2016年6月9日木曜日

ドイツの固定費買取制度は終焉へ

FIT終了~、って思ったより早かったな。

独 再生エネルギーの固定価格買取制度を廃止へ

6月9日 5時51分
ドイツ政府は、日本でも導入されている再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社が高い価格で買い取る「固定価格買取制度」について、「時代に合った制度に見直す必要がある」として、来年から廃止する方針を決めました。
遅かれ早かれ、この事態を迎えることは想定していたが、ドイツを見本に制度を構築した日本はどうするんだろうな?




太陽光発電など、再生可能エネルギー発電によって作り出した電気を高い価格で買い取る制度が「固定費買取制度(Feed-in Tariff:FIT)」だ。
ドイツの電力供給
実際、FITは多くの国で実施されており、再生可能エネルギー発電の普及に貢献している訳だが、FITを真っ先に採用したのがドイツ。それも1990年のことである。

このFITのお陰で、ドイツにおける再生可能エネルギー発電の割合は、3割を超えている。

再生エネ=最大の電力源、80%の目標に向かうドイツの戦略

2015年03月25日 07時00分 更新
 ドイツ連邦経済エネルギー省(BMWi)は、総電力消費量に占める再生可能エネルギーの割合が2014年、27.8%に達したと発表した(関連記事)。2013年の25.4%から2.4ポイント上昇し、過去最高を記録した。これまで最大の電力源だった褐炭を初めて上回ったという。再生可能エネルギーの統計に関するワーキンググループ(AGEE-Stat)が取りまとめたもの。
目指せ8割!という事らしいな。


だが、この方針も来年からは修正する事になるようだ。
ドイツ政府は8日、ベルリンで閣議を開き、再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社が20年間にわたって発電コストよりも高い価格で買い取るなどとする「固定価格買取制度」について、原則、来年から廃止する方針を決めました。
個人的に、思ったよりも早かったというのは、太陽光発電など不安定な発電方法によって引き起こされる問題が顕在化したり、太陽光発電設備の値崩れなどの影響で市場が混乱して、擦った揉んだが起きると思っていたからだ。
その挙げ句に「やっぱり止めます」という話が出てくるものと考えていたが、どうやらそういう話になるより先に別の問題が出たようだ。
「固定価格買取制度」は再生可能エネルギーの普及を促そうと、ドイツを参考に日本でも導入された制度で、すでに16年前に導入したドイツでは発電に占める再生可能エネルギーの割合が、およそ3分の1に達しています。
一方で、発電設備が急速に増えた結果、電力の買い取りにかかる費用が電気料金に上乗せされて料金が高騰したほか、送電線の整備が遅れ、天候しだいで大量の電力が余ってしまうことが課題となっています。
考えてみたら当然だよね。


そもそも、FITは、再生可能エネルギー発電を普及させるために、電力会社に再生可能エネルギー発電で発電した電力を高く買い取らせる手法である。
このことは即ち、電力料金の高騰を意味するが、それでは経済に大きな影響が出てしまうために、ランニングコストの安い他の発電方法とのバランスを採りながら、価格調整をしましょうという方針にせざるを得ない。

価格差で言えば、再生可能エネルギー発電によって生み出された電力は、火力発電によって生み出された電力の2~3倍の価格差がある。ただし、これは日本での話で、ドイツではかなり価格差が縮まっていたようだ。
加えて、記事にもあるが、太陽光発電は天候次第で大量の電力が生み出され、それを制御できるような構造になっていない。
余剰電力を何処かに売るか貯めるか出来れば良いのだが、高い電気を買ってくれる酔狂な国は無いだろうし、電気を貯める技術はまだまだ未熟だ。


よって、高価買い取りというのは無理だから、市場原理に則った価格設定にしてね、という話になった。
ドイツのガブリエル経済・エネルギー相は「時代に合った制度に見直す必要がある」と述べ、来年以降、新たに作られる発電設備の電力については、固定価格ではなく、より市場価格に近い価格で買い取るとしています。
これを受けて、今後はドイツにおける再生可能エネルギー発電の供給の伸びは鈍っていくだろう。
個人的には、良くも3割まで増やしたなぁと言うのが正直な感想だ。


じゃあ、日本ではどうなのだろうか?

