消費税と生活保護

この「消費税」と「生活保護」の2つを同列に扱うことは、適切では無いのかも知れない。

生活保護の高齢世帯5割、50年で6倍に…3月

2016年06月01日 16時47分
 厚生労働省は1日、今年3月時点で生活保護を受けた世帯数は、前月より2447世帯多い163万5393世帯(速報値)で、過去最多だったと発表した。
ただ、どちらも誤解の多い制度のような気がしてならない。


「生活保護」という制度について、不正受給で盛り上がった時期があった。
よしもと芸人が何人か、家族などに生活保護受給を積極的に勧めていたという話があった。河本という芸人一人の問題では無く、吉本興業という組織そのものの問題であった訳だが、生贄に捧げられてしまった感はあるね。

そして、生活保護の不正受給はこの一例に留まらずあちらこちらで行われているのだが……、この制度の根本的な問題は、不正受給そのものではない。

寧ろ、「必要としている人に正しく届かない」という制度設計上の問題があるのだ。


そして、その問題の一端が、冒頭に紹介した「増え続ける受給世帯」という問題と、この記事内にある「老齢世帯の受給が増加している」という事実だ。

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このグラフでは少々実感しにくいと思うが、高齢化が進んでいて現状で高齢者世帯数は5割に達している。
この話の何がマズイかというと……、この数字は増える事はあっても減る事は無いという点である。本来、老齢世帯は年金制度によって支えられるべきであり、その納付率は年々減っている。
生活保護の方が待遇が良い、という現実を前に、まず年金制度が崩壊するわけだ。
生活保護は税金で賄われるのだが、この税金も歳入が減りつつあるので維持していくためには増税待ったなしという状況である。


小泉Jr.が先日吠えていたが……、これは強ち間違った話では無い。

自民・小泉進次郎氏「そんなおいしい話に若い人たちはだまされない」

2016.5.31 17:24
 自民党の小泉進次郎農林部会長は31日、党本部で開かれた党政調全体会議に出席し、消費税率の10%への引き上げを来年4月から2年半延期するという安倍晋三首相の方針について「延期するけれども決まっていた(社会保障)充実策はやるというなら、こんなおいしい話はない。そんなおいしい話に若い人たちはだまされない」と発言した。
既に、社会保障費が増大している状況になっているので、社会保障費の確保を小泉氏は訴えているわけだが、この辺りの理解はなかなか得られないのだろうね。
一方で、「今回の決断は社会保障の構造的なあり方(の改革)にもう一度アクセルを踏んでいくスタートにしなければいけない」とも強調。再延期の方針を半ば容認しながらも、社会保障制度の見直しを同時に進めていくべきだとの認識を示した。
ちなみに、平成25年度の社会保障費は110.6兆円、年金53.5兆円、医療費36兆円、介護福祉などが21.1兆円という内訳である。じゃあ、生活保護の財源はどこから?というと、75%が国庫から支出されており、カテゴリー的には社会保障費のうち、介護福祉の辺りに含まれる。



消費税の増税は、民間の消費行動を抑制し景気に悪影響を及ぼすという論調が一般的だが、この話は全面的に正しいという訳では無い。
増税前の消費駆け込みと、増税後の消費の落ち込みがあり、消費が落ち込みっぱなしと言う話にはならない。寧ろ、景気の影響は世界経済の動向に左右されるファクターが大きい。

今回、安倍氏が「リーマンショック」云々という話をしている背景には、そういった話がベースになっているのだと思われる。
ただし、その分析が正しいのかという点に関しては議論の余地があるところではあるが……。

現在、支那経済の減速や韓国のデフォルト、EU解体などのリスクがあっちこっちに転がっていることを考えれば、「リスクあり」と言えるとは思うが、今現在政界経済がヤバイ状況にあるかというと、そうでも無い。むしろ、原料費が下がっている文、日本の輸出業にはプラスの影響が大きいだろう。
シロウトが経済を語るなど愚の骨頂ではあるが、少なくとも悪材料ばかりというわけでは無いのは無理のない分析だと思う。



景気悪化が全て消費税増税のせいだ、というのは単なる思考停止だ。少なくともそんな単純な話で経済が操れるのであれば、政府はさっさと消費税など凍結しているだろう。それで税収が上がれば、の話だが。

だが、現実は税収減は避けられない。
そして将来的に消費税の増税が避けられないのであれば、現段階で果たして消費税増税を避ける意味があったのかは疑問が残るところ。
少なくとも、社会保障費を削減する方向で舵を切っていかなければ、何のための消費税増税延期なのか??という話になりそうだ。

政治家にとって、増税の話はかなりリスクの高い話だ。しかし、そこから目を背けたところで何の解決にもならないのも又事実。
痛みを伴う改革は必要だろう。


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