2017年3月29日水曜日

再び蘇る築地建て替え案

いや、無理言うな。

築地市場建て替え案提示へ、都座長私案 工事費500億~800億円

2017/3/29 13:45
東京都の築地市場(中央区)の移転問題を検証する市場問題プロジェクトチーム(PT)の小島敏郎座長(都顧問、青山学院大教授)が、豊洲市場(江東区)に移転せず築地市場を現地で建て替える私案をまとめたことが29日、わかった。同日開催のPT会合で公表する見通し。
何でも、築地市場を二階建てにするのだとか。



いやはや。
築地
現在の築地市場、ほぼ平屋構造になっている。冒頭の記事ではこれを2階建てにする案らしい。

『建て替え案はなかったのか』

大型開発計画には必ず利権が発生する。利権のあるところ、それを配分し、調整するボスは存在する。その計画が歪められたり、将来に禍根を残さなければ、必要悪として目をつぶることも、時にはゆるされるのかも知れない。
臨海副都心計画に入る前に次ことをちょっと知っておいて貰いたい。
そして、この案は過去にも検討されたことがあった。
この案が再び検討された背景には、7月の都議選があるという。結局、東京都知事の頭の中には都議選のことしかないのである。
都民ファーストが笑わせる。



NEWSポストセブンにこんな記事が出ている。

築地建て替えの現実計画出せれば都議選で「小池旋風」も

2017年03月03日 07時00分 NEWSポストセブン  東京都民の間では、豊洲新市場の「(環境基準の)79倍のベンゼン」検出以降、市場移転計画を疑問視する声が強まっている。朝日新聞の2月世論調査でも、豊洲移転を「やめるべきだ」(43%)が「目指すべきだ」(29%)を初めて大きく上回り、世論は「豊洲NO」を突きつけた。
 そこに小池氏が豊洲移転の代替案として「築地建て替え」の現実的な計画を打ち出すことができれば、7月の都議選を前に新たな小池旋風を巻き起こすことができるだろう。
で、この記事でも紹介されているのが、再整備の話。
 ただし、いざ建て替えとなると別のハードルに直面することになる。東京都は1980年代に400億円をかけて築地の再整備を進めたにもかかわらず、途中で断念した経緯がある。当時を知る都庁OBの話。
「断念したのは築地を営業しながら建て替えるのが難しかったからです。
いや、当たり前だろ。
再整備には、店舗をいくつかのブロックに分けて、順番に休業しながら部分的に工事を進めなければならない。
密集して商売をしていて「手狭だ」と嘆いている状況なのに、「休業してくれ」といって首を縦に振る業者が早々いるとも思えない。1980年代ならば、それなりに景気が良く、これ以降バブル景気(1986年~1991年)に向かっていく時代。休業してライバルに顧客を奪われたら洒落にならない。



ちなみに、7年前にも建て替え案が出ており、この時でたのが2階建て案だ。
 7年前にも、都議会で多数派を占めた民主党が築地の建て替え案を公募し、「築地再整備を訴える構造設計集団」(SDG)という建築家グループが提案した現在の市場の上に人工地盤をつくって高層化する建て替え案などが検討された。
 この案は再び注目されているが、事業費が4000億円かかるうえに、やはり意見集約ができずにお蔵入りとなったものだ。
さて、この時に事業費は4000億円であると見積もられている。
当然ながら、景気の状況も現在とそれ程大きく変わらないことを考えれば、今同じ事をやっても4000億円を下らないだろう。いや、それどころか、当時の見積もりだってかなり甘かった可能性はあるので(オリンピックの事業費を見れば、説得力もあるだろう)、この倍額は下らないと言われても驚かない。
 
ところがだ、冒頭の記事ではオドロキの500億~800億円と試算されている。1980年代で、平屋の建て替えで400億円だと計算されていたのに、まさか設計に1年、工期6年で800億円程度で済むというのだから……。



