電気料金の値上げと、再生可能エネルギー発電

電気料金が又値上げされる。

5月電気料金、大幅値上げ=再エネ負担増で月200円前後

時事通信 3/22(水) 17:00配信
 大手電力10社の5月の電気料金が、標準家庭で月150~210円程度の値上げとなる見通しであることが22日、分かった。再生可能エネルギーを普及させるために料金に上乗せする「賦課金」が、5月から増額されることが主因。火力発電の燃料となる原油や液化天然ガス(LNG)価格も上昇しており、消費者の負担が増しそうだ。
  その値上げ分は、果たして国民が納得いく使い方がなされているのだろうか?

説明する必要も無いとは思うが、最近の流行は再生可能エネルギー発電である。 え?流行っていない??
まあ、多くの人は、再生可能エネルギー発電なんてどうでも良いと思っているとは思う。「原発はアブナイ」「だから原発ゼロに」とうわごとのように呟く人達もいるが、「再生可能エネルギー発電がアブナイ」という人は見たことが無い。
 
……ただ、それ程良いものでもないのは事実である。
 
さて、このブログでも散々扱っているテーマなので、改めて説明する必要があるかどうかは疑わしいが、それでも簡単に整理しておきたい。
 
再生可能エネルギーとは、広義には、太陽・地球物理学的・生物学的な源に由来し、製前回によって利用する以上の速度で補充されるエネルギー全般を指す。で、これを使って発電することを再生可能エネルギー発電と呼ぶ訳だ。
  • 太陽光発電、太陽熱発電
  • 風力発電
  • 波力発電、潮汐発電
  • 地熱発電
  • バイオマス発電
この辺りが再生可能エネルギー発電のカテゴリーに入ってくる訳だが、一番のメリットは、「使っても減らない」事だと認識している人が多い。正確に言うと、「使っても補充される」のだが。

え?それってスゴイじゃん!と、思う方も多いと思うが、なかなかそうは問屋が卸さないのが現実である。

再生可能エネルギーのコストを国民が負担する「賦課金」

2015年03月27日 15時00分 更新
 再生可能エネルギーを拡大するうえで「賦課金(ふかきん)」の増加が問題視されている。正式には「再生可能エネルギー発電促進賦課金」と呼ぶ。家庭でも企業でも、電力会社以外の事業者から電力を購入する場合でも、毎月の電気料金には必ず賦課金が上乗せされる。
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実は、再生可能エネルギー発電を普及させるために、電気料金に上乗せをする賦課金と呼ばれるシステムになっていて、電気を使った際には必ず徴収されてしまう。
 
しかし、興味深いことに、この値上げについて、文句をいう人は少ない。廃炉費用負担として、値上げされる場合は文句が口をついて出るのに、不思議な話である。

「バイオマスボイラーの導入事業」で補助金交付停止 割賦契約だったため

2017年2月15日掲載
一般社団法人新エネルギー導入促進協議会は14日、「再生可能エネルギー熱事業者支援対策事業」において不適切な事項を行ったとして、和歌山県などで宿泊施設を展開する勝浦御苑(和歌山県那智勝浦町)に対して、15カ月の補助金交付等停止措置を講ずると発表した。
同社は、「再生可能エネルギー熱事業者支援対策事業」で実施した設備導入事業に係る経費を割賦契約で支払っており、補助金を過大に受給していた。指摘金額は815万4000円。

こんなニュースも聞かれるようになったのに、だ。


実のところ、僕自身は再生可能エネルギー発電に反対する立場だというわけでは無い。自宅の家の屋根にもソーラーパネルを載せている程度には、期待をしている。
ただ、実態を無視した期待を、再生可能エネルギー発電が背負わされているのは気に入らない。

さて、日本の発電事情について次に整理していこう。
chart02
多くのデータは2012年頃迄のものしかないので比較するのが難しいのだが、このグラフで言う「地熱・新エネルギー等」と「水力」がこの再生可能エネルギー発電にあたるわけだが、グラフを見る限りは極端に火力に頼っていることが分かるだろう。
chart03
これは2014年の日本の年間発電電力量の構成である。
「水力9%+太陽光他3.2%=再生可能エネルギー発電12.2%」が日本の現状なのだ。


現在は、多分14%位にはなっていると思うが、再生可能エネルギー発電の割合を増やそうというのが、政府の目標という事になる。
これについては野党も概ね賛成するところだろう。
しかし、その為には電力料金を上げねばならない。
年度
再エネ賦課金 単価
標準家庭の負担額
平成28年度
2016年4月1日~2017年3月31日
2.25円/kWh
675円/月
平成27年度
2015年4月1日~2016年3月31日
1.58円/kWh
474円/月
平成26年度
2014年4月1日~2015年3月31日
0.75円/kWh
225円/月
平成25年度
2013年4月1日~2014年3月31日
0.40円/kWh
120円/月
平成24年度
2012年4月1日~2013年3月31日
0.22円/kWh
66円/月
今後、2030年頃迄は段階的に上がっていくと予想されるこの賦課金。今年も値上げになるというのが冒頭のニュースであるが、何故こんなものが必要になるのだろうか?そして、何故、上がっていくのだろうか??

