北朝鮮情勢と国内の報道と

可能性として北朝鮮のミサイル発射、あるだろうなとは思っていたが……、まさか失敗するとは。
終末は、様々な展開があったようで、整理しきれないな。

北朝鮮、弾道ミサイル発射に失敗=「4~5秒」で爆発か―米副大統領訪韓直前

時事通信 4/16(日) 8:00配信
 【ソウル時事】米韓両軍によると、北朝鮮は16日午前6時21分(日本時間同)、東部・新浦付近から弾道ミサイル1発の発射を試みたが、失敗した。
15日に何らかのアクションがあると予想していただけに、シロウトの予想とはあてにならないものだ。北朝鮮は核実験では無くミサイル発射を試み、まさかの失敗。



発射されたミサイルは、準中距離弾道ミサイルだとの分析である。
 米太平洋軍は、ミサイルは発射直後に爆発したとの見方を示した。米ホワイトハウス当局者もペンス氏の同行記者団に対し、「(発射)4~5秒後に失敗に終わった」と語った。また大陸間弾道ミサイル(ICBM)ではなく、同当局者は、準中距離弾道ミサイル(射程1000~3000キロ)型だったとみられると明らかにした。
 新浦付近では5日、弾道ミサイル1発が発射され、約60キロ飛行した。「スカッドER」(射程1000キロ)と推定されているが、同型のミサイルの可能性もある。
挑発と言うには中途半端な感じがするが……、アメリカはどう対処するつもりなのだろうか。
韓国に副大統領のベンス氏を送り込んでいるので、臨戦態勢と呼べる状況であるという風にも理解できる。
北朝鮮ミサイル
15日には北朝鮮でパレードが行われた。
各国メディアを国内に招いて大々的に行ったので、まさに人質をとってのパレード。つまり、このタイミングでやりたいことを比較的自由にやれるタイミングだったというわけだ。

北朝鮮 1年半ぶりの軍事パレード 新型ICBM登場か

4月15日 18時42分
北朝鮮は、キム・イルソン(金日成)主席の生誕105年の15日、首都ピョンヤンで、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が出席して、1年半ぶりの軍事パレードを行いました。韓国メディアは、新型のICBM=大陸間弾道ミサイルが登場したとして、アメリカの軍事的な圧力に屈しない姿勢を示す狙いがあったと分析しています。
当然、各国メディアを北朝鮮に招いている関係上、いきなり開戦という事態にはならないだろうと踏んでいたが、軍事パレードの一環としてミサイルの発射もやるだろうと、そう考えていたのだが……。15日には発射は行われず、16日朝に発射実験が行われた。



北朝鮮のパレードで登場したミサイルは5種類程度であったと言われている。
  • 北極星1型(KN-11)潜水艦からの発射を想定。固体燃料ロケット搭載
  • 北極星2型(KN-15)地上からの発射を想定。固体燃料ロケット搭載
  • 新型ムスダン(中距離弾道ミサイル)液体燃料ロケット搭載
  • 新型KN-08(大陸間弾道ミサイル)液体燃料ロケット搭載
  • 新型KN06(地対空ミサイル)
その多くは、射程範囲が長くアメリカへの牽制を強く意識したと言われている。

「米けん制を強く意識したラインナップ」

今回、北朝鮮の軍事パレードで披露された新たな兵器について、軍事情勢に詳しい未来工学研究所の小泉悠客員研究員はNHKのインタビューに対し、「全体として今回、射程の短いミサイルは出していない。韓国、日本を狙うような短い射程のミサイルは出さずに、グアム、ハワイ、アメリカ本土ぐらいまで届くようなミサイルを出してきている。まさに、アメリカから軍事力行使の脅しをかけられている中で、アメリカをけん制することを強く意識したラインナップといえる」と指摘しました。
そんな中で、更にミサイルを発射する行為は、アメリカに対する大きな圧力であると言えるのだが……、発射したミサイルが射程が短いことと、発射直後に爆発している点を考えると、決定的な事態にはならなかったようだ。
 米ホワイトハウス高官は16日、発射されたのは「中距離弾道ミサイル」との見方を示し、「発射後4~5秒で爆発した」と述べた。その上で「失敗した実験に対抗する必要はない」と語り、直接的な反撃などは行わない意向を示した。一方、「核実験が行われたら、米国は別の行動を取っていた」とも発言し、北朝鮮を強くけん制した。日米韓はミサイルの分析を進め、北朝鮮がさらに挑発行動に出ないか警戒している。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170416-00000068-mai-int
一先ずは、今回のミサイル発射をトリガーとしたアメリカ側の先制攻撃の可能性は無いと見て良いだろう。



