在職しながら引退する韓国の大統領

自分の書いたタイトルの意味が、読んでも分からない。だが、記事を読むとどう考えてもこうなってしまうと言う……。

朴大統領 内政の第一線退く=新首相が「もう一人の大統領」に

2016/11/02 17:39
【ソウル聯合ニュース】韓国の青瓦台(大統領府)は2日、朴槿恵(パク・クネ)大統領が親友の崔順実(チェ・スンシル)氏の国政介入疑惑を受けた人事刷新として、新首相に盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で青瓦台政策室長などを務めた金秉準(キム・ビョンジュン)氏を指名したことについて、「事実上、(朴大統領が)第二線に退くとの意味」として、「金氏が内政大統領」と説明した。
クネクネは人事刷新で自分の首も切ってしまったらしいのだが、しかし大統領の座は退かないという意味不明な状況に。



韓国では今、クネクネを巡る情報漏洩事件で大騒ぎである。
既にこのブログでも、関連記事には触れている。

簡単に状況を整理してみよう。

先日、韓国の大統領である朴槿恵氏ことクネクネが、意図的に国家機密を一般人に漏洩している問題が発覚した。
発覚した切っ掛けが、一般人である崔順実氏が「パソコンを処分してくれ」と建物の管理人に頼んで、そこの中身が明かされたことによるらしい。
しかし、パソコンというかタブレットだったらしいのだが、それを建物の管理人に「処分してくれ」と頼むのもよく分からないが、その中のデータを見てしまう人がいるというのもまた不可思議な話だ。

ともあれ、そのデータの中に添削した大統領のスピーチ原稿などが含まれていたからさあ大変と。大統領の演説の内容と言えば、国家機密に相当するもの。既に演説した後だとしても、漏れて良い情報では無い。



で、この話の問題点は、「一般人が政治に関与した」という部分と、「大統領が国家機密を漏らした」という2点にあると思う。

まあ、崔順実氏は一般人とはいえ”逸般人”のカテゴリーに属する女性だったらしく、個人的にクネクネと非常に親しく付き合う新興宗教団体の教祖の娘であったそうな。
韓国はキリスト教が盛んらしいのだが、キリスト教系の新興宗教はかなりの数存在する模様。ただ、他の国のキリスト教とは一線を画す存在で、寧ろ呪術などシャーマニズムに近い流れをくむ宗教団体である模様。

韓国では巫俗(巫堂:ムーダン)と呼ばれるシャーマニズムが重用される傾向にあり、朝鮮土着の信仰に由来するとあって、一般人でも人生の節目にこうした巫俗を利用して助言を得るようなケースも見られるらしい。

そして、巫俗の助言を元に政治を行った女性と言えば、李氏朝鮮時代の閔妃(ミンピ)の存在がある。
正式には閔妃ではなく明成皇后と呼ばれる李氏朝鮮最後にして大韓帝国最初の皇帝である高宗の后であり、権力の座にいる時代には国庫の6倍以上の国費を浪費して巫堂に傾倒していたと言われ、ある意味傑物である。後に殺害されて非業の最後を遂げるが、さもありなんという感じだろう。



クネクネも同じように、シャーマン的立場にいる崔順実氏の助言を聞いて国政を取り仕切っていたと言うから、民主主義国家では無く、神聖政治国家というかなんというか……。

いずれにせよ、選挙で選ばれた人間では無く、一般人が国政を左右していたと言うから、国民にとっても外国の人間にとっても驚くべき話。

崔順実氏の元夫であるチョン・ユンフェ氏も国政に深く関わっていたようだが、チョン・ユンフェ氏の方はクネクネ国会議員時代の秘書室長を7年間務めていたこともあり、まだ公職に近い位置にいたと言えるだろうか。

尤も、セウォル号沈没事件(2014年4月16日)の際に合っていたのもこの人物と言われるが、この人、2004年には秘書官を辞任しており、公職に就いていなかった。よって、その時点では一般人であったと言う事になる。

