EPAとフランスの方針と

安倍氏が頑張ってはいるが……。

日本とEU、EPA協定で大枠合意 多品目の関税撤廃へ

2017/7/7
合意の下、世界最大級の経済規模を誇る日本とEUの間で多くの品目への関税が撤廃される。
しかし、具体的な合意内容については、ごく一部しか明らかにされておらず、実施に移される協定がまとまるまでには、なお時間がかかる見通しだ。

素直には喜べない話だな。



TPPが頓挫した今となっては、EPA協定は重要な役割を果たす可能性がある。が、ヨーロッパってアメリカより信用できない印象があるのはどうしてだろう?

ともあれ、タイミングは良かった模様。
ブレグジットに対抗
ドナルド・トゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)は、大枠合意は世界貿易を強く支持するEUの姿勢を表していると述べた。「我々はやり遂げた。我々はEUと日本との間の政治・貿易協議をまとめた。EUは世界への関与をさらに深めている」。
トゥスク大統領はさらに、EUが自由貿易を推進できないという、一部のブレグジット(英国のEU離脱)支持者の言い分について、今回の合意が反論になると語った。「孤立主義と分裂の時代が再びやってくると言う人もいるが、それは違うと我々は示している」。

イギリスがEUから離脱するという段階にあって、EUとしても色気を出したいタイミングであったこと、そして、TPPが頓挫した今、寧ろアメリカと日本が組まれるよりは、先に日本と有利な条件での貿易が出来る方が旨味がある可能性がある事、など、色々な要因があったのだと思う。
_96828239_mediaitem96828238
何処かのバカ政党は、「加計学園ガー、再審議ガー」などと喚いていたが、安倍氏の能力はこうした分野に特化しているので、外で仕事をして貰った方が良い。



ただまあ、フランスがこんな話題を提供していたが、EU全体はどうにもおかしな方向に爆走している様子。

フランス政府、ガソリン車の販売を2040年までに全廃

2017.07.07 Fri posted at 11:59 JST
ロンドン(CNNMoney) 地球温暖化対策を推進するフランス政府が、ガソリンやディーゼル燃料で走る自動車の販売を2040年までに全廃する計画を発表した。
2040年以降は、電気自動車などクリーンエネルギーを使った自動車のみ販売を認める。ハイブリッド車も容認する。
フランス政府で「エコ転換」推進を担当する二コラ・ユロ氏はこの目標について、同国の自動車メーカーが革新を遂げ、「市場リーダー」となることを後押しすると述べ、「日常的な移動手段の革命が我々を待ち受けている」と語った。


「ハイブリッド容認」などと言っているが、事実上、モーターで走れ!電気以外まかり成らぬ、という流れになりつつある様だ。

正直、日本の得意分野である自動車がメインで売れぬとなると、なかなかこの交渉自体が良かったのか?という話になりかねない。
もちろん、まだ商売の余地はあるし、自動車部品の関税は即時撤廃とあって、旨味が無い訳では無い。



しかし、巨大産業の自動車が売れた方がより嬉しいのは事実。
フランスは、政府の後押しものと、従来のガソリン自動車やディーゼル自動車に別れを告げる目標を掲げたわけだが……。
政府は目標の達成に向けて、電気や水素といった代替となる動力源の開発支援など幅広い取り組みを推進。電気自動車を充電するための新しいインフラ整備にも補助金を拠出する。
日本の自動車産業界も、この流れに追随するしか無い。

実のところ、アメリカが既にこの方向に舵を切っているし、ただでさえテスラの勢いは目を覆いたくなる状況だ。

アメリカのZEV規制

アメリカのカリフォルニア州の大気資源局(CARB:California Air Resources Board)は1990年代からZEV(Zero Emission Vehicle:排ガスを出さないクルマ)の構想を進めてきている。これは、カリフォルニア州は公共交通が乏しく究極のクルマ社会であり、クルマが多いことと地形的な特徴から大気が全米で最悪といわれている。大気汚染は深刻な大問題と考え、アメリカ政府よりはるかに厳しい排気ガス規制を模索する背景となっているのだ。
こんな感じの排ガス規制方針が既に決定しており、それは2018年よりより強化される予定になっている。
また2018年以前のZEV規制では、ハイブリッド車、天然ガス車、低燃費ガソリン車もZEV対応車と認められていたが、2018年以降はこれらを認めず、EV、FCV、PHEVに限定されることになったのだ。したがって、ZEV規制の対象となる自動車メーカーはEV、FCV、PHEVのいずれかを開発しなければならない。
アメリカの石油メジャーは良くコレ許したな……。



