放射性廃棄物の処分はどうすれば良いのか?(【原発】前編)

先日の記事に対して大変ありがたいコメントを頂いたので、もう少しこの問題を掘り下げたいと思う。その前にちょっと古い記事を紹介。

世界で最も危ない放射性廃棄物を抱える日本、最終処分場は未定

週刊女性11月3日号
2015/10/22
「脱原発派、推進派などの立場にかかわらず核のゴミの“最終処分場”が見つからない限り、原発に依存できない社会は必ず訪れる」
 そう話すのは核のゴミの専門家で、アメリカの放射性廃棄物最終処分プロジェクトにも参画した多摩大学大学院の田坂広志教授。
2015年の週刊誌の記事である。


この記事は、反原発的な立場から書かれた内容だと思うが、実のところ結論の部分は結構寄り添えるというか、同じ方向を向いているのでは?と思ったものだ。

今回頂いたkujiraさんのコメントも似たような方向性を感じた。

先ずは、どのようなコメントを頂いたのか、である。
kujira2017年6月9日 11:16
呼ばれた気がしたので、QAを作ってみました。
Q 現在ある核廃棄物の処分する方法は未だに決まっていない。
 反対派が反対するせいだ!お前らも意見を出せ!
A そもそも安全な処分方法が、現代科学では存在しない。
Q そんなことはない!世界中で処理施設がつくられている!
A 科学先進国はどこも原発から手を引きつつある。
 万年単位の安全管理が必要な現状の処理施設など、科学的ではなく、政治的なものでしかない。
Q 廃炉しようが、稼働しようが最終処分場は必要だ!
A 名前の問題もありますが、そもそも最終処分する方法がありません。
 福島の原子炉の底に横たわる3つのアレを取り囲む建造物を最終処分場と呼ぶのかどうかです。
 ちなみに現在、アレがどこにあるかも分からず、見る事さえ出来ません。
Q ちょうどいいから福島を最終処分場にしようぜ!
A 倫理面を除いても、反対です。
 地下深くでさえ安全性が疑われているものを、地表で保管するのは無謀です。
Q 現実に核廃棄物は既に大量にある。これをどうする?
A 原発の稼働は、現在の一時保管施設の限度内にとどめる事。
 その間に、50年程度管理できる使用済み燃料棒保管専門の施設をつくる。
 そうして、科学進歩のための時間稼ぎをするしかない。
Q なら現状の一時保管施設増設して、原発再稼働もした方が合理的じゃね?
A 核廃棄物の総量を増やすのは、原発以外の電力開発の阻害要因になります。
 ディーゼル規制をしなければ、エコカーが発展しないのと似た関係にあります。
Q 電力確保のためには、原発再稼働は仕方がないのでは?
A 電力の経済性を重視し、核廃棄物を貯め込むのは、環境破壊経済です。
 強力で魅力的な経済政策ですが、ノリノリで推進する気にはなりません。
改めてここでお礼を申し上げます。ありがとうございました。

さて、分かり易くQ&A方式で答えてくださったけれども、僕は敢えて問題点を整理するために以下のように分類させてもらった。
  1. 放射性廃棄物の安全な処理方法は、現在科学では確立されていない
  2. 地表での保管は無謀
  3. 現状保有する放射性廃棄物は各原発で継続して保管する
  4. 再稼働すると放射性廃棄物が増える
  5. 原発に経済性はあるが、それは環境破壊に繋がるから反対
こんな形で整理することが出来るのでは無いかと思う。

さて、これらについて少し考えていきたい。基本的な部分にも触れていこう。なお、5番の話はちょっと結論が出しにくい話なので、後編に譲りたいと思う。

放射性廃棄物の処分方法について
現在、放射性廃棄物の処分がどのように考えられているか、と言う点について、電気事業連合会が見解を出している。
日本の放射性廃棄物処分の方針
サイトを見て頂ければ分かる事だが、概略は以下の通りだ。
  • 放射性廃棄物は、2つに分けられる
    • 低レベル放射性廃棄物
    • 高レベル放射性廃棄物
  • 低レベル放射性廃棄物の処分方法
    • 固化して地下深く埋める
  • 高レベル放射性廃物の処分方法
    • 固化して冷却のために保管
    • 50年ほど経過した後に地下深く埋める
これが日本政府の方針でもある。
ただ、この処分場について、中間処分場も最終処分場も決定できていないとい言う話。
つまり、なにも決まっていないも同然だ。

