北朝鮮への牽制で、爆撃機をエスコートするF-2

スルーしていたニュースだが、注目してみたい。

北朝鮮ICBMへ対抗措置 米軍が爆撃機展開でけん制

7月8日 13時56分
アメリカ軍は、北朝鮮が発表したICBM=大陸間弾道ミサイルの発射実験への対抗措置として朝鮮半島の周辺でB1爆撃機2機を飛行させ爆弾の投下訓練などを実施して北朝鮮を強くけん制しました。
7月8日のニュースなので、既に賞味期限切れ、とも言える。が、ちょっと見逃していたことがあったので、その辺りを含めて考えてみたい。


考え直す切っ掛けはこちら「ぼやきくっくり」さんのサイトの内容からだ。
ちなみに、内容は虎ノ門ニュース7月10日付けのものである。2時間もあるので、聞くのも大変である。そういう意味では青山繁晴氏のファンサイトであるぼやきくっくりさんには感謝している。
何しろ、内容について余計な解説を交えずに書き起こしをしてくれているのだから。

さてさて、前置きはともかく、どんな話だったのかと言うことについて言及していこう。
爆撃機
これはNHKのサイトから拝借してきた映像である。
B-1B
こちらは5月2日に行ったB-1Bのデモ飛行である。この時は朝鮮半島上空を飛んでいる。
アメリカ軍によりますと8日、グアムを飛び立ったB1爆撃機2機が韓国軍の戦闘機と合流して朝鮮半島の周辺を飛行し、韓国内の訓練場で爆弾の投下訓練などを実施したということです。
で、それに引き続いて7月8日にも朝鮮半島周辺を飛ばしている。同じくB-1爆撃機2機という構成だ。
だから、「ああ、またか」と、そう思っただけだった。


だが、ちょっと注目すべき点があった。

米爆撃機 航空自衛隊の戦闘機と東シナ海を飛行

アメリカ軍によりますと8日に朝鮮半島周辺を飛行したB1爆撃機2機は、その後、グアムに戻る途中に航空自衛隊のF2戦闘機と合流し、東シナ海の上空も飛行したということです。
アメリカ軍は6日にもB1爆撃機を東シナ海に展開させて航空自衛隊のF15戦闘機2機と合流し太平洋軍の指揮下にある爆撃機としては初めて航空自衛隊と夜間飛行訓練を実施したとしています。
実は、F2もB1のエスコートをしていたのである!
F-2戦闘機、これは日米合同開発をして出来上がったF-16の皮を被った別モノの戦闘機だ。どっちかというと直線番長仕様で、対鑑爆撃特化というF-2が何故わざわざB1爆撃機のエスコートをしたのか?
この時はグアムに戻る途中に南シナ海の上空も飛行していて、アメリカ軍としては中国を念頭に爆撃機の展開能力などを示す狙いもあると見られます。
目的はNHKのニュースではこの様に、「南シナ海」の上を飛ぶことで、支那に圧力をかけている。と、そのように分析している。
 
ただし、爆撃機をF-2戦闘機がエスコートするのは前代未聞の話。


ところで、翌日に別ルートから別の報道があった。

北を威嚇!米B1戦略爆撃機が発射台“爆撃”訓練初公表、軍事境界線付近まで飛行も

2017.7.9

【ソウル=名村隆寛】米韓両軍は8日、米軍のB1戦略爆撃機2機が参加し、弾道ミサイル発射台を標的とした爆撃訓練を行った。韓国空軍が発表した。北朝鮮が4日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を強行しており、訓練で北朝鮮を強く威嚇した。
ここまではNHKと同じ。ただし、以降がちょっと違う。
 訓練では、グアムの米空軍基地から飛来したB1爆撃機が韓国上空に展開。北東部江原道(カンウォンド)の訓練場に設けられた核心施設(ミサイル発射台)に見立てた目標物を標的とし、“爆撃”した。韓国軍のF15戦闘機も参加し、B1爆撃機による爆撃訓練に続き、地下の重要施設への攻撃訓練を実施した。
韓国ではミサイル発射台の模型を爆撃。
続いて地下の重要施設への攻撃訓練をしている。
 B1爆撃機はそのまま北朝鮮との軍事境界線付近にまで飛行。北朝鮮を強く牽制(けんせい)した。B1爆撃機は韓国軍との訓練後、九州周辺の空域で航空自衛隊とも共同訓練を行った。
そして、南シナ海ではなくて九州周辺の空域で、航空自衛隊との共同訓練を行っている。
日本経済新聞も引用しておく。

米爆撃機が日韓と共同訓練 北朝鮮と中国けん制か

2017/6/21 1:28
【ソウル=共同】米太平洋軍は20日、グアムのアンダーセン空軍基地を飛び立ったB1戦略爆撃機2機が同日、九州から東シナ海、韓国上空にかけて飛行し、航空自衛隊と韓国空軍と共に共同訓練を行ったと明らかにした。北朝鮮に加え、中国もけん制する狙いがあるとみられる。
B-1爆撃機は、九州から東シナ海に飛んでいった模様。
つまり、NHKの東シナ海での訓練というのはちょっと違ったのでは無いのか?ということだ。

で、青山氏の分析はなかなか興味深くて、「朝鮮半島周辺をB-1爆撃機を飛ばすのは韓国側に対する圧力なのだ」と。
左よりのムン君が、北朝鮮になびいている現状を考えると、アメリカが引き締めない限り、緩みっぱなしになりかねない。だから、軍部の士気を高める意味でも爆撃機を飛ばす判断をしたと。

