自民党の作戦ミス?新安保法制は違憲の指摘

憲法学者に何を判断させたのかは知らないが、違憲で問題だというなら憲法の方を変えればいいだろう

与党参考人が安保法案「違憲」 “人選ミス”で異例の事態 野党「痛快」 憲法審査会

産経新聞 6月4日(木)18時58分配信
 衆院憲法審査会は4日、憲法学の専門家3人を招いて参考人質疑を行った。憲法解釈変更による集団的自衛権の行使を含む新たな安全保障関連法案について、与党が推薦した参考人をはじめ全員が「憲法違反だ」と批判した。与党が呼んだ参考人が政府の法案を否定するという異例の事態となり、“人選ミス”で墓穴を掘った。
しかし、見方を変えれば、与党の参考人も「違憲だ」と答えたということは、少なくとも仕込みではなかった、といえるのかもしれない。


今回の話は、憲法審査会という会にて起こった出来事だ。
憲法審査会とは以下の様な組織だ。
 憲法審査会は、(1)日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制についての広範かつ総合的な調査、(2)憲法改正原案、日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案等の審査を行う機関で、第167回国会の召集日(平成19年8月7日)に衆参各議院に設置されました。
http://www.kenpoushinsa.sangiin.go.jp/gaiyo/index.html
早い話、法律を作るにあたって憲法に沿っているかどうかを判断する組織である。

んでまあ、ここで新安保法制についての参考人質疑をやったら、参考人に呼んだ3人にメッタ斬りにされたと、そういう話。


参考人全員が新安保法制は「憲法違反」、衆院・審査会

政府与党にとって想定外の反応でしょう。衆議院の憲法審査会に参考人として出席した憲法の専門家3人が、いずれも今の国会で審議中の新たな安全保障法制について「憲法違反」との考えを示しました。
参考人として呼ばれたのは以下の三人だ。
早稲田大学の長谷部教授が自民党及び公明党により、早稲田の笹田教授は維新の党により、慶応大学の小林名誉教授は民主党により、呼ばれたそうな。
それぞれ名のある憲法学者なので、彼らの意見が間違っているか否か、という点については僕は異論を挟むつもりはない。
「今の(国会で審議中の)安保法制、憲法違反だと思われますか」(民主党 中川正春 衆院議員)
 「集団的自衛権の行使が許されるという、その点については、私は憲法違反であると考えております」(長谷部恭男 早稲田大学・法学学術院教授)
 「私も違憲と考えます。憲法9条に違反します」(小林 節 慶応義塾大学名誉教授・弁護士)
 「定義では踏み越えてしまったということで、違憲の考えでたっていると思います」(笹田栄司 早稲田大学・政治経済学術院教授)
解釈に寄るところが大きいが、しかし、憲法9条に照らして考えれば、かなり解釈的に苦しいことには変わりない。
そこを、3人の憲法学者にバッサリという訳だ。


中でも、自民党及び公明党が参考人として呼んだ長谷川氏は辛辣だった模様。
 自民党や公明党などが推薦した早稲田大の長谷部恭男教授は審査会で、安保法案について「憲法違反だ。従来の政府見解の基本的な論理の枠内では説明がつかない」と明言した。
 これに対し、法案作りに関わった公明党の北側一雄副代表は「憲法9条の下でどこまで自衛措置が許されるのか突き詰めて議論した」と理解を求めた。だが、長谷部氏は「どこまで武力行使が新たに許容されるのかはっきりしていない」と批判を続けた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150604-00000538-san-pol
なるほど、ならば、憲法の方を変えるしか無いのだよね。


これに関して、菅氏はこんな反論をしている。

違憲指摘「全く当たらない」 菅氏、衆院憲法審査会参考人質疑に反論

2015.6.4 18:52

菅義偉官房長官は4日の会見で、同日開かれた衆院憲法審査会の参考人質疑で、3人の参考人全員が審議中の安全保障関連法案について「憲法違反」としたことに関し、「法的安定性や論理的整合性は確保されている。全く違憲との指摘はあたらない」と述べた。
残念なことに、いつもの切れ味が無いねぇ。
菅氏は、昨年7月に閣議決定した安保関連法案の基本方針に触れ「憲法前文、憲法第13条の趣旨をふまえれば、自国の平和を維持し、その存立を全うするために必要な自衛措置を禁じられていない」と指摘。「そのための必要最小限の武力の行使は許容されるという、以前の政府見解の基本的な論理の枠内で合理的に導き出すことができる」と話した。
確かにこの判断は分かるのである。憲法13条は「国民は個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と規定している。
つまり、国民には幸福追求権があり、それを侵す存在を排除するのは国の義務だという解釈はできる。
だけど、その手段として武力行使を禁じているのが9条なのだよね。


 自民党などが参考人として推薦した早稲田大の長谷部恭男教授が憲法違反だと指摘した点に関しては「全く違憲でないという著名な憲法学者もたくさんいる」と述べ、今後の法案審議への影響は限定的との見方を示した。
そりゃ、解釈の世界の話に踏み込んでいるのだから、合憲だと判断する学者もいるだろうし、ギリギリのラインまで踏み込んでこの法案を作ったのだろうから、違憲だという判断も当然出てくるだろう。

本音を言えば、自民党だって憲法違反の可能性はあると言う事は十分に認識しているのだと思う。
しかし、安倍政権は憲法改正には着手せず、法解釈にて先に安保法制を整備しようとした。


一見乱暴そうに感じるが、しかし、時間が無かったのも事実である。それ程までに支那の勢力拡大のスピードは速く、そして、安倍政権は憲法改正をして安保法制を整えるまでやりきれるほど長期政権をやれる保証も無い。

結局のところ、妥協の産物だったのだろう。

だが問題は、だ、じゃあ、新安保法案が通らなかった時、国民を外国の武力による脅威から適切に守ることができるのかい?という点だ。

与党側の作戦ミスの感じは否めないものの、根本的なことを考えればやはり、憲法改正は視野に入れて話を進めるしか無いのかも知れない。だが、時間が無いのだ。
痛し痒しというところだな。
ランキングへの応援クリックよろしく!
にほんブログ村 ニュースブログ 時事ニュースへ








コメント