2017年3月13日月曜日

李克強氏、立場を追われる可能性

むしろ、命も危うい立場になってきたな。

李克強首相の立場変更も 習近平主席の権力集中強まる

NEWSポストセブン 2017年3月12日 07時00分 (2017年3月12日 08時33分 更新)
 中国ではこのところ、中国政府における「経済政策立案・実行の指令塔」といわれる中国国家発展改革委員会や対外通商政策を総括する商務省のトップ人事で、習近平国家主席の腹心が就任したほか、経済・金融関係の重要ポストにも習氏に近い幹部が登用された。
どうなるのかは、注目していきたいが。


さて、全人代(全国人民代表大会)の開催が3月5日より行われているが、なかなかユニークな発言も飛び出していた。

中国、「携帯データ通信料を年内に廃止」全人代で異例宣言

朝日新聞デジタル  |  執筆者: 朝日新聞社提供
投稿日: 2017年03月06日 08時05分 JST 更新: 2017年03月06日 08時06分 JST
~~略~~
 約1時間40分にわたった李克強(リーコーチアン)首相の政府活動報告で、会場が最も盛り上がったのは政治・経済運営の大方針ではなかった。「携帯電話の国内の長距離通話料とデータ通信料を年内に廃止する」と宣言すると、人民大会堂は約10秒にわたって大きな拍手が起きた。


データ通信し放題だな!!!
まあ、中身は検閲される訳だが。

それと、もう一つ注目すべき点がある。

民主人権派は「敵対勢力」中国最高検、汚職より重視

2017.3.13 06:35
 中国最高人民検察院(最高検)の曹建明検察長(検事総長)は12日、北京で開会中の全国人民代表大会(全人代)で行った活動報告で、昨年、国家政権転覆罪で実刑判決を言い渡された著名な民主活動家と人権派弁護士を名指しした上で、「敵対勢力による(政権)転覆、破壊活動を(今年も)厳しく処罰していく」と強調した。
言うことを聞かないヤツは弾圧するぜ!という構えだな。
「汚職撲滅」を訴えて、派閥の敵対派を粛正し終えた段階で、今度はそれを一手に「国家転覆」を図った罪やら「破壊活動」を計画・実行した罪で追求するとのこと。

実際に、人権派弁護士らが迫害されている実績があり、今後もその方針を継続するのだという。
昨年摘発した犯罪項目の中で最初に言及。汚職の取り締まり状況などよりも先に挙げており、習近平指導部が共産党一党独裁維持のため、人権派弁護士らの抑え込みを最重要視していることが示された。



いや、もう1つ注目したいことが。

中国・環球時報「国防費の伸び低さに少し遺憾」「10%でも世論は反対しなかった」

2017.3.13 11:00
 中国で全国人民代表大会(全人代=国会)が開幕し、李克強首相は今年の経済成長率目標を「6.5%前後」とし、前年からの引き下げを表明した。
~~中略~~
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は6日付社説で、国内総生産(GDP)の成長率目標が3年連続で引き下げられ、「6・5%前後」となったことについて「経済の構造調整が全面的に進められる中で、6・5%前後の成長を維持できるのは非常に得難いことだ」とし、経済のソフトランディングが順調に進んでいるとの見方を示した。
~~中略~~
前年度実績比7%増となった国防予算について、同紙は「21世紀以降で最も低い伸び率で、複雑な国際情勢に対する中国政府の冷静さを示すものだ」と論じた。トランプ米大統領が大幅な国防費増強の意向を示し、同紙は全人代開幕前、昨年に10%を割り込んだ国防予算の伸びを2桁に戻すよう主張していた。
景気は良くなかったけれど、国防費はもっと増やしても良いよね!とか言う始末。これは、環球時報という支那共産党の機関紙なので、共産党の本音と言って良いだろう。

前半の経済の鈍化についてはの李克強氏に責任を被せてクビを切る構えなのでさておくとして、後半の「国防費はもっと増えて良いよね」というのはなかなかスゴイ。



ともあれ、全人代で発展改革委員の刷新を図っている。
2月下旬に開かれた全人代常務委員会では、発展改革委のトップだった徐紹史主任が辞任し、後任には何立峰副主任が就任した。何氏は習氏が18年間在任した福建省の出身で、習氏が同省アモイ市副市長として赴任した1985年6月には、何氏もアモイ市幹部を務めており、新任の幹部だった習氏を助けた。
更に、商務相も刷新した模様。
 一方、この全人代常務委では商務相だった高虎城氏が辞任し、後任には鐘山商務次官が就任した。
鐘氏は習氏が浙江省トップ時代、同省の副省長で、習氏が2012年に党政治局常務委員として中央政界入りして間もなく、商務省次官に抜擢されて北京に赴任。この裏には、習氏の意向が強く働いていたといわれる。
更に銀行関連も。
 また、この二つの人事の数日後、銀行業界を統括する銀行業監督管理委員会主席にも習氏の経済ブレーンで、「経済秘書」との異名がある党中央財経領導小組弁公室の劉鶴主任と近いとされる郭樹清・山東省長の就任が発表された。そのほか、当の劉氏は中央銀行の中国人民銀行総裁に登用されるとの情報もある。劉氏は第19回党大会で政治局入りし、金融・経済政策全般について、習氏を補佐するとされる。
まさに習近平色一色といった状況になっている。

