フィリピン大統領の外交センスに脱帽

何を言い出すんだ!この人は。

訪中のドゥテルテ比大統領、南シナ海問題を事実上棚上げの姿勢 「米などの支持は第3次大戦誘発」

2016.10.20 07:33
 【北京=西見由章】訪中しているフィリピンのドゥテルテ大統領は19日、北京で記者団に対し、南シナ海における中国の主権主張を退けたハーグの仲裁裁判所の裁定について、20日の習近平国家主席との首脳会談で自発的に取り上げない意向を示した。
なんとも嫌なカードを切ってきたな。この場合、外交センスが良いと言うべきか悪いと言うべきか何とも悩ましい。

フィリピン大統領のドゥテルテ氏が支那を何処まで信用しているのかは知らないが、この判断は裏目に出る可能性が高い。
中国側から裁定について切り出すことは考えにくく、事実上、棚上げする意向を示唆した形で、中国から経済支援を引き出す狙いがありそうだ。
ドゥテルテ氏は、現在、反対派を虐殺しているのでは無いか?という噂も出ているほどの強硬派である。だから寧ろ独裁政権の色の濃い支那の方に親和性が高いのかも知れない。
しかし、フィリピンがこの領土問題を棚上げすることは、即ちフィリピンの漁業への打撃や、輸出入ルートを支那に支配される事を甘んじて受け入れる事をも意味する。そして、国防の面でも大きく損なわれる可能性が高い。

いや、或いは支那が信用できる相手であれば、アメリカよりも近くに存在する支那について立ち回ることは、国防的にはメリットがあるのかも知れない。だが、支那は他国との対等な関係を望むなどと言う殊勝な態度を採る国では無い。

支那の軍事力に対抗するだけの軍事力をフィリピンは有していないので、支那が本気になってこれば消し飛ぶくらいの状況にはなるだろう。
軍事的に徹底抗戦というのは、フィリピンにとって分が悪いのだ。

日本としては支那包囲網を形成して、相互協力でという意見を出している。しかし、現状では自衛隊を海外に出すという発想がそもそも無理なので、とても日本は軍事的に期待ができない。
じゃあ、アメリカは?というと、これまでフィリピンはアメリカをあてにしていたのだが、残念なことにドゥテルテ氏のやり方は決定的にアメリカとかみ合わない。共同歩調を採るにしても、内政をとやかく言われては困るのだろうな。フィリピンはアメリカと距離をとる選択をしている。


ただ、支那の方に付くと言うことは国際社会のルールを主張できない世界に行ってしまうという事を意味するので、かなり分の悪い賭になるだろう。
それこそ、支那が本気になればチベット再びという状況になりかねない。

可能性としては、ドゥテルテ氏が支那から金を引き出せるだけひきだしておいて、崩壊したらさっさと逃げ出す算段をしている可能性もある。上手く支那が利用できればそれに越したことは無いが、そういった手法は支那が一枚も二枚も上手なので、先行きは明るくない。
そして、支那崩壊のその時に、フィリピンが無事である保証は何処にも無い。特に支那に近づけば近づくほど巻き込まれるリスクは高くなるだろう。

そもそも、外交的にフィリピンから先に「棚上げ」のカードを見せるのは得策では無いだろう。
単純にカードだけの話だと、交渉材料が1枚減ってしまう。
或いは、既に事前打ち合わせが済んでいて、もしかしたらフィリピンに対してお金を供出することは決定済みであるかもしれない。日本に訪問する前に支那を選んだ事からも、根回しは済んでいる可能性が高いと考えるのが妥当だしね。



ただ、この考え方は危険でもある。
 インタビューでは、「戦争が起きたら、ある海域の領有権が何の役に立つのか。百年後、南シナ海は何の意味もなくなっているだろう」とも語った。
同じやり方をした韓国の酋長クネクネは、見事に失敗した。
 さらに「われわれは米国を放棄したわけではない」としつつも、「中国がフィリピン経済にとって唯一の希望だ」と持ち上げた。
言っている事も同じだな。
そして、韓国のコウモリ外交は見事に破綻して経済はあのザマである。フィリピンが支那を「フィリピン経済にとって唯一の希望」などと言っているが、完全な勘違いである。

ドゥテルテ氏は何処まで織り込み済みなのかは、非常に興味深いな。

しかし、フィリピンだけの話ならばともかくとして、日本やアメリカにとってはこのフィリピンの判断は憂慮すべき事態である。

フィリピンのドゥテルテ大統領、アメリカ軍との軍事同盟維持表明

2016年10月13日(木)11時01分
 フィリピンのドゥテルテ大統領は12日、既存の防衛条約や軍事同盟を今後も維持する意向を表明した。発言により、米国とフィリピンの安全保障関係に関する先行き不透明感が増し、混迷は深まった。
軍事同盟は維持するが、積極的にアメリカに近づこうとしない。
 マニラで沿岸警備隊を前に演説した大統領は「既存の条約はわれわれに傘を差し掛けてくれるかもしれず、それを破ったり、廃止する必要はない」と指摘。「われわれは全ての軍事同盟を継続する。なぜなら、彼らがわれわれの防衛に必要だと言うからだ」と述べた。「彼ら」が誰を指すのかは明言しなかった。
アメリカが言うから維持してやるけど、というあたり本当に自分の立場をよく理解している。

アメリカにとってみれば、フィリピンのこの言い草はプライドを傷つけるものでもあるが、東アジア地域の安定においてその礎を失ってしまうことを意味するので、なかなかに頭が痛い。
そして、フィリピン大統領が支那を訪問した後、日本にも訪れる予定(10月25日~27日)となっている。




日本としてはフィリピンがどうのようなカードを切って来るかを見極めるためにも、支那での会談がどのような形で進むのか、固唾を呑んで見守らねばならないだろう。

そういう状況を作り出しただけでも、ドゥテルテ氏の外交手腕は見事と言えるのかも知れない。
 
追記
随分とまあ、思い切った演説をしたものだな。

「米国にさよなら」 フィリピン大統領、中国への傾斜鮮明に

AFP=時事 10月20日(木)10時58分配信
大統領は19日、訪問先の北京(Beijing)で行ったスピーチで、同盟国である米国に「さよならを言う時が来た」と述べた。大統領はフィリピンの同盟関係の再構築に乗り出している。
会談前にこんな演説とは、また随分と激しいな。
……本当に大丈夫か??駆け引きかと思ったら、真性のバカの可能性が濃厚になってきたな。
確かに、アメリカはフィリピンを同等に扱わなかったのかもしれないが……、「同盟国として得るものがほとんどなかった」って、アホだろう。



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コメント

  1. チャベスの時のベネズエラと同じで、ドゥテルテ後はフィリピンも失敗国家入りかな。
    同時に日本が、米国に基地問題等で強く出られるチャンスだと思う。
    左翼的な意味でなく、逆にグァムに自衛隊基地作らせろくらい言ってもいい。
    戦中は米豪遮断だったが、今回は日豪通商路確保のためといえる。

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  2. 陰謀論好きとしては色々と想像が捗る人なんですよね。この人。背後関係とか調べると色々想像を逞しくさせる事ができます。
    まあ、戦争したい人達がいるってのは確かなんでしょうけど。

    返信削除

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