2016年12月6日火曜日

カジノ法案って何?

民進党が反対のための反対を唱えているので、一体、あの政党は何なのだろう?と、首を傾げざるを得ないが、そもそもカジノ法案って何?という辺りを理解すべきではないのか。

カジノ法案に異論相次ぐ=付帯決議を検討―参院自民

時事通信 12/5(月) 21:22配信
 参院自民党は5日、国会内で政策審議会の勉強会を開き、カジノを中心とする統合型リゾート(IR)推進法案について議論した。
時事通信は、「異論相次ぐ」としているが、異論が出るのは当たり前である。勉強会なのだから。
今日は、この今回衆議院を通過したいわゆるカジノ法案について少し書いていこうと思う。



さてさて、先ずは、ニュースで取り上げられているカジノ法案というものの中身を見ていこう。
特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案
これが衆議院を通過した法案の内容である。
(目的)
第一条 この法律は、特定複合観光施設区域の整備の推進が、観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資するものであることに鑑み、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する基本理念及び基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに、特定複合観光施設区域整備推進本部を設置することにより、これを総合的かつ集中的に行うことを目的とする。
「基本理念及び基本方針その他の基本となる事項を定める」と共に、「特定複合観光施設区域整備推進本部を設置」とある。
 
マスコミは、やれ依存症がどうとか、人の金で儲けるのかとか、色々騒いでるのだが、それ以前の段階だということを、どれだけの方が理解しているのやら。
今回衆議院を通過したのは、あくまでベースとなる部分で、中身はこれから審議しましょうという話になっている。冒頭の勉強会は、その中身をどうするか勉強していきましょうという話で、異論が相次ぐに決まっているじゃないか。



そもそも、「カジノ」は賭博施設である。
となると、日本でまず問題になってくるのは刑法185条及び186条の「賭博及び富くじに関する罪」という条文だ。
(常習賭博及び賭博場開張等図利)
第186条
  1. 常習として賭博をした者は、3年以下の懲役に処する。
  2. 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、3月以上5年以下の懲役に処する。
(富くじ発売等)
第187条
  1. 富くじを発売した者は、2年以下の懲役又は150万円以下の罰金に処する。
  2. 富くじ発売の取次ぎをした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
  3. 前2項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、20万円以下の罰金又は科料に処する。
原則、日本国内では賭博行為は違法なのである。
これ、「宝くじ」「競馬」「競輪」「競艇」「オートレース」「toto(スポーツ振興くじ)」全部含まれるよね、アレは違法なの?「パチンコ」「スロット」も違法なの?という疑問が当然沸くが、原則違法だ。
が、例外規定があって「宝くじ」は当せん金付証票法によって、「競馬」は競馬法によって、「競輪」は自転車競技法によって、「競艇」はモーターボート競走法によって、「オートレース」は小型自動車競走法によって、「スポーツ振興くじ」はスポーツ振興投票の実施等に関する法律によって、合法とされている。
「宝くじ」や「競馬」「競輪」「競艇」「オートレース」などは、一部が地方自治体の財源となり、「toto」はスポーツ振興の目的で運用されることが法律で定められており、利益を公益に還元することを目的として、刑法186条187条の例外規定とされている。
つまり、これらは合法なのである。



では、パチンコ、スロットは?というと、これは違法だ。
パチンコなどは風営法に、その規定が存在する。風営法2条1項出定義する第4号に該当する遊技業の一種で、麻雀荘などもこれに該当する。
しかし、ここでは金銭の授受を行ってはならないとされている。よって、これらの店は三店方式なるおかしなやり方で法律をすり抜けている。
当然、これは違法なのだが、しかし、先日、政府はこれを「合法」と言っちゃった。
いや、正確に言うと、風営法の範囲内にあるから違法じゃないと言っちゃった。
六について
 客がぱちんこ屋の営業者からその営業に関し賞品の提供を受けた後、ぱちんこ屋の営業者以外の第三者に当該賞品を売却することもあると承知している。
七について
 ぱちんこ屋については、客の射幸心をそそるおそれがあることから、風営法に基づき必要な規制が行われているところであり、当該規制の範囲内で行われる営業については、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十五条に規定する罪に該当しないと考えている。


厳密に言えば、この答弁は従来の「グレーだよ」という内容を踏襲したに過ぎない。
6の答弁は、あくまで「パチンコ屋」と「景品買い取り所」が利害関係にないことが前提であるが、実態としてそれは同一の営業者によって行われているのであり、7の答弁で合法と言っているのは、あくまで「営業者以外」なら合法と言っているに過ぎない。
こちらのスマホゲームに関する話で、「三店方式はダメだ!」と消費者委員会の中で話し合われた後に、これを議決したという話は聞いていない。結論が出てこれば面白いが、色々な勢力が拮抗して争っている状況なのだろう。