首相である李克強氏はまさにお飾りと言った色合いが強くなってきたわけだ。



今までの支那の政治をざっと思い返してみても、支那の首相は寧ろ表に出てくるイメージが強かった。
胡錦濤時代の首相である温家宝氏は、公衆衛生の改善や貧困対策などにも取り組んでいる。他にはインフレ抑制やオリンピックの実施の実現などにも動いている。
江沢民時代の首相である李鵬氏や朱鎔基氏もそれなりの知名度を有している様に思われる。
何れも、天上人である総書記に対して、人民の立場に立って物事を考える首相というキャラクター付けをなされることが多かったようだが……。

習近平氏訪問で極貧村が豊かに 恣意的な貧困対策に隣村は不満

2017.3.13 06:14
 極貧の村は国家指導者の一声で一変した-。2012年12月、中国共産党総書記に就任したばかりの習近平国家主席が訪れた河北省の村では今、場違いなほど立派な道路が整備され、古い住宅を建て直すつち音が響いていた。巨額を投じて進む官製の「脱貧困」の成果。ただ隣接する農村は貧しいままで、住民からは不満が漏れる。
習近平氏はその方針を廃止して、一人で神になろうとしているようである。



さて、これらの動きが全人代にて見られる訳だが……、いやまだ終わったわけでは無いので総括するにはちょっと気が早すぎる。
が、ベクトルは、権力の一極集中を推し進め、対政府批判を更に蹂躙する方向性で、かつ、経済の失速に檄を入れる何らかの対策を打ってくる方向に向いている気がする。

李克強氏の尽力の結果、大幅な経済の悪化は避けられたかのようにも見えるが、現実はそうでは無さそうだ。

アングル:中国銀監会トップに郭氏、課題山積で試される手腕

2017年2月28日11時09分
 [北京 25日 ロイター] - 中国・山東省の郭樹清省長が退任し、銀行業監督管理委員会(銀監会)主席に就任する。中国の金融システムは現在、不良債権や影の銀行(シャドーバンキング)の膨張など多くの課題を抱えて岐路に立っており、金融行政における経験豊富な郭氏(60)の手腕が試される。
シャドーバンキングの解消や、ゾンビ企業の淘汰など、多くの課題は残ったままで李克強氏のクビを切る訳だ。
当然、ここから支那経済は起死回生の大躍進が果たされなければならないだろう。支那経済成長率
ところが現実はこの有り様で、現実はもっと悪いのでは無いかと言われている。
それを何で補うのか?が問題なのである。軍備拡張路線をさらに推進して……、となると、一番簡単な手法はアメリカとの全面対立では無いのか?という気がしてならない。もちろん、現段階でこれらを裏付ける証拠・報道は無いが。



いや、表向きにでている報道では、むしろアメリカと支那とはある程度和解の兆しがあるようにも指摘される。

“商人”トランプの面目躍如、「ニクソン電撃訪中」演出のキッシンジャーが動く―米中首脳電話会談、「1つの中国」で合意

配信日時:2017年2月10日(金) 17時40分
2017年2月10日、米ホワイトハウスは声明を発表し、トランプ大統領が中国の習近平国家主席と電話会談し、「1つの中国」政策の維持で合意したことを明らかにした。両首脳は長時間にわたって会話し、さまざまな問題について意見を交換した。
だが、南シナ海における攻防は、お互いの利益を譲らないがために起きた事態なので、アメリカも支那も手を引くことは無いと思われる。
そして、アメリカのランド研究所では、アメリカと支那との戦争の可能性に関して分析している。
  1. 東シナ海の尖閣諸島などをめぐる日中両国の軍事摩擦。
  2. 南シナ海での中国のフィリピンやベトナムへの軍事威圧。
  3. 北朝鮮の政権崩壊による米中双方の朝鮮半島軍事介入。
  4. 中国の台湾に対する軍事的な攻撃あるいは威嚇。
  5. 排他的経済水域(EEZ)やその上空での艦艇、航空機
現状で、戦争の切っ掛けとなり得る事象がピックアップされているが、全て現在進行形で悪化している。



