2016年9月7日水曜日

韓進海運法定管理で何が起こるのか?

さて、色々追いかけている韓進海運法定管理問題だが、今後どうなっていくのかを考えてみよう。

<韓進海運法定管理>足止めされた約8300の荷主が預けた荷物約1兆4500億円分どうする?

2016年09月06日16時17分
  韓進(ハンジン)海運の法定管理で5日現在73隻の船舶が幽霊船のように24カ国44港湾の沖合に漂っている。
  中央日報が7人の専門家に状況を打開するための案を尋ねた。「足止めされた船に積まれた貨物の荷役案を講じることが優先第1位」という意見には異論がない。
そもそも、この話はおかしいのだ。


既に3回にわたって記事にしているので、ちょっと整理しながら考えていってみよう。
まず、韓進海運は韓国の財閥系企業であり、韓進グループの一員でもある。韓進グループと言えば大韓航空(ナッツリターン)でも有名だね。

韓進海運の苦境は今に始まったわけでは無く、2008年から2010年に渡って巨額の赤字を垂れ流したために、2014年から2年間、韓進グループから1兆2000億ウォンの支援を受けて再建を模索した。が、今年の4月にはグループ会長の趙亮鎬氏が経営権を放棄。
まさに打つ手無しの状況だった。


しかし、ここで不思議な事が幾つか出てくる。僕が感じた疑問は3つだ。
1つは、何故、韓国海運業は押し並べて経営危機に陥る事態になっているのに、業界は整理縮小しなかったのか?という点。
もう1つは、2010年の時点でさっさと店じまいをしなかったのか?と言う点。
更に、法廷管理を申請するにあたって、船の積み荷をそのままにして強行してしまったのか?と言う点だ。

韓進グループ、韓進海運に1000億ウォン支援も焼け石に水か

記事入力 : 2016/09/07 08:17
 韓進グループは6日、韓進海運が法定管理(会社更生法適用に相当)に入ったことによる物流の混乱を解消するため、1000億ウォン(約93億円)を投入すると発表した。趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長が私財400億ウォンを拠出するほか、韓進海運が保有する米ロサンゼルス・ロングビーチターミナルの持ち株を担保に600億ウォンを支援する内容だ。
この後に及んで1000億ウォンを用立てるとか言っているが、必要なのは6500億ウォンである。


実は、1つ目の疑問と2つ目の疑問は問題の根っこが同じなのだ。
韓国の財閥系企業というのは複数あるが、韓進海運が韓国最大手であり、次に大きいのが現代商船なのだそうだ。

韓国海運2社、苦境 現代商船・韓進海運、経営権を放棄

2016年5月23日05時00分
 韓国の海運業が苦境に陥っている。2大企業だった現代商船(ヒョンデサンソン)と韓進海運(ハンジンヘウン)が相次ぎ、経営権を放棄して債権団に管理を要請。関連企業への影響が懸念されている。韓国政府は構造調整を急いでいるが、見通しは立っていない。
そして、韓進海運と現代商船とは違う財閥系企業である。系列が違うので、統合しようというバイアスには激しい抵抗がある。いや、統合しようとした動きはあったらしいが、上手くいってはいない。
本来ならば、さっさと保有している船を売ってでも事業規模を縮小してお金を工面すべきだった。ところが、両方とも経営権を放棄しちゃった。

ここででてくるのが韓国政府なのだが、要は2つの企業とも経営再建に韓国の税金を投入してくれ!という態度なのである。


では、どれくらいの税金が必要なのだろう。
  理由は2つだ。貨物が適時に到着しなければ国家の信任度まで打撃を受けるからだ。貨物が消えれば後になってより大きい訴訟戦に飛び火する恐れがある。約8300の荷主が韓進海運に預けた荷物の貨物価額は140億ドル(約1兆4500億円)に達する。すでに海外の荷主たちは法務法人和友(ファウ)など国内ローファームと接触を始めたという。
サービス再開にかかる費用はいくらぐらいだろうか。キム・ヨンム韓国船主協会副会長によれば船舶の入港・荷役作業に1隻あたり70万ドルがかかる。韓進海運が運航中の95隻には735億ウォン(約69億円)が必要だ。荷役後はターミナルに保証金と運搬費を納付しなければ荷物を搬出できない。保証金を除いても120万個のコンテナ運搬には7320億ウォンが必要だ(ドイツのハンブルグ港基準1個あたり500ユーロ、約5万7800円)。すなわち最低8000億ウォンは必要だということだ。
今、お金を投入すれば8000億ウォンほどでと書かれているが、遅れなども勘案すれば1兆ウォン程度は用意する必要があるだろう。それが用意出来なければ1兆4500億円、つまり14兆5000億ウォンの積み荷がパァだ。