ただ、週末の事態で気になるニュースがいくつかあった。

トランプ大統領:北朝鮮問題で協力する中国を為替操作国とは呼べない

2017年4月17日 06:47 JST

トランプ米大統領は選挙公約に反して中国を為替操作国に認定しないことを決めた理由について、北朝鮮を抑え込むために中国政府の協力を得られるためだと説明した。

一つは、トランプ氏の支那への態度が軟化した点。

中国の王毅外相、米・朝双方に自制求める

2017年4月15日 02:31
~~略~~
 緊張が高まる中、中国の王毅外相は14日、「誰であろうと朝鮮半島で戦争を起こしたら、歴史的な責任と代償を払わなければならない」と述べ、北朝鮮とアメリカ双方に自制を求めた。さらに、「対話であれば公式でも非公式でも、2か国でも、3か国でも、4か国でも、中国はすべて支持する」と、対話による解決の必要性を改めて強調している。

支那がかなりアメリカに対して高圧的な姿勢を見せている点。

THAAD配備先送り示唆=反対の中国に配慮か―米当局者

時事通信 4/16(日) 19:22配信
 【ソウル時事】米ホワイトハウス当局者は16日、ペンス副大統領の同行記者団に対し、在韓米軍への最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備について、「(韓国が)5月初めに大統領を選ぶまで流動的だ。次期大統領が判断すべきだ」と述べ、配備完了の先送りを示唆した。
アメリカがTHAADの配備について先送りを示唆した点だ。
 ただ、副大統領報道官はその後、米当局者の話と関連し、「これまでTHAAD配備における政策変更はない」と説明した。
その後にこんな事を言っているが、まず間違いなく見送りが決定されたとみて良いだろう。



ここまで、アメリカ側が譲歩する理由がいまいちよく分からないのだが、支那との取引で何かがあったと理解すれば良いのだろうか。

【中継】北朝鮮ミサイル発射の狙いは…?

日本テレビ系(NNN) 4/16(日) 19:35配信
 今回の北朝鮮のミサイル発射の狙いについてどうみているのか?韓国・ソウルから藤田賢治記者が伝える。
~~略~~
 ただ、北朝鮮は今月25日にも軍の創立記念日という節目を迎えることから、当面、緊張状態は続くことになりそうだ。


日テレの記事にあるように、次は4月25日前後、と言うことになるようだ。4月15日は何とか無事に過ぎたが、10日後、再び何かが起こるのか、それとも起こらないのか。
 ただ3月22日に続き、今月の2回の発射失敗については、警戒する米軍がサイバー攻撃で妨害したのではないかなどとの臆測が出ている。一方で、米国を過度に刺激しないように「意図的な失敗」との見方もある。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170417-00000035-san-kr
こんな報道まであるので、当局がどう判断してどう動くのか、さっぱり検討がつかないというのが正直な所だ。
 
ただ、アメリカが動くにしろ、色々準備が必要であることは事実だ。韓国のソウルには10万人以上のアメリカ市民がいる。日本人も20万人以上韓国内にいる訳で、避難勧告なども出されていないような状況だ。
避難勧告を出せば、半島情勢の事態の悪化を喧伝するようなものなので、なかなか易々と出せるものでもないが、見殺しにするということはまず無いと思われる。ソウルがあんな位置に存在するのが問題ではあるのだが……。



そんな訳で、状況が水面下で激しく動いている可能性は高いのだが、どちらに転ぶか外からは予想がつきにくいのも問題である。
とまあ、北朝鮮情勢はかつて無いほどの緊迫した状況になっている訳だが……。日本ではおかしな人の論調に関する報道も見かけるようになった。

