2017年5月9日火曜日

東芝メモリと外為法

ええー、技術流出なんてとっくに……。

東芝メモリの売却、技術流出の懸念あれば外為法発動=世耕経産相

Business | 2017年 05月 9日 10:54 JST

[東京 9日 ロイター] - 世耕弘成経済産業相は9日、閣議後の会見で東芝(6502.T)の子会社東芝メモリの売却先について「技術流出の懸念があれば、躊躇(ちゅうちょ)なく外為法を発動したい」と述べた。

まあ、その覚悟があると言う点は評価したいところだけれど。


経済産業大臣の世耕氏が言っている外為法だが……、2004年に閣議決定に基づき、支払い、資本取引、役務取引、貨物の輸入取引などに対する規制の発動を可能とする法改正があった。

さらに2009年には、軍事スパイ行為を抑制する法改正があった。

この辺りは、過去のニュースで紹介されていたモノがあったね。

高まる“スパイ天国”のリスク、法改正でも安心できない

2009年5月22日(金)

 毒物カレー事件の裁判で被告の死刑が確定し、政局では民主党の小沢一郎前代表の去就に注目が集まっていた4月21日。日本の国益を左右する重要な法案が、ひっそりと成立していた。

~~略~~

 これにより、例えばロケットやミサイルに転用できる技術情報を外国人労働者や短期滞在者が取得し、外国に電子メールで送信、あるいは他人に提供する目的でUSBメモリーに情報を入れて国外に出た場合でも、取り締まることができるようになった。

このブログでは以前、産業スパイ関連の記事を取り扱った事がある。

主に不正競争防止法に焦点を当てた記事だったのだが、不正競争防止法の改正と同時に行われた外為法改正も、重要な法改正だったのである。


こうした改正の結果、冒頭の記事に紹介されるようなことが可能となった。

政府は外為法に基づき、外資による国内企業の買収で技術流出の懸念がある場合、国の安全の観点から、審査したうえで中止や見直しを勧告できる。

ただ……、2009年の改正だけでも不十分なのが今の日本の現状で、日本からの技術情報流出は未だに続いている。

 

東芝メモリを国で救済する、みたいな話もあったが、既に何度も失敗してきた話。JDIという会社をご存じの方は多いと思うが、JDIはまだマシな部類で、エルピーダメモリで大きな失敗をしている政府にとって、東芝メモリをどうするかというのは日本政府にとっても頭の痛い話である。

 

エルピーダは結局、マイクロンに買収されてしまい、完全子会社となって活動しているが、経営破綻をしてしまった事を考えれば、日本政府の決断は大失敗だったと言えるだろう。日本政府は2009年に産業活力再生法を使ってエルピーダメモリを救済したが、結局、巨額の被災によって2013年に倒産してしまっているからだ。


日本の技術がどんどん陳腐化して、DRAMの分野でも家電の分野でも支那や韓国にやられてしまっている。ディスプレイも同様だな。

 

外為法によって東芝メモリからの技術流失を防ぐ。まあ、それは良いだろう。ただ、根本的に、日本の技術で世界の製品と戦えない現状が不味い。

何故ならば、作らなければ技術者は育たないから。

 

既に、「技術の日本」などという台詞は恥ずかしくて口に出来ない状況を迎えて来ているが、今後は更に、誰の目で見ても明らかなレベルで技術が陳腐化していくだろう。

 

日本政府は「守るべき技術」を絞ってでも、磨きをかけていくしか無いと思うんだが、それも既に難しい話なのだろうか。

少なくとも、適切な値段で製品を売れない現状は、何とかしなければならないだろう。



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4 件のコメント :

  1. 東芝に関しては2年前の不正会計の時に見限った。
    不正発覚時は、「技術はあるんだから、きちんと反省してやり直せばいい」と言う東芝ファン的な人も多かった。
    しかし、東芝は反省どころか、自称第三者委員会(=東芝弁護団)に「不正会計ではなく。不適切な会計。」と認定させ、メディアにも強要。
    刑事罰も見送りになり、数千億の粉飾決算を会社ぐるみで行ったにも関わらず、お咎めなし。(地検の見送り判断に証券委員会が激怒して、官僚同士で大喧嘩という一幕も)
    東芝を信用していた幾多の個人株主が資産を損ない、糞株マニアは熱狂し、見事2016年糞株オブザイヤーに輝く。
    今ごろになって、技術流出を盾に、あわよくば救済してもらおうというのは、あまりに虫が良すぎる。

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    1. 手厳しいですな。

      仰る通り、東芝の体質は大きな問題があるので、このまま存続というわけには行かないでしょうね。
      東電しかり、国の重要インフラを担い、多くの役人を受け入れている企業の体質が腐っているのは、珍しくない話ではありますが、情けない限りです。

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  2. 山田の案山子2017年5月10日 6:41

    技術屋の流出が先だったのでしょう。
    WHによる巨額損出が続けば開発資金も絞られるでしょう。技術屋は潤沢な資金の下でチカラを発揮できる生き物です。他人が持ち出したのもあるでしょうが内部崩壊が露見しなかったけ。

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    1. 記事にも書きましたが、デンソーの事件は本当に日本政府を震撼させたのだと思います。
      それまでは、外国人技術者の積極的受け入れ、指導を行ってきていましたが、実は悪用されるとは夢にも思わないという……。今から考えればあまりに愚かな話ですが、川崎重工の新幹線案件といい、日本は情報管理に無頓着すぎます。

      情報漏洩の一番の問題は、インサイダーによる犯行です。それが一番多く、深刻なダメージを与えられますから。
      「プロジェクトX」というNHKの番組は僕も大好きでしたが、あれも、見方を変えれば技術者に無理を強いて人生を犠牲にさせてまで技術開発をさせたという話です。
      胸を熱くしお涙頂戴の展開になっていましたが……、アレは日本人の美徳を悪用した姿であり、ブラック企業の蔓延は、その延長線上にある話。
      何が良いかと言う話をするのは難しいのですが……。

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