まあ、この傾向は寧ろヨーロッパが牽引しているのであって、フランスが一人狂気の沙汰に陥っていると言う訳では無い。

■ヨーロッパのCO2規制

一方、ヨーロッパでは、自動車メーカーの企業平均(その自動車メーカーで販売している全部のクルマの加重平均値)となるCO2排出量規制は、2020年には95g/kmとする規制が始まる。この規制は当然ながら大排気量車を多くラインアップしているプレミアム・メーカーには厳しくなる。もちろんヨーロッパの使用環境では、EVは価格と航続距離、FCVは車両価格と水素インフラの課題があるため、ここでもPHEVの必然性が大きくなってくる。
トヨタを始めとする自動車メーカーにとって、血で血を洗う開発競争を勝ち抜かねば、勝利にはほど遠い。
 
そう言えば、トヨタさんPHVを売っていたようだけど、あれ、売ると赤字になるのでヤリタクナイ様子。割と成功したと言われるのは三菱のアウトランダーPHEVだが、三菱自動車本体がもはや信用を失っている今となっては、どうなんだろうね(PHVとPHEVの中身はほぼ同じだと思って良い様だ)。
なお、この流れの中で「安く供給できる韓国のリチウムイオン電池」が勝負の鍵になるらしいが……。
ところが現在では、主として韓国のLGやサムソンから安くリチウムイオンバッテリーが得られることができるようになりPHEVの実用化が加速しているわけだ。
爆発企業が業界を牽引しているのだから、目も当てられない。



しかし、PHEVにしろEVにしろ、性能はバッテリーの完成度で決まってくる。トヨタはパナソニックと組んでリチウムイオン電池の開発に血道を上げていた時代があったが、三菱電機を要する電気製品全般に強い三菱自動車との技術力の差はどうしても埋めがたいものがある。

トヨタとしては、巨大な「自動車産業」を背負って立っているという自負がある分、「エンジンを切り捨てる」という選択肢を選び取ることは不可能だ。
その選択肢を選ぶのはどうしても時間がかかるだろう。

となると、日本政府がやるべきは、こうした自動車産業の後押しで、EVやPHV、PHEVの普及に向けたインフラ整備を加速させることであろう。

流石にトヨタの目指していたFCVの方面でどうにかなるとは、もはや思えない。

トヨタなど世界13社、水素利用の推進団体 燃料電池車普及狙う

2017/1/18 10:11
【ダボス(スイス東部)=原克彦】トヨタ自動車やホンダ、独ダイムラーなど世界の自動車やエネルギーなど大手13社は17日、燃料電池車(FCV)などで水素エネルギーの利用を促す新団体を発足した。各社の研究成果を共有し用途の多様化や利益確保の手法を探るほか、規格の標準化などを図る。FCVは電気自動車(EV)に比べ普及が遅れており、業界の枠組みを超えた連携組織で巻き返しを狙う。
エンジンを作る!と言う意味ではFCVの方向で何とかしたいのは山々なのだろうが……。



そんな訳で、日本政府はEVの促進に向けて、後押しを進める様に研究開発費を投入し、税制的な優遇を設け、そして、インフラ整備を推奨するなどの方面で資金投入と法整備を急がねばならない。