「アメリカと北でやっとけ」  海老蔵ブログがネットで波紋

2017/4/16 14:56

   アメリカと北朝鮮との間で高まる軍事的緊張状態について、歌舞伎俳優の市川海老蔵さん(39)がブログで投稿した内容が、ネット上で波紋を広げている。

その感想は分からなくも無い。が、現実を認識する能力の欠如に頭が痛くなる。残念ながら、北朝鮮の問題に関しては、日本も当事者だ。「巻き込まれる」という話以前の問題である。
北朝鮮に拉致された日本人が未だに多数いることを知らないわけでもあるまいに。
だが、海老蔵氏よりももっとスゴイ方々がこちら。

日本学術会議 総会で軍事研究反対の声明を報告 研究者から浮世離れした意見も続出

2017.4.14 23:16
 日本学術会議は14日、東京都内で総会を開き、科学者は軍事的な研究を行わないとする声明を決定したと報告した。
~~略~~
総会では、声明案を作成した検討委員長の杉田敦法政大教授が「自衛隊が憲法9条に照らして合憲なのかどうか、といった問題は依然として国論を二分するような問題だ」と主張した。ただ、杉田氏は国民の半数が自衛隊の合憲性に疑問を持っているとする根拠は示さなかった。
~~略~~
女性研究者は北朝鮮の核・ミサイルへの対処に触れ、「このような非常に緊迫した状況の中で、私たちは地対空ミサイルで迎撃する立場を取るのか。むしろ戦争の危機を拡大する可能性がある」と述べ、自衛隊のミサイル防衛にも疑義を示した。
凄いな。
日本学術会議は政府への政策提言などを行い、「学者の国会」とも呼ばれる。運営は国庫でまかなわれ、29年度予算では約10億5千万円が計上されている。
こんなのが国費で運営されているのかと思うと、頭が痛くなる。
まあ、ここでは敢えて朝日や毎日の記事は取り上げないが、危機がそこにあると言うのに「他人事」というのは、あまりに危機感が無いな。




根拠無く危機感を煽るような意見を言うのも問題ではあるが、根拠無く危機感を否定する姿勢もどうかと思う。

一国平和主義、日本に閉じこもっていれば平和、という考え方は、ある種病的だが、サヨクはソレを平気で口にするのだから恐ろしい。

戦争が好きな人なんて早々いないわけで、特に当事者となる事は多くの人が避けたいと思うだろう。ソレは理解できる。しかし、当事者に組み込まれている状況で、「戦争が嫌いだから、余所でやってくれ」というのは無理だ。
現状把握能力の欠如も、甚だしい。
半島有事が再燃すれば、北朝鮮や韓国から多数の難民が流れ着き、或いは日本国内でテロが計画され、直接日本にミサイルが飛んでくる可能性だって高いのである。地政学的にもこれは避けられない。これを当事者と呼ばずして、何と呼べば良いのか。日本のメディアを始めとする一国平和主義者の方々はどう考えているんだろうな。憲法9条があれば全て解決するとでも思っているのだろうか。

日本人はこんな報道姿勢をいつまで許していてはいけない。
追記 (2017/4/17)
アメリカ側の姿勢が更に軟化したととれるニュースが。

米補佐官 対北朝鮮で外交による解決に努める姿勢

4月17日 6時18分
アメリカ、ホワイトハウスのマクマスター大統領補佐官は、16日の北朝鮮によるミサイル発射について、「挑発行動の一環だ」としたうえで、ミサイルの発射や核実験をやめるよう求めるとともに、アメリカとしては北朝鮮との軍事的な衝突に至らないよう外交による解決に努める姿勢を示しました。
基本姿勢は対話と圧力なので、この方針はおかしなものではないのだが、報道はどうやら「外交的解決」に向かっているよう演出したいらしい。
また、マクマスター補佐官は、北朝鮮に対するトランプ政権の対応について、「すべての選択肢がテーブルの上にある」と述べ、あらゆる可能性を排除しないという考えを示しました。
一方で、「日本と韓国だけでなく、中国との間でも緊急の問題だという共通認識がある。われわれにとっては、今こそ武力行使には至らない、あらゆる行動を取り、平和的な解決に努める時だ」と述べ、アメリカとしては軍事的な衝突に至らないよう外交による解決に努める姿勢を示しました。
アメリカとしても軍事行動のメリットが薄いのは事実だが、北朝鮮がICBMを保有したとなると、話が随分変わってくる。「軍事一辺倒だけじゃ無い」と言いたかっただけのように思うのだが……。



