2016年5月9日月曜日

連動型地震を想定しない防災計画

まあ、仕方があるまい。

<防災計画>連続震度7想定せず 全ての都道府県

毎日新聞 5月9日(月)7時0分配信
 災害時の緊急対策などを定めるため、各自治体が策定する「地域防災計画」に、熊本地震のような最大震度7の地震が連続発生することを想定した記載がないことが、47都道府県への取材で分かった。
個人的に、地域の防災計画などについて調べてみたが、想定している範囲内でもあれが機能するとは思えない。九州では想定外の事態が起こったのだから尚更混乱を招いたことは想像に難くない。


おっと、タイトルで「連動型地震」と書いたのだが、熊本地震のような地震のことを指している。複数の本震と思われる揺れが相次いで発生する地震は、これまで余り想定されていなかったようなのだ。

ただ、「想定外」で済ませればそれでお終いというわけには行かないのが、世の常なのである。
熊本地震では、4月14日の震度7の発生後、避難者が自宅に戻り、16日の2度目の震度7で死者を含む深刻な被害が出た。専門家は地域防災計画に盛り込むよう呼び掛けており、兵庫県など4府県が見直しを検討すると回答した。
こうした見直しは、モデルケースがあって初めて成立する話なのだが、そういう意味では今回の熊本地震をレアケースと考えるか否かはかなり難しいだろう。

ただ、構造物の強度に関する基準は、熊本地震を切っ掛けに見直される可能性はあるだろう。現状の建築基準法が想定する耐震性能は、あくまで本震と呼ばれる大きな揺れと、余震と呼ばれるちいさな揺れを想定していて、本震レベルの大きな揺れが2度も3度も来ることは想定していない。
熊本地震では震度7が2回、震度6強が2回、震度6弱が3回と、大きな揺れでダメージを負ってしまった後のことは、想定外というのが現状なのである。


だが、熊本地震の様なケースは、実は想定されうるのである。
ただ、阪神大震災で被災した兵庫県は「震度7」とは明示していないものの、「(四国の南の海底にある)南海トラフ沿いで、複数の地震が数時間から数日のうちに連続発生する可能性がある」と記載。最初の地震で損傷した建物が次の地震で倒壊して死傷者が出るのを防ぐため、建築士らが住宅などの安全性を調べる「応急危険度判定」を早急に実施するなどの対応を盛り込んでいる。
だとすると、今後は建築基準的には免震だけではなく、建物の一部を強化して、最悪のケースでもその部分は残るようなシェルター的な部屋を設けるような方向に舵が切られるのかも知れない。
 一方、「地域防災計画の見直しを検討する」と回答したのは、兵庫、奈良、鳥取、大阪の4府県。このうち、奈良県は「県に影響する八つの断層を確認しているが、現在の計画では複数の断層が同時に動くことは想定しておらず、実際に発生すると十分に対応できない」と説明。大阪府も「ハード面での対策は国の対応を待たなくてはならないが、避難に関しては独自に見直すことができる」と答えた。兵庫県も「実際に連続で発生した以上、具体的な対策が必要」としている。熊本県は見直しについて「未定」と回答した。
何れにしても、地方自治体はそうした検討を再びやらねばならないだろう。


気になるのは、アンケートに答えた中で、南海トラフ地震に関連する地域の答えが出ていない点である。

(災害大国 あすへの備え)消防など公共施設、43市町村が高台へ 南海トラフ津波対策

2015年9月28日05時00分
南海トラフ巨大地震による津波の被害が特に懸念されるとして、国の津波避難対策特別強化地域に指定された139市町村のうち、43市町村が東日本大震災以降に公共施設の高台移転を実施・計画していることが、朝日新聞社と関西学院大学災害復興制度研究所の共同調査でわかった。
去年の記事で申し訳ないが、具体的に南海トラフの危険性を感じて動いている地方自治体も少なくは無い。ただ、熊本地震を前提とすると、こうした移転計画ではむしろ逆効果になりかねない話も出てくるだろう。


防災計画は、今一度見直される必要がありそうだが、個人的な範囲で調べた限りでは、そもそも現状たてられている防災計画そのものが使い物にならないケースも珍しくないと思われる。
高齢化社会となって、機能しなくなっている部分も少なくないし、そもそも実施を前提に作られたのか非常に怪しい部分もある。

今求められるのは、確実な防災計画と、「想定外」の事態が起きたことを想定しておくことだろう。


ランキングへの応援クリックよろしく!
人気ブログランキングへにほんブログ村 ニュースブログ 時事ニュースへ

0 件のコメント :

コメントを投稿

お気軽にコメントを!ハンドルネームは面倒でもお願いします。