諸外国での放射性廃棄物処分方法
じゃあ、外国はどうしてるの?という話。
これも当然調べられていて、原子力環境整備促進・資金管理センターというところが資料を作って公開している。
これも簡単にまとめてみる。
<スウェーデン>
  • 低中レベル放射性廃棄物 → 処分場に集める(計画中、一部実行)
  • 極低レベル放射性廃棄物 → 地表に埋めている
<フィンランド>
  • 低中レベル放射性廃棄物 → 処分場に集める(計画中)
  • 産業系低レベル放射性廃棄物 → 処分場で貯蔵
<フランス>
  • 低中レベル放射性廃棄物 → 処分場に集める(一部計画中)
  • 極低レベル放射性廃棄物 → 処分場で処分
<ドイツ>
  • 非発熱性放射性廃棄物 → 処分場に集める
<スイス>
  • 低中レベル放射性廃棄物 → サイト選定中
<イギリス>
  • 低中レベル放射性廃棄物 → 地中処分(一部計画中)
<カナダ>
  • 低中レベル放射性廃棄物 → 地層処分の予定
<アメリカ>
  • 低レベル放射性廃棄物 → 処分場にて処分
細かい部分は端折ってあるが、概ね地層処分である。処分場での処分は、概ね焼却して減容し、やはり埋める方向だ。
ただ、諸外国は地質学的に安定性の高い場所の地下に保管という考えが支配的である。これが日本でそのまま採用できるかというと、ちょっと難しい。

そして、リストアップしたものを見て頂いて気がついていただけると思うのだけれど、どの国も高レベル放射性廃棄物に関しての処理には言及されていない。各国とも決め兼ねているのが実情なのである。
もちろん、方針を打ち出している国もあるが、概ね地層処分という方向性になっている。

埋める以外の処分方法は無いのか?
そもそも放射性物質から放射線が出ないようにする、というのは、自然状態では長い時間がかかり、隔離するより方法が無い。このため、多くの国で直接埋めるか、減容処理と呼ばれる焼却処分にすることで体積を少なくして、やっぱり埋めている。
もちろんこの話は低レベル放射性廃棄物に限った話。高レベル放射性廃棄物に関して言えば、保管以外の対応をしているところは無い様だ。

放射性廃棄物をそもそも何とかしてしまおうという考えは存在する。核種変換技術というのだが、残念ながら開発中の技術で実験室レベルのお話。
そりゃ、原理的に中性子や陽子なんかを放射性廃棄物にぶち当てて、ムリムリ核種を変えようという話なので、そう簡単にはいかない。

目があるとすれば、核融合の方向なのだが……。まあ、こちらも先の長い話。

というわけで、埋めるか地下で保管するか、或いは地表で保管するか、のいずれかしか無い。
が、野ざらしでの保管はあり得ないので、最低限建屋を作って内部に保管する方法を、多くの国が採用している。コンクリートキャスクという方法で屋外に配置しているところもあるにはあるが……。

いずれにせよ、程度の差こそあれ問題の先送り、が、この問題の解決方法なのである。情けないことではあるが。

現在の日本はどうしているのか?
プール貯蔵
日本では各原発に燃料プールと呼ばれる温度管理された建屋が存在する。
伊方原発
こんな感じの屋内のプールで、多量の水の中に核燃料と、使用済み核燃料の両方が貯蔵されている。

水の中に保管されている理由は2つ。温度管理するにあたって乾式よりも冷却性に優れることと、水自体が減速材としての働きをしてくれるからである。核燃料や使用済み核燃料から放出される放射線(中性子)は、水中で減速され拡散を防ぐことができる。
まあ、あくまで減速するだけなのだが、そもそも核反応が放射性物質の中から中性子が飛び出し、その中性子が別の放射性物質にぶつかって連続的に反応を続けるという性質を持っているので、中性子を減速させられる水中で管理するのは都合が良いのだ。

