東電と中部電力が火力発電事業の統合を目指す

電力自由化と、例の事故の影響だな。

東電と中部電、火力を完全統合へ

2017/3/2 18:36
 東京電力ホールディングス(HD)と中部電力が、火力発電事業を完全統合する方針を固めたことが2日、分かった。統合時期は2年後を見込み、両社が共同設立した火力会社「JERA」に国内の既存発電事業を移管する。月内に合意して発表する。燃料調達から発電まで一体的に運営してコストを削減し、競争力を高める。
東電は原発の再稼働を目指すしか無い程度には原発に依存する部分が大きいが、中部電は浜岡しか持っていない。故に昔から火力偏重主義なのだ。


まあ、その様な事情もあって、中部電力から東電に不足電力を融通するなんて事もあったので、この方針は割と妥当だと思われる。
 東電の経営改革を議論する経済産業省の有識者会合が昨年12月、「完全統合は必要不可欠」と提言し中部電の対応が焦点になっていた。
中部電力としては、燃料調達の一本化によって火力のコスト削減に繋がれば、今以上に有利な立場を得られる可能性はある。

「浜岡原発なくても黒字」 再稼働目指す中部電力の苦しい立場

2014/5/ 9 11:30

   中部電力は2014年4月28日、最終損益が120億円の黒字とする2015年3月期の連結業績予想を発表した。同時に発表した2014年3月期連結決算は653億円の最終赤字で、4期ぶりの黒字転換を見込む。今年5月からの電気料金の値上げ(家庭向け平均3.77%)の効果を反映した形だ。

実のところ、以前から指摘されていたが、浜岡原発なしでも中部電力は黒字化の目処が立っていたのである。
ただ、これには老朽化した火力発電を無理矢理動かしていたという台所事情もあってここが解消できれば、当面は安定的な電力供給ができる。
そして、東電との協力体制も構築しつつあった。

東京電力と中部電力の初の海外共同事業、350億円を投じて米国に火力発電所

2017年01月31日 11時00分 更新
 JERA(ジェラ)が出資する天然ガス火力発電事業は、米国のニューヨーク市から北東に約100キロメートルの距離にあるドーバー(Dover)市で計画中だ(図1)。ドーバー市内にはカナダからニューヨーク市まで天然ガスを供給するパイプラインが通っていて、発電用の燃料を低コストで調達できる好立地にある。
流石に、アメリカで発電した電力を日本に持ってくるわけにはいかないが、燃料調達に対して有利な条件となる可能性はある。

加えてこんな取り組みも、中部電力は積極的に行っている。

中部電、新設の石炭火力発電所でバイオマス導入

2017/2/28 20:37
中部電力は28日、愛知県武豊町で建設予定の石炭火力発電所で、バイオマス燃料を混焼すると発表した。全体の発熱量の17%分を木質ペレットで代替することで、全てを石炭で発電にする場合に比べて年間90万トンの二酸化炭素(CO2)削減につながる見込み。バイオマスによる発電量は年12億キロワット時に達し、日本最大規模になるという。
こちらは環境への配慮を全面的に謳っているが、どちらかというと高効率化が目的である。

2017年度の運転開始を目指して

2014/10/16
中部電力で現在進めている西名古屋火力発電所のリフレッシュ工事。
石油を燃料とする発電設備を撤去し、新たに液化天然ガス(LNG)を燃料とする世界最高水準の発電設備を建設するものです。
この工事は、当初2019年度の完工・運転開始を予定していましたが、浜岡原子力発電所の停止以降、供給力確保がさらに重要となったことから、運転開始時期を2017年度に2年前倒しすることとしました。
この手のリフレッシュ工事も幾つかやっていたはずだ。
ちなみに、燃料となるLPGなどは積極的にガスの小売りに算入するシーンでも重要になってくる。

つまり、中部電力にとっては燃料の安定供給が何よりも大切というわけである。



ただ、この話は、廃炉費用の捻出という意味で語られてはいけないことだと、個人的には思っている。
 経産省は、増加が続く東電福島第1原発事故の賠償や廃炉などの費用を計約22兆円と試算。有識者会合は費用を稼ぐためJERAの完全統合を促した。
結局のところ、東京電力にとっては、原発の存在はドル箱から一気にお荷物に変わってしまい、不良債権をどこよりも多く抱えているという事情がある。

この話、何処に繋がるかというと、東京電力が廃炉費用を負担するには、電気料金に転嫁するしか無く、中部電力との統合で何が起こるかというと、関東圏と中部圏に薄く広く負担させようという形になるだけの話なのだ。

東京電力には、原発事業だけ切り離して、廃炉費用を税金から賄うという構想もあるようだが、そうした立場とは一線を画した今回の方針というわけだな。

ここで考えたいのは、電気料金として廃炉費用を負担するのも、税金から廃炉費用を捻出するのでも、何れにしても国民が負担するという点では同じと言うことだ。
「電力会社に出させろ」という感情論は分かるし、高給取りだった電力会社に一部負担させることそのものは否定する積もりは無い。
だが、電力は基幹インフラであり、東京電力とて潰す訳には行かない。だから、巨額の負債は税金注入で賄うのはもはや避けられない。



中部電力との統合で誤魔化すよりも、この際ハッキリと原発の廃炉費用負担の方針を明示する方が分かり易いのでは無いだろうか。
やることは同じなのだから。


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