敵地攻撃能力を獲得せよ

ようやく議論ができるレベルになってきたのか、というのが本音だな。

敵基地攻撃能力、自民が「直ちに保有」提言

TBS系(JNN) 3/29(水) 20:33配信
 ミサイル攻撃を受ける前に敵国の基地を攻撃する「敵基地攻撃能力」について、自民党が「直ちに保有を検討」するよう求める提言をまとめました。政府がこれまでとってきた「専守防衛」という安保政策を大きく転換しかねない内容です。
専守防衛なんて、所詮、妄想レベルの話だから!

さてさて、個人的にはいつも参考にしている、ヒゲの隊長こと佐藤正久氏のサイト。この方、経済方面の音痴っぷりはどうしようも無いが、防衛関連に関しては前職の影響もあって精力的に動いているように思う。
で、今朝のブログでこんな内容が。
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これ、冒頭のニュースの中身である模様。
佐藤氏がここに一枚噛んでいるのは当然の流れではあるが、佐藤氏が噛んでいるということは、自衛隊の本音もかなり汲み取られている可能性があると見て良い。まあ、現場の声が反映されているかどうかは分からないが……。

で、内容についてだが……。イージスアショアとTHAAD配備は、もはや導入不可避の情勢らしく、最初の項目に挙がっているな。

最初に、イージスアショアについて
アショア
アショア2
簡単に言うと、陸上に作った固定イージス艦というか、「AN/SPY-1レーダー」+「C4Iシステム」+「Mk 41ミサイル垂直発射システム(VLS)」+「ディスプレイ」+「電源・水冷装置」という、イージス艦セットを陸上に設置するみたいな話。
要は陸上配備用のミサイル防衛システムであり、イージスカントの違いは動くか動かないかだけだ。

ただ、動かせないということは、設備的には無駄が発生する可能性がある事を意味する。何しろ、日本列島は縦に長い。拠点防衛という意味では有用だが、数を用意する必要がある点では、困った話だ。少なくとも、北海道、関東、九州の3箇所くらいが候補となって、山岳地辺りに設置されるだろうし、現行のイージスシステムとの連携が前提になるハズだ。
しかし、逆に考えれば、固定の拠点ができる事で、イージス艦を柔軟に動かせるメリットが生まれることも意味する。
早い話、費用だけが問題で、有用性については高いだろうと思われる。


次、THAADについて
これに関しては色々言及するまでも無くこのブログで説明されている。
THAAD
こちらもミサイル防衛システムの一翼を担う話であり、先に出てきたイージス艦やイージスアショアとの違いは、迎撃高度だけだ。終末高高度防衛ミサイルシステム、まさに名は体を表すという話。

……いやまあ、色々違うのだけれど、基本的にはそういう認識で良いと思う。BMD
この図は何回かこのブログで使ったのだけれど、今日本が保有するのはPAC-3とAegisだけなので、THAADでも増強しましょうという話。
THAADはシステムが移動車両の上にのっかっているので、移動は可能。その点はアショアと異なるね。
THAADのシステムの要であるXバンドレーダーは既に2箇所に配備済みなのだが、何れも在日米軍が運用している。THAADを取得するとしたら当然自衛隊が運用する話になるわけだが、主要都市近辺に配備するんだろうか?

よって、アショアかTHAADのいずれかでOKと言えるんだけど、守備範囲が違うので両方を柔軟に使い分けられるのが一番望ましい。やっぱり費用の問題は残るけどね。


さて、次。
PAC-3MSEとブロック2Aについて
MSE(Missile Segment Enhancement:ミサイル部分強化型)や、block2Aは、いずれもPAC-3の能力向上の話だ。
概ね、射程距離を伸ばそう、迎撃位置を高くしようという話になるわけだが、この辺りはここでは詳しくやらない。
イージス艦の増勢について
これは割と深刻な話だったりする。日本の保有するイージス艦は、あたご型とこんごう型で、あたご型2隻に、こんごう型4隻の合計6隻が就役している。
この文章で出てきている「増勢」というのは8200t型護衛艦と呼ばれるもので、ジャパンマリンユナイテッドが作る予定。一隻の予算は1680億円らしい。
……うーん、「こんごう」、「あたご」、と来たら、次は「たかお」か「まや」かなぁ。

