2017年4月26日水曜日

勝利宣言?マクロン氏が派手なパーティを開き非難される

フランス選挙戦、分からなくなってきた。

もう勝利宣言? マクロン氏の言動に側近も苦言 仏大統領選

AFP=時事 4/25(火) 16:38配信

【AFP=時事】フランス大統領選で5月7日の決選投票に駒を進めた中道系独立候補のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)前経済相(39)が、第1回投票後の選挙集会で支持者らに対し既に勝利したかのような高慢な発言をした上、派手なパーティーが開かれた首都パリ(Paris)の高級ビストロを訪れたことについて24日、側近からも批判の声が上がった。

マクロン氏が5月7日の決選投票前にダメコンで、方向修正できるか?がポイントになりそうだ。


今回のはゴシップネタ的な話なので、ブログで取り上げるかどうか迷ったのだが、フランス大統領選挙の結果は、EUに極めて大きな影響を及ぼす。

少なくとも、EUを抜けたイギリスに追従する形で複数の国がEU離脱を検討しており、その後押しをしかねない状況なのだ。

だから、フランスでマクロン氏が大統領になると言う事は、EU崩壊の歯止めをかけられるかどうかの分かれ目だと言って良い。

 

 マクロン氏は、決選投票に進むことが確実となった23日夜、妻のブリジット・トロニュー(Brigitte Trogneux)さんと共にパリ南部で行われた選挙集会に姿を現し、「マクロン!大統領!」と歓声を上げる数千人の熱狂的な支持者らに対し「われわれは1年でフランス政界を変えた」と述べていた。
 選挙集会後、マクロン氏はパリ南部の有名ビストロにいる支持者らのもとを訪れ、その様子が撮影されていた。このレストランはパブロ・ピカソ(Pablo Picasso)をはじめとする芸術家の行きつけで、ステーキと付け合わせのポテトの値段は28ユーロ(約3350円)。

ところが、既に大統領気取りの発言をし、祝勝会じみたパーティをやったことがバレちゃった。

 

日本でも、今村氏が余計な事を言って辞任する騒ぎになったが、政治にはイメージを大切にしなければならないシーンが多々ある。

この今村氏の発言の内容・その趣旨そのものは、僕自身は大きな問題は無いように思ったが、しかし、それでも誤解を招くような発言は閣僚としてどころか政治家としてもダメだろう。潔くその日のうちに辞意を表明し、翌日には辞任という形になった。だが、死者・行方不明計1万8478人の被害者が出たにもかかわらず、「よかった」等と発言しては、フォローのしようが無い。


マクロン氏の件も同じだろう。

仏大統領らが「反ルペン」呼び掛け、マクロン氏支持を表明

CNN.co.jp 4/25(火) 12:38配信

(CNN) フランス大統領選で中道のマクロン前経済相(39)と右翼・国民戦線(FN)のルペン党首(48)の決選投票が決まったことを受け、オランド大統領や敗退候補が相次いでマクロン氏への支持を表明し、「反ルペン」での結束を呼び掛けた。
内務省が24日に発表した第1回投票の最終結果によると、マクロン氏の得票率は24.01%、ルペン氏は21.30%だった。両氏は来月7日、決選投票に臨む。

現政権も、マクロン推しの様だが、今回の話は極めてダメージが大きいと思う。

ここで開き直って「フランス経済の為だ!選挙戦に勝てば私はもっと大きなパーティーを開く」等という手もあるが……、そこまでやれる器では無いだろう。

 

ところで、フランスの政界は日本とはまた異なる構造をしている。

1958年に現体制の「第5共和政」が始まってから、社会、共和の2大政党の候補が2人とも第1回投票で敗れる事態は初めてだ。

フランスの第5共和政というのは、立法権の権限が低い一方で大統領の執行権が強く、行政・官僚機構が行政に強力に作用する特徴がある。ただしコアビタシオン(二重構造)という大統領と首相が共存するシステムを採用し、それが機能している状況ではそれなりにバランスが採れた政治が出来ると言われている。

