2016年11月9日水曜日

博多の道路陥没事件は何が原因か?

オオゴトになっている様だな。

博多駅前の道路30m陥没、大量の水流入 地下鉄工事中

2016年11月8日12時31分
 8日午前5時15分ごろ、福岡市博多区のJR博多駅前の市道2カ所が縦約10メートル、横約15メートルにわたって陥没した。穴は徐々に広がり、計5車線の道幅いっぱいの約30メートル四方、深さ約15メートルになった。
この事件、大騒ぎをしているようだが、原因はハッキリしている。



何が原因かはニュースでも触れているが……。
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この辺りを見て頂ければ分かり易いだろう。
原因は「水」だ。
市は掘削が陥没の原因となったことを認め、謝罪した。
地下鉄延伸工事の際に、地下水が流れ込んできたという。
 福岡市交通局によると、現場は市営地下鉄七隈(ななくま)線延伸工事の「博多駅(仮称)工区」部分のトンネル掘削中で、深さ約25メートルの地中を掘り進めていた。午前5時ごろ、現場に地下水が流れ込んできたため作業を中断。約10分後に道路上を交通規制して点検をしていたところ、路面の崩落が始まったという。
 事前のボーリング調査で、現場付近は地下3~5メートルより深い位置に地下水が流れているとわかっていた。これまでも掘削工事中にわずかに水がしみ出していたが想定内の量で、ポンプで排水していたという。交通局幹部は「万全の措置をとってきたが、一番恐れる陥没の事故が起きた。深く反省している」と説明した。陥没で崩壊した下水管から正午現在、水が流れ込んでいる。
水が何故?という話なのだが、こうした構造物の多くは土の上に建設されているので、水によって土砂が流されれば、当然ながら支えるモノはなくなってしまう。簡単な話だ。



そして、この地域では何度も似たような事故を起こしている。
 2014年10月には、現場から約400メートル離れた福岡市博多区祇園町のはかた駅前通りで、車道が幅、長さ、深さ各約3メートルにわたって陥没する事故があった。地下鉄七隈線の延伸工事の影響だった。
 00年6月にも、現場から約2キロ離れた福岡市中央区薬院3丁目の地下鉄のための掘削工事をしていた市道が、幅約5メートル、長さ約10メートル、深さ7~8メートルにわたって陥没した。
ああなんだ、珍しい話じゃ無いんだ、と、そういう話では無い。
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こんな惨状を招くのは予見可能だったと言う事である。



にもかからず、福岡市長はこんなコメントを。

博多駅前陥没 「はらわたが煮えくり返っている」と福岡市長 悔しさにじませ

2016.11.8 13:22
 博多駅前で起きた大規模な道路陥没を受け、福岡市役所で記者会見した防災服姿の高島宗一郎市長は8日、「市民に大変申し訳ない。管理責任は市にある」と語り、神妙な面持ちで謝罪した。
 一方で「はらわたが煮えくり返っている。都市が成長している中で、事故が起きてしまうとは…」と悔しさや怒りをにじませ、声を詰まらせた。

いや、オマエの責任やぞ。
アナウンサー出身の知事でメディアからの覚えも良いかも知れないが、こんな他人事の発言をすることにビックリである。
防災や減災に関する取り組みを積極的に行っているらしいが、その足下での出来事であり、指揮官としての手腕が問われるな。



もちろん、駄目な部分だけでも無い。

【博多駅前陥没事故】高島宗一郎・福岡市長の情報発信に称賛の声

The Huffington Post  |  執筆者: 安藤健二
投稿日: 2016年11月08日 22時54分 JST 更新: 2016年11月08日 22時54分 JST
福岡市の博多駅前で11月8日早朝に大規模な陥没事故が発生したことを受けて、高島宗一郎・福岡市長が自身のFacebookで最新情報を発信した。
「穴にたまった水はなぜ抜かないのか?」「道路復旧までの手順は?」などにQ&A形式で答えている。ネット上では「迅速な対応、素晴らしいです!」「俊敏な情報発信に、強く信頼感を感じます」と、市長自らの情報発信に称賛の声が寄せられている。


必要な情報を提供した点は、評価すべきだ。
……評価すべきだが、しかし、なぜ自分のフェイスブックでやった?これって、市のサイトでやるべきだろうに。



過去の教訓を生かせていないと指摘するメディアは少ないが、寧ろ人災の色合いが濃いと考えて良い。

博多駅前で大陥没 地下鉄工事原因か 教訓生かせず

[2016年11月9日9時50分 紙面から]
 九州の表玄関、福岡市のJR博多駅前につながる道路で8日、大規模な陥没事故が起きた。陥没による穴は、縦横約30メートル、深さ15メートルの「クレーター」となり、道路や信号機、土砂を次々とのみ込んだ。周辺では停電やガス供給停止が起き、交通・金融機関にも影響が拡大。都市機能は終日、大混乱した。
~~略~~
 七隈線の延伸工事は、天神南駅からJR博多駅近くまでの約1・4キロを延ばす計画で、20年度の開業を目指していた。地下鉄延伸の関連工事では、00年6月と14年10月にも道路陥没が発生。過去の教訓が生かされず、福岡市の高島宗一郎市長は記者会見で「前代未聞のあってはならない事故だ。市民に申し訳ない」と謝罪した。
自治体の管理責任は厳しく追及されるべき事案だろう。