実は、再生可能エネルギー発電は導入コストがかかる上に、発電コストは安くない。
発電コスト
この表には原子力発電に関しては触れられていないが、2010年の段階で再生可能エネルギー発電の発電コストは、石炭火力やLNG火力発電に比べて高い事が分かる。
これが、2030年までに段階的に減っていくと予想されているのだが、何故減ると予想されているかと言えば、太陽光発電のコストは主にイニシャルコストに起因するので、設備費用が下がることで発電コストも安くなると言うような予想なのである。

しかし、その事と賦課金と何の関係があるのか?というと、実は太陽光発電パネルの普及を推進するために補助金が出ていることと、売電によって電気を売ることが出来る点が問題なのである。
売電をするにあたって、電気の販売価格と同等かそれより高く買ってくれる事に、違和感を感じる人がいるかどうかは知らないが、本来は売る電力が買う電力より高くなるはずが無いのである。電力会社だって慈善事業では無いので、電力を買い取ったらそれ以上に高く電力を売らねば儲けが出ない。
しかし、現実は逆だ。そのからくりがこの賦課金と言うヤツなのである。img-36949-persentage_of_renewable_energy_surcharge_h26-01
そして……、その賦課金の大半は商用の太陽光発電の推進に使われているのだと言うから、呆れるしか無い。

当然、太陽光発電が普及すれば、賦課金も増やすしか無い。
そして、実のところ原発と似たような話で、その廃棄方法もきちんと確立されていない。
まあ、放射線を出さないだけマシなのかも知れないが、問題点を抱えているのは事実である。
そして、何より夜間や悪天候時には発電できないという問題点はクリアできない。いや、スマートグリッドを駆使してデメリットを緩和しようという動きはあるが、基本的には電力を充電して貯めておけないという事がネックになるので、発電できないときには他の発電方法と組み合わせて補うしかない。
そんな欠点が多い発電方法を、賦課金をぶち込んで増やそうとしているのだから、何というかバカバカしい限りである。



もちろん、再生可能エネルギー発電は、太陽光発電だけでは無い。だが、水力発電はこれ以上増やす事が困難であるため9%で固定だろうし、マイクロ水力発電はスケールメリットを出せないので、発電コストが高くなってしまう事は避けられない。
風力発電は、そもそも台風の通り道となる日本において、あまり適した発電方法とは言えず、毎日風が吹くような都合の良い場所を見つけることも困難である。洋上風力発電だとコスト高になる問題を解消する目処が立たなければ、導入は難しいだろう。
地熱発電は個人的には有望だと感じているが、これも試掘して実際に発電できるようになるまで長い時間がかかる上、安定的に地熱を得られる環境で無ければ、早々に発電できなくなるというリスクの高い発電方法である。それ以上に、温泉地との問題が大きくて、日本で増やすには非常に時間がかかるだろうと予想されている。

つまり、何れの発電方法も、有望では無いと言うことになる。

更に個人的な感想を述べておくと、太陽光発電のような手法は地産地消が原則で、小規模な設備をスタンドオンリーで使えるところにメリットがあるわけで、やるなら公共施設の屋根に載せることを義務付けて、停電時でも使えるようにしないとダメだろう。
家庭での設置は趣味の範囲で、大規模商用発電に使うのは問題外だと、その様に考えている。



国のエネルギー政策は、原発があんな状態なので、メチャクチャになっているが……、そろそろ腹を括ってハッキリさせていくべきだ。

無意味に太陽光発電を増やしてその負担を利用者に押し付ける構図は、許しがたいと、そう思う。
だって、太陽光発電を商用に大量に導入する業者を肥え太らせるだけのシステムになっているからだ。
太陽光発電だって、二次電池がもっと発達して安くなり、太陽光発電とセットで揃えてお得に使えるようになれば、家庭用に使うという用途には良いと思うんだけどね。



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コメント

  1. こうした話題で思うのは電力バランスの事です。

    そもそも原子力発電が必要なのは、火力だけではバランスが悪いからですよね。
    石油ショックで大ダメージを受けた教訓から天然ガスと石油と原発の3種類で発電しようと。

    今ほとんど原発が動いてませんが、バランス悪くなってるんでは無いですかね?
    将来的に原発無くすのは賛成ですが、その為には大量の電気を安定的に発電できるシステムを用意しないとダメだって思いますね。

    今衛星で発電した電力をマイクロ波やレーザーで転送する実験やってますが、実用化できれば画期的なんですが。
    後は軌道エレベーターとか。
    こういう話聞いてるとオイラはワクワクします。

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    返信
    1. この手の話で忘れ去られている感があるのは、何故日本は電力のベストミックスなどと言う手法を選ばねばならなかったかという理由です。

      これは簡単な話で、エネルギー自給率が低いからで、外部から輸入する燃料に頼っている現状が問題とされるからです。

      逆に言えば、メタンハイドレートの採掘が可能となり、低コストで実現出来る目処が付けば、火力オンリーでも問題無い訳です。

      経産省辺りは原子力を2割、再エネ発電(水力1割を含む)で2割、火力で5割(LPG25%、石炭25%)といった絵を描いているようですが、かなり実現性は怪しい話ですね。

      そうなってくると新方式を検討したいというのは当然の要求でありまして。世界に先駆けて核融合方式に目処を付けてくれないかな-と、夢のようなことを考えていますが、難しいのでしょうね。
      電力の無線輸送はハードルが高そうですが、その手の話も是非とも進めてほしいものです。

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