北朝鮮のSLBMは支那製?

予想はしていたが、ニュースになるとなかなかインパクトがあるな。

米国の専門家「北のSLBM、中国のSLBMと瓜二つ」 

記事入力 : 2016/09/03 08:38
 北朝鮮が最近試射に成功した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星」は中国のSLBM「巨浪1」(JL1)にそっくり、という米国の軍事専門家の分析が登場した。中国が北朝鮮にSLBMの技術を渡した可能性が高いという。
SLBMの技術を保有している国は多くないので、特定することは容易だ。特に北朝鮮に採れる選択肢は少ないのが現状である。自前で開発出来る程金を投入できないことを考えれば、ここにたどり着くのは当然だろう。



さて、まずは紹介されていた比較写真だ。
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……似ているとも似ていないとも言いにくいが……。
 米国防情報局(DIA)元情報分析官のブルース・ベクトル・アンジェロ州立大学教授は1日(現地時間)、ラジオ番組のインタビューの中で「今回北朝鮮が発射したSLBMは、JL1と同じ2段式の固体燃料ミサイル。北朝鮮のSLBMとJL1は完全に瓜二つに見える。北朝鮮のSLBMと似ているものは、JL1のほかにはない」と主張した。またベクトル教授は、ここ数年で北朝鮮が中国から移動式発射車両(TEL)を導入するなど、中国がこれまで北朝鮮に数多くの軍事装備を支援してきたことも指摘した。
支那の内情を考えれば、こうした結果が出てくることも不思議は無い。



このブログでは幾度も指摘しているが、支那の戦区は中央政府の忠実なる部下という訳では無い。
特に、北朝鮮と近いのは北部戦区(旧瀋陽軍区)で、ここから情報が漏れることはそれ程不思議では無い。物資の供給や輸出入に関してもこの辺りの関与が指摘されており、一蓮托生という状況にあっても不思議は無いのだ。

ただ、北部戦区に海軍はあるが……、潜水艦やSLBMを運用できるのか?と言う点に関しては懐疑的だ。旧瀋陽軍区時代には潜水艦支隊があったらしいのだが、明型と呼ばれる通常動力潜水艦で、SLBMが発射出来る能力は無かった模様なのだ。

そして、もう一つ気になる情報がこちら。
 SLBM技術の確保に成功した北朝鮮は、実戦配備のために、SLBM3-4基を搭載できる3000トン級の潜水艦の開発に拍車をかける見込みだ。これに関して脱北者団体「NK知識人連帯」は先月31日、「北朝鮮実情説明会」を開き、「北朝鮮の偵察総局121サイバー部隊が、ロシアの原子力潜水艦の図面をまるごと入手して、原潜開発を推進している」と主張した。2013年にはロシアの原潜専門家5人を招聘するなど、原潜開発事業を急ピッチで進めているという。
何故ロシアが?という疑問を発する前に、ロシア経済が相当ヤバイ局面にあって、ロシア軍は崩壊寸前であるという事情を理解しなくてはいけない。

かつてのロシアは、兵器開発でも一流であった。が、ここ数十年で目立った成果を出せていない。
ロシア製の兵器でちょっと名が売れた印象があるのは、戦闘機のPAK-FAだが、開発速度は非常に遅い上にその性能も微妙な感じで、最新鋭と言うには少々問題がある。その状況は戦車も潜水艦も船舶もみな同じで、かつて世界一の技術を誇っていたロケットも惨憺たる状況である。

……つまり、金が無いのだ。

しかし、兵器開発はやりたいのが本音なので、研究者などは外国に流出するような事態を迎えている。
そして、一番兵器開発にお金を使っている支那や、国際的非難を受けても気にしない北朝鮮、支那に対抗するために死力を尽くしているインドやパキスタンなど、様々な国に技術が流出している印象だ。無論、「金で技術を売っている」とも理解できるが。



