世界最高水準の「光学衛星」の独自開発スタートさせた韓国

見逃していたニュースが有ったので、記事にしておきたい。

韓国、世界最高水準の「光学衛星」独自開発…2021年打ち上げへ

2017年05月02日06時32分
  韓国航空宇宙産業(KAI)は1日、韓国航空宇宙研究院(KARI)と多目的実用衛星7号の本体開発に関する契約を締結したと発表した。
この関連ニュースは以前に扱っている。今回のコレは続報にあたる話だ。


関連ニュースはこちら。
内容はほぼ同じだが、前回のニュースが「関係機関事業着手会議を7日開催」で、今回は事業主体となるKAIがKARIと本契約をしたと言う話。

韓国航空宇宙産業(KAI)は練習機T-50などの生産を行っている航空機メーカーで、政府が現代宇宙航空、サムスン航空産業、大宇重工業の航空宇宙部門を合併させ設立した組織だ。主に戦闘機やヘリコプターを作っていて、韓国型ヘリコプター・スリオン(KUH-1)を作ったりKFXの開発なんかもやっているところだ。

一方の、韓国航空宇宙研究院(KARI)は、というと、あの羅老号(KSLV-1)を打ち上げて貰った実績のある組織である。ただいまKSLV-2の開発の真っ最中だ。

そんな最強チームがタッグを組んだのだから、成功間違いなし(棒)である。
20170502063213-1
完成予想図はこちら。


どうやらKARIが多目的実用衛星7号の開発を行うようである。
  合計予算3100億ウォン(約305億円)が投じられる今回の多目的実用衛星7号開発事業は0.3メートル以下の超高解像度光学カメラ、赤外線(IR)センサー、高機動姿勢制御システムが適用された世界最高水準の光学衛星開発を目指している。KARIがシステムと搭載体の開発を、KAIは本体の開発を担当する。KAIは今月中旬から本格的な開発に着手し、2021年に予定された打ち上げ日程を遵守する計画だ。
しかし、相変わらず開発予算が低予算なのにはビビるな。
 
日本の気象衛星「ひまわり9号」は同設計の「ひまわり8号」と合わせて製作費が340億円(開発費は170億円ということらしい)打ち上げ費用が210億円と見込まれている。
もちろん、過去の積み重ねの上でのこの価格なので、韓国のソレとは少々事情が異なる。
 
何故なら、アリラン5号までは仏タレス・アレーニア・スペース社の技術支援によってKARIが造り上げた実績がある。アリラン6号は何処が手伝っていたのかよく分からないが……。

韓国、衛星先進国に向けてロケット自主開発へ

2015年03月27日15時09分
  多目的実用衛星「アリラン3A号」が26日にロシアのヤースヌイ発射場からドニエプルロケットに載せられて成功裏に打ち上げられたことで、韓国は赤外線センサーを搭載した衛星を保有する世界4番目の国家となった。
~~略~~
  一方、韓国政府はアリラン6号、次世代小型衛星、静止軌道複合衛星2A号と2B号など合計4基の衛星を追加で開発中だ。次世代小型衛星は2016年、アリラン6号は2019年にそれぞれ打ち上げられる計画だ。
2019年に打ち上げ予定の模様。


アリラン6号までが海外技術によって作られていた話は前の記事にも出ていたね。
韓国航空宇宙研究院によると、既存のアリラン3A号(光学0.55メートル)が地上の車両の存在を確認する程度だとしたら、これより判読能力が3.4倍高いアリラン7号はその車両が小型車なのかトラックなのかも区分することができる。既存3A、5、6号の搭載体は海外協力によって開発されているが、7号はシステム・本体だけでなく光学搭載体に至るまですべて韓国の独自技術で開発される予定だ。
つまり、今までの技術的蓄積が無い状態でアリラン7号は「独自技術で開発」するつもりらしいのである。
まあ、大抵の場合、こういった表現で開発されるのは、良くて改良、悪ければカタログスペック詐欺のコピー製品なのだが……。それで307億円の開発費ですか。コピーすれば安上がりだよね。

しかし、出来上がる前にそんなことを言っては失礼に当たるので、続報を待ちたいところ。
KAIのハ・ソンヨン社長は「韓国の衛星技術は政府の主導下で先進国と肩を並べる水準まで発展した」とし「今回の事業はもちろん、現在参加している次世代中型衛星の開発と韓国型発射体総組立の成功を通じて、民間技術を持続的に発展させ、航空機の輸出と連係する衛星、発射体パッケージ輸出で国内の宇宙産業基盤を広げていく」と伝えた。
ただし、KAIの社長はかなり鼻息が荒い。
今まで全て海外技術に頼っていたのにも関わらず、「先進国と肩を並べる水準にまで発展」とは一体どういうことか。
そしてもう1つ気になる単語が。「韓国型発射体総組立の成功を通じて」という下りだ。

