2016年4月13日水曜日

国交省の進める「ETC2.0」の暗雲

偶には毛色の違ったニュースなどを。

ETC2.0の普及「徐々に」...石井国交相

2016年4月8日(金) 11時15分

高速道路の新たな料金収受システムとして切替が予定されるETC2.0の普及について、石井国土交通相は8日の会見で次のように述べた。
「徐々に2.0への移行を図っていくことが必要ではないか」
現行のETC車載器は5220万台で利用されているが、次世代ETCとも呼ばれるETC2.0は、新車の標準装備を中心に40万台に装着されているだけだ。
えー、ETC2.0って何よ。

ETC2.0って何
全然聞いたことねーよ。え?2014年春10月からの運用開始?マジで?
2.0はGPSアンテナを搭載し、車両の位置情報がわかることから、将来登場するであろう経路選択割引や高速道路の広域渋滞情報の収集に役立つと期待されている。道路の維持管理にも効果を発揮する。同省道路局は、道路側の設備についてはすでに全国の高速道路全線で2.0の対応を終了した。現行のETC設備更新を行わずに移行することを公表しているが、現在は現行のETCとETC2.0の2本立てだ。
現在普及しているETCは、主に料金所での支払いのみをやっているのだが、どうやらETC2.0は双方向通信を実現し、通信容量を大幅に拡充するシロモノらしい。
商品は出ているの?
実は出ているそうな。
これはパナソニックの商品だが、価格は2万円オーバー。現状のETCとは4倍以上の開きがある。誰が買うんだよ!各社横並びの価格らしいし、セットアップ費用なども必要なので、利用者にはかなりの出費を覚悟させるシステムだね。
狙いがよく分からないETC2.0
そもそも、誰がこんな計画をたてたのかという話。
同局は日本のITSの先進事例として20年の東京オリンピック・パラリンピックに成果を上げたいと考えている。有料道路の料金徴収は世界的にも自動化が進んでいるが、一方でETCによる方式は道路側、利用者側双方のコストがかさみ、日本でしか普及していない。ガラパゴス化が顕著だ。
実は、ETC(電子料金収受システム)は、国交省が旗振り役となって日本で導入されたシステムなのだが、世界各地でも様々な方式の電子料金収受システムが採用されている。

外国では、ナンバーを読み取って後日登録した預金口座からお金を引き落とすシステムだったり、専用タグをフロントガラスに貼り付けるだけだったりと、割と簡易なシステムが多いらしいのだが、日本のシステムは利用者にも負担が大きいし、インフラ整備もかなりのコストを要するそうな。

国交省、相変わらず迷走しているな。
ガラパゴス化をするのは構わないが、もっと利用者にも優しく、設備コストも安い方式を推進しようよ。
今ならスマホで色々な情報提供がされる
そもそもである。今ならインターネットで多くの情報が取り入れられるので、スマホやタブレットを持っていれば、そろそろカーナビなども必須装備とはいいがたい状況になってきた。

寧ろ、スマホについてるGPS機能を利用して、Googleあたりが更に凄いサービスを提供してくる気もする。そうなればETC2.0は普及する前に時代遅れになる可能性が高い。

カーナビ自体の陳腐化が激しいことを考えると、どうにもETC2.0の方の分は悪いね。
システムの安定性は車載型システムの方が優れる
とはいえ、スマホのような持ち歩き可能なデバイスだと、車外からの検出が難しくなるなどのデメリットも考えられる。
そもそもETC2.0の出発点は、限りある交通インフラを上手く活用して、渋滞などの緩和を図りたいといったところから出発している。つまり、車を停車させて支払いをするようなスタイルは採りたくない。

よって、例えば認証用のタグをフロントガラスに貼り付けるようなスタイルで、そう、車検シールのような感じで貼り付ければ良いだろう。何なら、車検シールと一緒にしてしまっても良い。そして、そのタグを車検毎に配るようにすれば、使用者のコストは相当減らすことができる。これをゲートをくぐる時に検出するスタイルにして、登録口座から引き落としという形にすれば、コストも安くなるし利便性も高くなる。

一方の双方向のデータ受信という点に関しては、簡易なタグでは実現すべくも無いので、大きくする必要はあるだろうが……。そうなるとETCにくっつけるのは理にかなっているのかなぁ?なんとなく釈然としないが。
システムのキモはソフトウェア
結局のところ、こうしたシステム構築をやったとしても、ソフトウェアの拡充が大切である。高速道路だけでなく、全ての有料道路に対応させ、駐車料金の支払いやらも可能にする。渋滞情報の提供や道路状況、天気などの情報や災害時のアナウンスなども含めて、もっと色々な事ができて初めて普及に繋がるのである。