そして、ここに来てIR推進法案が可決されたワケで。
 (カジノ施設の設置及び運営に関する規制)
第十条 政府は、カジノ施設の設置及び運営に関し、カジノ施設における不正行為の防止並びにカジノ施設の設置及び運営に伴う有害な影響の排除を適切に行う観点から、次に掲げる事項について必要な措置を講ずるものとする。
 一 カジノ施設において行われるゲームの公正性の確保のために必要な基準に関する事項
 二 カジノ施設において用いられるチップその他の金銭の代替物の適正な利用に関する事項
 三 カジノ施設関係者及びカジノ施設の入場者から暴力団員その他カジノ施設に対する関与が不適当な者を排除するために必要な規制に関する事項
 四 犯罪の発生の予防及び通報のためのカジノ施設の設置及び運営をする者による監視及び防犯に係る設備、組織その他の体制の整備に関する事項
 五 風俗環境の保持等のために必要な規制に関する事項
 六 広告及び宣伝の規制に関する事項
 七 青少年の保護のために必要な知識の普及その他の青少年の健全育成のために必要な措置に関する事項
 八 カジノ施設の入場者がカジノ施設を利用したことに伴い悪影響を受けることを防止するために必要な措置に関する事項
2 政府は、前項に定めるもののほか、外国人旅客以外の者に係るカジノ施設の利用による悪影響を防止する観点から、カジノ施設に入場することができる者の範囲の設定その他のカジノ施設への入場に関し必要な措置を講ずるものとする。
IR推進法案の中では、色々規制が必要だね、としか言っていない。が、法律の記載一つでパチンコ屋の換金は違法になる可能性があるので、パチンコ業界は震撼していることだろう。



まあ、そんな訳で、現在審議されているカジノ法案ことIR推進法案は、あくまでカジノを合法化しましょう、というプログラム法に過ぎないのである。中身はこれからだ。
 (法制上の措置等)
第五条 政府は、次章の規定に基づき、特定複合観光施設区域の整備の推進を行うものとし、このために必要な措置を講ずるものとする。この場合において、必要となる法制上の措置については、この法律の施行後一年以内を目途として講じなければならない。
IR推進法案の中にもこう明記されている。
 出席者からはギャンブル依存症やマネーロンダリング(資金洗浄)への対策が不十分だとして異論が相次いだ。このため、幹部は参院独自の付帯決議を検討する考えを明らかにした。
つまり、時事通信のこの内容は、自民党議員が「これから議論していく必要があるね」と認識したというレベルの話。



ちなみに民進党はと言うと……。

カジノ法案「日本で楽しむ選択肢増やす」 民進・前原氏

12月02日 19:23
 (カジノを含む統合型リゾート〈IR〉の整備を政府に促す議員立法は)私が国交大臣のときに、海外からのお客さんを増やそうということの一環で検討を始めた。私はどちらかというと賛成派だ。ギャンブル依存症対策や治安の問題など、いろいろ対応策をとらなければならないが、日本のオプション(観光客が楽しむ選択肢)を増やす、厚みをもたせるという意味においては、いいのではないか。
前なんとかさんがこんな事を言っているが、民進党議員は審議入りを拒否。

維新・馬場伸幸幹事長、カジノ法案審議入り反対の民進党に大きな怒り 「政権とった政党とは思えない」「どこが『提案型』なのか」

2016.11.15 14:32
 日本維新の会の馬場伸幸幹事長は15日の記者会見で、民進党がカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備推進法案の審議入りに応じていないことについて「言動不一致の態度に大きな怒りを覚える。残念だ。一度は政権政党として日本のかじ取りをされたみなさんがいる政党とは、とても思えない」と厳しく批判した。
 馬場氏は、超党派のIR議員連盟に35人の民進党所属議員が参加している点を指摘し、「推進する議員連盟に入っているのに法案を議論しない。どこが『提案型政党』なのか」とも述べた。
日本維新の会に攻撃される始末である。

民進・野田佳彦幹事長、カジノ法案「急いで審議するテーマではない」

2016.11.14 18:02
 民進党の野田佳彦幹事長は14日の記者会見で、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備推進法案について「今月末という限られた会期の中で、急いで審議するテーマではない」と述べ、慎重な姿勢を示した。

IR法案は「審議する環境にない」 民進・安住淳代表代行

2016.11.9 20:06

民進党の安住淳代表代行は9日の記者会見で、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備推進法案について「私個人としては反対だ。審議する環境にもないし、国民の理解が得られるとは思わない」と述べ、早期の審議入りに否定的な考えを示した。
やる気を出せよ!