日本においては、再生可能エネルギー発電の割合は1割どころか5%に満たない(2014年度)。水力をあわせても12.6%と、水力発電が8.2%であることを考えると、大変悲しい数字である。
そして、日本の再生可能エネルギー発電は、上手く回っていない。

この辺りは、政府が本腰を入れて整備をする気が無いと言う問題も大きいのだが、それ以上にコストの設定と資金回収の目処が立たないなど、ちぐはぐな状況が続いているせいである。
日本においては、今ある再生可能エネルギー発電の設備を全て稼働させた場合、各家庭で月額300円ほど値上がりしてしまうのだとか。しかし、FITを利用する業者側からすると、FITによる買取額を増やさなければ、再生可能エネルギー発電でもとが採れない状況という状態なんだそうで。



一方でこんなデータも。
太陽光導入実績
これ、発電量ベースでの比較なのだが、意外なことに日本の太陽光発電の導入量は多い。日本では太陽光発電による発電量の割合は1.5%程度なので、世界的に思ったよりも多く利用されているわけでは無さそうだ。
接続可能量
そして、これ以上増やす事も難しい理由がある。
このグラフはピーク電力に対する設定された接続可能量を示したもので、電力会社によって提示された数字をもとに作成されているようだ。
設置の安易さから太陽光発電設備の設置が進んだ反面、実際に受け容れられる電力との乖離が激しく、既に受け容れ可能な電力量をピーク時には超えてしまうという問題があるのだ。



尤も、この「受け容れ可能だよ」という指針はあくまで電力会社側からの主張であり、技術的に受け容れが出来ないと言うわけでは無い。
送電網の整備やら発電超過時の対策等の整備を含めたインフラ投資を増やせば、接続可能量を増やすことは出来ると思われるが、タダでさえ電力安定性の低く、高価な太陽光発電による電力を受け容れるがためにインフラ投資というのは、電力会社側にとって何ら旨味の無い話である。

日本の現状は、原子力発電の再稼働が滞っており、それこそ太陽光発電どころでは無い状況で、火力発電に9割の発電量を頼っている状況にある。
これを再生可能エネルギー発電の割合を増やすことで緩和、というのは口で言うのは簡単であるが、結局のところ、電気料金をアップさせることで利用者に負担させる形にするしか無いことを考えると、経済活動への悪影響など様々な問題が考えられ宜しくない。



個人的に、再生可能エネルギー発電の割合を増やしていくことそのものに反対するつもりは無いが、高いメリットがあるわけでも無いので、徐々にやれば良いのでは?という気がして仕方が無い。

ドイツのFITの崩壊が決定付けられた現在、日本の再生可能エネルギー発電に関わる政策も又、見直していくべき課題となるだろう。

発電していないFIT認定はどんどん取り消し、新制度が2017年4月に開始

2016年05月27日 11時00分 更新
 今回成立した「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(通称FIT法)等の一部を改正する法律」(以下、改正FIT法)で特に注意しなければならないのが、FIT(固定価格買取制度)認定を取得した事業者である。
さすがに安倍政権もそうした事は考えているらしく、来年からはFITの取り消しあるよー!という話になっている模様。
太陽光発電設備ばっかり増えても発電量が伸びない背景には、いつまで経っても太陽光発電施設を稼働させない業者が増えているという事情もあるようだ。
まあ、ドイツの例を見るまでも無く、色々変えて行かざるを得ないよね。



ランキングへの応援クリックよろしく!
人気ブログランキングへにほんブログ村 ニュースブログ 時事ニュースへ

0 件のコメント :

コメントを投稿

お気軽にコメントを!ハンドルネームは面倒でもお願いします。