更にこの話、豊洲の建物の話は一切無視である。

「建設費が3倍に増大、精査が必要」 プロジェクトチームを設置

2016.8.31 15:47
~~略~~
「次に費用の増大についてでありますけれども、豊洲新市場の費用は全体で、2015年3月の時点で5884億円となっております。建物の建設費だけで2752億円。まず市場の建設にこれだけ費用が掛けられている、そのことだけでも私は驚いてしまいます。また、全体予算でありますけれども、2011年は3926億円でありました。それが4年間で5884億円に膨らんでいるということであります」
6000億円弱のお金をかけて建設し、さらに遅延金まで支払っている状況で、ここで更に移転しない計画をぶち上げるとは、正気の沙汰と思えない。

築地の複層化案がオドロキの安値で実現出来るとしてだ、豊洲の土地はどうするのか?どっかに売却するのか?
支那辺りに売る?それこそ都民は黙っちゃいないと思うが。Amazon辺りに売却する?まあ、それも一案だろうが、果たして幾らで売れるのやら。2000億円くらいで売却できたとしても、その損益をどうするのか。



いやいや、東京都のサイトにも書いてあるが、現在の築地の環境は劣悪である。
Q. なぜ今のままの築地市場ではだめなのですか。
A. 昭和10年の開場から75年以上が経過している築地市場は、施設の老朽化が進み、建物の一部が劣化により破損して落下するなど、安全性に多くの不安を抱えています。
また、狭隘化も著しく、荷置き場所が不足し一時的に荷を屋外に置かざるを得ないなど、商品の品質・鮮度保持の徹底が難しくなっています。物流面においても、駐車場や荷さばきスペースが大幅に不足しているため、トラックの入場待ちや渋滞が発生、さらに、混み合った場内のいたるところで荷の積み下ろしなどが行われるなど、作業が非効率になっています。

複層化したら、駐車場や荷さばきスペースが生まれる?そんな馬鹿な。
そもそも築地の問題は、築地への入口が狭いために渋滞を引き起こすなど、周りへの影響も大きい。
渋滞によってでる排気ガスをモロに売り物に被せているわけで、それが衛生上良いとも思えない。

そして、東京都のサイトにもきちんと再整備の経緯が示されていた。
  • 昭和63年
    再整備基本計画の策定
    総工費2,380億円を予定
  • 平成3年
    再整備工事の着手
  • 平成8年頃
    再整備工事の中断営業活動への深刻な影響の懸念から、業界調整が難航
    工事の途中で、工期の遅れや整備費の増大など、様々な問題が発生
    再試算で3,400億円(工事中断まで400億円執行)
  • 平成9年~
    再整備基本計画の策定
    都と業界で、計画見直しのため協議を重ねたが、結論は出ず
  • 平成10年
    移転可能性の検討要望
    業界団体から臨海部への移転可能性の調査・検討の要望
  • 平成11年
    業界との協議において、移転整備への意見集約
    「現在地再整備は困難であり、移転整備へと方向転換すべき」
何だ、平成11年に結論の出た話じゃ無いか。



え?今なら技術革新によって安く安全にできる?いや、どんな魔法だよ。

営業中の店の上で工事なんて、それこそあり得ないんだけど。



ランキングへの応援クリックよろしく!
にほんブログ村 ニュースブログ 時事ニュースへ

10 件のコメント :

  1. これはヤバいですね!
    都知事にはいよいよ都議選の事しか頭にないようですね!
    オイラはてっきり都知事はどうするか考えて無くてパニクってると思ってたんですが・・・

    建て替えとか考えてるのは凄い!
    沖縄の時のルーピーを彷彿とさせますね!
    最低でも県外!
    あれです!

    最低でも築地!
    汚くても安全安心!
    適法でも不安!

    1番の責任者が不安を煽っていくスタイル。
    都議選までに都民はどう選択するか考えた方が良いですよ!?
    でないと資金がドバドバ溝の中に流出していきますから。

    神奈川県民のオイラとしては他山の石とします。

    返信削除
    返信
    1. 東京都知事、小池氏は何故あんなに築地に拘るのでしょうねぇ。

      選択肢として立て替えの話が出てくるのがスゴイと思います。
      まだ、私案の段階のようなので、そのうち内容が明らかになるかと思いますが、どのような予算算出をしているのかは、聞いてみたいですね。

      削除
  2. 記事とは直接関係なくて申し訳ないのですが、ブログ主さんは、自民党の政策で反対、もしくは良くないなと思うことありますか?