ちなみにIR推進法が可決された場合に何が起きるかというと、「議論が始まる」に過ぎない
話し合っちゃうぜ!というワケだ。
じゃあ、何故こんな法律を作ったかと言えば、話は簡単で、1年以内に結論を出しなさいと官僚のケツを叩く目的なのである。

実際に、民進党が何故これの推進を嫌がっているかというと、中身が理解できないという情けない理由もあるのだが、官僚からの突き上げが厳しい事もあるのだろう。
もっと言えば、パチンコ屋から支持を受けている議員団が猛烈に反対しているのだろう。
パチンコは今や斜陽産業である。大手は新しい分野で収益を伸ばそうとするだろうし、中小は今の既得権益を守ろうと必死になるだろう。パチンコ業界内でもIR推進法案に関する議論は分かれているのだと思われる。

カジノが合法化すると、何が起こるのか?
第二条 この法律において「特定複合観光施設」とは、カジノ施設(別に法律で定めるところにより第十一条のカジノ管理委員会の許可を受けた民間事業者により特定複合観光施設区域において設置され、及び運営されるものに限る。以下同じ。)及び会議場施設、レクリエーション施設、展示施設、宿泊施設その他の観光の振興に寄与すると認められる施設が一体となっている施設であって、民間事業者が設置及び運営をするものをいう。
2 この法律において「特定複合観光施設区域」とは、特定複合観光施設を設置することができる区域として、別に法律で定めるところにより地方公共団体の申請に基づき国の認定を受けた区域をいう。
実のところ、依存症などの問題より、「国の認定を受けた区域」でしかギャンブルが出来なくなってしまうことの方が問題なのだ。
パチンコと似たようなギャンブルが一部地域で合法化されると、ほぼ同じ事をやっているのに何故パチンコは合法なのか?という議論は確実に起こる。裁判沙汰になれば白黒がハッキリしてしまい、当然ながらパチンコ合法と言うには分が悪すぎる。
 
つまり、パチンコ業界は壊滅待ったなし!と言う事になる。

パチンコ業者は、全国津々浦々に広がるパチンコ屋での収入よりも確実に収入源が細る。そうなると、資金源がある大手からさっさとパチンコに見切りをつけて合法スロット方面に力を注ぐ流れになるだろう。
 
既に斜陽産業であるパチンコ業界にとって、合法化によって海外からの客を呼び込み派手に商売をするか、今の商売を存続して座して死を待つかの決断を迫られる結果になるだろう。
 
今回の話はそこに一石投じたと言う事になる。
反対する理由は、ないよね。

むしろ、真に警戒すべきはこれから作られるであろう法律の数々と言う事になる。入り口を潰したから後は大丈夫、みたいな皮算用ではダメだ。IR推進法案はこれを奇貨として色々な方面の是正に切り込める入り口なのだから。


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4 件のコメント :

  1. 民進党は、カジノ推進派と特定の業者との癒着を追及しましたが自民党は回答拒否しました。これはアカンですね
    後になって色々出て来て、自民党の足を引っ張らることにならなければ良いですがね

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    1. 癒着に関する言及を無視した!と、野党が怒っていましたね。
      確かに癒着があればそれは由々しき問題です。ただ、野党の指摘の仕方は証拠を提示して問題を言及するスタイルでは無く、「そんな噂を聞いたよ」程度の追求でした。

      ご指摘の通りクリーンな業界では無いので、癒着などの問題も当然出てくる可能性は高いと思います。ただ、その分を差し引いても、もう少ししっかりとしたデータを踏まえた追求をしてはどうかなぁと、そう思った次第。

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  2. 民進党はかつてカジノ推進してた人もいるんですけどね。読売も思いのほか反対なんですよね。で、闇株新聞さんが扱ってましたが、トランプの知人のベガス系(米国系)の大手カジノグループとどうやら手を組むかもしれないという話があるようです。(素人が経営しても兆単位でプロ集団に狙われて損益をだすとか)
    読売は安倍首相の真珠湾のコメントをだしている人達が反トランプ派の人達で、民主党は例の如く支那系(マカオ系には実質共産党が裏にいる大手カジノグループがあるそうです)と韓国系が日本に食い込めなかったので、その代弁者として大反対してるようですね。韓国にしてみれば、ラスベガスの大手が日本に参入されたら、日本の利権にありつけないどころか客をもってかれるのが目に見えますからねw

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    1. IR推進法案は超党派での議員立法ですからね。

      IR推進法案で心配している点は、カジノというのは利権と絡んで結構色々なトラブルを運んでくる存在なので、単純に民間業者に任せることは良くないことだとは思います。そして、外資も結構狙っているのだとか。
      外資に食い荒らされて、日本の利益にならないのだとしたら、こんな馬鹿らしい話はありません。

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