原発の再稼働と司法の暴走

割と重いテーマだが、軽く行きたい。

関電、年内4基の再稼働を視野に 高浜原発で福井県の判断注目

福井新聞ONLINE 3/29(水) 8:11配信
 稼働中だった関西電力高浜原発3号機(福井県高浜町)を、司法が仮処分判断で停止してから1年あまり。大阪高裁は28日、再稼働を認める判断を下した。
このブログではお馴染みのテーマだ。

高浜原発の話は、幾つか取り上げた。
福井地裁や大津地裁でおかしな判決が出ていたおかげで、再稼働した原発を止め、点検に入っていた高浜3号機と4号機。


福井地裁と大津地裁でそれぞれ別の裁判が行われ、同じ高浜原発の再稼働を止めようと争われていたわけだが、片や再稼働差し止めの仮処分の申し立てを認め、片や運転停止を命じる仮処分の決定を出すという……。
福井地裁の方は仮処分の取り消しが決定したが、大津地裁の方はそのままだったので、関西電力は即時抗告を。

前にも書いたが、仮処分の決定をこんなに乱発していたら、裁判所の信用を無くすぞと。


流石に、高裁ではこの判断は行きすぎだと判断されたらしく、抗告審における関西電力側の主張を認めて再稼働の道が開かれる運びとなった。

福井地裁の方はともかく、大津地裁の方は動いている原発を裁判所の仮処分で止めてしまったので、全国の電力会社にさぞや衝撃が走ったことだろう。
福井、大津地裁で判断が二転三転する紆余(うよ)曲折を経たが、高裁の“お墨付き”を得たことで高浜、大飯計4基の年内再稼働が視野に入った。
ちなみに、この裁判は未だ終わったわけでは無い。
 敗訴した滋賀県住民らは決定直後、大阪高裁前で「不当決定」と書かれた垂れ幕を掲げた。今後は、憲法違反や憲法解釈の誤りなどを理由にした「特別抗告」か、重要な判例違反などを理由にした「許可抗告」を最高裁に申し立てるか検討する。抗告しない場合は本訴で争う可能性もあるという。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170328-00010002-fukui-l18
特別抗告か、許可抗告で争うことを検討するらしい。

しかし、そもそも仮処分の決定で稼働中の原発を止めてしまうような司法の暴走を、最高裁が認めてしまえば、日本のエネルギー行政は崩壊である。最高裁はよっぽどのことが無い限りはどちらも認めないだろう。
そもそも「特別抗告」をうつには、憲法違反や憲法解釈の誤りなどを訴えなければならないが、これは「生存権」辺りを掲げて戦う話になるはずだ。とてもじゃないが認められない話。
「許可抗告」の方はどうかというと、重要な判例違反などを理由にするわけだが、反原発側には上に例示した仮処分の辺りしか武器が無い。地裁レベルの判例で戦うにはかなり厳しいだろう。

逆に言えば最高裁でそんな判例を残したら、それこそ裁判官は末代まで祟られる事態に。


地裁レベルであればこんな判決もあった。

「国と東電は3800万支払え」原発訴訟「想定外」の地裁判決

2017年3月25日 7時0分
 福島第一原発事故は、東京電力が巨大津波を予見できたのに対策を怠ったため起きた。国も「同罪」――。前橋地裁は3月17日、原発事故の原因を人災と断定し、国と東電に対して避難者ら62人に総額3855万円を賠償するよう命じる判決を言い渡した。福島県からの原発避難者ら約1万2000人が全国20カ所の裁判所で起こした集団訴訟で初めての判決だった。

これもまあ、無茶な話である。
 判決は、国の地震調査機関が02年に三陸沖大津波を予測する見解を出し、東電は実際に15メートル超の津波を試算していたのに、非常用電源の高台設置といった対策を講じなかったとして「東電は安全性より経済的合理性を優先した」と責任を認めた。
確かに、高台に電源を設置するなどの対策が各地の原発で行われていた事を考えれば、対策を急ぐべきだったと言えるだろう。ただ、地震は「いつ起きるか分からない」というのが現状である。
三陸沖大津波の予測がでていたから、東電に責任があり国にも賠償責任を認めるというのはあまりにも暴論だ。

