韓国防衛事業庁、米LM社に便宜を図る

うんまあ、アレだよね。

韓国防衛事業庁、ロッキードマーチンに700億円特恵疑惑

2016年11月17日16時07分
  韓国防衛事業庁が次世代戦闘機(FX)事業の推進過程で米ロッキードマーチンから受けることにしたた軍通信衛星の引き渡し時期をいかなる代償もなく遅らせ、特恵を与えたという批判が出ている。通常、事業が遅れれば追加履行金などを受けることになるが、防衛事業庁がこれを免除したのだ。
700億円の疑惑とか言っているが、これ色々とおかしいんだよね。



まあいいや、面白いので記事にして中身をみていこう。
  防衛事業庁は2014年、F-35Aを導入するFX事業(事業費7兆3000億ウォン)を推進しながら、軍通信衛星1機と25件の技術の移転を「折衷交易」方式で受けることにした。折衷交易とは、政府間の武器取引(FMS)で軍用物資や技術を追加で無償提供することをいう。
はいはい、このブログでもこの辺りの話に突っ込みを入れたんだが、この手の話はウソがてんこ盛りである。

武器取引(FMS)と書かれているが、対外有償軍事援助(FMS)とするのが正しい。まあ、武器取引には違いないのだが、「折衷交易」というのとは又話が違う。
というか、「折衷:両方の極端を捨て、ほどよいところをとること」って何だよ、聞いたことの無い言葉だな。

韓国がアメリカに要求したのは、金を出して戦闘機を買ってやるから、何か見返りに寄越せ!という話と言う事になるらしいが、端から聞いていると全く理解が出来ない。

FMSはアメリカ政府が窓口になって、兵器を売る商売の一形態なんだけど、政府が窓口になることで、価格を下げる代わりに色々オプションを付けるとか、そう言った話もままあるようだ。



で、韓国が今欲しがっているのはF-35Aである。

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いや、韓国の議会では買うことに決めたらしいんだよね。アメリカ側が了承したという話は聞かないんだけど、多分OKは出ているんじゃないかな、という感じ。
そこに至るまでの顛末は、なかなか愉快なことになっているが。

簡単に説明しよう。
韓国空軍は、そろそろF-4戦闘機やF-5戦闘機を更新しないとーという時期になっている。で、アメリカ側はF-15SEを提案し、これに一旦は決まったのだけれど、何故か(棒)ちゃぶ台返しでF-35Aを買うことに。最終的にはF-35Aを40機買うという話でまとまった模様。

ところが、何故だか知らない(棒)が、韓国がF-35Aを買うにあたって、戦闘機の技術を寄越せとか、いう話が出てくる。KF-Xを作るにあたって技術が欲しいと言うことらしいんだが、アメリカにしてみればそんな話は知ったことでは無い。
それでも、いくつかの技術移転に対して合意したみたいなニュースが流れている。韓国側から一方的にだ。そして、核心的技術が移転をアメリカ側が否定したので、大騒ぎになったと。



そして、F-35A購入にあたって、もう一つオプションがついていたというのが、冒頭の話。
何故か、ロッキード・マーティン社から軍事衛星をプレゼントされるらしい話になった。
  防衛事業庁がロッキードマーチンと締結した折衷交易合意覚書によると、ロッキードマーチンは21億3000万ドル相当の軍通信衛星を2018年3月までに防衛事業庁に引き渡さなければならない。
FMSでF-35Aを買うという話であれば、アメリカ国防総省が窓口になってF-35Aは販売されるはずだ。つまり、ロッキード・マーティン社との直接交渉の余地は無いはずで、どこから「折衷交易合意覚書」が出てきて、「21億3000万ドル相当の軍通信衛星」を引き渡す話になったのか。

アメリカ側が否定しないところをみると本当の話かもしれないが、端から見ると随分とムシの良い話である。

ちなみに、こんな話が。

【社説】あきれるムグンファ衛星の安価売却=韓国

2013年11月04日10時45分
  ムグンファ衛星は韓国初の商用通信放送衛星だ。このうち寿命が終わった2号と3号の不法・安価売却が問題視されている。両衛星の開発にはそれぞれ1500億ウォン、3000億ウォンほど投入された。両衛星を管理・運営してきたKTは、香港のある企業に対し、2010年に約45億ウォン(約4億円)で売却した。開発費用の1%ほどだ。最近、安価売却に対する批判が出ると、KT側は「設計寿命が終了したので安く売ったが、追加の技術支援契約を結び、実質的な売却価格は250億ウォン」と説明した。しかしムグンファ衛星2、3号を買収した香港の会社は現在、移動通信および衛星通信用でこれら衛星を十分に活用している。
これ、韓国の通信企業であるKTが、香港にある衛星サービス会社ABS社に商用通信放送衛星を売却したという話。

KT社はもともと国営企業だったが2001年に民営化されている。民間企業が国の資産である人工衛星を売却するというのもスゴイ話だが、何よりスゴイのはこの続き。
KTは「廃棄対象なので戦略物資に値しないと考えた」とし「最初から政府に売却の事実を通知したこともない」と釈明した。
廃棄対象だったから黙って売るのも問題無い、と言い切り、更に製造元が……。
ムグンファ衛星を製造した米ロッキードマーチン社には売却事実を知らせ、韓国政府には通知もしなかった。
実は韓国政府は、米ロッキード・マーティン社に通信衛星を作って貰い、3019億ウォン程支払っている。打ち上げは2号が1996年で3号が1999年。衛星の寿命は10年程度に設定されているので、2号は2006年に3号は2010年に寿命が来ている。
つまり、3号の寿命が来たのと同時に、2号と3号をまとめて5億3000万ウォンでたたき売って、香港の会社は750億ウォン程度の利益を出したというのである。



