2016年5月23日月曜日

台湾は前政権の「歴史教科書」要項廃止へ

「正しい歴史など存在しない」かつて僕に日本史を教えてくれた先生の言葉である。

歴史教科書「台湾重視」に=前政権の要領廃止-台湾


 【台北時事】台湾の潘文忠教育部長(教育相)は21日、国民党の馬英九前政権が2014年1月に改定した学習指導要領を廃止し、要領を元に戻す方針を明らかにした。現在の高校の歴史教科書は、中国と台湾の歴史的なつながりを強調する記述が多く、20日発足した民進党・蔡英文政権は、以前の台湾重視の教科書で歴史教育を進める。
故に、この台湾の決断がどの方向へ向かうのかは非常に気になるところだ。


歴史の教師なのに「正しい歴史は存在しない」なんて暴言を吐く人だったが、その言葉の真意は、「歴史は見方によって異なる」「故に、正しさは人によって違う」って事がベースになっているらしい。
「じゃあ、勉強する意味は無いのか?」と聞いたら「歴史の見方を学ぶ事は即ち、弓を引き絞るのと同じで、過去に引き絞れば引き絞るほど、矢は未来に向かって遠く飛ぶ。だから学び給え」と、そんなことのようだ。
結局、恩師は様々な視点があると、そういう事が言いたかったようである。少なくとも僕はそう理解している。
 現在の教科書は「中国」を「中国大陸」に、国共内戦後に中国から渡って来た国民党政権による台湾「接収」を祖国復帰を意味する「光復」にそれぞれ変更。また、日本統治時代の表現を「日本統治」から「日本植民統治」に改め、旧日本軍の従軍慰安婦については「強要された」という言葉を付け加えた。
ただ台湾の切った舵が、今のところ僕には正しかったかどうかを判断することなんて出来ない。
歴史について「注釈を付ける」ということは、即ちプロパガンダの刷り込みに等しいと、そう考えているので、「強要された」などと修飾子を増やすような事に正しさはどうしても見出せないが。

台湾史というのは、台湾の原住民にとっての歴史と、台湾に移り住んできた支那人達の歴史、多様性のある民族の織りなす歴史、色々あるだろう。
だから、「支那」から来た国民党政権というのが主体になれば、「接収」→「光復」というのは分かり易い。「日本統治」→「日本植民統治」も露骨さを感じずにはいられない。
無論、僕は日本が台湾に与えた影響は甚大であったにせよ、それは必ずしも正しさを伴うものではなかったと考えている。

 当時野党だった民進党や市民団体は、指導要領改定が「中国寄りで『脱台湾化』を狙っている」と主張。改定教科書導入前の昨年7月には、反発する若者らが台北市内にある教育部の建物に突入し、多数の逮捕者が出た。
結局、歴史は為政者達に都合の良い解釈が付けられるものなのだ。


で、それは安倍政権とて例外では無い。

ただ第二次安倍政権になって、教科書検定の内容が変化したのは事実だが、一部で言われるような歴史修正主義では無いと、そう思っている。今のところ、ではあるが。

高1用、「領土」記述6割増 安倍政権色、強く 近現代史に意見5件

毎日新聞2016年3月18日 東京夕刊
 文部科学省は18日、2017年度から主に高校1年生用に使われる教科書の15年度検定結果を公表した。竹島(島根県)や尖閣諸島(沖縄県)など領土に関する記述の分量は「地理歴史」「公民」の教科書全体で現行より6割増えた。また、日中戦争で起きた南京事件など近現代史の記述に対し計5件の検定意見がつき、教科書会社が表記を変更した。集団的自衛権や安全保障に関連する記述でも細かい検定意見が目立ち、政府の意向を反映した教科書になった。
毎日新聞などは、今年の検定結果についても発狂していたが、僕にはこの検定意見がついた点は間違ってはいないとそう感じている。
検定


そもそも、日本の歴史教育では日本史の近代史について詳しく教えたりはしない。だが、歴史を学ぶ上ではそれが一番大切な部分である。

「さまざまな視点」を盛り込めば良いか、と言う部分はまた議論があるところだとは思うが、少なくとも根拠無く語られる歴史というのは、単なる物語に過ぎないのである。
そして、そうした物語に苦しめられているのは、今の日本の姿でもある。「南京事件」然り、「慰安婦問題」然り、「竹島問題」然り、だ。

日本の問題はさておき、台湾はどうなのだろう?


