マレーシア国防相の過激発言

この展開は読めなかった。

マレーシア国防相「北朝鮮と戦争すれば、助けてくれる国は多い」

中央日報日本語版 3/14(火) 13:11配信
マレーシアのヒシャムディン・フセイン国防相が金正男(キム・ジョンナム)氏暗殺をめぐって対立している北朝鮮との戦争可能性を示唆した。
13日(現地時間)、ヒシャムディン国防相がこの日、議会ロビーで記者会見を開き「戦いが必要な状況になれば、マレーシアを助けてくれる同盟国は十分だ」と明らかにしたと報じた。
マレーシア側から口火を切るとは。




さて、混乱気味のアジア情勢だが、取り敢えずは関連事項をピックアップしていこう。
そして今回のマレーシアである。

今のところ朝鮮半島が問題の渦中にあるという認識で良いだろう。
マレーシアや台湾はこれらと無関係かというと、マレーシアの方は北朝鮮と直接事を構える状況にあるのだから、まさに関係者と言って差し支えない。
何しろ、マレーシアは国内において北朝鮮暗殺部隊が違法な薬物を使って殺人を犯しているのである。使った薬物はVXだと報じられている。
僕自身はVXが使用されたという点について疑念を持ってはいるが、しかし、事実だとすればVXが猛毒の神経剤であり、人類が作った化学物質の中で最も毒性が強く、科学兵器禁止条約でその使用どころか、製造・保有も禁じられている。
尤も、イスラエルや北朝鮮、エジプト、南スーダンはこの条約に署名していない。しかし、殺人が行われたのはマレーシアなのだから、マレーシアの国内法が適用される。
では、台湾は?台湾の話、表向きは政治闘争なので、一見無関係。だが、構図としては、支那とアメリカとの対立構造となっているために、これが簡単に台湾国内の話だという風に割り切るのは片手落ちである。


さて、マレーシアの話に戻ろう。
彼は3年前に墜落して失踪したマレーシア航空機MH360便の捜索作業を手伝ってもらった26カ国を挙げ、「国防力だけでみれば、北朝鮮のような国と戦うことはできないが、マレーシアの力だけに依存していると考えてはいけない。(他国の助けが)マレーシアの強み」と話した。
しかし、彼は「そのような状況にまで至らない方が良いだろう」と付け加えた。北朝鮮労働党委員長の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の異母兄金、正男氏が先月13日、マレーシア・クアラルンプール空港で暗殺されたことを受け、両国関係が破局に向かっている。
マレーシアは、北朝鮮と事を構えることがあっても、他国の協力のもと、抵抗する構えである。
マレーシアと北朝鮮とは随分と距離がある状況であり、資金は支那との関係も悪化している。

南シナ海進出に態度を硬化 マレーシアは親中国、返上か

2017年3月9日(木)14時06分
マレーシアのサラワク州沖で3月、同国の沿岸警備艇が大型の船舶を確認した。乗組員たちは仰天した。その船が警告のサイレンを響かせながら、高速でこちらに突き進んできたからだ。その後、同船が針路を変えると、船腹に「中国海警局」の文字が刻まれているのが見えた。
マレーシアと支那とは南シナ海の領有権紛争において直接的に利害関係が対立する。
サラワク州から50カイリも離れていないジェームズ礁で2013年・2014年の2回にわたって中国が実施した海軍演習についても、マレーシアは重要視しなかった。さらに2015年には、中国海警局の艦艇の武装船員による威嚇行為があったとしてミリ市のマレーシア漁民が懸念する声を挙げたが、おおむね無視された。
それでもこれまでは黙認していた経緯がある。

ところが風向きが変わり始めたのは、マレーシアの漁業に大きな打撃を加えるような事態になってからだ。
ところが3月に多数の中国漁船が、領有権が争われている南沙(スプラトリー)諸島の南方にあり、豊かな漁場の広がる南ルコニア礁付近に侵入した際には、マレーシアは海軍艦艇を派遣し、中国大使を召喚して説明を求めるという異例の動きを見せた。
この話は益々エスカレートする。
昨年9月、中国・マレーシア両国の外交関係に緊張が走った。マレー系住民によるデモに先立って駐マレーシア中国大使が首都クアラルンプールにあるチャイナタウンを訪れ、「中国系住民の権利に影響するような行動に対しては、中国政府は遠慮なく批判させてもらう」と警告したのである。
ついには、駐マレーシア中国大使が先走る事件が発生。
こんなの外交問題に発展してもおかしくないレベルの事態なのだが、その場では抗議程度で納めたようだ。だが、やはりマレーシアと支那との関係が悪化していたのは事実だと言える。