今や、支那は習近平氏への権力一極集中で、習近平氏の判断1つで色々な事態が想定しうる。
習近平氏が「支那の夢」と言って憚らない海洋進出を、人民解放軍が諦めるとも思えないので、この傾向は今後更に強くなると見て良いだろう。

そして、直近で一番心配なのは……、北朝鮮情勢だろうか。

韓国へのTHAAD配備は、その切っ掛けに十分なり得るのである。
李克強氏が習近平氏と対立する路線を採っていた時代、李克強氏はストッパーに成り得たのだが、ソレすら存在しなくなったとき、支那はどのように暴走するのやら。


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6 件のコメント :

  1. 中国危機論ばかりが日本では強調されますが、貿易摩擦で危機になるのは米国も同レベルだと思っています。
    現在、米国は、中国から工業製品や電子機器を輸入し、中国へは農産物等を輸出するという後進国の立場に立っています。
    中国に対する投資により巨大な資本収支を得ているとはいえ、儲かるのは資本家だけで、雇用がどんどんなくなっているというのがトランプ政権誕生の原動力ですが、プラザ合意以降の日米を見ても為替や貿易不均衡をいくらいじっても根本的解決にはなりません。
    資本収支を維持しつつ、貿易赤字を解消するというのは、シンプルな矛盾といえます。
    IT革命や金融取引等で日独等には対抗してきた米国ですが、マイクロソフトを屈服させ、グーグルを拒絶する中国には通用しません。
     また、第4次産業革命といわれる分野でも、例えばドローンでいえば、既に中国のDJIが世界の70%のシェアを占めるなど、米国に優位性はありません。
     唯一勝てるのが、世界的で歴史ある信用と軍事力だと思うので、そこをどう使うかというのが注目すべき点で、ある意味、韓国のサード問題はその尖兵という存在だと思います。

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    1. アメリカとはかなりの部分で対立する可能性が高いでしょうね。
      日本としては死活問題ではありますが、今のところはまだ日本としても様子見でしょう。

      技術力に関しては、支那の法律の緩さが色々な部分での成長を助けているシーンが散見されます。
      アメリカにとって支那に技術で勝るというのは、現実的では無くなってきています。貿易戦争はこれからも激化するのでしょう。

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  2. 今の日本にとって一番大切なのは、南シナ海において中国との対立を作り続けることです。これがなくなったら東シナ海に矛先が向きます。
    また、中国はアメリカに大量のスパイを送り込み、議員を献金などで懐柔しています。ティラーソン国務長官は親中派ですね。ですからトランプが対中融和に転じるのも時間の問題でしょう。それほどまでに中国の力は強くなっています。
    ただ、習政権が個人の独裁色が強いというのはチャンスです。なぜならその人が死去した場合、誰が13億人の国民をまとめあげるのでしょうか。北朝鮮は中国の支援があり、規模も小さい国家なので独裁の世襲が可能でした。中国には独裁が崩れた時の後ろ楯がないので崩壊するしかありません。今すぐには無理ですが栄枯盛衰は必ず訪れます。今はひたすら耐え忍ぶときです。仮にトランプが日本より中国を重要なパートナーと見なす時が来てもです。

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    1. シャドーさんに反対と賛成の複雑な気分。
      よく私ら保守は「支那の分裂」を希望いたします。でもさあ…
      民主化が成功するとは限らない…と解ったのがソビエト崩壊後の歴史ですよね?
      支那が分裂して「春秋戦国」を再現した場合、民主化に成功する国、失敗して独裁する国、オセロの碁盤のようにクルクルと盤面が変わるでしょう。そんなのに日本が対応できます?
      支那の分裂は日本にとっても厄介だと思わざるを得ません!
      その小国の少なからずが核を持つのですよ。私は可能性は限りなく低いと思いますが、支那が民主化して、そっち方面で大国になったとしても、日本を踏み絵にする方向性は変わらないと思う。彼らにとっていち早く近代化=西欧化した日本は歴史的に「敵」ですから!
      だからと言って、あそこが破綻すると、トンでもない激流が生まれると思います。
      じゃ、どうしたら良いのか?
      済みませんが解りません。私の理解を超えているので。

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    2. >シャドーさん

      アメリカにパンダハガーが沢山いるというのは良く聞く話ですね。
      マネーパワーはいつの時代にも、脅威に成り得るのです。

      支那は独裁色を強めることで、その立場を危うくする、というのは、多分主従が逆で、立場が危ういので独裁色を強めなければ維持出来ないという感じだと思っています。
      まあ、結果は同じなんですけどね。

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    3. >アブダビさん

      民主化が救いにならないのは、「アラブの春」でも証明されております。
      支那の民主化は寧ろ自殺フラグでしょう。

      そして、ご指摘の様に分裂されると日本としても色々困った事が起きます。そうで無くても支那の国土は不毛の大地になりつつあるので、難民が発生するのは不可避なんですけど……。

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