コアビタシオンというのは、例えば1997年3月から2002年5月までの期間、右派のシラク大統領(共和国連合)と左派のショスパン首相(社会党)がそれぞれの役割を担っていた。とはいえ、これ、日本のねじれ国会と同じ構造なので、政策議論が前に進みにくいという欠点はあるのだが……。

 

現政権を担うオランド氏は左派の社会党出身の大統領である。では首相は?というとこれも左派社会党出身のカズヌーヴ氏。つまりコアビタシオンは機能せずに、左派優勢の政治体制となっていた。

……ただ、ここで「右派」「左派」と便宜的に書いているが、この記載は実はあまり意味が無い。

例えば、先代のフランス大統領、サルコジ氏は新保守を標榜していたが、移民は容認する立場であった。自ら移民2世であることも関係しているようだが、しかし、無制限な移民政策には強硬な態度を示し、スラム化した移民街を訪問して辛辣な言葉を浴びせたことは有名である。支那との距離が近いことでも有名であった。

現政権のオランド氏は、社会党出身で移民に対して積極的な政策を示していないが、従来の受け入れ路線を継承している。原発依存度の引き下げや構造改革などの推進をしているが、その一方で企業優遇政策を採ったり、シリアでの大規模空爆の実施や、テロに対して非常事態宣言を出すなどの、強硬な姿勢も見える。


ちょっと話が脱線してしまった。

要するに、フランスの政治の中枢を担ってきた社会党や共和国連合などの政党が、既に求心力を失っているのが、現在のフランスの状況なのである。

 

さて、ここでフランスが抱える問題を簡単に整理してみよう。

  • フランス移民政策推進が生んだ、移民増加(国民の1割を超える人数)による治安の悪化
  • フランス経済の低迷と失業率の高止まり(失業率9.6%:若者の失業率は22%で悪化傾向が続いている)
  • 財政赤字の増大
  • 治安の悪化

ヨーロッパ経済に精通している方がいたら、何故こんな構造になるのかを説明して欲しいところだが、フランス経済は移民政策の推進によって好調だった時期を過ぎ、今や失業率が高止まりし若者が働けない状況が治安の悪化に拍車をかけている状況である。

 

移民が入ってきたから治安が悪化したと短絡するつもりは無いが、移民とフランス国民との間の摩擦やイスラム圏の価値観をベースにした犯罪の増加は見過ごせる話では無いし、「移民=安い労働力」という構図が若者の雇用を奪っている事実はあるのだろう。

これが治安の悪化に更に拍車をかける原因になっているワケで。


冒頭のマクロン氏に対抗して善戦している、マリーヌ・ル・ペン氏は、国民戦線なる政党に所属している。「反EU・移民排斥」を旗頭に戦うのは、こうした移民問題が表面化してきたことによるところが大きい。

国民戦線は、マリーヌ・ル・ペン氏の父親、ジャン=マリー・ル・ペン氏が右派勢力を結集して創設された政党で、舌禍の絶えない父親に対してマリーヌ・ル・ペン氏は割と慎重に行動しているようだ。

フランス大統領選挙のル・ペン候補、所属政党の党首を辞任

25.04.2017 ~ 26.04.2017

ル・ペン氏は、フランス2局で発言し、

「国民戦線の党首を辞任する決定を下した。」と述べた。

第1回投票で24.01パーセントの票を獲得した「前進!」の党首エマニュエル・マクロン氏に続いて21.3パーセントの票を獲得して第2位となったル・ペン氏は、「今後は党派的な思考を超越する。」と述べた。

決選投票直後に、「党首辞任」を口にして、大統領を目指す姿勢を更に鮮明に打ち出した。

現代のジャンヌ・ダルクを目指して、政策を変遷させ、よりフランス国民の受けが良いような方向に舵を切っている様で、現在は移民の排斥から移民の制限という形で政策を進めるという方針を採っている。また、フランス経済を立て直すためにフランの再導入を目指しているが、EUから完全に離脱するのでは無く、農業分野などフランスの得意分野を保護できる方向転換を図るという政策を目指している模様。