ただ、容量に限界があるので、再稼働すればこうした方法は早晩使えなくなり、使い終わった核燃料は外に運び出さねばならない。

また、再稼働が無くとも継続的な温度管理が必要であるため、プールの破損で水が無くなったり、電力供給がストップして水温が上がってしまったりというトラブルは可能性がある。あの福島第1原発も、実は4号機は停止中であったが電源供給が断たれた為にトラブルを生じてしまっている。
つまり、原発は停止していてもプール貯蔵ではリスクはあるのだ。

……厳密に言えば、放射線量が少なくなった使用済み核燃料は、それだけリスクも下がる。だから、プール貯蔵であっても段階的にはリスクが下がってくるのは事実なんだけど。
乾式キャスク貯蔵の可能性
プール貯蔵の他に日本では正式には採用されていないが、乾式キャスク、ドライキャスクという保存方法がある。
02
こんな感じの容器に入れて、保存するスタイルである。
で、「日本では採用されていない」と書いたが、実は、試験的にはやられている。

ドライキャスク
こちらの写真は米コネチカットの原発で設置されたコンクリートキャスク。
東海第2
こちらが日本の茨城県東海第2発電所の中間貯蔵施設である。なお、福島第1原発も実は金属キャスク方式を採用していたが、アレはどうなったんだろうね。
福島第2
雑然としているが、取り敢えずは問題無く保管されている模様。事故前に保管が開始され、これは事故後の2011年9月9日撮影のものであるようだ。つまり、事故後の様子である。

プール貯蔵との違いは、水を使わないので自然状態でも廃熱を継続的に行えるような設計になっている必要がある点だ。ただ、その廃熱さえ確保できれば、安定的に保管ができる。

それでも日本ではドライキャスクの方はまだまだ模索中という感じになっているが、福島第1原発で事故があった後も問題無く保管が続けられている状況が確認できたことは僥倖だろう。

維持管理するならば、集めた方が合理的
今のところは各原発の燃料プール内にプール貯蔵されている放射性廃棄物だが、ずーっとそのままというわけには行かない。何故ならば、燃料プールは原子炉を稼働すればその電源は賄えるが、そうで無ければ電力だけ喰う一方という負の財産になってしまうからだ。

ならば、まだドライキャスクの方が管理という点ではやりやすい。空調管理だけ、それも温度を下げるコントロールだけで済むので、話が単純なのだ。

ただ、全国各地に原発が散らばっている現状を考えると、それぞれの土地で維持管理というのは実のところ現実的では無い。理由は2点ほど思いつく。
  • 原発を受け入れた自治体は、その土地が最終処分場になる事に同意していない
  • 警備コストを考えれば、集積したほうがメリットが大きい

原発を受け入れた自治体は、原子力給付金などといった原発を誘致したことによる金銭的な見返りや、行政的な優遇措置を得ている。しかし、それは原発が稼働していることを条件としている。また、原発そのものが労働を生み出している。よって、原発が稼働していない事自体が問題となる。
これをなし崩し的に「中間貯蔵施設」にしますよ、という話をして飲めるかというと、ちょっと無理だろう。契約違反になるしね。

そうであれば、中間貯蔵施設という位置づけの場所を複数作って、一括管理という方が警備をやる上でもリスクが軽減出来る。この辺りはkujiraさんの意見も似たような感じになっていると思われる。

どれくらいの容量が必要か?
では、現在日本に存在する中間貯蔵施設は?