さて、そんな訳で北朝鮮のSLBMにせよ潜水艦にせよ、現実的な脅威として認識せねばならない状況になってきた。

何しろ、実績のある支那やロシアの技術が流入している可能性があり、技術者も少なからず北朝鮮国中に入っている疑いが強いからだ。

しかし、技術者が北朝鮮入りしたから直ぐにSLBMが開発出来るかというと、そんなことは無い。幾らノドンやスカッドの発射実績があるとは言っても、それらとは別の技術であり、そもそも潜水艦から発射しなければならない。しかし、北朝鮮にまともな潜水艦があると言う話は聞いたことが無い。

つまり、SLBMも潜水艦も支那から供与された上で、ロシア人技術者などの手によって偽装されて今回の状況が出来上がったのでは無いか?という推測が成りたつ。或いはウクライナなどかつてソ連の技術を保有していた国から、直接作りかけの艦が流入した可能性もあるが……。

いずれにせよ、日本の脅威になる点は変わりないな。


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コメント

  1. あるけむ(R.K.M) @fwbc19652016年9月5日 16:20

    北朝鮮のSLBMが中国のSLBMベースという話には疑問があります。

    北朝鮮の弾道弾「ムスダン」は、旧ソ連製SLBM「R-27」ベースと言う話があります。
    ソース)産経「【軍事ワールド】あなどれない北朝鮮の“枯れた”ミサイル技術 弾道弾突入に高いハードル」
    ということは、R-27ベースのSLBMを開発するほうが自然な流れだと考えます。
    さらに、R-27のWikipedia記事に示されている外観図および「R-27 画像 SLBM」でググった結果出てきた画像によるSLBMの先端部の外観は、本記事の左側のSLBMに類似してます。
    以上のことから、北朝鮮のSLBMは中国のSLBMベースではないと考えています。
    この説の難点は、R-27は一段式で中国のSLBM「巨浪1」(JL1)は二段式という点です。

    なお、「巨浪1」は固体燃料なので、北朝鮮が将来のために導入研究している可能性はあります(R-27はヒドラジン系液体燃料)

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    1. 成るほど、確かにR-27の方が形は似てますよね。
      故に、どちかの技術というよりは、キメラに近いモノだと、そう思います。
      何しろ、北部戦区もまともな潜水艦やミサイルを保有してはいないでしょうから、中央戦区からジャンクを引っ張ってくるのが関の山かと。
      だとすると、足りない部分を補う必要があるワケで、それをロシア方面からという事はあり得るでしょう。

      何れにしても想像に過ぎませんが。

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  2. 北朝鮮の潜水艦に関しては今までにロシアで退役したゴルフ級やフォックストロット級を屑鉄扱いで合計20隻近く買ってるらしく、元は恐らくこっちでしょう
    もしかしたらこの潜水艦の技術は最近になってポン、と渡されたのではなく、長い間コツコツ積み上げて来たものがやっとこさ使えるレベルとなっただけなのかも知れません

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    1. 確か、韓国のミサイルも似たような手法で入手していたという記事を読みました。
      ただ、幾らロシアの潜水艦を捨て値で買っていたからと言って、肝心な部分が容易に手に入るとも思えません。
      そして、いきなり技術レベルがポンと上がるのも不自然な話。
      韓国より北朝鮮の方が執念深く技術の蓄積をするイメージはありますが、それでもいきなりSLBMが打ち上げられたり、使えるレベルの潜水艦が登場したりというのは無理がある気がしますよ。

      とはいえ、北朝鮮の情報はただでさえ不透明ですので、血が滲むような努力をしていたかもしれませんね。侮れない国です。

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  3. 時々話題になる北朝鮮の陸軍はともかく、海軍の開発能力に関しては、個人で調べられる範囲での情報がほぼ無いんですよね……
    小型艇ばかりで大型艦はほとんど出てこないと思いきや、3000トン級クラスの艦艇開発したとの話もある
    目立つ現物としては巡視船と撃ち合って沈んだ工作船がありますがこれは海が荒れすぎると高速航行が出来なくなるという問題が発見されてる位ですし
    五里霧中というか完全に藪の中ですわ……

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    1. 北朝鮮の装備についても謎が多いですよね。
      情報が出てこないというのはなかなか恐ろしい事です。

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