まあ、半島上を爆撃機が飛ぶのだから、敵味方両方の緊張が高まるのは当然の帰結である。相手側のミサイルを飛ばす行為も当然、挑発なのだが、既にダレてきている感がある。
アメリカ軍によりますと8日、グアムを飛び立ったB1爆撃機2機が韓国軍の戦闘機と合流して朝鮮半島の周辺を飛行し、韓国内の訓練場で爆弾の投下訓練などを実施したということです。
そこで、アメリカはB-1爆撃機を使って爆弾投下訓練までしたのだから、まあ、デモンストレーションでは無く、「本気で行けるぜ?」という脅しであったと理解すべきだろう。
また、日本を参加させたことについても、「本気で連携できるんだ」というメッセージである。そして、日本の自衛官に関しても爆撃機のエスコートという訓練をさせたという意味合いも強いのだろう。
何しろ、日本には爆撃機が無いのだから、当然、自衛官も爆撃機のエスコートは未経験である。


さて、ここまでが青山氏の分析だが、僕はもう一歩、日本側からの要請があったのでは無いか?という予測をしている。

既に、敵基地攻撃手段の獲得に関する議論をする、という段階に来ている。特に自民党を中心に、こうした議論が出てきていて、これはやるべきだと僕も思う。
その選択肢の1つとして、爆撃機の獲得というのがあるのでは無いか?と。その為の布石ではと推測している。

もちろん、敵基地打撃手段としてのミサイル獲得も、アリだとは思うのだけれど、爆撃機の取得も検討すべきだし、その為の材料なのでは?という風に感じている。
まあ、これは根拠の無い全くの憶測なんだけれど。


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コメント

  1. あるけむ(R.K.M)@fwbc1965_32017年7月14日 17:16

    一応、元記事にはあるのですが...
    6/21記事の訓練はFー15、7/8記事はF-2なので、空自側は別部隊ですね。

    >爆撃機の取得も検討すべきだし、その為の材料なのでは?という風に
    >感じている。
    戦闘爆撃機(戦闘攻撃機)なら、F-2の増勢(は難しいけど)か、F/A-18E/Fの導入でしょうね。
    (石破のエセ軍事マニアの馬鹿が・・・)
    大型機だとしたら...とりあえずP-1の改造型ですかね・・・アメリカがB-1Bを売ってくれるとは思えないので。

    返信削除
    返信
    1. B-1Bを売って貰ったとしても維持するだけでも大変なことになりそうです。
      F-35A辺りでフォローが出来ると一番いいのかもしれません。

      石破氏のアホな選択のお陰でF2のラインは潰れてしまいましたが、あれが返す返すも残念です。

      削除
  2. これ素朴な疑問があって、どなたか教えて頂けませんかね?
    このB1爆撃機てレーガン政権以前に導入されたB1ロックウエルすよね?
    これまだ生産してるんすか?
    80年代の戦略爆撃機ですぜ? ロートル過ぎません?
    そりゃブラックバード(SR61だか71だか)みたく、長く現役(今は知らない)していた機種もあるが、
    あれは偵察機すよ。電子機器と撮影設備を代えれば良いだけ。でも爆撃機となるとそうはいかないでしょう?
    未だに現役なんすかね?
    それとももう、生産はしてないのだろか?
    米軍のM1戦車は、もう戦車としては生産してない。
    壊れると本国に送り、全分解して、部品だけ新しくした製品に変えてニコイチみたいにして戻すと言います。それと似たような事をB1もしてるのですかね?
    それならば多額の維持費は係らずに済むが、とはいえ……どー考えても超音速爆撃機には、戦車などより遥かに多くの精密性が要求されますよね?
    パーツのみ生産による、オーバーホールだけで、その機体の性能を維持し続けるのは無理だと思うのですが、どうお考えになります?

    返信削除
  3. あるけむ(R.K.M)@fwbc1965_32017年7月15日 7:17

    けるびむ様

    >このB1爆撃機てレーガン政権以前に導入されたB1ロックウエルすよね?
    そうです。レーガン政権が配備しました。生産は終了してます。
    >80年代の戦略爆撃機ですぜ? ロートル過ぎません?
    というものの、B52も現役ですからね...
    もちろん、新型兵器に対応するための機能追加・能力向上(Update)はしているようです。(ニコイチはしてないようです)
    機体フレームに問題なければ、性能は維持できると思います。
    どうしても、離着陸時などでは、機体フレームに応力がかかるので、微細なヒビが入ります。その結果、機体フレームが持たなくなって廃機になります。
    逆に言えば、離着陸や高機動の少ない戦略爆撃機は、長持ちします。
    (低空侵攻が主戦術のB-1BはB-52より寿命が短いようです)

    >米軍のM1戦車は、もう戦車としては生産してない。
    そうらしいですね。
    >壊れると本国に送り、全分解して、部品だけ新しくした製品に変えて
    >ニコイチみたいにして戻すと言います。
    戦地で故障または破壊されたM1A2は、ニコイチ&Updateして戻すようですね。
    そのほかに、モスポールしてあるM1(105mm型)をM1A2に改造して補充することもあるようです。

    返信削除
    返信
    1. あるけむ様
      御回答をありがとうございます。
      確かに戦闘機ではないからフレームへの影響は少なめだろうと納得いたしました。
      その点では長持ちなのでしょうね。
      御指摘通りにフレームの重要性から、ニコイチは難しい。これも納得でした。
      ありがとうございました。

      削除

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