きな意向を示した。アンドリュース氏からの要請に対し「関係省庁間で検討していきたい」と述べた。
NSCでの判断ですか。


この問題はなかなかに難しい判断を迫られる話である。
オーストラリアにしてみれば、日本のそうりゅう型潜水艦は魅力的に映るのだろう。
何年も前から、通称ロックバンドと呼ばれるオーストラリアのコリンズ級潜水艦更新の話は出ていた。
が、本格的に話が進み始めたのが第2次安倍政権が発足した後からだ。

 アンドリュース氏の呼び掛けは、潜水艦の選定作業の一環。2月には発注先候補として日本、ドイツ、フランスの3カ国を指名し競わせている。
以前も指摘したが、世界中を見渡しても通常動力潜水艦の技術を保有している国は数少ない。オーストラリアに発注先候補としてリストアップされた「日本」「ドイツ」「フランス」は何れも通常動力潜水艦を保有・運用しており、海外に販売実績のある「ドイツ」「フランス」は有力候補なのだが……、何れも小型潜水艦しか無いんだよねぇ。


オーストラリアは、現状のコリンズ級を作る際にも3000t以上の大きさに拘って無理をした経緯がある。
今回は4000t以上がお望みの模様。

フランスには原子力潜水艦があり、こちらはリュビ級と次級のシュフラン級があって大きさ的には申し分ないが……、AIP推進機関を作っているわけで無し、オーストラリアが望む潜水艦を作れるかは微妙だ。

ドイツには、実績のある209型と214型の2つの潜水艦があるが、何れも小型で、オーストラリアの要望する大きさは216型と呼ばれる次期潜水艦しかない。ただし、216型は214型を拡大するという構想の段階であり、未だ影も形もない。
214型(2000t級)はAIP推進機関を備えており、10日以上の連続潜行活動が可能だと言われているが、輸出された先の韓国では盛大に失敗しているのはこのブログでもさんざん紹介した通り。
単純に拡大すれば良いという話でもないだけに、この構想が成功するかどうかははっきりしない。


そこで、輸出実績こそ無いが、AIP推進機関を備えてかつ4000t級の日本のそうりゅう型潜水艦に白羽の矢が立ったわけだ。

もちろん、ドイツ、フランスもエントリーはしているが、流石に運用実績のない潜水艦をこれからというのでは、色々問題もあるしリスクも高い。
コリンズ級で苦い思いをしているオーストラリアとしては、選択肢としては「あり得ない」レベルだと思われる。
 中谷氏は、新たな日米防衛協力指針(ガイドライン)をアンドリュース氏がいち早く歓迎したことに謝意を伝達。米国を加えた3カ国連携の重要性でも一致した。
そこにアメリカの横槍が入ったのだから、さあ大変。
AIIBに参加するなどという動きを見せてしまったオーストラリアではあるが、アメリカの大切な同盟国である点は未だに揺るがない。

4000t級で通常動力潜水艦の運用実績があるのは、日本を除くとロシアくらいしか無いが……、ロシアの潜水艦はオーストラリアとしてはあり得ないので、どうしても日本のが欲しいという話になるんだよね。


ただ、残念ながら日本のそうりゅう型潜水艦は最新技術を詰め込んだシロモノなので、そう簡単に売ることは出来ない。

やるとしたら日米豪の3カ国での開発というのが現実的なラインだろう。
実のところ、原子力潜水艦を多数配備しているアメリカにとっても、大型の通常動力潜水艦は魅力が無いわけではない。
アメリカが直接持たなくても、台湾あたりに供給したいとか色々な思惑はあるのだ。

日本のおやしお型潜水艦(前級:3500tクラス)辺りをベースに、拡大した廉価版を作れれば、どの国も結構嬉しいと思うんだが、その辺りはどうなんだろうか?
そうした話をNSCでも話すとは思うのだけれど、それが決定できるほどの外交力があるか、が日本の課題なのかもしれない。
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コメント

  1. 高信頼・燃料電池・スターリングエンジンの実用化が光りますね、潜行継続時間も原潜の80%まで追い上げてるそうですね。内心アメちゃんも欲しいんでしょうがF22を門外不出としたてまえ面と向かって言えまい。1987年に船舶用スクリュー切削用に東芝機械製・同時9軸制御工作機械を内緒でソ連に輸出したのを思い出しました。

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    1. アメリカも原子力潜水艦の維持費用に頭を痛めているようなので、一部を代替する可能性がある位のことは考えている気がします。

      潜水艦技術を、海外に持ち出すというのはリスクが高いですから、共同開発の方向で修正するのが望ましいような……。

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