2017年6月30日金曜日

【民主負の遺産】太陽光発電の国民負担は2兆円

これが、クリーンエネルギーの未来ってヤツだ。

負担は2兆円超へ 太陽光のいま

6月29日 18時35分
月々の電気料金の明細を詳しく見ていますか?
「再エネ発電賦課金」という項目がいくらになっているか確かめてみてください。
再生可能エネルギー(再エネ)の太陽光発電が増え、買い取り費用が膨らんでいることで、私たちの負担がいま急増しています。
だが、問題はこれから更に膨張する予定って事だな。

民主党政権が残した再生可能エネルギー促進の為の固定価格取制度の弊害が、今回のNHKのニュースに如実に表れている。
まあ、当時の有権者は諸手を挙げて賛成したのだろうし、3.11の事故以降「仕方が無い」と納得する人もいるかも知れないな。
何のことかというと、「再エネ発電賦課金」の話だ。
請求書
電力会社から届く請求書の内訳として、こんな項目があるハズだ。2017年には一家庭で800円も負担している状態である。これ、何だと思う?

ご存じの方も多いと思うが、これが「再生可能エネルギー発電促進法」の正体なのである。
ちょうど5年前の7月1日、太陽光発電など再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が始まってから、私たち電気の利用者が負担するようになりました。
再生可能エネルギーを普及させようと始まったこの制度。国は、電力会社に太陽光などで発電した電気をすべて買い取るよう義務づけました。その代わり、買い取り価格の一部を月々の電気料金に上乗せすることを認めました。
まさに民主党政権の負の遺産である。


再生可能エネルギー発電は、未だコストバランスが宜しくない。イニシャルコストが高く、ランニングコストが安いのが特徴ではあるが、初期投資した費用を改修出来なければ普及するはずも無い。
そんな訳で、例えば太陽光発電パネルを設置して発電した場合、この制度が開始した当初は1kwあたり42円で買い取りましょうという無茶苦茶な価格設定をした。この買い取り費用は10年固定で、それ以降は変動するというような設定であった。当時、原子力発電は1kwあたり3円程度で発電できると言われた時代(現状では6円~10円程度のコストがかかると言われているが、計算の根拠は何れも怪しい)で、水力発電でも10円程度だった。つまり、水力の4倍、火力や原子力の10倍以上での価格で買い取りをするという価格設定だったのである。
当時もブログで散々突っ込みを入れていたが、既に先行したドイツ辺りでは失敗濃厚だという結果が出ていた。価格を高く設定しすぎて民間に大きく影響が出たので、買取価格を下げ始めていたのである。にもかかわらず、菅直人は高額買い取りを決めてしまった。

しかも、太陽光発電を始めとする再生可能エネルギー発電で発電した電力を全量買い取れと、電力会社に迫った。
その当時ですら、再生可能エネルギー発電の割合が増えれば、早晩破綻する制度である事は目に見えていたハズだ。
しかし、再生可能エネルギー発電は、そこまでしなければ普及が見込めない、筋の悪い発電手法だったという事は言えるのかも知れない。

さておき、この全量買い取りをすることで、電力会社は早晩クビが回らなくなることは早々に予見していたので、全力で反対すると共に、価格転嫁を認めろと迫っていた。
で、価格転嫁の方だけは認められて、広く薄く国民に負担を求めるといった話になった。当時は、一家庭50円程度だったはずだ。
しかし、発電量が増えれば当然ながらその費用負担は増える。
負担
こんな感じのグラフが紹介されているが、将来の展望が示されていないね。もちろん、環境省が予測を立てているので、それが参考になるだろう。
将来予測
こちらがそれで、3つのシナリオを示している。シナリオ通りであれば、ピークで今の三倍程度は負担が増える事になるだろう。
今、800円ならば2,400円程度までは、上がる可能性があると言うことだ。
「その程度で実現出来るなら負担したい」という人も当然いるとは思うが、しかし、全国民にそれを負担させて、太陽光発電を使う人だけが得をするという構図は、あまり宜しくない。