実は青森にある1つだけある。ここで放射性廃棄物を約3,000tが保管でき、将来的には5,000tが貯蔵できるようにする話になっている。ただし、これは再処理工場とセットになっていた話なので、中間貯蔵施設として誘致していない以上は、再交渉は必要だろう。

ともあれ、総務省のデータでは2013年3月末時点で、日本国内に17,000tの使用済み核燃料が存在している。各原発には20,000tが保管でき、再処理工場の貯蔵容量は3,000tなので、7割は埋まっている計算になるのだとか(よって、数年でこれが満杯になって稼働ができなくなると言われている)。
なお、原発がフル稼働すると年間900t程度の放射性廃棄物が出る計算ということなので、各原発の燃料プールを中間貯蔵に使うにせよ、直ぐに限界が来るのは理解出来よう。

単純計算すると、17,000tのうち5,000tまでしか目処が付いていないので、再稼働なしでも少なくともあと3箇所は同一規模の中間貯蔵施設が必要になる。

これらの貯蔵施設の建設について、既に合意形成がなされている青森や、当面は人が住める土地にできない福島の原発近くであれば、他の地域に比べって作り易いだろうというのが、僕の意見なのだ。
なお、現実的に福島には既に別の目的で作られた中間貯蔵施設がある。そちらは、屋外に飛散した放射性物質を含んだ土砂を袋詰めしたものを保管する施設だ。

ただ、いずれにしても最終処分場にするというわけにはいかないだろう。

最終処分場は必要になる
ここまでで中間貯蔵施設の必要性には言及したが、これはあくまでも形が決まっている、使用済み核燃料や、減容処理された低レベルの放射性廃棄物のお話。

しかし、廃炉処分した場合に出る、建屋や原子炉そのものの処分は、これ、かなり困難な話になる。なにしろ、物が大きいだけに簡単に処理ができないのだ。金属製の原子炉そのものは、分割して溶かすなどの手法も考えられるが、コンクリート構造物などは、破砕しても埋め立てるくらいしか処理方法がない。

もちろん、現状、原子炉が建っている地域にそのままの形で残すというのは選択肢としては明らかに不味い。何故か?

チェルノブイリ原発は、あんな事になった後に、石棺と呼ばれるコンクリートの覆いを作った。しかし、経年劣化で崩れ始めているので、更にこれを覆い隠すような大きな建物を立てる計画が存在するのだが……、それも、何百年も保つ話ではない。じゃあ、その次の時にはさらに大きな建物を、という馬鹿馬鹿しい展開になる。マトリョーシカかっ!

そんなのは現実的ではないので、可能な限り解体すべきだ。……ただし、メルトダウンしてしまった福島第1原発は、案外廃炉手続きは放棄されて石棺方式が採用される可能性はあるが。

そうなると、こうした大きな構造物を解体して出てきた瓦礫は、最終処分場を作って埋めざるを得ない。

再稼働すると放射性物質が増える
次に、放射性廃棄物の増加量などの話。

「再稼働すると放射性物質が増える」というタイトルはちょっと語弊があるのだが、放射性物質というカテゴリーであれば、核燃料だろうが使用済み核燃料だろうが、同じ放射性物質という括りになる。つまり、燃料として放射性物質を輸入しない限りは、再稼働しても放射性物質が増えると言う事にはならない。

屁理屈になってしまうけれども……。

ウランの輸入量
ちなみに日本の核燃料輸入量は、2010年には予測で天然ウランが約11,000stU3O8となんだそうで。換算するとおおよそ10,000tってところかな。
1stは907.18474kgに等しいらしい。

なお、現在の輸入量はどうなっているのか調べられなかったが、2013年に8,900tという数字を見つけた。ソースとして怪しかったので参考にするレベルの話で良いと思う。

ところでこの数字、国内の全原発が使っている燃料900tのと整合しない。そりゃそうだ。原料としての天然ウランを輸入しても、原発で燃やすためには燃料棒として成形しなければ使えないのである。
ウラン濃縮を行うことで、天然ウランに含まれる核分裂を起こさないウラン238と核分裂を起こすウラン235の比率を変える必要がある。天然の状態だと99.3%:0.7%という比率なので、これをウラン235含有率3%~5%の原子炉で使える比率にする。
この作業をやっているのは日本原燃だ。

単純な計算だが、ウラン235含有量を3%で燃料に出来ると仮定して、2,333tの燃料ウランが出来上がる。5%ならば1,400t。ただし、現実にはロスが出る。
だがそれにしても使用量との整合が怪しい。つまり数字的には日本国内にそれなりのウラン燃料の備蓄がある事を示しているのだと思われる。