そして、可能性として指摘されているのが「地下水」ではなく、水道管の老朽化による漏水である。

水道管のインフラは劣化傾向 専門家は「各地で道路陥没は起き続ける」と指摘

2016年11月9日6時0分  スポーツ報知
 博多駅近くで発生した大規模な陥没は、地下鉄延伸工事のトンネル内に地下水が流入したことが原因とされ、ほかに水道管の老朽化による漏水などが考えられる。
こうした状況は日本全国で起こっており、当然ながら似たような事故が今後も起こると考えられる。
博多駅周辺は、三角州、海岸低砂や粘性土の地盤で液状化しやすい地盤とされ、市側も地盤に配慮した慎重な工事を施工者側に求めている。
加えて、こんな事が書かれているが、博多駅周辺の道路工事で採られた工法はNATM(ナトム)工法と呼ばれる安価な手法。

地下18メートルに硬い岩盤、ナトム工法採用 1メートル掘るたびコンクリ吹き付け シールドマシンより低コスト

2016.11.8 21:23
 福岡市博多区のJR博多駅前で起きた道路陥没事故の原因とみられる市営地下鉄七隈線の延伸工事。事故現場では岩盤が硬いといった理由から、掘削機でトンネルを掘り進めながら内壁にコンクリートを吹き付ける「ナトム工法」が採用され、24時間態勢で工事が進められていた。
とはいえ、三橋氏が批判するような安かろう悪かろうの工法では無い。シールド掘削機を使ったシールド工法の方が軟弱地盤に対応できるメリットがあるが、地層の浅い場所の工事では地表に土砂を噴出してしまうなどの事故を起こしたケースもある。
一方のNATM工法の方が柔軟に対応できるというメリットがある。



まあ、NATM工法の採用が正しかったかどうかは厳しく検証される必要があるが、こうした検証は、既に陥没事故が発生していた2014年以前に行われるべきであり、それを放置した行政の怠慢こそが今回の主犯だとも言える。

老朽化上水道、下水道の問題は、今後更に大きくなっていくだろう。

押し寄せる老朽化 水道クライシス

No.3566 2014年10月16日(木)
道路の陥没など、老朽化した水道管の破損が原因で起こる事故が相次いでいる。道路陥没に限らず、破断、漏水など、水道管破損による事故は増える一方で、年に数千件に達する。水道管は法定耐用年数が40年と、道路や橋梁など他のインフラより傷みが早いため、いま一気に更新ピークを迎えているのだ。
そして、このことは既に問題視されて日が経っている。
こうした問題点は、国政でも取り上げられるべきで、いいかげん放置する事は許されない。



ただ、全国津々浦々にまで張り巡らされた水道管を、全て修理するのも又難しい話である。
何故ならば、莫大な費用が必要になるからだ。
にもかかわらず、日本の人口は減少の一途を辿っている。故に、水道事業者達は、財源の捻出に非常に苦心しているのである。

全国一律な水道サービスなどと言うことは出来なくなった時代に起こった事故である。無論、漏水が原因出ない可能性もあるので、これをもって水道工事を加速しろという積もりは無い。が、漏水が同じような事故を起こす可能性は極めて高いのは事実だ。
インフラの老朽化は、行政の怠慢を待ってはくれないのである。


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2 件のコメント :

  1. 空洞対策や地盤沈下対策の部署(土木課)は、失敗した時しか目立たない損な部署です。
    普段、こういう目立たない部署を軽視しておきながら、さも自分ひとりで問題解決してるような立ち振る舞いや言動をする市長。現場の士気は、きっとだだ下がりでしょう。

    日本では、建築に比べ、土木が一段下に見られ、軽視されがちです。
    砂防ダムの建設で海岸から砂浜が消え、埋立地に高層マンションが立ち並び、活断層の上に原発を立て、地震で地盤が歪んでもなお建築技術を過信する、で問題が起こった時だけ土木のせいにされる傾向にあります。
    賛否両論あると思いますが、根底にある土木軽視を改めないと、隣国の基礎技術軽視同様、いつか手痛い損害を被るかも知れません。

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    1. 土木こそまさに国家の礎を形成する重要な部門であり、インフラこそ人々の生活を支える基盤だと言うのに、日の当たらない場所ですよね。

      どこかの党が「コンクリートから人へ」などという安直なスローガンを掲げたとき、コレほどバカにした話もないと思ったわけですが、それは人々の生活を軽視してバラマキをすることに直結する話だからです。

      もちろんこれは民進党だけでなく自民党こそ責められて然るべきでしょうね。土建屋は政治と結びつき汚職を招くみたいな風潮を作り上げてしまったのは、自民党の責任なのですから。
      尤も、それは土建屋自身が招いた部分はありますし、特に土木はどうしてもゼネコンに振り回される部分は大きいので、体質を改めるべきではあるのでしょうけど。

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