「じゃあ、みんなで使えば良いじゃ無い!」という発想になるのかも知れないが、それでは成り立たないのが現実である。
簡単な算数でそれは証明できる。何しろ、費用負担を求めて高額で買い取る設定、最近は単価が下がってきたが、それでも3倍以上は開きがあり、その設定のままでなければイニシャルコストがペイ出来ない、という前提で話を考えると……、価格差が3倍なら、一人の太陽光発電利用者がいたら、二人は太陽光発電を利用せず、費用を負担するだけの人がいないと成り立たないのだ。

イニシャルコストが段々下がっているから、成り立つのだ!と説明する人もいるが、現状では未だちょっと難しい。
話を単純化するために、家庭の太陽光発電に限定して考える。
10年程度で設備の償却ができ、一ヶ月1万円の電気代を支払っているとして、10年で120万円分の電気代を支払う。つまり、初期投資が120万円以下で無いとメリットが出ない。
現在、安いところで施工すると、補助金も使って120万円程度で設置可能になってきているので、一見、ペイするようにも思えるが、重要な事を忘れている。太陽光発電は、夜に発電しないのである。つまり、夜間はどうしても電気を買う必要が出てしまう。
「でもトータルで考えて、電気使用量より発電量が多ければ、良いんでしょう?」と考える人も多いと思うし、それはその通りなのだが……、みんなで使うともっと困った事が起きる。
基本的に電力は貯めておけないので、夜間は別の発電手段に頼る必要が出てきてしまう。最近は、蓄電池も出回っているが、これも総額200万円くらい導入にコストがかかることを考えると現実的では無い。どちらももっと価格が下がらないと厳しいだろう。

そして、もっと問題なのが、電線の設計がみんなが太陽光発電をする設計になっていない点だ。全課程に太陽光発電パネルが設置されているとして、太陽が出ると一斉にあっちこっちで発電が始まるのだが、その全部の量を電力会社に買って貰えるかというと、これが難しい。
電気の流れは水の流れと似ていて、電圧差があれば電流は流れるが、差が小さいと流れが緩やかになる。発電している量を全て売れない、なんて事は実際に起こっている。もちろん、配線を見直せばその辺りも解決は可能だが、その配線見直しの費用は誰が出すのだろう?


実はその辺りも問題になっている。

送配電ネットワークの利用料、発電事業者も2020年度から負担へ

2016年09月06日 11時00分 更新
 自由化で電気料金が安くなったが、小売電気事業者にとっては電力会社に支払う送配電ネットワークの利用料(託送料金)の負担が大きい(図1)。地域によってばらつきはあるものの、小売価格の4割強を託送料金が占めている。一方で電力を供給する発電事業者には託送料金は発生しない。
まあ、早い話が電力インフラコストを、電力小売業者が負担するのは割が合わなくなってきたので、発電事業者に負担させようという話。
再生可能エネルギーの電源を含めて発電設備が拡大すると、それに合わせて送配電ネットワークの容量を増強しなくてはならない場合がある。増強にかかる工事費は原則として電力会社が負担することになっているため、託送料金の原価が増える。発電設備に関連したコストであるにもかかわらず、小売電気事業者が託送料金として負担する。
そりゃまあ、当たり前の話で、発電事業者の都合で送電インフラの増強の必要が出たら、発電事業者にコストを負担させるという話になるだけなのだから。

個人で太陽光発電設置をして、発電事業をやっている人の中には「国がやる詐欺だ」と憤っている人がいるが、民主党政権が詐欺同然のシステムを設計したのだから是正は仕方が無いのである。それを予測できずに投資した、投資家の責任だな。