日本はそうしたソフト面が弱いんだよねぇ。
国交省に期待するのは無理なのかもしれないが。
追記
いつもコメントを頂くあるけむ氏より突っ込みを頂いた。確かに、記事を読んでもETC2.0ってなんぞやと言うことが分かりにくいので、国交省がどういった予定でいるかというのを少し解説しておこうと思う。
ITSスポットを用いたサービス
実は、ITSスポットサービスは2009年頃から細々と提供されていたサービスであるようだ。
ITSスポットサービスは「都市圏の最適移動ルート選択」「雨や雪などの天候や渋滞などの情報を画像でお知らせ」「事故多発地帯など危険箇所のお知らせ」など、色々便利なサービスらしいのだが、首都圏とその周辺でしか実現されていない。また、その内容も今のところ限定的である。

これを拡充するため、ETC2.0という名前に刷新して周知しようという話のようだ。
image
必要なものは、ITSスポット対応カーナビ(ETC2.0対応カーナビ)とDSRC車載器と呼ばれるETCの進化版の2つ。
ただし、カーナビもETCもサービスに対応するものを導入する必要がある。まあ、新しいカーナビは対応が進んでいるようなので、徐々にETC2.0を購入するだけ、と言う人は多いかも知れない。
あと、音声だけで案内するバージョンのETC2.0もあるそうな。
今提供されているサービス
ETC2.0サービスで現状提供されているのは、以下の3つ
  • 渋滞回避支援:渋滞情報を視覚情報で表示しお知らせ
  • 安全運転支援:落下物情報、天候の変化などの道路情報
  • 災害時の支援:災害発生時に状況を伝えるサービス
ただし、これがやれている範囲はこんな感じ。
img005
主要道路は押さえられている気はするが、2011年時点で1600箇所に設置されているだけの状況である。高速道路への対応がほとんどみたいだな。概ね15kmおき位には設置されているので、これで高速道路はほぼカバーしている状況と言えるかもしれない。
今後導入予定のサービス
ロードマップはハッキリしないが、今後は以下のようなこともやる積もりらしい。
  • 経路情報を収集・蓄積することで、渋滞、事故などの状況に応じたルート提示を出来るようにする。
  • 大型車両の運行管理、荷物の配送管理、省エネ運転の指導
……国交省のサイトの説明ではイマイチよく分からない。特に下側の大型車両の関連はさっぱり分からない。
まだ、具体的なビジョンが見えていないのだろうか??
民間サービスなど(登場予定)
あとは、民間頼みのサービスがこちら。
  • フェリー乗船の際の車両確認などの手続き簡素化
  • ドライブスルーでの料金支払いをキャッシュレスに
  • 大型店舗で、顧客の来店を把握して、お得意様への特別対応を可能とするサービス
  • ガソリンスタンドでのキャッシュレス決済
  • 事前登録手続きにより、公共駐車場などにキャッシュレスでの使用
  • タクシーの配車方法の改善
簡単にできそうなものから、面倒そうなものまで様々だな。

結局、ETC2.0車載器が普及しないと意味が無いので、先ずは普及促進が一番大切なんだろうぜ。


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2 件のコメント :

  1. あるけむ(R.K.M) @fwbc19652016年4月13日 6:02

    ざっくり調べただけですが...
    国交省は「ETC2.0」と言ってますが、各種サービスを一体提供する話のようですね。「ETC2.0=ETC+ITSスポット+VICS」という感じです。
    ソース)国交省「ITSスポット ~次世代のITSの展開~」
    http://www.mlit.go.jp/road/ITS/j-html/spot_dsrc/
    ソース)VICSセンター「ETC2.0(電波ビーコン5.8GHz帯)」
    http://www.vics.or.jp/know/service/etc2.html

    返信削除
    返信
    1. ありがとうございます。
      その辺りは実はザックリ調べておりますが、どういったロードマップで提供される者なのかはよく分からないんですよね。
      記事の最後に並べた内容はほとんどが国交省のこれからの予定に書かれているもので、「民間が提供」というような予定になっています。
      でも、民間企業にしてみれば、普及したETC2.0との連係というならばお金も出すでしょうが、普及率がイマイチの現状では投資するとは考えにくい。
      普及させるなら、せめて機器をいまのETCと同じ価格に設定するとか、「凄く便利」というサービスを載せるか。
      その辺りが実現しないとどうにもなりませんよね。

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