2016年6月16日木曜日

「国民との約束」を守る気のない民進党

いやまあ、呆れるばかりだ。

分配と成長を両立=9条改正に反対-民進公約【16参院選】


 民進党は15日、7月の参院選で掲げる公約「国民との約束」を発表した。安倍政権の経済政策「アベノミクス」は失敗したと指摘。分配と成長を両立する経済政策に転換し、日本の潜在能力を引き出すと訴えた。
本当に成長が無い。

もちろん、民進党の幹部達は自分たちが何を言っているかは理解しているのだろう。
民進党
なかなか凄いな。

「人からはじまる経済再生」というスローガンが「コンクリートから人へ」というスローガンを掲げた2009年とだぶって見えるのは僕だけでは無いだろう。

ただまあ、スローガンはスローガンである。ショボくても内容さえ伴っていれば問題は無い。

で、肝心の「約束」の方だが……。


まず、「経済と暮らしを立て直します」という約束を出している。
そのキーワードは「分配と成長の両立」というものだ。「人への投資」「働き方革命」「成長戦略」を実行する事らしい。

「人への投資」は、保育料などの負担軽減と、大学進学などのための給付型奨学金の創設に取り組み、職業技術教育を充実させ、起業支援としての助成金を充実させるつもりのようだ。

なにやら良さげな政策のように思えるし、人への投資は非常に大切だ。けれど、大半は自民党も既に手を付けている政策ばかりでもある。まあ、自民党の政策がそれ程良い感じで進んでいるわけでは無いが。

それが自民党以上に上手くやれるか?がポイントだろう。

<保育料などの負担軽減>
保育料などの負担軽減って、「子ども手当」と目指す方向が一緒で失笑しかでない。
これ、財源が無くて児童手当と同じレベルでしか支給できなかった過去は無かった事になったのか??財源はどこから出てくるのさ。

<給付型奨学金>
給付型奨学金については、既にこのブログでも突っ込みを入れているのだが、そもそも多くの人が大学に行く今の体制そのものが常軌を逸していると言っていい。僕自身が社会人になって強く思うのは、大学を出ようが大学院を出ようが、使えない人間はとことん使えない。むしろ、プライドばかり高くなって使いづらい事この上ない。そんなことなら、高校のうちから専門的な技術を学んでいた方がよっぽど使い物になる。
給付型奨学金などを出して、遊んでいる大学生を増やすメリットは無いし、ハイエナのように集まってくる外国人の大学生を養うのに奨学金を出すのはもっとバカバカしい。
成績の良い学生に奨学金をという従来のスタイルをもっと整備すべきだろう。

<職業技術教育の充実>
こちらの政策はは僕も賛成なのだが、大学の給付型奨学金制度との相性が悪い。何度も書くが、猫も杓子も大学に行く必要は無い。そして、職業技術教育を大学でやる必要も無い。
加えて「公的な職業訓練メニューの多様化」と言うが、そんなもの公的にやってもメリットはほとんど出ない。形ばっかり整えて古臭い技術を押し付ける、それだけだ。基礎は重要だが、技術は日々変化していく。だから最先端の技術を学ぶのであれば、寧ろ企業に飛び込んで実践的にやった方が良い。その為に補助金を出すというのであれば分かるのだが……。

<起業を支援>
日本は起業支援が充実していないと言われているが、これは社会構造に起因しているので、単純に金をばらまくようなスタイルでは何の意味も無い。
結局のところ「正社員幻想」という正社員を優遇しすぎるが為の弊害が強すぎて、再就職が難しいと言う構造が、起業に失敗したときのリスクを大きくし、再起が難しくなるという悪循環を招いている。
助成金を充実する事では解消できない。

「働き方革命」は、仕事の生産性を上げ、子育て・介護と仕事の両立をバックアップ、時給1000円以上に、「同一価値労働同一賃金」を確立により、経済活性化を図るとことのようだ。

これもまあ、安倍政権の方針と大差無い。

「仕事の生産性を上げる」
日本人の生産性は先進国でも最下位という不名誉なレッテルを貼られている辺りから問題提起をしているらしいのだが……、日本の生産性を下げているのは、製造業では無くサービス業の方である。そして、日本のサービス業の付加価値は低い。労働時間が無駄に長いのは分かるが、人件費やサービスの価値が低い現状では、これを改善するのは限界がある。
労働者が早く家に帰れば良いという問題では無いのだ。

「時給1000円以上」
時給が上がるのは良いことだ。しかし、最低賃金を上げることは生産性を下げるファクターになる。そして、デフレが進行している現状でこれを敢行すると更に酷いことに。安倍政権も手を付けようとしているが……。
経営者が人件費に使えるコストは利益から求められるので、利益を上げられない以上は人件費に使えるコストを増やせない。だから時給を上げれば雇う人を減らさざるを得ない。そして、昇級していくと人件費は更に増えていくので早めに雇用関係を打ち切らざるを得ない。
最低賃金を引き上げればハッピー、という考えはあまりに短絡過ぎる。