とまあ、(1)の内容は概ねミサイル防衛構想の増強という側面が強い。少なくとも、これで敵地は攻撃できないね。



一方、(2)は大本命の敵地攻撃能力についてだ。
ハッキリ書いてしまうが、(1)のミサイル防衛構想で守れる範囲は限定的で、ミサイルによる飽和攻撃などされようモノなら、日本はひとたまりも無い。
幸いにして北朝鮮のミサイルの性能は、ピンポイントでの破壊能力に劣ると考えられてきた。早い話、狙いが甘いのである。
良く、「原発にミサイルを落とされたら」という話が言われるが、妄想の類である。いや、少なくとも去年までの日本の認識はそうだったはずだ。だが、先の北朝鮮でのミサイル発射で日本の防衛省に激震が走った。「誰が、北朝鮮のミサイルの狙いが甘いと言った!」とね。
北朝鮮
何しろ、4発中3発はほぼ等間隔に落ちたのだ。これは北朝鮮のミサイルの性能が一気に向上していることを意味している。
「直ちに検討を開始すること」という話になるのも無理は無い。
取り敢えずは、XASM-3のような巡航ミサイル(XASM-3は空対艦ミサイルである)の射程距離を伸ばす様な話と、イプシロンベースの長距離ミサイルを開発するのが現実的なのかな。
ロケットとミサイルは違う技術ではあるが、技術が流用できるのも事実だ。

悩ましいのは寧ろ運用方法なのかも知れない。
憲法9条下での敵地攻撃能力は、自衛手段と言うには少々枠をはみ出てしまうシロモノである。「枠内」と強弁するくらいならば、いっその事憲法改正を急ぐべきだろう。が、敵は憲法改正を待ってくれないのも事実。
そして、その意味では一番の敵は日本の野党だ。
 「相当ハードルが高いと思う。専守防衛に徹してきた今までの流れを根本から変えていく話なので、私は反対です」(民進党 安住淳 代表代行)
あんたばかぁ?



(3)は、EEZに飛来する弾道ミサイルへの対応ということで、これもまた、先般の北朝鮮のミサイル発射によって検討せざるを得なくなった事項だ。
EEZにミサイルをぶち込まれてから、「検討する」とは何とも悠長な話。

だが、対策をとらないよりはマシ。

で、どんな対策が採れるかだが……。

ミサイル情報、漁船には落下20分後=政府が対応検証へ

(2017/03/13-13:03)
 菅義偉官房長官は13日午前の記者会見で、北朝鮮が6日に弾道ミサイルを発射した際、水産庁から漁船への情報連絡が落下から約20分後だったことを明らかにした。菅氏は「今回の経緯をしっかり検証し、さらに迅速な情報伝達に努めたい」と述べた。ただ、「事前通告なしに発射される中で、どこに飛ぶかを事前に察知することは極めて難しい」とも語った。
「ミサイルが来るぞ、逃げろー!」というのは凡そ現実的では無い。
 
となると、EEZに撃ち込まれた場合でも迎撃を検討せざるを得ないのだが、それは日本のEEZ内で迎撃するのが困難である事を意味し、やれるとすれば大気圏外で撃ち落とすか、公海上で撃ち落とすしか無い。
だが、それも相当困難である。
だとすると、一発目の防衛を諦めて、2発目を撃たせない方向で検討するより無いだろう。飽和攻撃の場合は……、諦めるしか無いのか。



まあ、僕よりよっぽど賢い人間が考えるだろうから、何か方法はあるかもしれない。
が、一番の方策は、ミサイルを無闇にぶっ放すような国を滅ぼすと言うのが、最短のルートだろう。
……できないことを口にしても仕方が無いのだが。



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コメント

  1. 専守防衛・・・
    古い喩で若い方はピンと来ないかもしれませんが・・・
    むかーし・・グアム方面からB29が日本に飛んできましたね。
    B29相手に防空戦闘を繰り広げたのですが・・・
    多数機による絨毯爆撃は防げませんでしたね(機体の性能が・・とか・・飛行士が足りない・・とかは・・取敢えず置いておいてくださいね)
    一時的な防空戦で目立った被害を与えても、グアムで機体を補充し、訓練し、しばしの間を置いてまた爆撃するだけでしたね。
    根本的にはB29の発進基地を叩くしか方法は無かったのですから、爆撃機をミサイルに置き換えて見れば迎撃戦闘だけでは支えきれませんね。
    確かに日本の戦後は自衛隊が一時的に進攻を防御してその間に後方で体制を整えた米軍が反撃に転じる・・・簡単に言って基本こんなものですが、ミサイル時代に置いては攻撃のテンポが速く、米軍の編成を待っては居られなくなっていますから(特に核兵器など1発でも東京に届けば指揮系統など無茶苦茶になってしまいますね・・現状では)策源地に対する反撃手段は必要ですが・・・
    悲しいかな・・・理性的な行動計画に感情論(または違う何かの理由で)反対されますから。
    沖縄県の現状の件でもコメントしましたが・・・
    悲しいかな・・・今の日本は・・一発(大変)痛い目に合うまで無理かなと
    悲観してしまう私です。
    まーその一発目の被害者に私はなっても仕方ないと達観していますが今の若い人たちの力を信じて次世代の日本を温かく見守りたいと思います(笑)
    頑張れ!日本の若人(^0^)/