ロッキード・マーティン社がこの時本当に報告を受けたかどうかは定かでは無いが、少なくとも韓国へ販売する段階では政府への販売であったハズ。これがいつの間にか民間の会社に管理権が移り、その民間会社は政府に無断でよりにもよって支那に売却したというのだから、驚けば良いのか、悲しめば良いのか……。

当然、こうした事実はアメリカ側の念頭にあるだろうから、今回の話もかなり慎重になっていると思って間違い無い。
軍の関係者は「当時ロッキードマーチンは衛星費用の共同負担を要求した。防衛事業庁がこれを受け入れない場合、衛星価格の10%にあたる2300億ウォン(約210億円)ほどを違約金として支払うとも伝えてきた」と述べた。続いて「しかし米政権が異例にも仲裁し、軍通信衛星の納期を1年6カ月延長する案が提示され、防衛事業庁がこれをそのまま受け入れた」と説明した。
そして「異例にも」と書かれているが、FMSでF-35Aを購入する以上、それのオプション扱いになっている人工衛星の話にも米国政府が口を出してくるのは当然であろう。



なにやら韓国の国会で騒ぎになっている様だが、しかし、騒ぐと首が絞まるのは韓国側なのである。アレも約束していなかった、コレも約束していなかったと、大騒ぎになること請け合いだ。
セヌリ党の李チョル圭(イ・チョルギュ)議員は「7000億ウォンを超えるペナルティーを免除したのは行き過ぎた特恵であり屈辱的な交渉」とし「規定・指針通り事業遅延によるペナルティーを確実に受けるべきだ」と述べた。共に民主党の安敏錫(アン・ミンソク)議員は15日、「崔順実(チェ・スンシル)容疑者がロッキードマーチンと結託して韓国政府の武器契約締結に莫大な影響を及ぼした」という疑惑を提起した。チャン・ミョンジン防衛事業庁長は朴槿恵(パク・クネ)大統領と西江大電子工学科の同期だ。
そして、今韓国で騒ぎの中心になっている、韓国のシャーマンおばちゃんもこんな所に名前が挙がっているが、彼女の名前さえ出しておけば大抵の悪いことは説明が付くみたいな風潮は凄いな。

未だに、F-35Aの韓国納入分を作り始めた、というニュースを聞かないのだが、どうなっちゃっているんだろうねぇ。その辺の話を含めて、興味深い話である。



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コメント

  1. あるけむ(R.K.M) @fwbc19652016年11月22日 7:23

    「折衷交易」というのが、全く理解出来なかったので、米国との武器取引について調べました。

    米国との武器取引には2種類あるようです。
    ・対外有償軍事援助/有償援助調達(FMS):国防省の承認による取引
    ・直接商業売却(DCS):国務省の承認による取引
    秘匿性の高い兵器はFMS契約、低い兵器や技術はDCS契約なのだと考えます。なお、日本は、2005~2010年の実績で、FMS4割:DCS6割のようです。
    参考)防衛省「装備品の取得方法別の長所・短所」
    www.mod.go.jp/j/approach/agenda/meeting/bo-san/houkoku/si-07.html
    参考)国会図書館「【各国議会】日本関係情報」
    www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/legis/pdf/02470114.pdf

    これを前提に「折衷交易」を推測してみました。
    ・韓国は、F-35AをFMSで調達する契約を米国政府と結ぼうとした
    ・同時に(キックバックの一種として)LMに通信衛星をDCSで要求した
    ・これを「折衷交易」と呼んでいる
    そして、現状は、こんな感じでしょうか。
    ・米国は「核心的技術」の移転を否定(拒否?)
    ・その結果、F-35AのFMSによる調達契約は未成立
    ・当然、LMは通信衛星のDCS契約の履行を拒否(賠償金まで提示)
    ・韓国は「通信衛星をよこせ」とダダをこねている

    日本でも武器輸出・移転には経済産業省の承認が必要なので、FMS・DCSのどちらも米国政府の承認が必要であってもおかしくはないと考えます。

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    1. おお、詳しくありがとうございます。
      「折衷貿易」等と言う言葉が日本語に見当たらないので、一体何を指しているのかさっぱりですが、何か韓国メディアが期待していることと、現実が混乱しているのはいつもの通りですが。

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  2. 山田の案山子2016年11月22日 9:11

    「通信衛星」の売却話ではなく「軍事機密」の売却と考えるべきですね。通信チャンネルは商用ではなく軍用、暗号処理など通信技術も民間技術ではなく軍事技術。これで「日韓軍事機密の共有協定」云々は噴飯物です。

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    1. ムグンファ衛星は、5号(コリアサット5号)から軍民共用になっています。2号3号はハッキリした情報が掴めませんでしたが、多分、民間用だったのではと思います。

      まあ、とはいえ衛星放送通信の周波帯域まで使う権利を譲渡してしまうのですから、なかなか気前の良い話です。
      軍事用に運用が可能だったかは確認が取れませんでしたが、アホらしい話であることは事実ですな。
      GSOMIAはどうやら決定的のようですね。

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