経産省核燃料事業「行政レビュー」 ウラン備蓄「改善を」

2016年6月21日 朝刊
 国の税金の無駄遣いを洗い出す「行政事業レビュー」が二十日、経済産業省で開かれた。国による原発用の核燃料の備蓄など三つの事業について、外部の有識者は「事業計画が不十分だ」などと指摘し、事業の廃止を含む抜本的な改善を求めた。
 日本は原発の核燃料に使うウランをすべて輸入に頼っている。経産省は輸入が途絶えた場合に備えて三十トンの濃縮ウランを蓄えており、本年度予算で九千五百万円を計上した。将来は六十トンに増やすという。しかし三十トンや六十トンという量が必要だとする根拠はなく、有識者は「三十トン、六十トンという備蓄が妥当か不断の検討をするべきだ」と、抜本的な改善を求めた。
実際にこの様な記事にもなっている。
記事からは備蓄の総量ははっきりわからなかったが、他のソースをあたるとどうやら分散して1,000t程度は保管されているようである。


既にある核燃料は、再稼働を止めればゴミに
あまりフェアな議論とは言い難いが、既に国内にある未使用の濃縮ウランは、再稼働を諦めると、放射性廃棄物に早変わりだ。備蓄されている量はフル稼働して1年分程度で、今の現状だと2~3年分は賄える量が備蓄されているはず。これが全てゴミになる。

もし再稼働をして、これを燃やすだけであれば「ゴミが増える」という事態にはならない。理屈上は、だが。

とはいえ、再稼働を是認すれば、継続的に原発を動かすために再びウランの輸入は行われるだろう(今、停止しているかどうかはよく分かっていないが)。輸入先のオーストラリアなどとは10年契約とか結んでいるという話だから。

では、再稼働しなかったら?購入契約を破棄する必要があるだろう。ある程度のペナルティー覚悟ではあるが、仕方があるまい。

仮に、今後原発が新たに作られず、再稼働がなされたとして、年間900tの放射性廃棄物が生産される。原発の寿命は40年程度に設定されているので、後30年動かせるとして、単純に27,000t程度の放射性廃棄物が生産される計算になる。なお、寿命延長される原子炉があったとしても、廃炉になっていく原子炉の数との相殺で、この数字を上回ることは無かろう。
5,000tクラスの中間処理施設が6つほど必要になる計算だな。膨大な量だ。

廃炉するとどの程度のゴミが出るのか
では、廃炉するとどうなるのか?福島第1原発の廃炉に関わる資料がこちらにある。

http://www.aesj.net/document/04yanagihara.pdf

これによれば、1号機から6号機まで全て廃炉にした場合に、887,810tの放射性廃棄物がでると試算されている。放射性廃棄物の比ではない膨大な量だ。

ただし、福島第1原発は少々事情が特殊で、損壊してしまった1号機~4号機までは放射性廃棄物が200,000t前後出る、が、損壊しなかった5号機は7,650t、6号機は20,000tと一桁以上小さい(5号機と6号機では設備規模が大幅に違う)。

よって、大雑把に1つの炉で20,000t程度でるとして、国内に50基以上あるわけだから……。計算するのが面倒なのでこれ以上は止めておく。
まあ、早い話が使用済み核燃料が放射性廃棄物になるのは、誤差レベルのお話になっちゃうのである。残念ながら。

乱暴な議論にはなるが、原発が再稼働しようがしまいが、放射性廃棄物の増減を気にするレベルの話ではないと言えよう。

こんな状況になることを予測しないで、或いは予測した上でも黙って原発を作り続けた日本政府には物申したいところではあるが、それはそれとして、何を言ったと事で、日本国内にある原発が消えて無くなるという話でも無い。

結局のところ、放射性廃棄物処理の方法を確立することは、再稼働とはほぼ無関係と言って良いと思う。そして、再稼働したとしても全体から見て、放射性廃棄物の量が極端に増えるという話でも無い。