もりかけ騒動で右往左往している野党も、偶にはまともな仕事をしてほしいものだが……。


ランキングへの応援クリックよろしく!
にほんブログ村 ニュースブログ 時事ニュースへ






コメント

  1. 中国製を含むボルボが2019以降PHV・EVのみ生産すると発表

    返信削除
    返信
    1. 追加
      ZEV ガソリンエンジン  PHV
       ディーゼルエンジン HV もあります

      削除
  2. あるけむ(R.K.M)@fwbc1965_32017年7月7日 19:01

    フランスは(電気自動車に傾倒している)ルノー日産の側面援護を行っているのではないかと邪推。

    返信削除
  3. たしかこれ、10年かけて自動車の関税をEUが落としてゆく半面、日本は15年かけて農産物の関税を下げてゆく(もちろん両者がバーターて訳ではなく、複数ある項目のうちの二つしか私が思い出せないだけですよ)……でありませんでしたっけ?
    チーズ(関税率30%)を取り合えず10%だかに下げると。んな風に聞いたような。
    これ、自動車とか工業製品だけ注目すべきでありませんよ!!
    この件で北海道の畜産が大打撃うけるのは間違いないと思います。で、それは畜産だけじゃない!
    酪農と畑作を兼業する畜産農民は多いのです。
    しかもですね、この数年、ポテチのメーカーや、マクドナルドが凋落した背景には、十勝平野でのジャガイモ栽培が異常気象でガタガタになった事が背景になってます。
    という事は、ここで酪農を殺してしまうと、他の北海道の農産物生産にも影響するんです!
    何故ならば少なくない畜産農家が破産すれば、農地は荒地野原に戻る。都会人や政治家や官僚は、食料危機が来たら「農地に戻せば良い」と考えてる。
    甘い甘すぎる!!
    荒れ野原を農地に戻すには、戻すだけで一年。元の収穫量まで土地を肥やすのに三年と言われる。
    食料危機になってから耕しても間に合わないの!!
    日本の食料自給率は40%を切ってます。
    でも北海道は、
    ジャガイモ940%
    小麦190%
    米125%
    小麦190%
    乳製品300%
    野菜240%
    魚介類417%
    を道内で自給しとります。北海道だけなら200%、十勝平野だけなら1000%と言われます。これは420万人を養える食料生産地なのです!
    それを、それをお百姓さんを苛めて、車ばかり心配してると知りませんよ!
    北海道の農地がダメなったら、日本の食料自給率は20%切りますからね!
    チーズ無関税化への道は、我が国の食料供給源をガタガタにして、農地を荒廃させる道なのです!
    TPPが去ったらこれか?
    何度も言いますが、農家をたち行かなくして、農民が農地を手放したら、一年の放置で元の収穫量に戻すのに三年かかります!
    世界的に太陽黒点現象の減少が観測されている現在、1発、アメリカの穀倉地帯でゴトがあれば、世界的に食料価格はガチ上がるのですぜ!
    その時にタイヤを食って生き延びろ!とでも言うのですかね?
    自動車市場の心配するのならば、その何割かでも、
    EUに滅ぼされる国産チーズ、牛乳、ジャガイモの心配もしてくれませんかね?
    数年前からバター価格が上昇しながら、牛乳は生産調整で酪農農民が離農に追い込まれてます!
    それは加速すれば必ず農地の荒廃にも繋がる!
    元自としても言いますが、F35あっても、飯が無ければ自衛隊は国を護れません!
    タイヤを食って国は護れません!
    NISSANやTOYOTAの心配するなら、北海道の食料も考えて欲しい!

    返信削除
    返信
    1. 繰り返しますが北海道の農地が荒廃してダメになったら、日本の食料自給率は20%を切ります!
      TOYOTAやNISSANやHONDAが潰れようと日本人は死にませんが、北海道の農地が荒れれば自給率20%切りです!
      車市場どころでないでしょう!

      削除
    2. フランスは言語学者の兄貴が言ってましたが、
      基礎単語のうち1000語が鋤だの鍬だの、農業単語な国です。徹底的な農業国。
      ただ二つの大戦で工業国ドイツに蹂躙されたトラウマから、ミラージュ戦闘機からコーヒーメーカーまで自国製ブランド死守になった。
      しっかり原発でエネルキー、食料自給率200%以上を維持した上での「交渉」すよ!
      そんなんに騙されたらいけません!
      それに彼らはイタリアとかスペイン、東欧、に広大な食料輸入先が確保されてます。
      我国とは違う!

