2016年12月26日月曜日

支那空母発進!西太平洋へ

このニュースを見たときにびっくりしたのは、「第1列島線」という単語が平気で使われていると言うことだ。

中国空母「遼寧」が西太平洋へ

2016/12/25 00:39
 【北京共同】中国海軍報道官は24日、中国初の空母「遼寧」の艦隊が同日、遠洋訓練のため西太平洋に向かったと明らかにした。中国空母による沖縄、台湾、フィリピンを結ぶ第1列島線を越えた太平洋への航行が伝えられるのは初めて。
ソースは共同通信で、内部にサヨクが跋扈するメディアであるのは事実だが……。ビックリしたのは、「だからこそ」なのかも知れない。




空母
太平洋にお出かけしたのは支那空母「遼寧」である。

この船は、ロシア製の航空母艦「ヴァリャーグ」(未完成)を買い取って、支那が魔改造したシロモノではあるが、位置づけ的には練習用の空母という事になっている。
もともと、ソビエト海軍の空母更新計画によって、「ヴァリャーグ」として1985年12月に起工、1988年11月に進水した空母なのだが、ソ連崩壊(1991年12月)によってこの計画自体が頓挫。
この空母は未完成のまま、ソ連崩壊によって所有権がロシアとウクライナで争われる事態になる。売却する話も出ていたが、結局、売却先も決まらず、ロシアが所有権を諦める形で決着が付いた。
その後、ウクライナは支那への空母売却を決め、2000万ドルで1998年に売却決定。その際には、未だ空母に残っていた多くの設備を取り外しての売却を予定されていたが、結局、電気系統などのカットとパイプの切断など、「使えなくする」という手段を高じただけで販売してしまったようだ。

さて、支那はこの空母を「海上カジノ」として運営する予定だと報じられていたが、結局、2005年に支那国内で建造が再開される。そして、2011年、支那初の空母として支那人民解放軍に配備されるに至る。

そんな訳で、ソ連で作られた空母が支那の手によって生まれ変わり、空母として配備されているわけだが……、支那空母「遼寧」の大きさはともかくとして、主機として備えられている蒸気タービンは、当初予定された圧力で運用できる様にはなっていないなど、性能の面では疑問視される所はあるようだ。

だが、支那としては「初の空母」を所有するという意味で、運用できることに意味がある模様。
特に、今回の様に第1列島線を越えて太平洋に繰り出す、ということの意味合いは大きい様に思われる。

……そうそう、第1列島線についてもおさらいしておこう。第1列島線
地図を見て頂くと分かると思うが、赤い線が「第1列島線」、黄色い線が「第2列島線」とある。



この、第1列島線と第2列島線は、支那の軍部が設定した訓示戦略上の概念線であり、戦力展開の目標ラインである。そして、これは対米防衛線であるとも定義されている。
この言葉は、1982年の党中央委員会委員に選出された劉華清氏によって、1986年1月の海軍党委員会拡大会議によって言及されている。
こちらは防衛省が作成する安全保障レポートであり、支那の海洋進出に関する内容が言及されている。

なお、レポートには「支那政府によって公式に定義されたものではない」と断り書きがあるが、習近平氏が「支那の夢」としての海洋進出について言及したり、太平洋の半分は支那が治めるといった発言を公式にしていることなどから、人民解放軍にこの概念が定着していることは間違いないだろう。

南シナ海への人工島建設は、こうした海洋進出を支える上での拠点作りに他ならないのである。
 新華社電によると、遼寧の艦隊は渤海などで訓練を行ってきた。東シナ海から太平洋に出る際に沖縄近海を通過する可能性もある。
そして、支那の空母が「第1列島線」を超えて太平洋に出て訓練を行うと言うことが「報じられた」というのだから、驚くべきか、ついに来たと言うべきか。



支那の海軍報道官がどのような発言をしたか気になるところだが……。
支那空母「遼寧」はここのところ東シナ海での訓練をしていたという内容が報じられていたが、遠洋にも出ていくと言うことのようだ。

