暴走するフィリピン大統領

希に見る逸材だな。……「希によく見る」という単語が頭をよぎったが、きっと気のせいだろう。

フィリピン大統領、ロシアと中国との「軍事同盟」の可能性を示唆

2016年10月23日 19:17
「軍事同盟かもしれないし経済同盟かもしれないし、経済ブロックとなるかもしれない」と大統領は述べ、あわせて、プーチン大統領と会談するためにロシアを訪問する可能性にも言及した。「プーチン大統領と話すためにロシアを訪れるかもしれない。そこで中国、フィリピン、ロシアが3者で世界と戦うのだ、と伝えるのだ」
先にドゥテルテ大統領は中国訪問中、フィリピンは米国と別れるべき時だ、と語った。
ドゥテルテ氏がフィリピンを高く売りつけたいのは分かった。 だが、値段設定を間違えているぞ!





このネタでアメリカもかなり困惑しているようだ。

米、フィリピン大統領に警告

2016/10/22 10:5910/22 11:01updated
フィリピンのドゥテルテ大統領 【ワシントン、マニラ共同】アーネスト米大統領報道官は21日、フィリピンのドゥテルテ大統領が「米国と決別する」と宣言したことについて、両国の同盟関係に「不必要な不確実性をもたらす」と警告した。アジア重視政策を推進してきたオバマ政権は、米国離れの発言を繰り返すドゥテルテ氏に危機感を強め、南シナ海情勢は不透明さを増している。
取り敢えず、警告があったようだ。が、ドゥテルテ氏は帰国後に慌てて釈明している。
 ドゥテルテ氏は訪中から帰国後の22日に記者会見し、「(米国との)関係維持が国にとって最高の利益だ」と述べ、「決別」とは外交関係を絶つことではないと説明。「外交政策における決別だ」として、米国に追従する政策は取らない意味だと語った。
意味が分からない。関係維持が必要であれば、軍事同盟云々という話はそもそも出てこない。



平等かどうかは知らないが米比相互防衛条約(1951年8月)が無期限で結ばれている。当然ながら、同盟国のアメリカに対してフィリピンが「ロシアや支那とも軍事同盟を結ぶよ!」などと言えるわけも無い。
ところが、それを言っちゃったのだからなかなかスゴイ話である。

WSJがドゥテルテ氏を擁護するような記事を載せていたが、今回の一連の発言は擁護しようも無い。

フィリピン大統領、「米国と決別」の裏に憤りの半生

2016 年 10 月 24 日 08:33 JST
 同盟国である米国と距離を置く姿勢を鮮明にするフィリピンのドゥテルテ大統領。71歳の大統領がどのような人生を歩み、どのようにして今のような考え方を持つに至ったかを探れば、米国がなぜフィリピンとの関係を失う恐れがあるのかが見えてくる。
裏や表がどうなっているかは知らないが、公式に「アメリカと決別」と言ってしまったのである。

アメリカにとって、フィリピンを失うことは軍事的な意味においても非常にデメリットの大きい話。手を切ることは容易には出来ないだろう。

だが、次の大統領がどちらになるにしろ、この話はかなりややこしくなる可能性が高い。
現職のアメリカ大統領がオバマ氏だからこそ、こんな舐めた発言をしてもスルーして貰えるが、トランプ氏にしろクリントン氏にしろ、アメリカ軍を撤退させることについては前向きな姿勢なので、フィリピンに軸足を置くような姿勢は採らない可能性が高い。となると、このまま行くとアメリカとフィリピンとの間は破綻してもおかしくは無い。特に、ロシアの名前を安易に出すとアメリカの逆鱗に触れる可能性がある。



流石に、外相のヤサイ氏は擁護するコメントを出したようだが……。

軍事同盟見直しでドゥテルテ大統領の発言を擁護=フィリピン外相

World | 2016年 10月 7日 02:53 JST
フィリピンのヤサイ外相は6日までに、交流サイトのフェイスブック上で「国内外の安全保障上の脅威に有効に対処するために足かせとなっている依存から脱却することは、米国の利益に対するわが国の従属に終止符を打つ上で必要不可欠となった」と主張し、米国との軍事同盟見直しを表明した同国のドゥテルテ大統領を擁護した。大統領はフィリピンを対米従属から解放したいのだとしている。
ちょっとフォローになっていないな。
米国で弁護士をしていたこともあるヤサイ外相は、かつての統治者だった米国との何十年にも及ぶ同盟関係について、フィリピンは永久に感謝するとしたが、同盟関係は未整備で軍事的に弱いとも主張。南シナ海でのフィリピンの主権行使に際して、米国が1951年締結の条約に基づいて、フィリピンを守るとは限らないと指摘した。
ヤサイ外相は「潜在的な敵がもたらす安全保障上の脅威に対して、われわれの防衛力はあまりにも能力を欠いている」とし「さらにひどいことに、われわれが国際法に基づいて主権を行使しようとしても、唯一の同盟国は現存の軍事条約や協定に基づいてわれわれを守るという確約をしてくれない」と強調した。
もちろん、このヤサイ氏の発言は正しいし、日本に置き換えても当てはまる話である。ただし、日本とフィリピンの大きな違いは、アメリカ軍基地を国内に配置している事だ。少なくとも、日本の本土を直接攻撃されるような事態になった段階で、アメリカ軍は動く可能性が高い(放棄する可能性ももちろんある)。
しかし、フィリピンは現段階で再駐留を模索する段階に留まっている。