台湾にとって、自らの出自というのは非常にデリケートな問題だ。

国際的には、台湾は一つの独立国として認められてはいない。理由は、支那が強硬に「その土地はオレの土地だ」と主張するが為である。そして、台湾としても国民党の正当性を示すためには、支那は台湾の一部であるという主張をせざるを得ない部分がある。

これは、台湾の先住民が、或いは蒋介石率いる中華民国が、歴史の中で台湾をどういう位置づけにするかで大きな齟齬を生じるからだ。
この問題は、さわり部分だけでも、とても1つの記事に収まりきらない面倒な話なので、ここでは「問題アリ」としか言わないのだけれど。


ともあれ、台湾民進党の蔡氏は馬政権の方針は行きすぎだと感じていたようで、これを馬政権前まで巻き戻す方針のようだ。

僕は、こうした歴史の取り扱いについての揺れは、正しいと思っている。
少なくとも議論の余地があることを認め、問題のある部分は見直そうという立場に立って歴史を学び直すことは重要だ。
日本にとっても、教育という砦が日教組によってボロボロにされてしまったため、コレを取り戻すのに多くの時間を割かねばならない。台湾はどうだろうか?
既に、支那はプロパガンダ塗れの歴史の上に又プロパガンダを塗り固めようとしている。韓国は……、物語を有り難がる国は論外だな。

日本は戦後、GHQの指導やそれを利用したサヨクの自虐史観情勢によって、大きく損なわれてしまった部分がある。そりゃ、戦争の道を回避出来たのであればそれに越したことは無かっただろう。だが、アレは本当に日本だけの責任だったのか?その点には大いに疑問を持っている。
まあ、ドイツはナチスについて評価の正当性を検証し直すこともタブーになっている始末なので、アレよりはマシかもしれないね。

いずれにせよ、今回の台湾の決断は好ましいものに映るけれども、良い事ばかりでもなかろう。台湾は日本の轍を踏まぬよう、慎重に考えてほしいものだ。



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6 件のコメント :

  1. >ドイツはナチスについて評価の正当性を検証し直すこともタブーになっている始末なので、アレよりはマシ

    ワイゼッガー大統領の謝罪より
    「人は自分に罪がないことにも、責任をとることができる。 例えば、私の自動車を他人が運転して事故を起こしても、私は賠償責任を負う」
    「一民族全体に罪がある、もしくは無実である、というようなことはありません。罪といい、無実といい、集団的ではなく個人的なものであります。」

    ドイツという車はナチスに乗っ取られた。現在の我らは車の所有所であるから、賠償はするが、直接的な罪はないと言っているのと同じですね。

    特亜が良く引用するドイツの賠償については、自分で調べようとしないと賠償や謝罪についての詳しい内容が伝わってきませんね。韓国人はユダヤ人になりたいんでしょうが。
    ドイツに関しては良く言われる事ですが、ナチスに全て押し付けてるので自業自得的な部分もあるでしょう。

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    1. ワイゼッカー氏は「過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります」という言葉を残している訳ですが、結局のところ、ドイツに責任は無いよと言ったも同然ですからねぇ、引用された言葉は。

      ワイゼッカー氏の言葉は確かに正しいのですが、ナチスを生み出した背景まで含めた反省をすべきなのだと、僕は思っています。
      何も、ヒトラーは突然変異の異端児だったというわけでは無いのですから。

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  2. 自分も、近代史はさらっとしか勉強しなかった。
    学校ではもっと近代史を教えて良いと思う。古い歴史から学ぶのではなく、現代から遡るように授業をしても良いのではないでしょうか?
    もっとも、教師が史実に沿った公平な授業をするのが大前提ですが。

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    1. あるけむ(R.K.M) @fwbc19652016年5月24日 4:56

      「現代から遡るような歴史教育」は、昔、井沢元彦氏が提案してました。
      自分が、歴史を学んだ時期は四半世紀以上前ですが、明治以降の歴史については、日本史・世界史・現代社会のどれもが扱わない空白地帯になっていると考えます。
      教えると都合の悪いことでもあるのか?と勘ぐってしまいます。

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    2. 近代史は「時間が無いから」という理由でカットされましたねー、僕等の時も。
      そうそう「受験では使わないから」という事を言われた先生もいましたな。

      何のための授業なのかと言うことについて、今一度考え直す時が来ているのでしょう、日本の教育は見直すべき部分が多いのだと思います。

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    3. そうそう、冒頭の言葉を言われた先生にも、近代史についての疑問をぶつけたことがあります。
      「評価が定まっていないから、教えるのが難しい、というのが建前としてあるけれど、現実としては教えるにあたって色々な問題があるから」と、言葉を濁しておりました。
      どうやら教育委員会などで、特定の思想に偏り易いので、その分野は避けるようにと言う圧力があったようで……。
      どんな圧力だったかは、今となっては確認しようもありませんけど。

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