支那、海洋法条約脱退を盾に圧力を掛ける

立場が支那であれば、この方法は正しい。

中国、国連海洋法条約の脱退検討

2016年6月21日
 中国による南シナ海での領有権主張は国際法に違反するかが焦点の国連海洋法条約に基づく仲裁手続きで、海域の境界線に関する中国の主張の根幹を否定する判断が出された場合、中国政府が対抗措置として条約脱退を検討していると一部周辺国に伝達したことが20日分かった。複数の外交筋が明らかにした。
しかし、やっている事そのものが……。


面の皮の厚さで定評のある支那だが、その影響力も又大きい。
国際社会への影響力を考えると、アメリカ、EU、ロシア、支那、日本の順番くらいで大きな影響力を持っている。
日本の発言力が相対的に下がっていることは残念なことだが、経済力に勝る支那が発言力を増大しているのは当然の帰結だ。

ただ、声が大きいから主張が正しいかというと、それは違う。
 境界線は、南シナ海の大部分を管轄していると主張する中国が管轄範囲を示す根拠とする「九段線」。
このブログの読者であれば、「九段線?何のこと」等と言う事にはならないと思うが、一応、示しておこう。
九段線
これが支那の赤い舌、九段線である。


もう、これを見る度に「頭がおかしいんじゃ無いのか?」と思ってしまうわけだが、支那にとって真っ当な主張だと言うことらしい。
これが否定されれば、人工島造成など中国が進める軍事拠点化への大きな打撃になる。
「大きな打撃」とあるが、そもそも人工島造成などが違法である。
違法行為は取り締まられなければならない。
中国政府には、条約脱退をちらつかせ国際社会との対決も辞さない強硬姿勢で臨む構えを強調する狙いがあるという。
条約脱退って、「どうぞどうぞ」と言いたい所だが、これがカードになり得るという読みを支那がしているからこそ、の対応でもある。

支那の発言力や影響力を考えれば、支那が海洋法条約から脱退することは、好ましくない。


海洋法条約(1994年発効)は、163の国と地域が締結しており、基本的な「海のルール」が定められている。
例えば、排他的経済水域(EEZ)の設定など、運用上のルールが定められているだけに、支那が「それ、脱退したから守る気は無いよ」と言えば、資源開発を始めとして色々な問題が噴出すること請け合いである。

もちろん、支那の海洋法条約脱退は、支那にとってもデメリットが大きいのも事実だ。国際的な発言力の低下を招くだろうし、海の上での揉め事に関しても支那は一切信用されなくなる。
「あそこは治外法権だ」との認識がなされれば、漁業権など直接的な話にも影響するだろうし、海洋航行に関しても色々と危険視されるようになる。輸出入にしたって、支那の船は「ルールを守らない可能性がある」と信用されなくなる訳だ。
更にもっと大きな問題も。


先ずは海洋法条約の前文を引用しておこう。
<前文>
この条約の締約国は、
海洋法に関するすべての問題を相互の理解及び協力の精神によって解決する希望に促され、また、平和の維持、正義及び世界のすべての人民の進歩に対する重要な貢献としてのこの条約の歴史的な意義を認識し、
千九百五十八年及び千九百六十年にジュネーヴで開催された国際連合海洋法会議以降の進展により新たなかつ一般的に受け入れられ得る海洋法に関する条約の必要性が高められたことに留意し、
海洋の諸問題が相互に密接な関連を有し及び全体として検討される必要があることを認識し、
この条約を通じ、すべての国の主権に妥当な考慮を払いつつ、国際交通を促進し、かつ、海洋の平和的利用、海洋資源の衡平かつ効果的な利用、海洋生物資源の保存並びに海洋環境の研究、保護及び保全を促進するような海洋の法的秩序を確立することが望ましいことを認識し、
このような目標の達成が、人類全体の利益及びニーズ、特に開発途上国(沿岸国であるか内陸国であるかを問わない。)の特別の利益及び二ーズを考慮した公正かつ衡平な国際経済秩序の実現に貢献することに留意し、
国の管轄権の及ぶ区域の境界の外の海底及びその下並びにその資源が人類の共同の財産であり、その探査及び開発が国の地理的な位置のいかんにかかわらず人類全体の利益のために行われること等を国際連合総会が厳粛に宣言した千九百七十年十二月十七日の決議第二千七百四十九号(第二十五回会期)に規定する諸原則をこの条約により発展させることを希望し、
この条約により達成される海洋法の法典化及び漸進的発展が、国際連合憲章に規定する国際連合の目的及び原則に従い、正義及び同権の原則に基づくすべての国の間における平和、安全、協力及び友好関係の強化に貢献し並びに世界のすべての人民の経済的及び社会的発展を促進することを確信し、
この条約により規律されない事項は、引き続き一般国際法の規則及び原則により規律されることを確認して、
次のとおり協定した。
長いが、読んで貰えば分かる。
この条約は国際連合の原則に従って、「平和」「安全」「協力」「友好関係」を謳っているのだが、これを否定すると、そういう話になるわけだ。


支那にとっても、海洋法条約からの脱退は、国連の常任理事国としての責任を放棄するものとなり、国際社会に喧嘩を売る行為に他ならない。常識的に考えれば、カードとして切ると言う選択肢は、凡そあり得ない。

……ただし、「あり得ない」というのは、民主主義国家の場合の「常識」であって、力こそパワーの支那にとって、そんな「常識」に囚われる必要性は全く無い。考慮はしても、支那共産党にとっての最善を選び取るのが支那の現実である。
そして、支那共産党は、外交部が息をしておらず、軍部が独走状態にある。党本部はその独走状態の軍部の行為を追認する程度の立ち位置にしかいない。
更にその状況を利用して、見せカードを作る辺りが支那の狡猾さを感じる。

しかし、現実的には、何れの手段を採っても支那がジリ貧となることはほぼ間違いが無い。だとすると……、このカードを切るとき、支那は相当覚悟が決まっている状態だ、と、そういうことになるのだろう。



ランキングへの応援クリックよろしく!
にほんブログ村 ニュースブログ 時事ニュースへ

コメント