しかし、こうしたコストも実は価格転嫁されて国民負担になる。
実は制度が始まった5年前は、負担額は毎月50円程度で済んでいました。しかし、再エネ発電が増えるにつれ、当然のことですが、買い取り額も増えます。その結果、私たちの負担額は5年間で10倍以上、今年度はおよそ700円まで膨らむことになったのです。
よって、冒頭の話は甘く、もっと費用負担は増える可能性が高いのである。
今年度の買い取り価格は21円。当初のほぼ半額まで引き下げました。「太陽光パネルの生産コストは年々下がっているので、この水準まで買い取り価格を下げてももうかるはずだ」と国は説明しています。
しかし太陽光発電の事業者に話を聞いたところ「その価格ではやっていけない」と口々にいいます。発電所の工事にかかる人件費などは依然として高いし、発電に適した広い平地はすでに使われていて、開発できるのは、地面を平らにする工事が必要な条件のよくない斜面などが多いというのです。
太陽光発電の事業者の寝言は放置して構わないが、利用者に負担させる姿勢が正しいとは思えない。
日本よりも先に同じような制度を導入したドイツでは、発電全体に占める再エネの比率が日本の倍のおよそ30%に達しています。その分、電気料金も日本のおよそ2倍に上昇していますが、国民はそれを受け入れているといいます。
NHKはドイツの事例を引用してきているが、この話も事実誤認がある。いや、正確に言えば、「報道していないだけ」なのかもしれないが。
ドイツは、日本と異なりEU圏内に隣接する国が多数あり、電力の売り買いを、国境を越えて行える地盤がある。日本はそれが無いので、更にコスト増は避けられない。
そして、今のところは受け入れているドイツ国民も、EUというイカサマの枠があってこその話。電力価格が少々高くなっても景気が良いうちは文句は出ない。問題は、景気が悪化しはじめた時にどうなるか、だ。



海外の事例を持ち出して説明することは、悪いことでは無い。
が、その背景にある影響まで考慮して考えないと、話が成立しないことは多いのである。資源の無い日本にとっては、こうした事柄はもっと真剣に議論されるべきなのだ。

再生可能エネルギー発電、それって本当に環境に優しいの?
既にその前提すら崩れ始めている昨今では、そうした話も踏まえて検討し治すべきだと思う。



ランキングへの応援クリックよろしく!
にほんブログ村 ニュースブログ 時事ニュースへ

8 件のコメント :

  1. 再生可能エネルギーと言いつつ樹木を切り倒して再生不可能の土地を量産しているだけですね。火力が主であっても樹木を植林して二酸化炭素の吸収力を上げる方が再生可能なような気もしますね。
    私としては「核融合発電」実用化までは水力、火力、核分裂原子炉で乗り切りその間は植林事業にでも推進しておく方がいいと思いますね。
    宇宙産業がいよいよ民間事業となってきておりますので、宇宙空間でのエネルギーとしても核融合発電が必要になってきますよ。
    いくらロケット打ち上げの成功率が高くても「核分裂燃料」をロケットで運ぶのは危険ですからね。
    核融合炉なら燃料は水素(重水素も含む)やヘリュウムですから打ち上げ失敗の場合も二次被害は出ないですし、一見有効に見える宇宙での太陽光発電も小惑星軌道を超えるあたりからは役に立たないですからね、現在は原子力電池を探査機に仕込んでますが、人類の生活空間に利用するエネルギーはやはり「核融合発電」しかないかと考えていますから。
    現在の無理やりな太陽光発電に費用を使うより核融合研究予算と宇宙開発予算に費用は振り向けてほしいです。(笑)

    返信削除
    返信
    1. 核融合は夢があって良いのですが、ロードマップ的はまだまだ先の様子。
      2040年に実証炉、2050年に商用炉の完成というロードマップのようで、これを前倒しするのはかなり困難なのだとか。

      当然資金は必要になるのでしょうが、資金を投入したからと言って早くなる類の話でも無さそうです。

      もちろん、研究費を投入するのには賛成ですが。

      削除
    2. 核融合ですか!夢があります。決して手が届かないほど遠くでもないのが良いです。
      宇宙開発も捗るでしょうし。

      しかし、オイラとしては是非軌道エレベーターを推したいですね。軌道上で発電した電力を地上に有線で送電する。軌道エレベーターは核融合よりも技術的に手が届く距離にあるように思えます。先日どこかの記事に有りましたが、衛星を使って発電してレーザーやマイクロ波で送電する実験をやってました。これも良いですが、軌道エレベーターを夢想してしまいますね!