しかし、積み荷の総額は損害の総額とは違う。

例えば、部品を運んでいたのだとすれば、その部品が調達できないために完成品が作れない。他の業者に切り替えるなどの事態が発生する。完成品を運んでいたとしても、商売に大穴を開ける可能性があり、損害額は2倍や3倍ではきかないだろう。


よって、引用記事の冒頭に書かれるようにとにかく時間が大切なのである。如何に早く大金を投入して正常化するか?にかかっているのだ。
  ヤン・チャンホ韓国海洋水産開発院長は費用を2段階に分けて対処するよう提案した。第1段階は荷主に貨物を輸送するのに必要な緊急資金、第2段階は韓進海運の法定管理期間に物流を運送する際に必要な資金だ。「対外信任度の下落を考慮して第1段階は政府が直ちに用意し、第2段階は債権団・韓進グループが分担せよ」という立場だ。ハ・ヨンソク海運物流学会顧問も、ひとまず政府が支給保証しようという意見は同じだ。ただし政府が韓進グループに債権放棄の覚書をもらう形で税金投入を最小化しようという意見だ。
そういう意味では、韓国政府が一時的にでも韓進海運を管理下に置いて、税金を投入してでも問題の早期解決を図るべきと言う意見は正しい。
  一方で政府が出る必要はないという主張もある。キム・ヨンム副会長は1対1対1の原則を提案した。これまでの債務のうち5000億ウォンを減らし、韓進グループと債権団がそれぞれ5000億ウォンずつ出せば問題が解決できるとみた。キム・インヒョン高麗(コリョ)大学法学専門大学院教授はひとまず金融圏が緊急資金を出血し、韓進グループに求償権を請求する案を提示した。尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)元企画財政部長官はあらゆる事を経済論理にゆだねようという意見だ。彼は「政府が出れば再び税金が投入される」として「残念だが原則通りに荷主・関連企業が損失を抱え込むほかはない状況」と話した。
こんな風に、責任の押し付け合いをしていては機を逃してしまう。


問題発生から1週間。既に韓国の開運業は、世界で信用されなくなってしまった。

荷物の遅れが損害の拡大を招いていることを、韓国政府は未だ肌で感じていない。しかし、今なお船の上で足止めを喰らっている荷物達は、刻一刻と損害を生み出し続けている。

ここで3つ目の疑問に対する僕なりの回答を出しておこう。

船の積み荷をそのままに法廷管理の申請をした理由?簡単である。これは韓国人を観察していれば分かる。韓進海運は積み荷を人質にして、韓国政府に「金を出してくれ」と迫っているのだ。
最低の発想だが、事態の深刻さを考えれば有効である。しかし、問題は韓進海運が韓国政府の対応を見誤っている点だ。多分、韓国政府はいつかは金を出す。ただ、現状では世論を気にして税金投入を遅らせている。

僕の見立てでは、韓国政府が前に出てきて7000億ウォンを即時に投入して問題解決を図り、その後で財閥の解体をするなど、煮るなり焼くなり好きにすれば良いと、そう考えている。
それでも、韓国の輸出業は大ダメージを受けるだろう。

しかし、クネクネは国庫にお金が無いことを十分承知している上で、世論を理由にお金を出さない。それどころかセウォル号引き上げなどと言う意味不明な事業にお金を掛ける始末。5000億ウォン程かかかるようだが、そんな何の足しにもならない事業にお金を掛けるよりも、海運業の立て直しが急務だろうに。

さて、タイトルで「何が起こるのか」と書いているので、僕の予想を書いておく。まず、このままズルズルと公金投入を遅らせて、結果的に韓国の海運業界を潰してしまう。
第2位の現代商船も来年まで保つか?という状況だが、「韓国の海運」が信用を失うので、更に赤字は拡大するだろう。
結果、韓進グループ崩壊と韓国の海運の消滅まで行くだろう。そうなってくると今度は韓国の輸出も同時にダメになる。韓国はダンピング紛いの安値攻勢で商品を売りさばくので、国内の安い海運が使えないのは致命傷だ。加えて韓進グループ崩壊により大韓航空の経営悪化と信用の喪失で空路も怪しくなる。輸出入に大打撃だ。
当然、自国のGDPの大半を輸出入で賄っているので、そんな事態になれば韓国は再びデフォルトを迎える事になるだろう。

韓国政府は、自分で自らの首を絞めていることに気がついていないようだ。
もう、韓国経済崩壊待ったなしというところまで来てしまっているぞ。



ランキングへの応援クリックよろしく!
にほんブログ村 ニュースブログ 時事ニュースへ

0 件のコメント :

コメントを投稿

お気軽にコメントを!ハンドルネームは面倒でもお願いします。