    返信削除
    返信
    1. 自民党の政策批判について、このブログで言及している内容はそれ程多くないのですが、結構ありますよ。

      この記事絡みで行けば、東京オリンピックの誘致の話。首都機能移転の話も立ち消え状態になってしまいましたし、資金の投入が東京一極集中になっている点についても、自民党の影響は大きいと考えています。
      福島第1の汚染水の対策に関しても、東電丸投げですが、「国が責任を持って対応する」と言い切った以上は、いつまでもあのままなんてあり得ません。

      移民推進の政策に関しても、安保法案絡みでも色々文句があります。農協中心の農業展開にも異論がありますし。

      日韓合意についても文句が満載ですが、それについてはここでも言及した気がします。

      これらの話、ぽつぽつとは扱っていますが、なかなか記事にしにくいという難点もあって、積極的には取り扱ってませんね。
      折に触れ、と言う事になりますが、このブログの基本方針である「分かり易く」が、自民党の政策には適用しにくいのが、記事が少ない直接の理由でしょうか。

      削除
    2. 本当なら木霊さんが仰るような事を国会で議論するべきなんですよ。
      なのに何処とは言いませんがプラカード連合が国会運営を邪魔するんで重要な事が全然進みません!

      自民党だって万能じゃないですから、法案が提出されたら審議の過程で修正されるべきなんです。特に官僚が作った法案なんて怪しさ満点なんだから政治家が修正していかないとならないです。
      事実、自民党提出の法案を維新が修正してたりしますから。

      なのにプラカード連合は下らない事ばかり喚いて国会を空転させるんです。
      現在重要な案件は山積みですよね。
      テロ対策法もそうだし、朝鮮有事が迫ってきているし、経済対策とか。
      オイラとしては森友の事なんて聞いてないで野党には東芝について政府はどうするのか聞いてほしいくらいです。
      森友の疑惑の金額より東芝が倒れた時の経済的損失の方がずっとオイラ達に直結する大問題ですよ。

      最悪、プラカード連合が国会を停滞させても自民党が多数を抑えている限り最低限国は動きますがそれは最善じゃ無いと思います。
      野党は反対する為にあるんじゃ無いです。
      与党の原案に野党が反論し、揉み合って良案を作り出すのが良いのにプラカード連合は議論を避けて感情論で潰しにかかりますね。

      そういう意味では維新が最後の希望なのかも知れません。

      削除
    3. プラカード連合、国会から退出してくれないっすかね?

      やはり、落選させるしか無いのでしょう。

      削除
  3. 山田の案山子2017年3月30日 7:38

    「安全安心」の4文字熟語にはウンザリだ。 安全と安心は全く違った概念で、安全:科学的知見(科学的確認)、安心:私見(誠意)で客観的評価が困難。 先頭に立つ者は安全を優先すべきで既に結論が出ている。石原氏の仰るとおり小池知事の「不作為」と非難されても止むを得まい。

    返信削除
    返信
    1. 石原慎太郎氏も胡散臭いオヤジではありますが、色々な事に対して実効力はあったし、評価すべき政治家だったと、そう思っています。良くも悪くも、ですが。

      「安全と安心は違う」はまさにその通りでして、その極致が原発政策です。
      「ゼロリスク」を追い求めすぎるあまり、実効性の無い事を延々とヤル羽目に……。

      築地の問題に関して言えば、とっとと移転しろ、の一言に尽きます。もう、調査結果は出たのですから。

      削除
  4. 山田の案山子さん:ほんとうにその4文字熟語は頃したいほどウンザリです。全く方向の異なる概念を同列に押し込んで・・・・しばしば仕事上での迷惑を被っております。

    返信削除
    返信
    1. 「安全安心」の四文字熟語ですか。

      ある意味、神話や神学論の世界の住人ですよね、その言葉。
      「安全」だから「安心」なのであって、「安心」でないから「安全じゃ無い」なんて話にはならないんですよね、普通は。

      削除

お気軽にコメントを!ハンドルネームは面倒でもお願いします。