トランプ氏は日米安保見直しに踏み込むか?

まあ、色々な観測が乱れ飛んでいるんだけれど、なにぶん政治に素人のリーダーが事実上世界の中枢に座ってしまったわけである。色々と心配されるのも無理は無い。

トランプ氏顧問 日米安保でさらなる負担求め交渉する

11月10日 14時56分
アメリカの次期大統領に選ばれたトランプ氏の安全保障政策の顧問が、NHKのインタビューに応じ、トランプ政権では、日米安全保障条約がアメリカ国民の利益にかなっているか見直したうえで、さらなる負担を求めて日本側と交渉する見通しを示しました。
NHKは割と喜んでこんな報道をしているが、日本としてはかなり切実な話である。



まず、おさらいしておきたいのだが、日本にとって日米安保条約の存在は、幸か不幸か国防の要である。
ここは、サヨクもウヨクも否定するところでは無いだろう。いや、案外、サヨクは「国防の要は9条だ」とか言い出すかも知れないが、そういった寝言や言葉遊びはどうでも良い。

右翼にとって、沖縄を中心に日本全国に駐留するアメリカ軍が日本の国防の一翼を担っていることは常識だし、それは、外交を行う上でも一定の役割を果たしていることは論を俟たない。
左翼にとっても国防を否定する理由は無いわけで。

ただ、トランプ氏が何処までアメリカの防衛戦略について造詣が深いかは知らないが、選挙の演説でも行っていたように、見直しは必至だと思われる。
この中でミズサワ氏は、日米安全保障条約について「トランプ氏は、ビジネスマンとして条約を各国との契約と見なしていて、アメリカ国民の利益にかなっているか見直す必要があると考えている。トランプ氏が求めているのは、日米の双方の利益かどうかという公正さだ」と述べました。
アメリカの国防費が、アメリカの国庫を圧迫しているのは事実で、かつ、アメリカは巨額の赤字を抱えているのも又事実である。
この点を踏まえて、「アメリカは損をしている」という心証形成は仕方が無い部分はあろう。

よって、そう言った部分を今一度見直すこと自体は必要な作業だと思われる。



ただ、日本にとってその見直しの結果、国防費を増やす事ができるのか?という点はかなり議論の余地があろう。

翁長知事、トランプ氏との会談に意欲 「沖縄の意見聞いて」

2016/11/10 2:11
沖縄県の翁長雄志知事は9日、トランプ氏が米大統領選に勝利したことについて「大統領就任後に沖縄の基地問題にどう対応するか、期待しつつ注視したい」と述べた。米軍普天間基地(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題に関しては「ぜひ意見を聞いてほしい」と強調。来年2月にも自ら訪米し、トランプ氏に移設反対を直接訴える意向を示した。県庁で記者団の質問に答えた。
沖縄の知事はこんな寝言を言っているが、大統領が他国の一地域の事情に関与する必要は無いし、それに干渉することは内政干渉になる可能性がある。

ただ、この翁長氏の意見を採用して移転を見直し、撤退を図る可能性はあるだろう。
日本にとっては、アメリカ軍が沖縄に駐留することに意味はあるが、アメリカ軍にとってはグァムなど代替地が存在するために日本ほど重要視していないと思われるからだ。



翁長氏を始めとする日本のサヨクにとって平和は何よりも尊く、平和を守るために戦争を放棄する、だから軍隊は不要だというロジックを唱える。
だが、これは相手が無条件に責めてこないという仮定の上にしか成り立たない砂上の楼閣である。理由がありさえすれば、他国に戦争を仕掛けるのは現代においても散見される事象である。

例えばイラク戦争に発端は、存在しないイエローケーキを巡るニジェール疑惑であった。伝言ゲームで戦争が始まったわけである。
仮に、アメリカが日本に戦争を仕掛けようとするならば、「大量に備蓄しているウランを兵器転用している証拠がある!」とでも言えば、明日にでもアメリカが日本に戦争を仕掛ける大義名分が出来上がる。
日本は自衛隊を保有していても、アメリカの軍隊にすり潰されるだけの実力しか無いのだが、それでも何もせずに負けを認めるよりは、少しでも抵抗して時間を稼げる方がマシである。



本当にイカレた人は、ここで無抵抗主義を貫いて国際社会に無実をアピールしろという話をするのだろうが、イラクがニジェール疑惑を持ちかけられたときに、国際社会に申し開きをしなかったとでも?
イラクはUNMOVICの査察を受け入れ、全面査察に応じ、大量の申告書を提出したものの「グレー」判定を受けて心証は悪化。
アメリカとイギリスは国連議決なしに、イラク攻撃に踏み切っている。

早い話、アメリカに目を付けられたら終わりなのだ。
この例を1つ挙げても日米同盟の重要性は分かるだろう。流石に同盟国をいきなり攻撃するほどアメリカも愚かでは無いからだ。

では、支那は?というと、これまた軍事力が非常に強大になってきており、ロシアとは又別の恐怖がある。アメリカとロシアはにらみ合いをしているので下手な手を打つ可能性は低いが、日本と支那との間には隔てるものは海だけである。

支那が日本に攻めてくるハズが無いなどとというのは、酒の肴にすらならない与太話である。
理由があれば攻めてくるのは当たり前で、支那は「理由がある」と宣言しているのだ。それが第1列島線、第2列島線なのである。

さらにミズサワ氏は、アメリカが日本や韓国に提供している核の抑止力、いわゆる核の傘について、多大な費用がかかると指摘したうえで、北朝鮮の核の脅威が増す中でどのように抑止力を維持するか、日本と検討する必要があるという考えも示しました。
アメリカとしては、そうした背景を知った上で、「核の傘の維持費をもっと支払え」と迫ってくることは確実だろう。



