スイスは国民投票で脱原発加速を否定

脱原発は悪いことではないと思うけど、結局次なる発電手段が見つかっていなければ仕方がない。

<スイス国民投票>「脱原発」加速否決 29年の達成ならず

毎日新聞 11/27(日) 23:12配信
 【ローマ福島良典】スイスで27日、「脱原発」の加速の是非を問う国民投票が実施され、賛成45.8%、反対54.2%の反対多数で否決された。可決されれば、国内にある原発5基のうち3基が来年末までに稼働停止となり、2029年に脱原発が達成される予定だった。
とはいえ、新しいやつを作る予定もなさそうだが。



ヨーロッパでは、脱原発への動きが加速している国が多いが、実際にそれが可能かどうかはまた別の問題だ。
 2011年3月の福島第1原発事故を受け、スイス政府は国内の原発5基の稼働を段階的に停止し閉鎖する方針を発表したが、脱原発への具体的な日程は決まっていない。
 このため、左派・緑の党は、原発の新規建設を禁じると共に運転期間を最長45年に限定する構想「計画的な脱原発」を提案し、国民投票実施に必要な署名を集めた。
国民投票をやって決めるあたりがすごいとは思うが、スイスの人口は824万人程度、うち、外国人が24%を締める多民族国家である。
そして、直接民主制を採用していて、比較的政治に関して関心が高い。
当然ながらエネルギー問題も重要な国家の問題として認識され、それなりに議論が活発に行われているようだ。



事前の調査では、57%が脱原発に賛成という流れであった。

第1回世論調査 57%が脱原発に賛成

2016-11-03 08:43
スイスの5基の原発の一つ、ゲスゲン原発。これはソロトゥルン州にあり、1979年から稼動している。もしイニシアチブが承認されれば2024年に稼動停止になる。
だが、実際の直接選挙では、脱原発の工程を決めるのに反対した人が多かったようだ。
 政党で見ると、左派政党支持者と右派政党支持者の間に意見の相違が目立つ。左派では、緑の党支持者の95%、社会民主党支持者の80%が脱原発に賛成している。
 これに対し右派・国民党支持者は、56%が脱原発に反対。右派・急進民主党の支持者は微妙なバランスで、反対48% 賛成47%だった。中道右派のキリスト教民主党支持者は58%の賛成だった。
ここまで支持されてきた方針が、なぜ、否決されてしまったかというと……。
 スイスの総発電量に占める原発の割合は約33%。政府や産業界は、脱原発を急げば再生可能エネルギーの生産が追いつかず、ドイツやフランスからの電力輸入が増えることなどを理由に緑の党の構想に反対していた。
外国から電力を輸入するという方針そのものに忌避感を覚えたようだ。



逆に言えば、自国で電力がまかなえさえすれば、脱原発を加速させたいというのが本音なのだろう。
 今回の国民投票を主導した「スイス緑の党」などは老朽原発の危険性を指摘した上で、「政府は古い原発を安全な限り長く運転させるだろう。本気で代替エネルギーへ投資するためにも古い原発を45年で止めることが非常に重要だ」(レグラ・リッツ同党党首)と主張。5基ある原発のうち3基を来年に運転停止させるなどして、29年までの脱原発完了の実現を訴えていた。
 一方、連邦政府や産業界は、同国の電力需要の約35%を原発でまかなっている現状を踏まえ、代替電力の確保に問題があるなどとし「時期尚早」と反対した。
http://www.asahi.com/articles/ASJCW5QR1JCWUHBI015.html

こちらのニュースソースはもう少し詳しく言及されていて、来年、5基あるうちの3基を停止させるかどうかについて国民投票を行ったようだが、流石に代替電力の確保が実現できないという主張のほうが尤もらしいという判断だったようだ。



日本ではまだ多くの原発が再稼働できないでいるようだが……、地震の前と後で安全性が変わったかというと、それほど大きな変化は無いだろう。
むしろ、安全性を高める方向で色々対策が行われているので、再稼働に大きな問題があるとは思えない。
点検が終わったのならば、さっさと動かせばいいのに、と思うのは僕だけなのだろうか?

ドイツのように、「外国の原発から電力を買えばいい」という方針のところは、それほど多くない。国防を真面目に考えれば、エネルギーはできるだけ国内で作ろうという国が大半である。
スイスも、脱原発の推進は良いが、代替エネルギーがなければダメだ、という判断のようで。

冷静に考えれば、こういう結論になるのが普通だと思うのだよね。



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コメント

  1. 確か日本にも海外から電気を買えば良いと言っていた政党が有った様な?
    ドイツはフランスと陸続きなので架線で電力を購入出来ますが日本の場合は海に囲まれおり海外からの電力購入は必然的に海底ケーブルになります、はたして特別高圧ケーブルを敷設するだけの費用をペイ出来るかも疑問ですし海底ケーブルの保守費用だって馬鹿にならないでしょう、周りのメンツを鑑みればどうせ全部日本持ちになるだろうし・・・
    安保問題を差っ引いても他所の国から電気を買うのは現実的では無いと思いますが、それでも文字通り海外から電気を買いたがっている輩が少なからず居るのが頭痛の種ですね。

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    1. 海外から電力を買う話は魅力的ではあるんですけど、やっぱり海底に高電圧のケーブルを敷設することは余り現実的では無い様に思えます。

      まあ、海洋風力発電をやるのであれば、どうしても海底に高電圧ケーブルを敷設せざるを得ませんので、技術開発をするという意味では投資は必要でしょうけどねぇ。

      海外に電力まで頼るとなると、停電になった時にどう対応するかとか、色々と疑問がわきます。その辺り、どうするんでしょうかねぇ。

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  2. 安全保障を国全体で考えている人たちはやはり賢い
    安全保障から目を背ける日本や
    現実より観念を重視するロマン主義のドイツとは対照的

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    1. スイスは色々と参考になる国だと思います。
      国防の考え方もしっかりしていますし、「民間防衛」などという本を出してしまうような国ですしね。読んでみましたが、なかなか国でアレを徹底するのは凄いなと。

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  3. 山田の案山子2016年11月29日 1:27

    代替エネルギーを考える場合、「貯める」事を考えたい。

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    1. 電気を貯めるのはなかなか難しいですよね。
      その技術が確保できれば、随分と色々変わるのでしょうけれど。

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