      削除
  4. あるけむ(R.K.M)@fwbc1965_32017年7月8日 0:07

    とりあえず、判明している合意内容を整理してみました。
    ーEU側
    ・自動車→8年目に関税撤廃
    ・自動車部品→貿易額ベースで92.1%の部分に当たる関税を即時撤廃
    ー日本側
    ・ソフト系チーズ→関税割当枠を設けて段階的に引き下げ、16年目に無税
    (枠の数量は初年度が2万トン、16年目が3万1000トン)
    ・ワイン→関税即時撤廃
    ソース)Bloomberg「日欧EPAが大枠合意、自由貿易推進鮮明に-2019年発効目指す」
    ソース)産経新聞「【日欧EPA大枠合意】ワインやチーズ値下げで食卓に恩恵 小売り業界「積極的にセール仕掛ける」」

    で、チーズの国別輸入量を見ると(2015年の統計で少し古いが)EU圏は輸入量全体の四分の一しかない。もっとも多いのはオーストラリア
    ソース)日本輸入チーズ普及協会「チーズの統計」

    オーストラリアとは日豪EPAを締結済み。チーズの扱いは日欧EPAと類似(期間は20年)
    ソース)税関(財務省)「日豪経済連携協定(EPA)の概要」

    情報としては、こんなところでしょうか。

    個人的には、酪農行政(農林水産省)・農協(ホクレンなど)を疑っています。
    テレ東の番組「ガイアの夜明け」で酪農問題を取り上げてました。
    自分が理解した問題点は、以下の二つです。
    ・生乳が余っている(捨てている)のにバター不足→NZから輸入
    ・生乳の出荷先を指定できない→競争がなく農家の収入が目減り
    この問題は、日欧EPA・日豪EPA以前の問題ではないかと考えます。

    ついでに、必要な国内体制の整備や対策の策定担当は、石原伸晃だそうです。大丈夫かなあ...

    返信削除
    返信
    1. あるけむ様ありがとうございます。
      いつもながら迅速かつ正確な追跡は頭が下がります。
      それで石原さんか…安部総理の猛獣独裁者を操る豪腕までは期待しないけれども、もう少し切れ物な方を頼めないのですかね?

      それと記事違いですが、あるけむ様の言われる「山から運ばれる栄養物」は、実は海の漁業にも関係あるみたいですよ!
      CWニコル氏が何かで書いていたけど。
      アラスカや北米で、鮭の遡行が減ったら、
      漁業も不審になったデータがあって、
      ある時に鮭肉をチップにして、山野にバラまく作戦を始めた。散布で熊が活動して、かなりの自然保護官が死んだのですが。
      やったら漁業がだんだん上向き始めたと。
      やはり、伊勢神宮だかのように、多様性を認めて、そこから流れた栄養物が、プランクトンに影響して、沿岸漁業にも影響するらしいです。
      漁業てのは海の狩猟でして、養殖と違って海洋の復元性に頼ってます。それでどれだけの食料を得られるかと考えたならば、狩猟どころか畜産も到底かなわない。
      どれだけ海洋に復元性があるかの実証です。それすらも、河川から流れる栄養物と密接にリンクしてあるわけです。
      俺は若い頃にマグロに乗っていたので、
      海洋の生物資源が野生のままで、どれだけ凄いか解ります。それも陸地から流れ込む様々な栄養物やミネラルに支えられての事であると。
      この点は、貴兄が御指摘された部分は、実は大きな問題点であると私は考えます!

      削除
  5. 10年かけて自動車の関税を減らすだの、15年かけて農産物の関税を減らすだの、言ってるけど、そもそも、10年後にEUって残ってるのかしら。

    返信削除
  6. 色々コメントありがとうございます。
    コレに関しては、農業的側面に関しても掘り下げておくべきでした。

    時間があればやりたいと思います。

    返信削除

コメントを投稿

お気軽にコメントを!ハンドルネームは面倒でもお願いします。