2016年4月18日月曜日

耐震化が遅れた建物と被害の拡大

今回の地震は前代未聞の様相を呈していて、被害も拡大している。しかし、被害を拡大しているのは地震の特殊性だけではなく、耐震化が進んでいなかったという現実もあったようだ。

熊本地震 倒壊多数、耐震化遅れ 九州「地震なかった」

産経新聞 4月18日(月)7時55分配信
 「熊本地震」は最大震度7を記録し、家屋が倒壊して住民が下敷きになるなど多数の犠牲者が出た。熊本県益城(ましき)町では、2階建て住宅の1階部分が潰れた家屋のすぐそばに、壁の一部が剥がれた程度の軽微な被害で済んだ住宅も目につく。
阪神淡路大震災、東北大震災と経験したのに、対策が進んでいなかった理由は、九州地方に地震が少なかったせいだという。


気象庁の公開する地震に関するデータを見ると、こんな感じなのだそうだ。
higai-1995
この資料は、明治以降1995年までの巨大地震に関するものであり、九州、四国、は、大きな被害が出ておらず、北海道がその次くらいに被害が出ていない感じだ。主な被害地震(1996年~2005年)_20100331(北海道支庁再編)
higai2006-new
この2つが最近のデータだ。とはいえ、上の図とは違って震度の情報が盛り込まれているので、かなり地震が多発しているように思えるが、それ程でも無い。
最近の傾向を見ると、四国はほぼ地震発生の報告が無く(阪神淡路大震災などの影響もあって被害が無いと言う意味では無い)、九州も多少の地震は発生しているが被害は殆ど無い。

故に、九州が地震の空白地帯だったという認識は強ち間違ってはいない。


まあそんな訳で、危機意識は薄かったのかもしれない。
国土交通省は平成7年の阪神大震災を教訓に家屋の耐震化を進めているが、いまなお全国約900万戸は今回と同規模の地震で倒壊する恐れがあるという。有識者は「九州地方などは対策が遅れていた」とも指摘する。
ただ、地震対策が遅れているのは九州だけじゃないんだけど。
 阪神大震災では昭和56年以前の古い耐震基準の住宅で被害が集中したため、震災後には56年以前の建物に耐震診断を義務付ける耐震改修促進法が施行。国交省は改修費用を助成するなどして4年後までに住宅全体の耐震化率95%を目指す。だが、実際には平成15年に約75%だった耐震化率は25年に約82%と10年間で7ポイントしか増えていない。
現状だと日本全国でも2割は壊滅か……。

いやいや、実はそんな甘い話じゃ無い。

ところで、地震の結果有名になったのがこちらの市役所。
市役所
1965年建造で、約10年前の耐震診断により震度6強に耐えられないと判定され、ようやく昨年、耐震改修計画を検討し始めたばかりだった。市担当者は「財政上の問題で改修が遅れた」と釈明する。
これが防災拠点だというのだから、締まらない話である。
 同県益城町も古い庁舎だが耐震改修が済み、震度7に耐えられるはずだった。だが14日の前震で庁舎にひびが入ったり窓が開閉できなくなったりした。さらに16日の本震で電気がストップ。役場横に配備した電源車も倒れた。建物強度への懸念や電気が使えないことから、600人以上が避難する町保健福祉センターの児童館に災害対策本部を移し、約50平方メートルにシートを敷いて椅子と机を置いて災害対応に当たる。ある職員は「耐震補強をしたので、使えなくなるとは思わなかった」と話す。
が、今回の地震は耐震改修した施設でもダメージを受けている。防災拠点が使用不可、では話にならない。

そして、今回のような地震の態様では、現状の耐震基準が良いのかどうかと言うのは微妙だろう。

こちらはWikiの情報を参考にして、大きな揺れだけをピックアップしてみたリストだ。震度5以上の大きな揺れは3日だけでこんなにある。
  • 4/14 21:26 M6.5 最大震度7(益城町)
  • 4/14 22:7 M5.7 最大震度6弱(益城町)
  • 4/14 22:38 M5.0 最大震度5弱(宇城市)
  • 4/15 0:3 M6.4 最大震度6強(宇城市)
  • 4/15 1:53 M4.8 最大震度5弱(山都町)
  • 4/16 1:25 M7.3 最大震度6強(南阿蘇村等)
  • 4/16 1:44 M5.3 最大震度5弱(玉名市等)
  • 4/16 1:46 M6.0 最大震度6弱(菊陽町等)
  • 4/16 3:3 M5.8 最大震度5強(阿蘇市等)
  • 4/16 3:55 M5.8 最大震度6強(産山村)
  • 4/16 7:11 M5.3 最大震度5弱(由布市)
  • 4/16 7:23 M4.8 最大震度5弱(熊本市東区)
  • 4/16 9:48 M5.4 最大震度6弱(菊池市)
  • 4/16 16:2 M5.3 最大震度5弱(嘉島町等)
これだけの頻度で大きな揺れが続いているのである。
日本の耐震基準は従来のタイプの地震をベースにしているので、連続した揺れに耐えうるようにできているのかはよく分からない。


また、地震の質も問題だったようだ。

熊本地震 「キラーパルス」を確認、阪神大震災と同じタイプ 木造家屋に被害か

2016.4.15 22:09
 熊本地震は平成7年の阪神大震災と同じ内陸直下型で、木造家屋に大きな影響を及ぼすタイプの揺れが強かったことが被害拡大につながった。震源付近では地盤を南北に引っ張る力が働いており、専門家は2つの活断層帯の一部が連動した可能性が高いとみている。
 日本で起きる大地震は、プレート(岩板)境界が動く東日本大震災などの海溝型地震と、内陸の活断層が動く直下型地震に大別される。熊本地震は後者で、阪神大震災と類似点が多い。
~~中略~~
 周期1~2秒の揺れは「キラーパルス」と呼ばれ、木造家屋に大きな被害をもたらす特徴があり、阪神大震災の揺れのほとんどがこのタイプだった。より短周期の揺れは崖崩れを起こしやすく、震源付近の被害状況と一致するという。



これから全容が分かっていくのだろうから、詳しい状況はまだよく分からないのだろうけれど、被害を拡大させる理由の1つになった可能性はある。


いずれにせよ、今の時点で一つ分かっている事がある。
日本に住んでいれば、どんな地域でもこうしたリスクは常にあるのだ。今までの常識は通用しないかも知れないが……、それでも言われている様な対策は本格的に考え直した方が良いと思う。

防災対策をしていないところはもちろん、対策をしたところでも再点検の必要性に迫られている。

次に起こるのは南海トラフ地震だろうか?それとも……。


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