2015年5月8日金曜日

韓国、セウォル号引き上げを計画するも、明らかに予算が足りない模様

どんだけ見積もりが甘いんだか。

セウォル号引き揚げでタスクフォース構成 今月中旬に入札公告

2015/05/07 18:42
【世宗聯合ニュース】韓国海洋水産部は7日、昨年4月に南西部の珍島沖で沈没した旅客船セウォル号の引き揚げに向け、タスクフォースを立ち上げたと発表した。海洋水産部や国民安全処、海軍などに所属する16人からなる。
賭けてもいいが、今月の入札は不調に終わるぜ。


このブログでも、韓国旅客船沈没事故、セウォル号の悲劇については言及してきた。
リンク先でもこれでもかと言うほど説明したが、簡単に言うと、
  • 日本から中古の旅客船を手に入れ
  • やってはいけない改造を素人同然の業者にやらせ
  • 事故当日は過積載にも程がある状態で
  • 事故当日の操舵手も経験が浅く
  • 船長は代理で無責任にも真っ先に船から逃げ
  • 救助活動は勝手な理屈から難航し
  • 乗客には転覆ギリギリまで船外に出てはいけないとアナウンスして犠牲者を増やし
  • 大統領は空白の7時間を過ごして、適切な指示が出せず
とまあ、書けばキリが無いほどの「人災」っぷりであった。


そんな悲劇の船だが、未だに9名が行方不明の状態で、何故か引き上げに向けて話が進んでいる。
 これから本格的に引き揚げ準備が始まる。海洋水産部は「セウォル号引き揚げ推進課」も発足させる予定だ。5月半ばには引き揚げ事業者を決める国際入札を公告、7月初めまでに事業者を選定する。現場調査を経て、9月中に海上での作業に着手する計画だ。
この後に及んで引き上げる意味が僕にはよく分からないが、外交も内政も行き詰まった状態のクネクネが起死回生の一手と考えているからなのかも知れない。

ただ、計上される予算は余りにも少ない。
 引き揚げ関連予算については総額1283億ウォン(約140億円)と見積もっている。今月中に企画財政部と予算確保に関する協議を終える予定だ。
言っちゃアレだが、2桁ほど足りないぞ。


何しろ、過去の記事にもこの様な話が出ている。

<セウォル号>船体引き揚げ最長2年…費用1000億~4000億ウォン推算

2014年10月28日09時59分
  セウォル号の不明者家族が水中捜索を継続することを決めた中で、船体引き揚げには最長2年かかり最大4000億ウォン(約410億円)かかるだろうという分析が出てきた。セウォル号は現在、左側に90度ぐらい傾いたまま海底44~47メートル地点に沈んでいる。沈没してから200日近く過ぎて重さが7000トンの船体内部には泥のような異質物が積まれている。
だが、この記事で注目すべきは、最大4000億ウォンという部分では無い。
  全体の引き揚げ費用が1000億~4000億ウォンに達するだろうという分析だ。実際に2012年に沈没したイタリアの旅客船コスタ・コンコルディア号は沈没2年6カ月後に引き揚げられた。総費用は20億ドル(約2兆1000億ウォン)だった。政府は現在セウォル号惨事収拾費用として6200億ウォン、このうち海底調査・引き揚げ費用として2020億ウォンを計上した。

こちらの方だ。

ここで触れられているのは2012年1月に起きたイタリアのコスタ・コンコルディア号座礁事故で、船長が真っ先に逃げたことでも有名になった事故だ。


コスタ・コンコルディア号(114,147t)は座礁したが完全に沈没することは無く、船体の一部が見える状態であった。座礁状況
こんな感じである。
引き上げ
これはwikipediaに紹介される引き上げの作業を示す図である。


この船の引き上げ作業に、総額20億ドル必要だったと言われ、オランダの海洋サルベージ会社とイタリアのネリ社、アメリカのタイタン・サルベージ社とイタリアの海洋工事会社ミコベリ社などによって作業が進められた。


ちなみに、この後も撤去作業や解体作業などで費用がかかる見込みとなっている。


つまり、座礁状態のコスタ・コンコルディア号引き上げ(引き起こし)でも2兆ウォンほど必要だったのに、完全に水没したセウォル号(6,825t)の引き上げ作業がまさか1283億ウォンで終わるわけがない。

確かに、セウォル号はコスタ・コンコルディア号に比べれば規模の小さな旅客船ではあるが、引き上げの難易度はかなり高い。


完全にひっくり返ったセウォル号を引き上げるには、まず水中で船体を一回転させて、その上空気を注入するなりしての引き上げとなるが……、改造で脆くなった船体が1年間以上海水に揉まれ続けているのだから、回転させる時点で船体が真っ二つと言う事も十分にありうる。

そうなれば、引き上げは絶望的だろう。
船体が裂けなくとも、引き上げするためには7000t超級のクレーンを用意する必要があるのだが、そうした設備を保有する国は殆ど無い(海洋国家の日本にも存在しないらしい)。
複数のクレーンを使っての引き上げは更に難易度が高まるため、費用も天井知らずとなるだろう。

ちなみにだが、韓国のこの引き上げ費用の概算は、どんな計算式に基づいているのだろうか?


僕の勝手な予想だが、コスタ・コンコルディア号引き上げにかかったコストを重量で割っているのでは?と……。そんな、まさかね。
コスタ・コンコルディア号(114,147t):セウォル号(6,825t)
= 引き上げ費用2兆1000億ウォン+曳航費用207億ウォン(予定) : x
x = 約1267億ウォン

 

……ま、まさかね(震


と、ともかく現実的に考えれば、かかるコストに比べて引き上げはメリットがあまりに薄いのだ。

  天文学的な費用負担のために、引き揚げの代わりに海上追慕公園にすべきだという意見も出てくる。郡山(クンサン)大学のムン・ビョンヨン教授(造船工学)は、セウォル号引き揚げについて「海中にある豆腐を釣り糸で持ち上げるようなものだ」と例えて、「1994年にエストニア号が沈没した時、スウェーデン政府は1カ月足らずで捜索をあきらめて『水中墓』にした。セウォル号の沈没区域を全国民の『安全教育の場』にすることを慎重に検討すべきだ」と話した。
こうした意見が出てくるのも無理は無い話で、そうした論調に韓国メディアもシフトしつつある模様。

予算も明らかに足りないようだし、朴槿恵政権はそれで無くても沈没気味だ。ここで下手を打てばそれこそ回復不能である。沈没船引き上げは、起死回生の復活薬になりはしないのだから、諦めるべきだ。

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2 件のコメント :

  1. AIIB出資3位・・・・・被害者は知ってんだろうか?

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    1. コメントの意図するところがイマイチよく分かりませんが……、韓国の場合は自国民に知らせないで政策を断行するのがお決まりのパターンですな。

      まあ、日本も政策周知度に関しては胸を張れない訳ですが。

      削除

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