記事にもあるがアスベストなど、実際に被害が出ていた上で、それを看過したという事情があれば「予見可能性」について議論できるわけだが、地震発生が正確に予測できず、その地震で津波が起きるかどうかも分からない状況で、ゼロリスクを責任として認めてしまうのはどうかと思う。



原発再稼働にあたって、事故によって甚大な被害を発生するために厳格な審査が必要となった。そこまでは理解できる。

5号機 施設定期検査中(2012年3月22日~)・安全性向上対策実施中(地震・津波・重大事故対策等)

2017年3月28日
国が確認する検査(施設定期検査)として予定されている54項目のうち、3項目が終了しました。 また、事業者が確認する検査(定期事業者検査)として予定している116項目のうち、27項目が終了しました。(2017年3月26日現在) なお、施設定期検査の長期化に伴い、検査項目数に変更がある場合があります。
ただ、この浜岡原発の事例1つとっても、延々と検査をしなければ合格しないような状況になっていて、原発の再稼働は遅々として進まない。
 
原発に発電を頼るようになって30年以上経過して、重大な事故は1件。確かに一度事故になれば、多方面に多大な被害を及ぼすリスクがあるのは事実だが……、行きすぎた安全対策で再稼働が進まずに、日本の産業をダメにしていくような状況が続けば、それは日本にとって幸せなことなのか、疑問を感じずにはいられない。
 
再稼働後にでもチェックできる項目は多いと聞くんだけど、ねぇ。
追記 (2017/3/29)
そうそう、上で挙げた高裁の抗告審決決定について。面白い写真がメディアに掲載されていたので、紹介しておこう。
司法の債務!
日経新聞の写真がこれ。
司法の債務!!
福井新聞ONLINEの写真がこれ。

よく見て欲しい。
「司法の債務放棄」になっている。自らの日本語の不自由さを雄弁に物語っちゃっているわけだが、気がつかなかったのだろうか??
「債務」=特定の人に対して金銭を払ったりものを渡したりすべき法律上の義務。
司法に金を払えと、裁判所から金が貰いたかったんですかね?(棒)

「国民・県民世論」というのも、日本語としてはちょっと不思議だ。
世論は公共の問題について多くの人々が共有している意見や考えの事を指すのだが、その前に国民・県民と付ける意味が良く分からない。なんかモヤモヤする。
だって、日本で世論と言えば国民と言う概念を含む大勢の意見と言う話になり、わざわざ「国民・県民」と断ったりはしない。敢えて付けるとすれば「どこの」だろう。アメリカの世論、ヨーロッパの世論。そう言った使われ方だ。
……こちらは言語センス的な問題なので、或いは僕が間違っている可能性はあるのだが。

何れにしても、ちょっと不思議な話。




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コメント

  1. 山田の案山子2017年3月29日 14:23

    科学的知見を無視した原発反対屋はお気楽なモンだ。 反対屋のご高説は甚だ立派だが、電源立地促進と地域経済の利害について述べられたものが見当たらない。 能登(珠洲)原発立地計画(2003年凍結)に対し地元の反対派住民の蓆旗抗議で関西・中部・北陸の3社が撤退を決定。 後に反対派の一人が「地元経済」を台無しにしたと後悔の弁を語っており、今後珠洲の経済復興はありえないとも語っている。東京から遠く離れた地方にとって原発は生きる術でもある。

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    1. そうですよね。

      過疎が進む地域で、原発を推進する。多分反対派も居たのでしょうけれど、それを飲み込んででも推進しなければならない事情があったのは事実。

      誰だって得体の知れない「ほーしゃのー」は怖いのです。

      ですがそれを適切にコントロールするからと言うことで、経済的なメリットを考えて受け入れる自治体が殆どなのですから、それを今さら「再稼働できません」「補助金も出ません」ではねぇ。
      何より仕事が無くなるのが……。

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  2. タイで目覚めた日本人2017年3月29日 18:02

    最後の追記に関して(笑)
    原発に反対しているやつらが千葉麗子が言うところの「パヨク」で
    日本語に不自由な人たちが多いってのがよく分かる事例ですよね。

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    1. 新聞社も、もうちょっと気を遣えば良いのに、と思ってしまいました。

      隠しきれないパヨク臭とでも申しましょうか。

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