ぱちんこ出玉規制強化は本当に必要か?

なるほど、規制強化そのものは良いことだとは思う。

パチンコ出玉規制強化へ=客のもうけ5万円以下に-ギャンブル依存症対策・警察庁

(2017/07/10-17:11)
 警察庁は、パチンコの標準的な遊技時間(4時間)に客が得られるもうけの上限について、現行の十数万円から5万円を下回るよう出玉規制を強化する方針を固めた。スロットなどについても同水準に規制を強化する。
でも、コレって本当にこの方向で良いの?



先に書いておくが、僕はパチンコに関しては非常に否定的な意見を持っている。あれが日本文化だと言われるのは我慢ならないし、文化だとしても滅んでしまってイイと思っている。
車内に子供を置き去りにしてパチンコをするようなアホを量産したり、生活保護のお金を突っ込むような話を野放しにしたりというのは、パチンコの存在と直接的には関係無いのかも知れないけれど、そもそもこれ、ギャンブルなのだ。「グレーゾーン」などといっているが、完全にクロである。
それを、野放しにしていること自体が警察の怠慢であり許される話では無い。

とまあ、そんな前提を書くと、ここで話は終了してしまうのだが、それだとニュースを確認したことにならないので、もうちょっと中身を見ていこう。
もうけの上限を引き下げることで、負けた分を一度に取り戻そうとのめり込むリスクを減らすのが狙い。11日に風営法施行規則などの一部改正案を公表し、一般から意見を募る。
ほうほう、風営法の規則改正案が本日出るのだとな。
早速、辛辣な意見を上げておこう。皆さんも、是非とも。

さて、それはそれとして、このニュースには大きな問題があるようだ。
警察庁が認めたのは、「改正の概要」に書かれている事を参考にするならば、「出玉規制の強化」である。
具体的には、
ぱちんこ遊技機について、施行規則第8条に規定する著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機の基準として、標準的な遊技時間(4時間)における遊技機の遊技球獲得性能に係る基準を新設し、4時間にわたり遊技球を連続して発射させた場合において獲得できる遊技球の数が発射させた遊技球の数の1.5倍を超えることがある性能を有する遊技機であること等を規定するとともに、遊技機規則別表第4に規定する遊技球の獲得に係る遊技機の性能の関する規格として、遊技球の試射試験を4時間行った場合において、獲得する遊技球の総数が発射させた遊技球数の総数の1.5倍に満たないものであること等を追加する。
~~略~~
現行の3分の2程度の水準とする。
なんだそうな。
更に、大当たり出玉規制についても強化されている。
いわゆる大当たりとは、役物連続動作装置の作動により、通常の遊技時に比べて大量の遊技球等の獲得が可能となる状態を言うものであるが、ぱちんこ遊技機について、役物連続作動装置の性能に係る基準を見直し、当該装置の作動により獲得できる遊技球数の上限を現行の2,400個から1,500個へと引き下げる。
つまり、「現行の十数万円から5万円を下回るよう出玉規制を強化する方針を固めた」というのは嘘だということになる。2/3ならば、「十数万円から5万円を下回る」という形になりようが無いのだ。
現実的には、他の規則と合わせて、大当たりの確立などと絡んでこの様な金額設定になるのだろうが……。
 改正案では、遊技時間4時間でパチンコ玉の獲得総数が発射総数の1.5倍に満たないものとする新基準を設けた。現行の3分の2程度に規制を強化し、大当たりの出玉の上限も現行の2400個(9600円相当)から1500個(6000円相当)に引き下げる。
机上の空論で、抜け道はある。結局、大当たりが出にくくなる、それだけの話になりそうだ。

そして、ニュースには触れられていないが、実は1時間の場合のケースも変更がある。
1時間にわたり遊技球を連続して発射させた場合において獲得することができる遊技球の数の2.2倍を超える事があるか、又はその三分の一を下回ることがある性能を有する遊技機であること、その他短時間に著しく多くの遊技球を獲得することが出来る性能を有する遊技機であること。
1時間の場合は、3倍から2.2倍なっただけである。
「1/3以上」という項目に関しては未だマシな規定かも知れない。何しろコレまでは下限設定がなかったのだから。が、そもそも遊技の連続性とは、一体どうやってカウントしているのだろうか?
調べていくと、連続して遊戯しているかどうかは機械側のカウントで決定されるので、この法規制をすり抜ける設定は幾らでも考え得る。