そして、アメリカはアメリカの利益のためにしか動かない。

過去に追い出したが…中国脅威を前に米軍再駐留を模索するフィリピン 国内から思わぬ反応

更新日:2015年10月18日
 中国の南シナ海への進出によって、最も直接的な影響を受けている国の1つはフィリピンだろう。フィリピンにはかつて、日本と同じように米軍が駐留していたが、フィリピン側の意思によって1992年までに米軍は撤退した。
故に、駐留軍がいない状態で、フィリピンがアメリカに守られるかどうかは非常に怪しい。
無論、アメリカだって支那に南シナ海に進出されては困るのだが、軍事力を行使するには多額の費用がかかるので、アメリカ国内で「No」を突きつけられれば、アメリカ軍としても身動きが取れない。

アメリカが日本に「集団的自衛権の行使を容認しろ」と迫る背景も、その辺りに理由があるのだ。


今後、この話がどうなっていくのかはなかなか難しい話だが、フィリピンが支那の方になびいたとして、残念なことに支那に守って貰えるという保証は無い。
いや寧ろ、支那はフィリピンの国土を蹂躙する気満々である。

支那は支那のやりたいようになるので、国際的な約束事など無意味だ。
流石に韓国のように一旦約束を結んでおいてあっさり破棄するような恥知らずな事はやらないだろうが、建前の部分では友好的にしつつ、裏でアレコレ手を回して、自分たちの思惑通りに話を進めてくのが支那のやり口だ。

実際にフィリピンが採れる手段はそう多くないと思われるので、今回のドゥテルテ氏の行動に理解できる部分もあるが……、重大な局面を迎えたのも又事実である。
追記
ドゥテルテ氏は良くも悪くも正直らしいな。

「数日でスカボロー礁に戻れる」=比大統領が見通し

(2016/10/23-19:06)
 【マニラ時事】フィリピンのドゥテルテ大統領は23日、中国が実効支配する南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)に、今後数日でフィリピンの漁民が戻ることができるとの見通しを示した。ルソン島北部での演説で語った。
これが支那が出した条件そのものなのだろう。
……しかし、支那軍が一時的にスカボロー礁から撤退したとしても、これ、永続的に守られる話だとはちょっと信じられない。
また、中国側とこの問題について協議し、中国の習近平国家主席は、既に中国の漁民に同礁から引き揚げるよう命じたと指摘したが、「彼らが実行するかは分からない」とも述べた。
何故ならば、支那は共産党の独裁政権なので、命令すれば漁民はさっさと撤退する。
それを「わからない」という表現をしていると言うことは、形式的には撤退するように指示を出すけれども、直ぐ又領海を侵犯するよと言っているのと同義なのだ。
なにしろ、フィリピンには支那漁船を取り締まるだけの実力が無い。スシ氏が尽力している様子が伝えられているが、実力が無いからこそ侵略されているのである。
どうなることやら。
追記2
……すげーな、オイ。

フィリピンのドゥテルテ大統領、好条件融資を日本に期待

マニラ=鈴木暁子2016年10月24日10時55分
 25日から訪日するフィリピンのドゥテルテ大統領は23日の演説で、「日本での話し合いがうまくいき、25年以内に償還すればよいソフトローン(返済条件が緩やかな融資)を得ることを期待している」と話した。使途は示さなかった。
「厚かましい」という意見もあるだろうが、これを平然とやれるというのは、ある意味称賛に値する。
何しろ、支那に対してもアメリカに対してもカードを切った状況だが、日本に対してどう出るかと思ったら、いきなりストレートに来たよ。
通常は、こういうことはしないものだが、しかし、支那を信用していないというメッセージにはなるので、ある意味上手い戦略とも言えるだろう。
これをどう受け止めるかが安倍政権の課題だが……、常識ではちょっと考えられない。しかし、アメリカは日本に対して融資の圧力をかけてくるだろうから、これまでの日本政府のやり方ならば融資をする方向で舵を切っただろう。
っだが、安倍政権はそうはしなかった。

ドゥテルテ大統領地元に農業支援 首相、50億円供与伝達へ

10/22 17:34、10/22 18:07 更新
 安倍晋三首相は、25日に初来日するフィリピンのドゥテルテ大統領との会談で、同国南部ミンダナオ島の農業開発支援に約50億円の円借款供与を伝える方向で調整に入った。
ドゥテルテ氏の地元に直接円借款供与を決めたのである。
安倍政権が、覚悟を完了しているのであれば、この円借款を軸に条件をつけて渡り合うだろう。
フィリピンの大統領が上手か、安倍政権が上手か、なかなか緊迫した状況になってきたな。案外、旨く値段設定をしているのかも知れない。



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