つまりは、今回の北朝鮮への警告ともとれるマレーシア国防相の発言は、西側陣営が黙っちゃいないぞ、という意味で、ある意味、支那に対しても牽制として働く可能性の強い発言なのである。
なお、マレーシアにはまともな他国を侵攻する攻撃力は無い模様。総兵力 10.9万人。陸軍兵力 8万人、空軍機 226機、海軍艦船 79隻とwikiにはあるが、「北朝鮮まで攻め込める」と言う意味ではほぼ戦力ゼロ。対して北朝鮮にはミサイルがあるのだが、その精度はお察しなので、マレーシアをピンポイントで狙い、戦力を奪うのは困難だ。よって、国防相の発言はあくまでハッタリと言う事になる。

平時であればこうした発言が問題視されてマレーシアの国防相の立場がどうなるか、と言う事になるワケだが……、多分、北朝鮮のこともあってマレーシア世論も国防相の発言を支持する立場なのだろう。
この一件を眺めてみても、随分ときな臭い状況になってきたと言えるな。

これ、何処で手を打つか?が問題なのだが、支那が手じまいする積もりが無いようなので、当面は燻り続ける可能性が高い。
北朝鮮が一手打てば、瞬く間に炎上する可能性すらあるわけだ。

追記 (2017/3/15)
コメント頂いた件を追記しておきたい。

マレーシアとシンガポール間に高速鉄道 受注競争激化か

2016年12月14日01時51分
マレーシア、シンガポール両政府は13日、両国を結ぶ高速鉄道を建設する二国間協定を結んだ。2026年の開業をめざし、来年10~12月に車両や信号など鉄道システムの製造先を決める国際入札を実施、18年末にも落札先を決める予定。総額1兆5千億円とされる大型計画の始動で、日本や中国などによる受注競争が激しさを増しそうだ。
マレーシアの高速鉄道、じつはこれ、シンガポールにも関連している。
高速鉄道
マレーシアの高速鉄道は、その行き先が僅かにシンガポールの部分にかかるのだ。まあ、マラッカ絡みなんでしょうな。詳しくは知らないけれど。

んで、ここに支那が色気を出していると。軍事的な意味合いはかなり強いと見て良いだろう。
13日には、クアラルンプール近郊のプトラジャヤにあるマレーシア首相府で署名式が開かれ、両国首脳が立ち会い、担当相が署名した。その後の記者会見で、マレーシアのナジブ首相が「高速鉄道は両国の姿を大きく変える」と話すと、シンガポールのリー・シェンロン首相も「両国関係は安定する」と応じた。
マレーシアもシンガポールも随分乗り気らしいが、入札で決めるそうだ。業者は。
支那も手を挙げているが、日本も手を挙げているそうだ、その入札にね。欧州、韓国なども手を挙げているらしいよ。

マレーシアと支那との関係が悪化すれば、この話も炎上するだろう。案外、バロメータになるかも知れない。今年の10月までに事態が深刻化しなければ、の話だが。




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コメント

  1. マレーシアと北朝鮮は高官協議を続けていますから戦争はないにしても、このままでは北朝鮮は数少ない友好国を失うことになりますね。
    対して、私が注目してるのはマレーシアと中国の高速鉄道案件の行方ですね。中国に決まりかけていただけに、どうなるんでしょうか。政治とは切り離せない案件ですからね

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    1. コメント頂いたので、早速追記させて頂きました。

      面白いリトマス紙になりそうですよ。

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  2.  英国で発生したリトビネンコ暗殺事件と同じ流れになりそうですね。
     ボロニウムやVXガスを、持ち込み・製造される前に阻止しないと手も足も出ないというのは、西側世界の共通の常識となっています。
     実際に使われてから逮捕すべきだ、所持を確認してからにすべきだ、というのが、無意味で手遅れなのは誰にでも分かることです。
     テロを未然に防ぐには「共謀罪」等の未然に防ぐ措置が不可欠な情勢にも関わらず、日本のメディアも野党も弁護士も、人権ガ―と反対しています。
     一体彼らは日本を守る気があるのか、と憤りを感じます。

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    1. リトビネンコ暗殺事件は、ある意味衝撃的でした。ただ、ポロニウムは精製が容易ではないことから、犯人もあっさりロシアだとバレてしまいました。
      VXはオウムでも作れましたけどね。

      この話を共謀罪と結びつけられておりますが、この手の危険な毒物を使われた場合に、「事件が起こってから」では、或いは「製造されてから」では遅いのです。製造される前、それも計画段階で一網打尽にしなければ。

      確かに共謀罪は、無実の第三者を監視対象に巻き込むことを前提にしています。このことは、この力が正しい方向に働けば、多数のテロを阻止できる可能性を示唆しています。
      ですが、誤って用いられてしまった場合には、不味い事にも。それは事実でしょう。冤罪を生む可能性だってあります。

      ただ、これはまさにリスクマネジメントの問題であり、「原発ゼロ」と同じ話ですよね。

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