つまり、選挙戦で口にしたからには、トランプ氏は日米安保条約の内容に間違いなく踏み込んでくるし、その体制についても構築し直す方向に舵を切るだろう。

翁長氏の軽薄な行動は、その値切りのネタにされかねない悪手である。

良くも悪くも、トランプ氏の当選によって日本は今一度国防について考える機会を得ることになりそうである。トランプ氏が言い出さなければ、日本側から見直しに言及するのも吝かでは無いだろう。

もう、戦後70年体制は見直さねばどうにもならない時期に来ているからだ。

……そして、頼むから国賊は余計な発言を控えてくれ。



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コメント

  1. あるけむ(R.K.M) @fwbc19652016年11月10日 20:03

    ヒラリークリントン当選を予想してました。そして外しました。メール問題以外の報道に騙されました。

    今後は、トランプ氏が「鳩」的動きをするのか、安倍総理のような動きをするのか、それが問題だと考えます。
    ただ、普段「安倍憎し」「安倍氏ね」と騒いでいる連中が、トランプ氏当選を批判しているので、実はトランプ氏当選はいいことだったのかも知れません。

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    1. 僕もトランプ氏が大統領になるという可能性は極めて薄いと思っていましたよ。実際の票差を見ても僅差というか、システムで勝ったというか。

      トランプ氏は良くも悪くもビジネスマンだと思うので、それが何処まで作用するか?ですよね。僕はそれ程悪くは無いのではという予想をしていますが、少なくともオバマ政権時代とは違う路線になることは確定でしょう。

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  2. トランプは実業家ですから巨大市場を持つ中国を敵に回しても利がないことはわかっているでしょう。日本より中国を重視しても何ら不思議はありせん。アメリカ経済の復活は中国次第と言っても過言ではありませんから。(潜水艦選定で中国の顔色を伺った豪州のターンブル首相が良い例です。彼も実業家出身です。)
    そういう意味で日米安保は「米国民の利益」になっているかどうかを判断しているのだと思います。つまり中国を敵に回すことはアメリカの国益にならないと判断されれば更なる負担増を要求され、日本は今後苦しくなるでしょう。
    かつてオバマ政権は急速に中国に接近しました。しかし中国は共産党が第一ですから得るものは結局は少なかった、そのことにトランプが気付くかどうかです。中国は自己を傷付けてまで他国の利益になるようなことはしない国ですからね、あまり見返りは見込めません。
    最初は恐らく中国に先をこされ苦しい思いをするでしょう。トランプが「米中は最高のパートナーだ」と言うのが目に浮かびます。日本がその苦難の時を無事乗り越えられるのか、私は見守っています。17日のトランプとの首脳会談は日本側の不安を払拭するために穏やかに終わるはずです。しかし時が経てば徐々にトランプの本性が現れてくるでしょう。日本は試練の時です。

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    1. ご指摘の様にトランプ氏が巨大市場の支那を見逃す可能性は低いですが、一方で、ビジネスとしてのリスクも十分に承知していると思います。
      支那を重視する政策は採らないのでは無いか?という気がしますよ。まあ、多分に憶測混じりなので当てになりませんが。

      何れにしても日本は国防のあり方を考え直す必要があるでしょう。支那はここぞとばかりに色々とアメリカに対して攻勢を仕掛けてくるのは、ご指摘の通り間違い無いと思います。トランプ氏が何処まで長期のビジョンを描くかによって、支那をどう重視するかが変わってくると思います。僕も注視していきたいと思います。

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  3. 私も中国重視の政策は取ってほしくないと思っているのですが残念ながらトランプの顧問が、アメリカのAIIB不参加は誤りだとロイター紙で主張していますね。今後トランプ率いるアメリカはAIIBに参加し、中国とは融和を進めることになるでしょう。肝心のアメリカがそうとなると日本も中国とある程度妥協しないといけなくなりそうです。既存の枠組みにとらわれない考えを持っているのでこれまでの常識は通用しなくなりそうです。
    http://jp.mobile.reuters.com/article/idJPKBN13607Q

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    1. あー、AIIBの話、口出ししてきましたねぇ。
      アメリカにとってADBの旨味はあまりないのかも知れません。が、AIIBがどうかというと、ちょっとねぇ。
      アメリカがAIIBに参加してどんなメリットがあるのか皆目見当がつきませんが、支那に恩恵を売るという意味では、メリットありって事になるんですかね。
      どちらにしても、気の抜けない相手である事は間違いなさそうです、アメリカの大統領は。

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  4. 山田の案山子2016年11月12日 9:28

    ウクライナ問題・中東問題の失敗続きで英・仏離脱に逢った米国は中国と対峙するより「同意」を売る為の苦肉の米中連携に前のめりになり、結果として南シナ海での中国の横暴を許すことになった。今後、米国は中東から撤退が予想され、従前の対中政策の内容は一変し台湾防衛に軸足を移すことでしょう。台湾防衛政策に失敗した場合、米国の自負する「世界の警察」の地位が消滅し、経済的優位性も失う。この事は、アジア地域での新たな問題の発火点となる。

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    1. アメリカは、台湾をどう扱うつもりなんですかね。
      正直、その辺りの話が一切出てきていないのが非常に不安を覚えます。対支那政策が固まっていない故だという風に判断すると、これ、相当リスクの高い話になり得ますよね。
      どうなることやら。

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