これ、そのまま解釈するとロケット打ち上げまで韓国でやるぜ!という意味にとれる。


では、現在、KARIが一生懸命やっているはずのロケットエンジン開発はどのレベルなのか?という話なんだが……。

韓国型ロケット開発がいよいよ本格化、2020年の月探査目指す=韓国ネット「科学者を信じて待とう」「『韓国型』と付くと質が落ちる気が…」

配信日時:2017年5月31日(水) 5時20分
2017年5月29日、韓国・マネートゥデイは、現在推進中の人工衛星打ち上げ用の韓国型液体燃料ロケット「KLSV−2」開発の現状を点検し、今後迎えることになる宇宙産業民営化時代に向け韓国が解決すべき課題を探った。
~~略~~
一方、ロケット分野の技術は不足している。1990年代初頭からロケット開発に乗り出し、ロシアの協力と10年にわたる開発の末、2013年に羅老(ナロ)号(KSLV−1)打ち上げに成功し、2017年現在、1.5トン級の衛星を低軌道に投入可能なKLSV−2の開発を独自に進めている状態だ。
思わしくないのか、進んでいるのかハッキリしない。
政府が最近発表した「大韓民国200大重点宇宙技術開発ロードマップ」も同様、静止軌道衛星打ち上げロケット、2020年の月探査、さらに火星探査など、2040年までの概要が計画された宇宙開発事業の成功に向け、必要な技術を民間主導で確立する計画だ。
このロードマップは健在らしいが、エンジン獲得では色々と苦労が絶えない模様。


努力の方向性はちょっと間違っている気がするが。

Nerve-gas plotter indicted over rocket deal

updated 4/29/2009 12:31:53 PM ET
MIAMI — A Korean-American who served prison time for attempting to broker the sale of deadly nerve gas bombs to Iran was indicted Wednesday on new charges of trying to help South Korea obtain advanced Russian rocket hardware and technology.
死の商人をやっていた韓国系アメリカ人が、アメリカを経由してロシアのロケットの部品や技術を不正に横流ししようとして逮捕された事件である。
スパイ事件、と言って良いだろう。
この手のスパイ事件は玄武ミサイル開発の時にも話題になっていたが、その時は成功したので味をしめたのだろうね。
結局、KSLV-2のエンジンは、ウクライナから図面を買ってそれを75t級エンジンに拡大して作っている。
ウクライナから出てきたエンジン図面は30t級のもの。それを75t級に改造してしまおうというのだからなかなか野心的ではあるが、エンジン試験設備も出来上がったことだし、エンジンも形になったらしい。だから、後は試験次第だな。

なお、ロケットの打ち上げ試射は2018年10月という予定になっている様なので、ロケットエンジンのテストはそろそろ佳境に入っていてもおかしくは無い。少なくとも、144秒以上の燃焼に合格する必要があるらしいぞ。去年5月は1.5秒だったが、今年は50秒くらいに延びているのだろうか??

そして、ロケットのエンジンは39基製作する予定になっているのだが、何とも数が中途半端だな。それ以上に、それだけの数のエンジンを作れるかは疑問だが。
75t級エンジン1基のロケット打ち上げに、最低1基、本番では4つのエンジンをクラスタ化して使い、2段目に1基使うので、5基。これで6基が必要で、予定通りだと2019年、2020年にも打ち上げる計画とか言っていたので、2019年用にもう5基必要か。
燃焼試験に一体何基のエンジンが必要かは知らないが……、260回以上の試験をするとか言っていたので、最初の打ち上げ試験2018年10月までの16ヶ月で160回くらいは試験を熟さないと。一月10回のテストペースはなかなかハイペースだな。実際にどうするのかは知らないが。



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コメント

  1. 久しぶりの宇宙お笑い史の登場ですね。
    まずは衛星から・・・光学衛星ですね、それも高精度のカメラの画像処理はCCDなどで処理できますが光学衛星と言うからにはカメラのレンズも高品質で
    大直径のレンズが必要となりますがスマホのカメラ機能のレンズ位なら何とかなるかもしれませんが一流の光学機器の(フィルムカメラの一眼レフその他)製造経験も開発経験もなく名の知れた光学機器などK国製では見たことも聞いたことも無いのですがね・・・レンズは設計だけでなく研磨が重要ですからね。 CCDなどがいくら優秀でも元となる光学画像がボヤケ、歪んでいたら
    まっとうな物にはなりませんが・・・楽しみです(笑)
    また天婦羅ロケット忘却されてなくてよかったですが・・・これも試験の続報が楽しみです、確か配管などの溶接やノズル周りに梃子摺っていたような話も聞きますから死人の出ない範囲で大爆発を期待しています。
    まーお笑いネタは寝て待つことにします。

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    1. この手の情報はなかなか出てこないんですよね。
      ロケットの続報も時々漁っていますが、さっぱり……。

      前回の記事で溶接がちょっと不味いレベルみたいな話は出ていましたね。燃焼が不安定なのも解消したんでしょうか??

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  2. 一か国で衛星用チップセットを全て製造出来るのは、米露仏日だけなので仏製の民生用チップセット使用でしょう。レンズは仏アンジェニュー製かな?

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    1. 韓国人は意外におフランス製が好きみたいですからねぇ。

      そこは自国開発に拘らないのが吉だと思います。

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