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    返信
    1. そもそも、真珠湾の話だって、アメリカと直接対決したら物量で押されるのが分かっていたので、奇襲に近い形で早期決戦をというのが、お決まりの理解だったと思います。
      それは違うのだという説もある様ですが、どちらにしても守って勝てる相手ではなかったので打ってでたという点は変わらないでしょう。

      そして、ご指摘の様にミサイルでの攻防をやらねばならないとすれば、アメリカを待つまでも無く、自分である程度何とかしないとダメなわけで。

      嘘か誠か、日本の自衛隊のドクトリンは、3ヶ月保たせてあとはアメリカに任せるという話がありまして。

      そうだとしても、戦線を維持出来るだけの実力を備えなければなりません。
      もちろん、法律面でも、ね。

      削除
  2. 中国や北朝鮮の弾道ミサイルが日本に向けられている以上、こちらも同じように配備するというのはおかしな話でも何でもないですね。問題はその費用だと思います。

    返信削除
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    1. 実際に狙われているという話は、何十年も前から言われ続けてきた話ですからねぇ。
      「今まで何も無かったから」という発想は、まさに原発の安全神話と構図が同じだと言うことにパヨクは気がつけないのでしょうかね。

      もちろん、対費用効果の話はあるので、何でも噛んでも金をかけろというわけには行きませんが……。

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  3. あるけむ(R.K.M)@fwbc19652017年3月30日 20:54

    別記事では、コメント欄が荒れる事態となり、申し訳ありませんでした。

    (1)(2)については、過去にコメントしてきたので、(3)についてコメントします。

    >「ミサイルが来るぞ、逃げろー!」というのは凡そ現実的では無い。
    これには同意です。

    >となると、EEZに撃ち込まれた場合でも迎撃を検討せざるを得ないのだが、
    これについては、問題があると考えます。

    EEZ(排他的経済水域)は「公海」です。なので、EEZへ打ち込まれただけで迎撃するのは不可であると考えます。
    提言書が「当該船舶を守るための迎撃」となっているのも、その点からだと考えます。

    でも、漁船を含めたすべての船舶の位置をリアルタイムで把握して、迎撃の必要性を即時判断するとか、難しそうですね。

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    1. あるけむ様に。
      荒らしたのは私であり、貴兄ではないです。貴兄は一貫して冷静であられましたから。逆上して荒らしたのは私であり、貴兄に頭を下げさせたならば、私も貴兄に素直に謝罪をすべきと思います。
      すみません。

      ユダヤとムスリムとクリスチャンの崇める唯一神は同じ神なのを御存じでしょうか?
      アッラーはゴッドに相当する普通名詞です。いずれも起源は古代エジプトで、太陽神(アモン=アメン=ラー)を寒冷化に対する為に一時的に唯一神とした事が起源です。
      アーメンはその名残とさらてます。
      同じ神を戴きながら、殺しあってきたのであります。 言い訳にはしたくありませんが、かように我々は親戚同士のいがみ合いが好きな信仰で、ややもするとそれが出る。一緒にされるなら滅ぼしてやる…そういう遺伝子を持ってると思います。
      何れにせよ貴兄に頭を下げさせた事は済まなく思います。

      削除
    2. >あるけむさん

      ああ、そうでしたEEZに落っこちるから迎撃するぜ!というのは問題があるのでした。公海上でも当然色々制約があるわけで。

      ただまあ、落下地点予測を誤魔化せば、ある程度はイケるのでは無いかと。

      むしろ、問題は命中精度の方かも知れません。
      船舶の位置をリアルタイムで把握するのは難しいでしょうねぇ。航行スケジュールを出して貰って(やっているはずですが)、予測で動くしか無さそうです。

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    3. >アブダビさん

      宗教が他人に理解されるには時間が必要です。
      そして、一神教の概念は多神教にとってはなかなか理解しづらいと言う背景もあります。だからこそ説明すべき、なのでしょう。

      宗教を持ち出さないで欲しいとは書きましたが、布教活動や宗教を笠に着て他者を攻撃して欲しくないのであって、議論そのものがダメという話では無いのです。
      説明不足でしたが。

      故に、キリスト教としては、その考えをこう感じるとか、その手の話は歓迎しますよ。

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