<中国空母>西太平洋で初の訓練へ トランプ氏けん制か

毎日新聞 12/24(土) 23:48配信
 【北京・石原聖】中国国防省は24日、中国初の空母「遼寧」の艦隊が西太平洋で遠洋訓練を行うと発表した。遼寧が中国の防衛ラインの「第1列島線」を越え、西太平洋で訓練するのは初めて。
概ね支那政府の機関誌と同一視して問題無い毎日新聞も、「第1列島線」という言葉を使っているあたり、支那としてもこの報道を容認したのだろう。
 遼寧は15日に渤海で初めて実弾射撃訓練を実施していた。国営中国中央テレビ(CCTV)などによると、23日に駆逐艦など数隻と艦隊を編成。海軍トップの呉勝利司令官が指揮を執り、黄海で10機以上の艦載機「殲15」や艦載ヘリコプターを発着させ、空中給油や戦闘訓練を実施した。24日に東シナ海で訓練し、西太平洋に向かった。
分析は割とマイルドな言葉を使っているが、結局のところ、支那の権威誇示という意味合いが強いのだろう。
 中国は、遼寧省大連で建造中の初の国産空母が早ければ来年にも進水する見通しの中、「遼寧の訓練が進み、中国が空母を運用できる水準に近づきつつあることを内外に示す」(北京の外交関係者)狙いがありそうだ。
つまり、メディアを使って「支那は太平洋にもその覇権を伸ばす」と宣言したも同然である。



割と保守的だと言われている産経新聞も、この内容を紹介していた。
アメリカのトランプ政権が発足することが確実になり、twitterでの発言が取り上げられるトランプ氏。支那への戦略を明確にしつつあるが、それに対する牽制の意味合いが強いというのは、産経に限らず各紙が報道している。

ただ、「第1列島線」と括弧付きで報じているあたり、その言葉を意識しているのだろう。
なにしろ、この言葉を使うメディアは、これまで殆ど無かったのだ。それは、公式に支那政府がこの言葉を認めてこなかったことに関係していると思うが……。これが認められた背景を考えると、戦慄を覚えずにはいられない。

準備はできたぞ、と、そういう意味で理解できるからだ。
「第1列島線」や「第2列島線」は、支那の覇権の及ぶ範囲、という意味合いが強く、言ってみれば侵略ラインでもある。
公海にそうした戦略ラインを引くこと自体が、明確な侵略の意図の表れだとも言えよう。
日本や台湾の意思を無視したこのライン。当然、日本や台湾への敵対意思の表れでもあるし、アメリカへの宣戦布告的な意味合いも強い。この期に及んで、まだ「憲法9条が日本を守ってくれる!」などと言える神経が、僕には理解できない。
追記
そうそう、失念していたが、空母が出るからにはその取り巻きも当然いるのである。

中国海軍艦艇の動向について

12月24日(土)午後4時頃、海上自衛隊第12護衛隊所属「とね」(呉)が、東シナ海中部の海域において中国海軍クズネツォフ級空母1隻、ルーヤン Ⅱ級ミサイル駆逐艦2隻、ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦1隻、ジャンカイⅡ級フリゲート2隻、ジャンダオ級小型フリゲート1隻、フチ級補給艦1隻の計8 隻を確認した。
このうち、クズネツォフ級空母は、海上自衛隊としては初めて確認したものである。
防衛省の資料にこうあるが、「クズネツォフ級空母」とは支那空母「遼寧」を含む空母の型式なので、ここでは「遼寧」の事を指している。
そして、江凱型フリゲートとは、中華イージスと揶揄されるフリゲート艦であり、C4Iシステムを積んだ船である。同様にC4Iシステムを積んだ駆逐艦がルーヤンII、III級であるので、空母打撃群を含んだ艦隊での訓練だと考えて良い。
多分、確認されている中には含まれていないが、原子力潜水艦も随伴しているだろう。

「港に戻れるのかな?」というバカにした意見も目立つが、もっと別のことを心配すべきである。支那の戦力は軽視できないレベルで増強されているのだから。



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2 件のコメント :

  1. 滅多にお目にかけることのない中国の空母ですから、恐らく日本はそうりゅう型潜水艦が出動してスクリュー音の収集などをしたでしょうね。問題は、空母打撃群に隠密に接近し、模擬戦闘を行って撃沈判定出来たかどうかですが…
    これが出来ていれば空母なんかは単なる的にしか過ぎませんからね

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    1. 日本の潜水艦の実力は、潜水艦に関する情報の少なさからかなり「優秀」と言う事になっていますが……、あまり過信せずに、着実な対応ができる様な方策をとる必要があります。

      これは、分かり易い打撃手段を持つことで、外交のカードとなると言う意味でも、必要な事だと思います。
      だから、潜水艦だけで無く、目で見て分かるような軍事力を保有することも必要かなぁと。

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