もちろん、この辺りは安全管理とリスクとのバランスで考えねばならない。
ただ、再稼働の是非は放射性廃棄物の量が増える、増えないで考えるべき話では無いと思う。

炉で出てくる放射性廃棄物の種類
いやいや、廃炉するにしたって、全てが放射性廃棄物じゃないでしょう?低レベルのものはそのまま埋め立ててはだめなの?という話はでるだろうが、これは法律上してはいけないことになっている。

放射性廃棄物のカテゴリーに入ると、低レベル放射性廃棄物でも簡単に処理出来ないのだ。

確かに、例えば原子炉建屋に関しても、内部の原子炉そのものは長期間被爆環境にさらされた結果、放射化と呼ばれる変化をきたして放射性廃棄物になってしまう。
一方で、原子炉建屋そのものは外壁など、放射性物質が通常であれば付着しない部分もあるので、そうした部分から生じる瓦礫は、一般と同じか、限りなくそれに近いレベルの放射線しか出さない放射性廃棄物となるだろう。
これを一括りにして「放射性廃棄物」とする事の議論は、やる必要があると思うが、実際にある程度はこの分類はやられている。それは、廃炉の数字、つまり福島第1原発1号機から4号機までと、5号機6号機を比較しても明らかだろう。放射性廃棄物の量が一桁違うというのは、そうした分類が少なからずなされているからに他ならない。


ただ、廃炉に関して言えば、他にも問題があり、原子炉設計当時の設計図が残っていなかったり、原子炉が解体を前提とした作りになっていなかったりと、割と酷い話も多い。よって、計画通りに話が進むわけも無く、解体できずにそのまま埋めるしか無い!とかいう乱暴な話も出てくる可能性がある。となると、計画よりも放射性廃棄物の量が増える可能性はある。
じゃあ、廃炉手続きせずにそのまま放置は論外なので、どうあっても廃炉によって解体までは必要なのだ。その上で原発の敷地を立ち入り禁止区域にするにしても、その場所は少ない方が良い。

ともあれ、廃炉を前提にすると、最低限埋め立て処分が出来る地域を作るか……、或いはまとめて安置する場所を何処かに探すしか道が無い。その「何処か」が問題なんだけどね。
ただ、「何処か」は問題ではあるけれど、「廃炉はしない」「放射性廃棄物の処分はしない」という選択肢は無い。
それこそ、廃炉手続すらせずに原子炉を放置では、倫理面で非常に問題がある。特に、原発受け入れを決めた自治体は、黙ってはいないだろう。

まとめ
色々と話は前後したけれど、結局のところ、放射性廃棄物の処理方法は考えねばならず、最終処分場の設置は、最終処分方法が決まっていない以上、困難にせよ、中間保管施設の設置は急務である。何しろ、原子炉は日本に既に存在するのだから。
廃炉手続を進めれば、そこで生じた放射性廃棄物の処理も考えねばならない。

そこは再稼働の是非に関わらず避けられないのである。
加えて、再稼働したところで放射性廃棄物が増える量は総領と比較すればたいしたレベルでは無い。よって、放射性廃棄物の処理がムリだから、とか、トイレの無いマンション理論で再稼働反対というのは、本末転倒な話。それは思考放棄と言っても過言ではない。
せめて、中間保管施設の決定までは、知恵を絞らねばならないのである。

後編の予告
さて、後編は「環境破壊経済」と「原発が他の発電手段の開発の阻害要因になり得るか?」といった話を中心に行きたい。この辺りが、原発の再稼働や、継続的な使用の判断に繋がっていく話になるはずだ。

ただ、この議論は発散しすぎてなかなか難しい話となってしまう。的が絞りきれないのである。例えば、「環境破壊」とは、何がどうなったときに「環境」を「破壊」するのか?など、定義がされないまま議論すると、話だけが空転してしまう。
実際に、僕の力ではまとめられなかったので記事を二つに分けることにしたのである。そんな訳で後編までには、少し時間がかかるかも知れないがご容赦を。




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コメント

  1.  取り上げてくださり、ありがとうございました。
    後篇、楽しみしています。

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    返信
    1. いえいえ、こちらこそコメントありがとうございました。
      なかなか後編の方はどうまとめたものかと、難儀しているのですが、頑張りたいと思います。

      削除

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