つまり、形だけの規制では意味が無いのである。



そもそも、この問題はもおかしいのである。

パチンコ出玉制限、効果に疑問の声 依存症の支援団体

7/10(月) 19:26配信
 警察庁がパチンコとパチスロの出玉規制を強化する方針を決めた。ただ、依存症の問題に携わる人たちは改正案の効果を疑問視している。
 パチンコ店は全国に約1万1千あり、レジャー白書によると、市場規模は2015年で23兆2千億円、遊技人口は1070万人に上る。競馬、競輪などの公営ギャンブルの売り上げは計4兆7千億円だ。
 依存症の人や家族を支援するNPO法人「ギャンブル依存ファミリーセンター ホープヒル」(横浜市)の町田政明理事長は「依存症は病気であり、出玉を下げることでなくなるわけではなく、根本的な解決につながらない」と指摘し、「自助グループや施設で回復に努められる仕組み作りが大事だ」と話す。


朝日新聞も当然ながら切れ味が悪い。
メディアも相当ぱちんこに毒されているからね。
 
本来であれば、「換金できることが問題だ」という切り口にならなければならないはずなのに、そんなことには一言も触れられていない。窓口で換金できるアイテムに交換すること自体を規制するか、ぱちんこ屋の近くにひっそりと建っている自称古物商の換金場所で設定される特殊な条件について規制した上で、換金できなくすべきなのである。
ゲームシステムの規制をしたところで、ギャンブルには違いないのだから。



なお、こんな改正もあるようだ。
 パチンコ店の店長など管理者については、依存問題に関する従業員への指導・教育や客への情報提供などを、施行規則で定める業務に追加するなど規則の一部改正も行う。
何かというと、「客に対する情報その他必要な措置を講ずること」という条文が追加されただけで、実質的な努力義務に過ぎない。

この改正の目的は、客に対してこの台がどの程度当たりを出しているか?という情報を提供することを前提としているようだが、どのような情報開示が必要かについては言及されていない。

多分、警察から指導が入った時に、「どんな対策を講じているのか」ということが聞かれる程度の話なのだろう。「どの程度出ていないか」とか「どの程度でたか」などの情報は、個別に出させという規定もなさそうなので、何か表示してあれば足りると言う事になりかねない。
実質ザルである。



既に結論を書いてしまっているので、今さらなのだが、こんな意味の分からない出玉規制をしたところで、ギャンブル依存症対策にはならないのが現実だ。

2015年には「等価交換」が撤廃されているが、そもそも、交換されることが前提というのがおかしい。

パチンコ、トンデモない事態でファン騒然?さらにユーザー離れ加速でジリ貧か…

2015年11月9日 6時0分
 11月2日より東京都のパチンコホール全店で実施され、いまパチンコファンを騒然とさせている「等価交換」の撤廃。パチンコに明るくない人のために簡単に説明すると、等価交換とは1玉4円で買ったパチンコ玉が、同じ値段の4円で換金されることだ。
この際にも言われたことだが、ぱちんこ業界は、ライトユーザーを増やそうと躍起になっている。
1円ぱちんこなどの設定もそうした流れによるものだ。

だが、この取り組みは成功したとは言えず、ユーザーは減る一方である。
そこで出てきた今回の規制強化だが、結果から言うと、衰退するホールへの手当という側面が大きい様に思う。客への支払いを少なくする流れだ。
つまり、ユーザーや依存症の人のことなど考えていないのである。上限を下げ、下限を付けたところで、例えば時間ごとに別のホールに渡り歩くようなやり方で、この法律はあっさり突破できる。



結局、依存症対策には成り得ず、ギャンブルとしてのぱちんこを禁止しない限り、出玉規制強化など意味が無い。出玉規制は、本当に必要な対策では無いのだ。

むろん、一気に業界を閉め出してしまえば、首を吊らねばならなくなる人も大勢出てくるだろうから、出玉規制を強化しつつ、業界を締め上げるという方法はあるのかも知れない。が、本当に大切な事が依存症に対する手当というのであれば、例えばマイナンバーと連動させて、一定以上の金額を使ったら、或いは一定頻度以上通っていたら、ホールに出入りできなくなるとか、そういった具体的規制をすべきだろう。



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コメント

  1. 山田の案山子2017年7月11日 15:42

    警察・・・・天下り先を細らせる?
    前川騒動で何を学んだ?

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    1. 警察が何を学んだか……、マスコミを使って色々画策することですかねぇ?