2014年以降は、崔順実氏が大統領官邸を出入りしている状況が続いているので、元夫であるチョン・ユンフェ氏のパイプが消えたので直接話を付けていたと解するのが妥当だろう。



しかし、こうした構図が異常であったとしても、実際に法律で裁くとなると色々マズい点が出てくる。
一般人が政治介入することそのものが想定されていないので、大統領の情報漏洩という点くらいしか問題に出来ない。

韓国の検察が、崔氏をどのような罪状で逮捕したかというと……。

検察「秘線形実勢」チェスンシル拘束令状、職権乱用共犯・詐欺未遂

連合ニュース | 入力 2016.11.02。14:59
(ソウル=連合ニュース)チャデウンチョン・ソンフン記者=現政府の「秘線形実勢」という疑惑を受けてきたチェスンシル(60・チェソウォンに改名)さんに拘束令状が請求された。
職権濫用共犯と、詐欺未遂だというのだ。
確かに、記事にあるように実質的に支配するミール財団とKスポーツ財団に金を出すように強要した疑いがあるようだが、いわゆる別件逮捕としか思えない。「取り敢えず拘束しておけ」と。
拘束されたのが替え玉だという噂もあるようだが、その辺りの事は言及するのは辞めておこう。



実は、大統領は憲法の定めによって逮捕出来ないので、やるとしたら弾劾によって身分を剥奪した後に逮捕という手順を踏まねばならない。

そんなことをしたら、韓国の政治はメチャクチャになってしまうのだが……、だからといってやらずに済むという選択肢を採るのはおかしい。おかしいのだが、そこは韓国である。

前首席秘書官をあす聴取 財団設立への関与追及=韓国検察

2016/11/01 15:57
【ソウル聯合ニュース】朴槿恵(パク・クネ)韓国大統領の親友の民間人女性、崔順実(チェ・スンシル)氏をめぐる疑惑を捜査している検察の特別捜査本部は1日、安鍾範(アン・ジョンボム)前青瓦台(大統領府)政策調整首席秘書官を2日午後に容疑者として事情聴取すると伝えた。
こうした主席秘書官などを、クビにした挙げ句逮捕させ、大幅な人事の刷新を図ったようなのだ。

韓国内閣改造 「首相の権限強め内政任せる」=大統領府関係者

2016/11/02 11:19
【ソウル聯合ニュース】韓国の青瓦台(大統領府)は2日、新首相に金秉準(キム・ビョンジュン)国民大教授を指名する内閣改造を発表した。青瓦台の関係者は聯合ニュースの電話取材に対し、「首相に大幅な権限を与え、内政を新首相に任せる形になるだろう」と説明した。
内閣改造で、色々刷新した挙げ句、内政を新首相に任せるという……?
ここで冒頭のニュースに戻るわけだが、大統領は曲がりなりにも民主的手続きで当選した上で現職に就いている。しかし、それは実質的なお飾りになって、クネクネが指名した金秉準氏が、実質的な大統領の実権を握ることになるらしい。



いやいや、韓国の民主主義は何処に行っちゃったのさ!

もちろん、クネクネが弾劾により職を失ったにせよ、自ら辞する事が可能であったにせよ、即日、クネクネは国家機密の情報漏洩などの罪で逮捕され、恐らく非業の最期を遂げる結果になるだろう。
それを避ける意味で、かつ韓国政府の信頼を取り戻す為に人事刷新という話になっているのだろうが……、ナニカが根本的に間違っているよね?
 最大野党「共に民主党」は盧武鉉大統領の流れをくんでおり、盧政権で要職を歴任した金氏を首相に起用することで野党の協力を取りつけ、難局を乗り越えたい考えだ。内政は金氏が、外交などは朴大統領が担う事実上の分権型大統領制といえる。
それは、クネクネが外交を担うといっても、外交的実績って何かあった?とか、外国にとって実権を握っていない人間と首脳会談しても意味が無いんじゃね?とか、そういった実際的な話では無く、民主主義の根本を馬鹿にした手法を選んだことそのものが間違っていると、そういう事である。