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コメント

  1. 山田の案山子2017年4月17日 13:53

    野口裕之のコラム(産経新聞)によると米国の先制攻撃の条件が圧倒的優位な情勢が整わない限り攻撃しないとの印象を受けた。 さらに北の要塞の情報が少ない今、戦力は十分でない事も・・・。 相手は北より寧ろ「支那」に対してのプレゼンスに映る。

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    1. こういう時に信頼に足る情報が少ないというのが、なんとも。
      アメリカ軍も色々な準備をしているのでしょうけれど、具体的に動き出しているからにはそれなりの勝算はあってのこと、だと理解しているのですが……。見切り発車な部分はあるのかも知れませんね。

      削除
  2. あるけむ(R.K.M)@fwbc19652017年4月17日 21:17

    時事通信の記事ですが、
    >新浦付近では5日、弾道ミサイル1発が発射され、約60キロ飛行した。
    >「スカッドER」(射程1000キロ)と推定されているが、同型のミサイルの
    >可能性もある。
    この「同型のミサイルの可能性もある」とは、どういう意味なんでしょうか?...よくわかりません。
    マスコミの劣化がひどいですね。

    少し、妄想が入りますが、北朝鮮は「核実験はヤバそう→急遽、弾道弾発射で脅しに切り替え→準備不足で失敗」という話かもしれません。

    THAAD配備ですが、時事通信の記事に問題がある感じです。
    アメリカが主導的に配備を先送りするということでは無いと考えます。
    時事通信の記事が示唆する「THAAD配備を次期韓国大統領が判断する」というのは印象操作だと判断してます。

    >「(韓国が)5月初めに大統領を選ぶまで流動的だ。次期大統領が判断
    >すべきだ」と述べ、配備完了の先送りを示唆した。
    の部分ですが、ハンギョレの記事では、以下のようになっています。
    ソース)ハンギョレ「ホワイトハウス「THAAD配備完了は韓国の次期大統領が決定すべき事案」」
    >「進行中にある。まだ解決しなければならないいくつかの問題がある」と
    >したうえで、「その他の政府決定のように数週間または数カ月かかるかも
    >しれない」と明らかにした。同関係者はさらに、「(配備は)進められてい
    >るが、率直にいって、彼ら(韓国)が5月初め、次期大統領を選ぶまでは(そ
    >うだろう)」とし、「それは(韓国の)次期大統領が決定すべき事案だと思
    >う」と述べた。

    「THAADの配備には、いくつかの問題があって、次期大統領が判断するレベルの問題もあるので、配備が遅れると思う(保留せざるを得ない)」ぐらいの感じだと思います。

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    1. あるけむ様、色々と教えて頂き感謝いたします。アイヌの件でもタカる奴等がいて、そいつらは反日であると。
      真の敵とは何かを考えました。結論は木霊様の最新記事へのコメントの最後に書いてあります。ありがとうございました。

      あと私は特科出身ではなく普通科です。
      北部方面隊の…いまは11旅団になってるのかな?機械化歩兵です。装甲兵員輸送車の後ろに乗る歩兵です。
      弾道の話にピンと来るのは選抜射手だったから。仲間の側面援護や、死傷率の高い兵器を操作する敵兵を狙ったり、撤退する時に援護したりします。でも普通より射撃が得意なだけの歩兵ですよ(笑)

      削除
    2. マスコミも、理解せずに情報を流している節がありますから、困ったものです。

      THAADの配備に関しては、当初言われていた大統領選挙前に片を付ける、という立場から少し韓国側に配慮して、次期大統領に決断させるという方向に変わっている気はします。

      ただ、それは新たな踏み絵を用意したに過ぎないのかも知れませんが。

      削除

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