「派遣法改悪」
派遣法に関しては、正社員を優遇しすぎるという現状を改善できなければ、「改悪」もクソも無い話だ。「派遣社員を減らして正社員に」等という考えは、単純に企業への負担になるだけで、日本の経済を一層悪くする可能性が高い。
もちろん、派遣社員の現状が好ましいものとは僕も思っていないが、「同一価値労働同一賃金」などはスローガンに過ぎない。例えば、経験の浅い作業者が、経験のある作業者と似たような作業をしたとして、それは果たして「同一価値労働」と言えるのか??
労働者が生み出す付加価値に対して賃金を支払う体制が構築されなければ、なかなかこの問題は解決が難しいだろう。

そして、概ね民進党の方針は日本経済を冷え込ませる方向に作用する事は、既に民主党政権時代に立証されてしまっている。だって、あの頃と何も変わらないのだ。


「成長戦略」は、5項目上げているが、どれもこれもクソなので細かくは言及しない。

1番目のは良いとして、2番目の「グリーンエネルギー革命」は既にドイツで失敗がほぼ確定しているだけに、目指すべきでは無いだろう。
3番目の「正規雇用を増やす」というのは、正社員幻想が生み出す幻から脱却できていないので話にならない。これは既に言及したとおりだ。更に「インボイスの拡大は行わない」といっているが、インボイスは寧ろきちんと整備していかねば、税収に大きく影響する。拡大すべきだろう。なお「第三者保証制度」というのは連帯保証人の話らしいけれど、これ、既に改正の方向に舵が切られている。
4番目のNPO税制拡大という辺りがよく分からないが……、5番目の「特区」の成功例を全国展開とかいう辺りと絡めて考えると、どうにもおかしな戦略である互いは拭えない。

特区制度は特区であるが故の特性を生かした成功事例が多い。それを全国展開したからと言って、良い結果になるかと言えば、かなり怪しい。特区制度での実験的な内容を全国展開可能にリファインするのは、寧ろ民間の努力にかかっている話で、その為の規制緩和の検討というのであればまだ話は分かるんだが……。


そして、「憲法の平和主義を守る」という約束を出している。もう、バカも休み休み言えと。
思わず呟いてしまったが、この方針は「国を守り、世界に貢献する」という点と大きく矛盾する。色々項目を挙げて説明しているが、あまりに現実と乖離しすぎて突っ込む気にもならない。

だいたい、国の守りを固めるとか言いながら、日米安保条約の内容すら反対する始末で、日米同盟の維持すらこのままでは危ういのだが、その辺りに民進党は気がついているのだろうか?気がついていないんだろうな。

自衛隊の実力では、支那からの侵略に対して抗しきれない点は、これまでもこのブログで説明してきたとおりである。そもそもの自衛隊の防衛ドクトリンが、アメリカ軍の介入を待つための時間稼ぎという状況であるのに、片務的な防衛をアメリカに期待する様はまるで韓国のようである。
しかし、現実的にはアメリカ軍は韓国から撤退しようとしている。韓国がレッドチーム入り確定した近年ではその状況が更に加速している。
その様子を見てなお、「日米同盟堅持」と言う様は、脳味噌が腐っているとしか思えない。

民進党の防衛戦略は、民主党時代から何も進歩が無い。日本を取り巻く国際状況は刻一刻と変化しているのに、同じ体制で防衛が出来るなんてカンチガイしている時点で救い難い。

この他にも色々突っ込みどころ満載なので、是非、「国民との約束」を見て欲しい。
矛盾が多すぎて、とても約束を守る気が感じられないのである。
そして、肝心の財源に関する話が今回も皆無なのだ。
そりゃ、経済が活性化すれば税金は増えるだろうさ。
でも、財政健全化の必要性は待ったなしで、自民党が決めた消費税の延期ですら、かなり危うい話である。

何より、民進党の方針は、今あるパイを如何に均等に切るのか?というそれだけの話である。「成長戦略」はパイの枚数を増やす話にあたるが、肝心のその部分は腐っているのだからどうしようも無い。

そしていざとなったら赤字国債発行だとか。そりゃ、いざとなれば仕方が無い部分はあるが、民主党政権時代、どれだけ赤字国債を発行したんですかねぇ?

実のところ、「国民の借金」(その実態は政府の借金)は、日銀の金利政策で減りつつある。だが、日銀が大量に国債を買い込みすぎるのは危険だ。それで借金を踏み倒すような手法が罷り通ったら、「円」は国際通貨として信用されなくなってしまう。
日銀だってマイナス金利政策などいつまでも続けられるとは思っていないのだろうが、この金利政策の出口を見失っているのが現状だ。政治的に止めさせると、大混乱は必至。民進党の経済政策は最初から失敗の雰囲気を漂わせている。

民進党は、結局こんな状態で選挙に臨もうというのである。
勝負を最初から捨てているとしか思えないのだが……、一見耳障りの良い単語が並んでいる辺りが、民主党時代と同じで、非常に危険だ。

無論、政治とは色々な矛盾した命題に対して、落とし所を探りながら両立を目指すことではあるが、その能力が無いことは民主党政権時代に既に実証済みである。


ランキングへの応援クリックよろしく!
にほんブログ村 ニュースブログ 時事ニュースへ

0 件のコメント :

コメントを投稿

お気軽にコメントを!ハンドルネームは面倒でもお願いします。