韓国空軍、F-16の近代改修事業12億ドルで契約

ほほう。

韓国空軍のF-16機の近代化事業、ロッキード・マーチンと12億ドルの契約

送稿時間| 2016/11/23 10:20

(ソウル=連合ニュース)ユンドンヨウン記者=米国の防衛産業、ロッキード・マーチンが韓国空軍のF-16戦闘機の134台の性能改良事業契約を12億ドル(1兆4千億ウォン)に締結したと21日(現地時間)明らかにした。

ちょっと前の記事にコメントを頂いたので、記事にしてみた。


で、冒頭の記事は韓国メディアの報じた内容である。

F-16の最新型であるF-16Vに基づいた近代化の作業を介して多機能位相配列(AESA)レーダー、現代的な商用オフザシェルフ(COTS)ベースの航空電子機器サブシステム、高解像度の大操縦桿画面、そして大容量、高速データ回路が新たに装着される。

ほほう、かなり大盤振る舞いのような……。

F-16Vというのは、2012年に発表された近代化改修型の仕様で、F-16E/Fと同等の能力をF-16Aなどの初期型にすら付与可能としたものらしい。

 

日本はF-15Jの近代化改修に苦労しているのに。流石、ロッキード・マーティン社だな!

KF-16

この近代化改修によって、F-35Aとの相互運用性にも優れた機体とすることが可能なのだ。


ただまあ、何事にもオチを付けなければ気の済まない韓国。

これと関連し、韓国防衛事業庁は、2011年からF-16戦闘機の改良事業を推進する過程で、米国政府の対外軍事販売(FMS)方式による規定を守らず事業が遅延され、1千億ウォンの損失が発生した事実が監査院の監査結果明らかになり、検察が昨年8月、防衛事業庁の押収捜索を実施するなど、捜査をしている。

既にこのブログでも言及しているが、実は近代化改修にあたってちょっとやらかしている。

この話、何故か最初にBAE社と契約をした挙げ句、BAE社から「金が足りない!」と怒られ、更にアメリカ政府からも「FMSを使ってねーよ」と怒られ、最終的にLM社にお願いする結果になっている。

 

引用部分は、その結果1千億ウォンの損害が出たと書かれているが、BAE社の提訴によって更に損失が広がる可能性が!


それでもまあ、12億ドルで近代化改修を請け負って貰えるならば、結構お得なのでは無いだろうか。

134機を12億ドルなら、一機で10億円弱だ。

Lockheed Martin Awarded $1.2 billion to Modernize Republic of Korea F-16s

FORT WORTH, Texas, Nov. 21, 2016 /PRNewswire/ -- Lockheed Martin (NYSE: LMT) was awarded a $1.2 billioncontract to upgrade 134 F-16 aircraft for the Republic of Korea Air Force (ROKAF).

LM社のサイトにも報じられていたので、この話がデマでないことは確実だ。

"We truly appreciate the trust and confidence the Republic of Korea has placed in us with this contract," said Susan Ouzts , vice president of Lockheed Martin's F-16 program.

ただ、LM社の副社長は「私たちに置かれた信頼と信用を感謝」とか言っているけれど、経緯から考えると皮肉だよね。


ただ、この話でどうも腑に落ちないのは、今回、12億ドル、即ち1兆4千億ウォン相当の金額を払うという事になったと報じられたが、近代化改修事業に予定されていたのは1兆1000ウォンであったと言うことだ。

韓国空軍が主力戦闘機KF16を改良へ 英BAE社を選定

japanese.china.org.cn | 06. 08. 2012

韓国空軍の主力戦闘機KF16をアップグレードする1兆1000ウォン(約763億円)規模の「KF16性能改良事業」から米国ロッキード・マーチン社が脱落し、英国BAEシステムズ社の米国法人が選定された。

この時に、ロッキード・マーティン社は入札で脱落していたのだが、どの面下げてLM社にお願い出来たのかは、ちょっとよく分からない。

それと、前回の業者選定ではレーダーの取り替え事業は除外されていたが、今回はそれも込みっぽい。

事業全体の規模は1兆8091億ウォン(約1256億円)に達するが、今回はレーダーの取り換え事業(約7000億ウォン規模=約486億円)を除いた分野での業者選定が行われた。

となると、かなりディスカウントされていることになる様な……。

今回はFMS方式で契約しているはずだし、どういうからくりでこんな値段設定になったのやら。


ただまあ、実は他にも気になる事が。

韓国に納入されているF-16C/D及びKF-16C/Dは、C型が118機でD型が51機という事になっているそうで。で、合計で169機程納入され、11機程度は墜落していたと記憶している。

となると、近代化改修する予定の134機と、現存すると思われる韓国軍のF-16の数158機では辻褄が合わない。報道から分からない数もあるとは思うので、何とも言えないが、24機ほどは手を付けないというのは意味がちょっと分からない。

注:wikiのF-16の記事では、180機となっているが、40機(ピースブリッジI)+120機(ピースブリッジII)+40機(ピースブリッジIII)の計算らしい。うち、改修の対象になっているのは、ピースブリッジIIとピースブリッジIIIの機体って説明されているな。……最初の40機はどうするんだろう??

 

……韓国国内で生産したKF-16の中身がヤバイという噂もチラホラ聞くが、近代化改修しない機体は、或いは、近代化改修出来ないほどの「部品とり用機体になっている」という事なのかも知れない。

まあ、真相は闇の中だな。

追記

twitterで拡散頂いた中で、台湾空軍にもF-16の改修計画が、という話があったので紹介しておこう。

台湾、来年1月にF16戦闘機の改修開始 2023年に完了予定

【政治】 2016/11/18 13:32
(台北 18日 中央社)空軍は17日、主力戦闘機F16A/BのF16Vへの改修を来年1月16日に開始する計画を明かした。1年目は4機を対象に実施、2023年に全機の作業を完了させるとしている。
総費用1100億台湾元(約3770億円)は単一機種の改修費としては空軍史上最大だという。作業は国産戦闘機「経国号」の開発・製造などを手がけた漢翔航空工業が担当する。

台湾空軍はF-CK-1というF-16派生の国産戦闘機を130機ほど保有しているが、F-16A/Bも150機ほど保有している。

実は、F-16C/Dも売却して欲しいという要望を出していたのだが、アメリカ政府は政治的理由によってコレを拒否。

で、それの代替案として、現存するF-16 Block 20(A型115機、B型28機)をV型に改修する計画が出ている。これが追記で紹介した記事だ。

さて、この記事を取り上げたのには、ワケがある。台湾の場合は143機の改修で3770億円とあるが、韓国の場合は134機で1100億円程度。F-16A/BからV型仕様にするのと、F-16C/DからV型仕様にするのではかかるコストも違うのだろう。が、それにしたって2倍というのは……。

この差がどのように現れるのかは気にすべきだろう。

 



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