韓国ならでは、で片付けてしまえば、それまでなんだが。



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コメント

  1. 山田の案山子2016年11月3日 13:33

    4年間の徒花でした。関係者周辺の弁護士は職探しに汲々とするでしょうが、本人は次期大統領特赦により「マッサラ」になるんでしょうネ、犯歴もナシに・・・・。

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    1. どうなることやら。
      韓国大統領は非業の最期というのが定番なので、どうなることやら。
      前の大統領が未だ元気ですが、色々問題が噴出していますから。

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  2. 金秉準は、48歳まで学者一筋。
    盧武鉉政権でも政治家ではなく、御用学者的に参加。

    朴槿恵、暴漢に襲われ、60針縫う重傷。

    盧武鉉のファンクラブ代表
    「60針を縫ったなんて、整形もしたようだ」とHPで発表

    ネット民激怒、盧武鉉支持率20%切りレームダック化。

    金秉準は役職を変わりつつ後始末を担当。李・朴政権下は、学者一筋に戻る。

    朴槿恵の親友の娘
    「無能なら両親を恨め。カネも実力。」とHPで発表

    ネット民激怒、朴槿恵支持率20%切りレームダック化。

    以後、金秉準が後始末を担当。

    因果応報というか因縁というか、歴史的に見るといつもの展開ですね。

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    1. なんとも皮肉な話ですよね。
      構図としては対立する勢力に白旗を揚げて完全に戦意喪失といった状況です。

      ……後始末ができるんでしょうかね?この金某氏に。

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  3. 何だか拍子抜けですね(十二分にOINKですが)御抱えのムーダンが逮捕されたのがよほどこたえたのでしょうか?
    今頃彼女の身内は戦々恐々としているでしょうね、既に詐欺なんかで逮捕された人物もいましだが、実際に彼女が大統領の実権を手放したとなれば逃げる準備が出来ていない連中が次々と捕まりそうです。

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    1. 十分にOINKですね。
      しかし、ここからスゴイ展開が待っていますので、もう少し待っているべきでしょう。

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  4. 上の記事へ投稿できない(コメント投稿欄がない)のでこちらへ。

    「みんな中国のせいだ」 韓国の石油精製業界が深刻な危機
    http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/11/03/2016110300685.html
    (略)問題は中国が来年1月から国産石油製品の品質基準を韓国と同一レベルにまで強化することだ。
    深刻な大気汚染に苦しむ中国は、ガソリンや軽油の硫黄含有量の規制基準を50ppm以下から10ppm以下に厳格化する。
    韓国は2009年から10ppm以下という基準を採用している。(以下、略)

    中国の場合、温暖化対策ではなく、大気汚染対策の意味が強いのかなと思います。
    中国国民の関心はスモッグ対策であり、政府も、上記記事にもあるように、硫黄SOxの規制基準を強化しており、その流れでCO2削減も割とガチな面もあるのかなと思っています。

    韓国は以前、「日本産ガソリンの輸入が不発?、韓国産より汚染物質を多く排出」http://japanese.joins.com/article/862/143862.html?servcode=300&sectcode=300
    と自慢していました。
    温暖化対策・大気汚染対策で共通する排ガス規制では、
    1、ガソリンや軽油の精製を強化。
    2、自動車エンジンの排出ガス浄化技術を強化。
    の2通りの考え方があり、日本は後者の立場が主流です。
    その結果、日本車は、精製基準が緩い国でもさほど排ガスを出さず、精製基準が厳しい国では、日本で走るよりももっと排ガスが少なくなると言うメリットがあります。
    中国の今回の態度は、2030年頃になれば、日本車並みの排出ガス浄化技術を持つ自国自動車メーカーが育つ、という産業目標の面もあると思います。
    今いきなり日本や欧州の削減目標を入れれば、中国どころかアメリカも全部輸入車にしないといけなくなるので、その辺の事情が最優先されるのは仕方ないかもしれません。

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