まあ、早い話、いわゆる左派からの支持層も集める事のできる方針になっているのだ。

 

日本の場合、「右派」「左派」の切り分けは、「親日」か「反日」のどちらかという形になっている。「左派」と呼ばれる人々は、とにかくグローバリゼーション一辺倒で、「反原発」「反安倍」「9条を守れ」「国旗掲揚・国歌斉唱反対」と意味不明な主張をしている。

 

だが、本来は、「右派」だろうが「左派」だろうが、国を守る方針に変わりは無いのが普通なのである。


早い話、今回のフランス大統領選挙は、今までのフランス移民政策の限界を、どうやって解消しようか?ということと、フランスの経済構造をどうしたいか?が、フランス国民に問われる選挙なのである。

 

少なくとも、移民問題は非常に大きな社会問題となっている。

加えてテロ組織ISを始めとするフランスを脅かすテロリスト達にどう立ち向かうのか?という事も問われている訳だ。

 

その答えがマクロン氏で良いのか、ル・ペン氏でいいのか?と言う事になるワケで。



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6 件のコメント :

  1. 佳いのでないすか?仏のEU離脱でも。
    てか、ローマ帝国の崩壊、フランク帝国が東西中央に割れてから(東=ドイツ、西=フランス、中央=イタリアの先祖)も、ヨーロッパって、一度も統一された事が無いでないすか?
    今のEUが「異常」なんだすよ!
    アルプスが分断するヨーロッパでは、平らな中国みたいな帝国が出来ませんでした。中世以来に。国王や教会に弾圧された科学者が、他国に逃げて学問を残せたから、ヨーロッパの近世と近代以後の覇権があった訳で。
    そもそもバラバラなのが欧州の基本です。
    EU*統合てのが、そもそもは無理な話なのだと思います。無理は無理ですよ。
    ルペンが勝利して、EU離脱で良いのでは?
    逆風が日本を襲うかも知れませんが、それが、そもそも自然なならば諦めもつく。

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    1. 良いか悪いかで言ったら、フランス、EUの問題なので良いのですが……、割とEUが崩壊すると経済危機の引き金を引いて世界経済がとんでもない事になるリスクを迎えますので、出来れば軟着陸して欲しいなぁと。
      一番問題なのは、北欧諸国から多額の借金をしている支那経済が飛んでしまう事ですかねぇ……。

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  2. マキロンてwww
    それはともかく、根拠ありませんがルペン元党首の勝利を予測して結果を待ちたいと思います。
    それにしても、左派も右派も国の為を思っている図はうらやましいですね。
    左派どころか右派にも売国奴がうようよしてる本邦からは羨望の限りであります。

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    1. ニヤリとして頂ければ幸いです。

      そうですねぇ、ル・ペン氏の作戦が功を奏せば勝ち目は未だあると思いますが、もう一押し足りないのですよね。
      波乱を迎える可能性を含めて、フランスも未だ覚悟が足りていないのかも知れません。

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    2. 従姉妹が仏に嫁いでパテシェしてます。
      従姉妹の娘の洗礼式で訪れた時に、田舎でスローフード運動する農民がマクドナルド新設現場にブルドーザーで突っこみ大破しました。
      彼は有機農法を取り入れた野菜を、学校給食に使う運動をしていました。
      マクドナルドは学校に乗り込んで、学食をマクドナルドが請負うビジネスを広範囲にやってますからね本土で。
      これに怒っての決起であったようです。
      逮捕されますが、その時に一斉に左翼も保守も彼に支持する声明を出した。
      あの国には「愛国」で右左が一致する事があり、愛国者としての左翼が存在します。
      左翼=反日のどっかの国も見習って欲しいものです。まぁ野党を観るに無理ですけどね。

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    3. 激しいですね。
      ブルドーザーでマクドナルドに、ですか。

      フランスはマクロン氏を選んでしまったことで、農業大国の道は更に厳しさを増しそうです。

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