      削除
  2. あるけむ(R.K.M)@fwbc1965_32017年6月30日 14:30

    >これが「再生可能エネルギー発電促進法」の正体なのである。
    これを推進したのは「自然エネルギー協議会」なる団体。
    そのWebページを見ると以下の記述がある
    >事務局長 孫 正義 ソフトバンクグループ代表

    そして、以下の部分
    >ドイツは、日本と異なりEU圏内に隣接する国が多数あり、電力の売り買い
    >を、国境を越えて行える地盤がある。日本はそれが無いので、更にコスト
    >増は避けられない。
    の対案として出てきたのが、先日このブログで記事になった「アジアスーパーグリッド構想」
    この発想を出したのは、孫正義氏なんですよね。
    参照)HUFFPOST「孫正義氏のアジアスーパーグリッド構想=「再生可能エネルギーをモンゴルから送電」という野望【争点:エネルギー】」

    なにか、裏があると考えるべきでしょうね。

    「再生可能エネルギー発電=太陽光発電」という誤解があるようだが、「再生可能エネルギー発電」全てが悪いとは考えていません。
    ただ、太陽光発電・風力発電に頼るのは疑問があります。

    yuusaku様の
    >再生可能エネルギーと言いつつ樹木を切り倒して再生不可能の土地を量産
    >しているだけですね。火力が主であっても樹木を植林して二酸化炭素の吸
    >収力を上げる方が再生可能なような気もしますね。
    とのご意見に100%同意します。
    樹木を植林し、間伐材やおがくずを燃料化し発電するほうが、再生可能エネルギー発電としては適切だと考えます。

    返信削除
    返信
    1. 再生可能エネルギー発電と太陽光を混同しているわけではありませんが、この記事だけ読むと、切り分けていないように見えますね、ご指摘通り。

      今後は気をつけたいと思います。

      そして、再生可能エネルギー発電も使いようによってはかなり使える手段なのだ、と、僕自身も考えていますよ。
      商用発電の手段として増やすのは疑問ですが。

      削除
  3. う~ん・・・
    自分の勤め先がこの「太陽光発電」で一儲けしていただけに耳が痛いです。
    しかもメガソーラーの施工とそれに伴う電力会社の配電線の増強の工事で二度美味しい目を・・・
    さて個人的には太陽光発電の1つのヤマは本格的なメンテナンスが必要になる「パワーコンデショナーの寿命がいつになるか?」だと思います。
    その時に追加で更なる費用を負担するだけの旨味が太陽光発電に有るのか?はわかりませんが無惨に「夢の跡」を晒している可能性が高いのではないかと。

    返信削除
    返信
    1. ほうほう、しかしそこはそれ。
      僕自身も家庭用の太陽光発電システムを採用していまして、積極的に売電している立場であります。偉そうなことはやっぱり言えないのですな。

      でも、だからこそ実感として分かる部分もあるわけで。
      パワコンは7年目にしてお亡くなりになり、交換となりましたが……、あれ、保たないですねぇ。
      追加費用を負担して更新するか?というのも、たしかに心理的な壁であります。

      削除
  4. >再生可能エネルギー発電、それって本当に環境に優しいの?
    太陽光発電は、パネル設置の為に里山の南斜面を伐採したり、野鳥のサンクチュアリになってる遊休地を潰したりしましたし、風力発電はタワーを山中に設置するために工事・管理用道路を造って、野生動物の生息域や移動経路をズタズタにして追い払いましたし。

    返信削除

お気軽にコメントを!ハンドルネームは面倒でもお願いします。