      削除
  2. あるけむ(R.K.M)@fwbc1965_32017年7月11日 17:09

    >そもそも遊技の連続性とは、一体どうやってカウントしているのだろうか?
    これは、パチンコ台に関する規定ですね。
    現在のパチンコ台は電動による自動発射なので、「発射している時間=連続遊戯時間」でしょう。

    >「1/3以上」という項目に関しては未だマシな規定かも知れない。
    どうなんでしょうか?
    この規定は出玉を絞りすぎてもいけないという規定ですからね...
    言い換えると「1時間の出玉は発射球数の三分の一以上2.2倍以下であること」となりますから。

    >今回の規制強化だが、結果から言うと、衰退するホールへの手当という
    >側面が大きい様に思う。
    逆にホール(パチンコ屋)に対する規制強化だと考えます。
    今回の改正は、勝ち負けの振幅を小さくする方向だと考えます。ということは、客一人あたりの利益が小さくなることを意味します。
    客が多いホールはともかく、客数が少ないホールは打撃になると考えます。

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    1. ホールに対する規制強化ですか。
      入賞指導も徹底的にやっていましたし、その流れという風に理解すれば、確かにホールに対する規制と考えた方が自然なんですかねぇ。

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  3. 三店方式を規制するしかないけど、警察の上の方も利権まみれなんでしょうね。
    マスゴミが文科省とか獣医学会の利権守るのに必死なように。
    そのあたり、何とか突き崩して、現状の閉塞感を打破したい物です。

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    1. ソシャゲのガチャ規制の話にも絡んでくるので、このギャンブル性に関する取り扱いは今後もっと変わってくるのかも知れませんね。

      警察が利権塗れ、というのは、ある程度仕方が無い部分もあるのでしょうが、癒着によって必要な権力行使が行われないのは不味いですよねぇ。

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  4. 精神科の看護師出身であるワタクシからしますと、「温くね?」てのが感想です。
    まぁ対象が何であれ「中毒」てのは半端ない!
    未来とか明日とか考えないんすよ、中毒者てのは。
    そういう奴が「ハシゴする」事でクリアしちゃえる出玉抑制で中毒者無くそうなんて笑止!
    実際、パチンコ中毒で家族に見放されとる患者を知ってますし。どうもパッキーカード以来の警察利権との兼ね合いを疑いますね。警察は他の省庁と違って銭になる利権が少ないですから。そうそう手放すとは思えない。
    とにかく薬物でなくとも、明日が考えられない迄に至った精神的依存症は、麻薬と変わりません。脳内麻薬物質を出すA10神経に回路が出来てしまってる。もうそうなるとヤクもパチンコも変わらないのですな脳的には。中毒ってのは、脳内に快楽を感じる回路が出来てしまってるのですよ。
    それを焼ききるのが電パチつまり電気ショック療法とかなのですが(今でもやる医師はいますよ)、あれやると脳も壊れるからねぇ(笑)
    パチンコだからって、シャブや脱法ハーブ(実はナチュラルでなくケミカル)やヘロインとは別物であると考えるならば甘い!
    脳機能的には同じ事ですわ。
    なので、儲ける金を下げるなど甘ちょろ。現物が病棟にいたから解るけど。朝から店前に並ぶようなのは「利益」を求める奴等。中毒者となると、勝とうが負けようが「参加する事に意義がある!」なので、負け続けても台の前に座るのです。
    そんな連中に出玉抑制?
    何を脳内御花畑の平和の舞いみたいな事を言ってやがる。精神科で看護師をやった者としての実感す!

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    1. 訂正)誤解を受けそうなので。
      電パチつまり電気ショック療法とか、基本的には気分障害つまり、躁鬱の激しいの(ひどくなると発作的に農薬飲んだりする)を対象としてます。
      バッドな気分になる回路を焼ききるのです。実は中毒には使わないと思う。
      あっちはヘブンな気になる回路で、それは人の生存欲求と繋がる回路なんです。
      だから物理的に焼いたり、化学的に欲求を中和しちゃう訳にゆかないんす。
      それやると生きる意志を奪うので。
      だから中毒は、資金を凍結して、抗酒剤みたいな罰ゲーム与えてと、絞ってゆくしかない。相手の管理に任せるような手段は使えません!
      出玉抑制より、相手の口座を凍結するべきですよ。

      削除
    2. 訂正)2
      >脳機能的には同じこと

      非薬物系の依存は使用体験によって、脳内麻薬が分泌される回路が出来ている

      薬物系依存は、それら薬のベンゼン冠の構造が脳内麻薬物質に似ている為に、脳関門を突破してしまう為に起きる。

      外部由来か内部発生かは別なのですが、それが依存症を起こすシステム自体は、どちらも生化学的な由来である……という意味で書いてます。

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    3. 御丁寧にありがとうございます。

      依存症は病気で、治療が必要です。
      隔離し、安静にして、中毒症状を抜くというのは、時間がかかる話でしょう。僕は医療現場から遠い所で働く人間なので、詳しい事は分かりませんが……。

      何れにしても、今回のこのことでは、ぱちんこ依存症の対策にならないのでしょうね。

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